花咲川の異空間   作:ノッキー

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私がこころとEMMAので友達申請してあの変な世界に飛ばされてから三ヶ月が経った。

 

「…………やっぱおかしい」

 

CIRCLEの前にあるオープンカフェの椅子に座りながら私は頼んだアイスコーヒーを目の前にしてそう呟く。

 

「ん?美咲ちんじゃん、やっほー」

 

「あ、青葉さん、美竹さんこんにちは」

 

バンドの練習に来たであろうギターを背負っていた青葉さんが、ギター下ろしながら私に声をかけつつ目の前に座り、私から見て右手の席に会釈しつつギターを置いた美竹さんが座る。

 

「美咲ちん凄い悩んでるようだけどどーしたの」

 

「いやー最近のハロハピの人気度がおかしいなって思ってね」

 

私が言った言葉に対してあーっと言いながら美竹さんが頷く。

 

「確かに、急に気が変わったかのようにハピハロのファンになる人が増えたよね……それも狂信者って感じの人が」

 

「そうなんですよ、それもハピハロの中でもこころに狂酔する人が多くてね……」

 

それから、私はアイスコーヒーを一口飲み頭をかく。どのくらい酔狂しているか、例えを出すなら、無許可でそこら中にハピハロのポスターを貼る人とか、演奏終わった後執拗にアンコール求める人とか、酷い時にはストーカー紛いの事をして黒服さんにしばかれる人もいたぐらいで……流石にファンだったとしても目に余る行動が多くなって来ている。

 

「別にハピハロやこころを好きになってもらうのはいいんですが……余りにも狂信的になり過ぎて目に余る人がちらほらいるんですよね、それが最近目立ってて困ってるんですよね」

 

「確かにー熱狂してるからと言っても、他人に迷惑をかけるのはいけないよねー」

 

それに対してうんうんと青葉さんが納得した顔で頷いてくる。それに対して私も頷き返す。

 

「それこそ、まるで、心を何かに取られてこころしか見てないだ感じがするんですよね……」

 

「心を取られるかぁ、なーんか、その話を聞くとモカちゃん、最近話題になりつつあるこれを思い出すんだよねー」

 

何か心当たりがあるのか、青葉さんはおもむろにスマホを取り出すと、少し弄った後に私に画面を見せてくる。その画面には謎の改心事件という見出しの記事が書かれていた。

 

「改心事件?」

 

「うん、この事件に今のハロハピの状態が似ていている気がしてねー」

 

そらから、青葉さんは改心事件の概要を話してくれる。内容としては、突如、現れた特定の人を熱狂的になった人達による暴力事件やら重大な事故やらが起きてしまっているという物だった。正直に言うと、暴力事件とか重大な事故は起こってないもののそれ以外は全て今のハピハロの状態と似ていた。

 

「……確かに、ハロハピの現状と似ていますね」

 

「あと一部界隈だと心の怪盗団の仕業……なんて事も言われてるよー」

 

え?心の怪盗団?と返した私に青葉さんがうんと頷く。

 

「だいたい一年ぐらい前かなー、一時期世間を騒がせた、怪盗お願いチャンネルで有名になった怪盗団の名前だよー」

 

そう言いつつ青葉さんはニコニコと笑い、美竹さんに対して、それにしても懐かしいねー蘭って言う。すると美竹さんはなんかあったけと言いつつ首を傾げる。

 

「え、忘れたの蘭、ほーら、前にひーちゃん達と一緒にやったじゃん」

 

「え……あっあーあれね、心の怪盗団ごっこか」

 

え?なにそれっと私が聞き返すと、今度は美竹さんが、その少し前にあったお願い怪盗チャンネルをなぞらえてアフグロでも同じような事をして、こころ達と対決したと言う話をしてくれる。

 

「ーーーまぁそんな事があったんだよね」

 

「へ、へぇ……そうなんだ」

 

私の知らない間になにやってるのこころ達と思いつつ懐かしそうな顔をしている青葉さんの方を見る。

 

「あの時の弦巻邸は凄かったよー、紫外線センサーとか、秘密の扉とか……楽しかったよー」

 

「流石、こころの家……やる事が凄い……あ、そう言えば私も少し前、こころの家で、凄い事が起こったんだよね」

 

え、どんなのどんなの?と聞いてくる青葉さんに対して私は少し悩んだ後あの時見た世界を言葉にする。

 

「それがね、突然この世界と同じ世界なんけど、全く違う世界に飛ばされて、なんか白い仮面をつけた警察官出てきたりして、現実なのか、それとも幻想なのか、とにかく意味わからなかった」

 

私がそう言うと、いきなりぶふぉ!?っと誰かが何かを吹き出す音が聞こる。反射的に聞こえて来た方のテーブルを見ると、こちらに背を向けて座っている金髪の青年がツインテールの金髪の女性に頭を叩かれていた。

 

「ちょっと竜司!突然吹かないでよ!」

 

「す、すまんすまん!驚いちまって!」

 

それに対してにゃーん猫が鳴く声が聞こえ、青年の前に座っていたオレンジ色の髪に眼鏡をかけた女性がこちらを見てくる。

 

「そんなんだから竜司は、ほら、驚いてこっち見ちゃってるし、盗み聞きしてるのバレちゃったじゃんか」

 

「だから、俺は悪くねーってんだろ!」

 

そして、抗議をしている金髪の青年を他所に飲み物を飲んでいた黒髪の青年が机の上に飲み物を置き、金髪の青年の方を見る。

 

「ここは責任とって行ってこい、竜司」

 

「だから!なんで俺が!?」

 

その言葉に対して何処からか行ってこい!と少女の声が聞こえる。

 

「あーもうわかったよ!行ってくるよ!」

 

そう言って先程から竜司と呼ばれている青年が立ち上がり、私達の所に来る。それから、そのっと言いづらそうに頭をかきながら私の方を見てくる。

 

「すまない、その、なんだ、今の話詳しく聞かせてくれねーか」

 

「え?あ、は、はい?」

 

そしてこれが、私と世間を騒がせている心の怪盗団との出会いだった。

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