ヒーローに助けられた者のお話   作:気まぐれプリンセス

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隊長達と新年会!

正月。

 

 

この日は帰省した隼人と共に初詣に行き、帰りに真子、ローズ、ラブと合流して五人で新年会を居酒屋で行うことになっていた。

もちろん隼人はまだお酒が飲めないためお茶で同伴するが。

 

朝から行くと確実に神社は混んでいるため、昼過ぎに初詣に行った。

 

 

「やっぱ空いてますね。僕人混みダメなのでよかったです。」

「だろ?去年朝行くってお前が駄々こねてひでぇ思いしたしな。」

「だっ駄々こねてませんよ!!ただ雰囲気味わってみたかったなって思っただけですし!反省してますよ!」

 

 

去年は酷かったのだ。

毎年拳西が正月くらいゆっくりさせろと言うので初詣は昼頃だったり行かなかったりであったが、去年はせっかくなので初日の出を見たい、朝に初詣行きたい!と隼人が提案したのだ。

 

乗り気でなかった拳西を何とか説得して早起きに成功したが、初詣は非常に混雑しており二人とも疲弊してしまったのだ。

 

その後の予定もままならないぐらい疲れてしまったため、真子達に「辛気臭い顔すなアホ!」と言われたのを思い出した。

 

 

賽銭を入れ、きちんとした規則に則って参拝を行った。

 

 

「拳西さんは何かお願いしたんですか?」

「強くなりてぇって願ったぞ。まぁ実現してみせねぇとな。」

「おぉ~~~かっこいいですねぇ~~~。」

「何だその目は・・・。お前は何か願ったのか?わざわざ浅打にも何か祈ってたよな?」

「はい。」

 

 

神社に対しては生活に関わる願い、そして持ってきた浅打に対しては死神になるためのことに関わる願いをした。

どちらも単純だが、ほぼ毎年同じ願いをしているのだ。

 

 

「このまま毎日楽しくいられますようにっていうのと、もっと強くなれますようにっていうのです。毎年同じですし、何かちょっと矛盾してるような気もしますけどね。」

「いいだろ別に。お前が実現してほしいと考えることを願えばいいんだよ。あんま気にすんな。」

「そうですね。それも毎年言われてる気がします。」

「うるせぇ。」

「それも毎年。へへへへ。」

 

 

いつものように会話した後、おみくじを引いた。

 

2人とも末吉。微妙すぎる。

引いた瞬間無表情になってしまった。

 

 

「・・・・・・普通でいいだろ。変にいいヤツ当たったら浮かれちまうしな。」

「えーでもたまには大吉とか出て欲しいですよー。」

「うるせぇ気にすんな!いいから縛りにいくぞ。」

 

 

有無を言わせない拳西の指示で結局縛りに行った。

まぁ普通がいいか。普通でいることも幸せだもんな。

などと心の中で納得した後、しばらく歩いてから目的地の居酒屋に到着した。

 

すでに他三人は集まっており、早く酒を呑みたくてうずうずしているように見えた。

 

 

「おう遅いぞ拳西。待ちきれなくて飲んぢまおうかと思ってた所だったぜ。」

「ラヴとシンジを止めるのも大変だったんだよ。」

「早よ呑むで~~~!!今日は無礼講や~~~!!!!!」

 

 

五人中四人が隊長だし無礼もクソもないだろと隼人はツッコミそうになったが万一ツッコんだら平子に十倍返しされるのでやめておいた。

 

四人がお酒と一人が冷えたお茶(まだ飲めない)で

 

 

「かんぱ~~~~~い」

 

 

と合図し新年会は始まった。

 

 

「鉄左衛門くんとはどうかい?仲良くしてる?千鉄がいっつも心配してるんだよ・・・。」

「そりゃあもう全然仲良くしてますよ!お世話になってます。」

「よかった~~!」

 

(はぁ・・・。この話もう何回目だろ・・・。)

 

 

ローズに会う度に何故かいつも物凄く心配されてしまうのだ。

あの母親の性格上心配している素振りは全く見せないし、息子のことなど放任で特に考えていないように見えるため、ローズに心配されてるという実感が強いのだ。

 

むしろ射場ちゃんのお母さんが心配しているのはアンタだよ。

 

 

「ローズさんも射場ちゃんのお母さんと上手くやってますか?よく楽器没収されてるって聞きましたが。」

「ギクッ!何でハヤトが知ってるんだい!?」

「射場ちゃんからですよ。お母さんがいっつも怒ってるって言ってますよ。相変わらずですね。」

「ブッハハハハハハ!!副隊長にケツ叩かれてダッセーな!!」

 

 

また事実だが容赦のないラブのツッコミでローズが落ち込んでいた。

そしてそのツッコミをしたラブは久々に会ったが今日も相変わらず髪型がキマっていたため、隼人はその秘訣を今度こそ暴きたくなった。

 

 

「やっぱりラブさんはその髪型どうやって作ってるんですか?浦原さんの協力ですか?」

「オメーまだそれ聞く?もうかれこれ五十年近く聞いてるぞ。」

「だって気になりますよ!そんな派手を凝縮した髪型!ちょっと羨ましいですし。」

「ブッ!!!!!!!」

 

