花咲川の異空間   作:ノッキー

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結局、その後ジュエルとかキングが何の話かを教えてもられないまま、私はCIRCLEから離れて彼らが拠点にしているキャンピングカーの目の前まで来ていた。そして、そのキャンピングカーの前には、ピンク色の帽子を被った少し大人しめの女性、耳元より少し長い濃い茶髪を持った凛とした女性と、スラっと背が高くて目が細い、濃い青髪を持った青年が立っていた。

 

「よう、今戻った」

 

「あぁ、待っていたぞ」

 

坂本さんがその三人に対して声をかけると、青髪の青年がこちらを見てそう言ってくる。

 

「それで、急にみんなを呼び出して何があったの」

 

それに続けて、茶髪の女性も私達の方を見ると、佐倉さんがそれはだなと返しつつ言葉を続ける。

 

「まずトモダチキーワードが手に入った」

 

「へぇー凄いじゃない」

 

そうピンク髪の女性が言うと、佐倉さんはそれだけじゃないぞと言葉を続ける。

 

「それを得るにあたってあり得ない話を聞いたんだ、ちょっと来て、美咲」

 

そう言って佐倉さんが列の最後尾にいた私の事を手招きをする。恐る恐る前に出るとピンク髪の女性が首を傾げる。

 

「その人は誰ですか」

 

「ちょっと訳ありでな、そのあり得ない話をしてくれた本人だ」

 

自己紹介頼むと言われて私は少し緊張したまま頭を少し下げる。

 

「どうも、はじめまして、奥沢美咲です」

 

すると、青髪の青年が私に向かって手を出してくる。

 

「俺は喜多川裕介だ、よろしく」

 

それに握手すると今度は茶髪の女性が私に向かって手を出してくる。

 

「私は新島真、よろしく」

 

よろしくお願いしますと言いつつ私はまた握手をし返す。そして、帽子を被ったピンク髪の女性が私に向かって会釈してくる。

 

「私は奥村春です、よろしくお願いします」

 

それに対して、こちらこそ、よろしくお願いしますと会釈する。すると、あーあっちぃと坂本さんが自分の手で自分自身を仰ぐ。それから、視線を向けていた私達の方を見る。

 

「……っていうかさ、これから話すのはいいんだけど、外は暑いし、椅子や冷房が効くキャンピングカーの中で話さねぇ?」

 

坂本さんのその案に賛成した私達はそのままキャンピングカーの中に入る。中には連なった赤い椅子が机を挟んで六つ、キッチンが一つ、ロフトベットが一つ、二段ベット式のベットとトイレがあった。

 

「す、凄い本格的なキャンピングカーだ……」

 

「そうだろー」

 

キャンピングカーに入った私に対してロフトベッドの上に佐倉さんがそう答えてくる。そして、手前の席に奥から奥村さん、新島さん、高巻さんが座り、奥の席の奥に坂本さんが座り手前に私が座った。それから、入ってきたリーダーが補助席に座り鞄の中から例の黒猫が飛び出て机の上に座る。それを見届けたリーダーはそのままスマホスタンドを鞄から取り出し机に置くとその上にリーダーのスマホが置かれる。その一方で最後に入ってきた喜多川さんは立ったまま何処からか取り出したじゃがりんこを開けて食べ始めていた。なんか、この人自由だなぁ……まるで、薫さんみたいと思っていると目の前の新島さんがロフトベットの上を占領している佐倉さんの方を見上げる。

 

「それで、双葉、そのあり得ない話って何なの」

 

「それはだな、聞いて驚くなよ、美咲はジェイルに入ってジェイルを見てきた一般人なんだ」

 

え?っと三人の声が重なり、双葉さんにさっきの事をもう一回話してやれと言われた私は三ヶ月前、こころとEMMAで友達登録した後の事を話す。そして、私の話を一通り聞いた三人は驚いた顔になる。

 

「なっ……本当にジェイルから帰還したのか」

 

「信じてなかったのかよ、おいなり」

 

いや、半信半疑だったっと喜多川さんは唾を飲んで首を横に振る。そして、新島さんが嘘でしょと声を漏らす。

 

「トモダチキーワードを入力した一般人がシャドウではなく、人としてジェイルに入ることは出来ないはずなのに……」

 

「そうだよね、普通、ペルソナ使いじゃないと人として入れないのにシャドウじゃなくて私たちと同じように入れたのが不思議だよね」

 

それに対して高巻さんが言った発言の中のペルソナと言う言葉に私が首を傾げると、双葉さんがこちらを見てあーっと声を上げる。

 

「それについては後々、ジェイルとか[[rb:王> キング]]とかと説明するから今は気にしないでくれ」

 

あ、はいと答えると、リーダーが机に置いていたスマホがブブッと鳴る。

 

「おい、そろそろ私にも自己紹介させろ」

 

「え、誰!?」

 

突然聞こえた声に私が驚くと、こっちだっとスマホから声が聞こえてスマホの方を見る。すると、スマホの画面に赤髪ツインテールの少女がパッと出てくる。

 

『私はソフィア、「人間の良き友人だ」』

 

「え、あっ、こんにちは……ってえ?ええええええーー!?」

 

え?今私、え?ちょっと待ってと混乱していると、皆さんは笑みを漏らす。それから、高巻さんが笑みを見せつつも私の方を見てくる。

 

「その、別に美咲を馬鹿にしてるわけじゃないの、私たちも初見はそんな反応だったからそれで思わずね」

 

「そうだな、私もあの時は驚いた、声が聞こえたかと思ったらスマホの中のソフィア……まぁAIなんだけど、話しかけてくるなんて思ってもなかったからな」

 

高巻さんに続けて佐倉さんがうんうんと頷きながらそう話してくれる。それに対してあーへぇそうなんだ……AIがこんなに流暢に喋れる時代になったんだ……と驚いていると佐倉さんがソフィアさんに向かって声をかける。

 

「そうだ、ソフィア、シャドウの警戒が低い場所って何処だかわかるか?」

 

『んーどうだろう、調べてみないとわからない』

 

そう言って、ソフィアさんは周り見始める。その間に、私は疑問に思った事を佐倉さんに聞く。

 

「その、佐倉さん、シャドウの警戒が低い場所ってどういう事ですか?」

 

「そのだな、シャドウの警戒が低いと美咲が前に行った変な世界に行けるんだ」

 

そう佐倉さんは即答してくれる。なんか道みたいなものなんですかね……と思いつつ、あっと私は声を上げる。

 

「それなら、CIRCLEはどうですか、私あそこから元の世界に戻ってから来れたんだけど」

 

『いや、CIRCLEはもう駄目っぽいぞ、警戒されてる匂いがする』

 

匂いってどういう事だと思っている私を他所に、ソフィアさんが、それより警戒が低いのはここっぽいぞっと言って街の地図を画面に表示させる。そして、その地図に一つの赤いマーカーが刺さる。それから、美咲、ここがどこかわかるか?っと画面内からソフィアさん聞いてくる。

 

「あーえーとそこは……って、そこは私の家じゃないですか!」

 

言われるがまま地図を拡大して住所を見た私はスマホの画面を見ながらそう絶叫するのだった。

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