桜の花びらが舞い散る坂道、今年から高校生となる一人の少年『青山 翔太』は少しの不安とこれから始まる新生活に胸を踊らせていた。
「ここが俺が3年間通う高校か。」
新一年生である俺は、眼前に映る星蘭学園の校舎を見てボソリと呟いた。
とりわけ勉強ができるわけでも、運動ができるわけでもないが、こう新生活の始まりというのはやはりどこか何かなせるのではないかという気持ちにさせてくる。
この一昨年に改修がなされたばかりの星蘭学園の校舎を見て、そんなことを考えながら歩いているとクラスの振り分けを発表する紙が生徒玄関に貼られているのが目に入った。
「俺のクラスは...と」
俺が自分のクラスを探しているとふと真横にいる女子生徒の存在が気になった。
可愛いな。真っ先にそんな感情が頭に浮かんだ。それほどまでにその女子生徒の容姿は整っていた。
「私のクラスは....A組かぁ。」
彼女はそう呟くとその場から去っていった。なるほど彼女はA組なんだな。そんなことを考えながら、淡い期待を胸にA組の名前を眺めていると、そこに自分の名前を見つけた。
「...A組か。」
間違いがないかもう一度自分の名前を確認した後、俺は3階にあるという1年A組の教室の方へと歩きだした。これからの俺の3年間はどうなるのだろうか。そんなことを頭の片隅に置きつつ俺の頭は高校生らしくさっきの可愛い子と同じクラスになれたことを少し喜んでいた。
まあ、仲良くなる機会はないだろうが....。
しばらく歩くと1-Aと書かれたプレートを見つけることができた。あれが1年間生活するクラスか。出身中学から遠く離れた高校を受験した結果、当然この学校に入学したのは俺一人であり、クラスメイトになる人物の中に知り合いなど一人もいない。数秒程教室に入るのを躊躇っていたが、そんなことを考えていても埒が開かないと気付き、教室へ入ってみた。見たところ教室にはまだ人があまりいないようだ。結構早く着いたらしい。俺はさっきの可愛い子がいないかさりげなく探しつつ黒板に貼ってある席の振り分けが書かれた紙の所まで歩いた。
出席番号順であるため、俺の席は窓際だった。隣の子の名前は...『白石 雪奈』というらしい。
隣の席が女子だということになんとも言えない感情をいだきつつ席に座った。最初のホームルームとやらが始まるまでに時間があるなぁ。こんな時間は普段なら本やら友達と雑談やらで暇を潰すものだが、初日であるため生憎どちらも持ち合わせていない。しょうがない、少し寝るか...。俺は机に突っぷすとまだ人の声のあまりしない教室の影響からかなのか、すぐに寝入ってしまった...。
_____「....きてください。...起きてください。」
俺は誰かに起こされて目が醒めた。どうやらあと1分でホームルームの時間らしい。教室もすっかり賑やかな様子へと変化している。
「あ、やっと起きてくれたんですね?」そんな声が横から聞こえてきた。どうやら隣の席の人が俺を起こしてくれたらしい。礼を言うべく顔を向けると俺はその子の顔を見て一瞬固まった。
「...君が、白石さん?」
「あっはい!始めまして、白石 雪奈と言います。」
どうやら今日の俺は運が良いようだ。そこには玄関で見かけて例の可愛い女の子が座っていた。
「お、俺は青山 翔太。起こしてくれてどうもありがとう。」
礼を言うと、いえいえと言いつつ彼女はこちらを見て上品を微笑を浮かべた。
あー、やっぱり可愛いなぁ。___ そんなことを再認識しているとキンコンカンコンというチャイムの音が鳴った。賑やかだった教室もしだいに静かになり、生徒達は各々の席に戻っていっている。
俺も体の向きを正面へと戻した。後少ししたら先生が教室に入ってくるだろう。そんなことを考えつつも、俺の心は白石さんのことばかり考えていた。まさか、これは運命なのでは...?そんな頭の悪そうなことを考えているとドアの曇りガラスの奥に人影が見えた。どうやら先生が教室に着いたらしい。ドアがガラガラと開いた。
初投稿です。
ぜひ彼の日常を眺めていってください!
この物語は青山君の高校生活を切り抜いていく、そんな物語です。