 

ちょっと羨ましいという問題発言で隣にいた拳西が酒を吹き出してしまった。

何故そんな突拍子もない発言をしたのか。真意が気になる。親として。

 

 

「お前・・・あんな髪型が羨ましいのか・・・。」

「えっ!?いやあれ自体がってわけじゃないですよ?僕はどうしても地味な見た目だから・・・。何か性格だけで悪目立ちしてそうで・・・。それで見た目も派手だったら均等でいいかなって思うんですよ。」

「お前はそのままでいいぞ。変に髪型まで目立って余計悪目立ちしちまったら手付けられなくなっちまう。」

「余計って!!!!どういうことですか!!まるで既に悪目立ちしてる見たいな言い草して!!!」

「このまえ室内で鬼道ブッ放して怒られたのはどこのどいつだコラ!!!」

 

 

あっこれは何も反論できないぞ。

素直にすみません・・・・・・。と謝ったが、出来上がりつつある平子に意外なことを言われた。

 

 

「隼坊も親の影響ばっちし受けとるんやな。短気なトコとか拳西そっくりやん。」

 

 

そんな訳ない!!それだけは断じて認めん!!

怒りがヒートアップした隼人は物凄い速度でまくし立て始めた。

 

 

「違いますよ!そんな訳ないじゃないですか!!あれは特別な事情があってやってしまったんですよ!それと拳西さんには今でも色々学ばされることがたくさんありますがね!!短気なところはきちんと反面教師にしてるんですよ!!こういう時には怒っちゃいけないとか院でも色々考えて・・・・・・」

 

「何かいつになくハヤト饒舌だね・・・。」

「おい・・・間違えて隼人に酒飲ませてねぇよな・・・・・・。」

「一応隣で注意して見てるがお茶しか飲ませてねぇぞ。」

「茶で酔うとかもはや才能やんけ・・・・・・・・・。」

 

 

隊長四人がドン引きするレベルでまくし立てていた隼人は、

 

 

「あーーーもう我慢ならん!!おじさんお茶もう一杯!!!!!!」

「はいよーー!!・・・・・・お兄さん達、間違えて酒飲ませてないよね?」

「茶しか飲んでへんで・・・。」

 

 

居酒屋のおじさんすら怪訝に思うぐらい酔って(?)いた。

 

 

まさかずっと気になるラブの髪型の話からこんなに自分が取り乱すとは思っていなかった。

ゼーハーゼーハー疲れた隼人は、今度はヤケ食いを始めてしまった。

 

 

「お茶も来たことですしたくさん食べますからね!今日はたくさん食べますよ!!」

「お前少食のクセに無茶すんな。」

「ホントにお酒飲ませてないよね?」

「こりゃ酒飲めるようになんのもまだまだ先だな・・・・・・。」

 

 

恐らく新年会という雰囲気でテンションが限界突破してしまったのだろう。

そういうところはやっぱり子どもだが、この調子じゃ酒を呑めるようになるのはまだまだ先だ。

院を卒業したら記念にお酒デビューさせようと拳西は思っていたが、計画見直しを検討することにした。

 

 

「あぁほら!この鶏肉の混ぜご飯とか美味しいですよ!!刺身も初めて食べましたが案外いけますねぇ!!」

「わーった。わーーったから!うるせぇから一旦落ち着け!!」

「ぎゃふんっ!!!」

 

 

肩を揺さぶってくる隼人にさすがに我慢ならなかった。

拳西のでこピンでちょっぴり気を失ったあと、正気になった隼人はかなりショックを受けていた。

 

 

「やってしまった・・・・・・・・・取り乱して大変申し訳ございませんでした・・・。」

「メチャクチャオモロいもん見れたからええわ。」

「あぁ・・・・・・何て失態・・・・・・!」

「おい泣くな!余計メンドクセェことになるぞ!」

「・・・・・・意外と泣き上戸なのか?」

「なんだかハヤトも忙しないね。」

 

 

取り乱して落ち込んだ後、危うく号泣しそうになるなど、完全な酔っ払いである。

これを素面でやってのけるから中々の猛者だ。

一応新年会が始まって一時間足らずの出来事であるが、早々に隼人は休ませることにした。

 

小上がりの隅っこで拳西の隊長羽織をかけて寝かしつけた後、他の四人はまた隼人の成長を感じていた。

 

 

「しかしコイツもなかなか成長したなぁー。霊圧とかも入学前よりかなり増えてるぞ。」

「そうだな。お仕置きする時も俺が霊圧こめねぇと足りねぇぐらいだ。」

「しつけに霊圧込めとるんか!!はぁ~~容赦のないやっちゃな~~。」

「いやそれはやり過ぎでしょ拳西・・・。」

 

 

至極真っ当な感想をローズが言ったが、本当に腕白した際のお仕置きは霊圧を込めているのだ。

それでも気を失わず耐える時が稀にあるのがすごいが。

そして彼らの話は隼人の今後についてのことになった。

 

 

「卒業したらどこ入る言うてんねん。場合によっちゃあ隼坊家から追い出すんか。」

九番(俺んトコの)隊っつってたぞ。最初は追い出すつもりだったが今日の体たらく見てると不安になっちまったな・・・。」

「どーせ追い出すつもりないんだろ?白が子離れできてないって馬鹿にしてたぞ。」

「はぁ!?あいつまた余計なことを・・・・・・・・・!!!!」

 

 

全く自覚は無いが、三年ほど経って未だに子離れできてないのだ。

家に帰っても一人だと寂しいため(これも自覚ナシ)、長期休暇や正月に帰ってくることを義務付けたり、この前院に呼ばれた時も自分の仕事そっちのけで院に行き叱りつけた。

 

その他にも何回か様子をこっそり見に行ったが、実際隼人はしっかり自立しているように見えたのだ。

一年目の執拗な嫌がらせも特に拳西が助けを入れずに対処していたし、その後も困ったことがあれば自力で対処するようになっていたのだ。

 

昔何でも己に頼っていた泣き虫の少年とは違う。そんなことは分かっている。

だが未だに今日みたいに同年代の子どもよりも子どもっぽいところがあるので、そういうところを見ると親ながらに不安になってしまうのだ。

 

 

長い付き合いの他三人は親ながら不安になっている拳西の気持ちなど見透かしているので、別に追い出さなくてもいいのでは、むしろ家に居てもらったほうが飲みに連行されないから嬉しいなどと考えていた、

 

 

「ボクは別に追い出さなくていいと思うよ。朽木家とか志波家だって追い出してないし。」

「俺もや。もう何遍も飲みに連れんのも勘弁してほしいわ・・・・・・オマエ酒強すぎるねん・・・。」

「オメーの好きにしろ。時間はまだあるし、まぁ家にいても追い出してもあんま変わらねぇと思うぞ。」

 

「そうだな・・・。まぁある意味コイツ次第だな。」

「んーーーー・・・・・・。」

 

つんつんと頬をつついてやると苦しそうに唸る隼人はやっぱりまだまだ子どもだ。

 

その後夜も更け二次会に誘われたが、地味にずっと寝ていた隼人を連れていくのも疲れるだろうし、明日の女性死神協会の行事もあるので残りの三人で楽しんでもらうことにした。

 

おんぶしながら家まで歩いていると、揺さぶられた隼人が目を覚ました。

 

 

「・・・・・・何か僕完全に酔っ払いですね。酒一切飲んでないのに。」

「凄かったぞお前。酒飲んでもあんな悪酔いするやつ俺の周りに誰もいねぇな。」

「こんなんじゃ一生飲めませんね・・・。」

 

 

へへへへと諦めの混じった苦笑をこぼした隼人は、「あ。」と言った後不思議とあることを思い出した。

 

 

「僕が拳西さんと初めて会った時みたいですね。こうやって背負ってもらって。」

「あぁ?そうだったか?覚えてねぇ。お前がびーびー泣いてたのしか覚えてねぇなぁ。」

「いやそれ覚えてたら背負って歩いたのも覚えていてくださいよ・・・。あの日はたしか昼間でしたかね。今は夜ですけど。でも今日は星綺麗ですね。」

「おぉ確かにそうだな。」

「・・・・・・・・・もうちょっと感動しないんですか?」

「んなモン俺に求めんなバカ。」

 

 

そうやっていつも通りの会話が出来るくらいには回復していた。

最初に拾われた日に比べると身長、体重両方とも健康的に増え、浅打も拳西に持ってもらっていたがそれでも余裕で拳西は背負っていた。

やっぱ凄い力持ちだなとぼんやり考え、降りるのも面倒なので感謝の気持ちを述べこのまま乗せてもらおうとした。最後は悪口になってしまったが。

 

 

「凄いですね。僕を背負って僕の浅打まで持って・・・。ありがとうございます。筋肉お化けですよ。」

「うるせぇ。お前も鍛えたらこうなれるぞ。あと俺もお前も現世から見たらお化けだぜ?つーか歩けるなら降りろよ。」

「さすがにそこまではちょっと・・・。降りるの面倒なのでこのまま家まで帰してくださいよ。」

「俺の負担一切考えねぇんだな・・・。」

 

 

正月くらい我儘言わせてくれ。もう我儘言う機会も少ないんだし。

そして何だかんだ我儘に付き合ってくれるのが拳西なのも分かっていた。

家までの間、冬の夜空を見ながら背負われて帰るのは、何だか貴重でとても嬉しかった。

 

 

「明日っていつから行けばいいんでしたっけ?」

「明日は早えーぞ。餅つきの準備があるから早く来てくれって卯ノ花さんに言われたからな。」

「へー楽しみですね。」

 

 

実際は隼人を呼ぶために拳西を参加させたが、そこまでの事情を詳しく知らない隼人は、あぁ拳西は餅つき用員で呼ばれたなと悟ったが、友達数人連れるので是非とも頑張ってほしいものである。

 

 

明日の行事を楽しみにしつつ、今日はすぐに寝ることにした。

 

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