孫悟飯が強くなることに意欲的ならば   作:naonakki

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第11話 悟飯とラディッツ

 ~悟飯VSラディッツ~

 

 「はあぁっ!!」

 「……ちっ!」

 

 ラディッツが繰り出す超速の突きをすんでのところで躱し、反撃とばかりに蹴りを繰り出すが、ラディッツは上体を逸らしこれを避ける。

 そしてまたラディッツが攻撃を仕掛け、僕がそれを躱す、あるいは防ぎ、また攻撃に転じる。

 僕とラディッツは、そんな目にも止まらぬ攻防を戦いを開始からずっと続けていた。

 

 やはり実力はかなり拮抗しているっ……

 

 戦う前には、ラディッツと僕に強さに差があまりないと予想していたが、結果はドンピシャもドンピシャだった。

 一瞬たりとも油断できない……。

 

 正直に言うと僕はかなり驚いていた。

 それはそうだ、僕はこの約半年以上の歳月を重力室でトレーニングを積み、最終的には100倍の重力空間にさえ適応したのだ。

 その僕と肩を並べるとは、いったいラディッツはどのような過程を経て強くなったのだろうか?

 それに戦闘力のコントロールも完璧だ、一年前は戦闘力のコントロールはできていなかったはずだけど……。

 そんな疑問が僕に頭をよぎるが、すぐにそれを振り払う。

 今は戦いに集中するんだ。

 

 僕は、そんな一瞬の気の緩みさえ許さぬ攻防が続く中、冷静にラディッツの動きを見極めることに全神経を集中していた。

 一番怖いのはラディッツがまだ実力を隠しており、全力を出していないというパターンだ。

 その場合、僕の“作戦”がうまくいかない可能性が大きくなってしまう。

 しかし、しばらく戦って僕は、十中八九ラディッツは既に全力もしくは全力に近い状態だろうと確信していた。

 こうなってくると一番警戒すべきは、ラディッツの大猿化だろう。

 元の世界では、ベジータさんが大猿化することによって僕たちはかなりの苦戦を強いられた。

 今のラディッツが大猿化すれば、どれほど強くなるのか見当もつかない。

 できれば尻尾を切りたいが、こうまで実力が近いとそれも難しい。

 空は既に夕方になっているが、月がでるまでに後、1時間はかかるだろう。

 そうなると警戒すべきはベジータさんが作った人工の月を見られることだ。

 しかし、これについてはピッコロさんに戦いの直前にテレパシーを通じてナッパを倒した後は父さんたちに合流し、ベジータさんが月を見ようとすること、そして月を作ろうとすることを徹底的に邪魔するように伝えてある。

 父さんは界王拳を駆使するはずなので体への負担が大きいとは思うが、仙豆が2粒あるはずだから、大猿化をしないベジータさんになら、父さんとピッコロさん達が協力をすれば十分に勝機があるはずだ。

 問題はピッコロさん達がナッパに手こずることだけど……よし、無事ナッパは倒したみたいだね。

 ラディッツと戦いの最中、わずかな隙を見て気を探ると、どうやらピッコロさん達は無事ナッパを倒し、父さんに合流したみたいだ。

 その事実に僕が心の中でガッツポーズを決めていると、ラディッツもナッパが倒されたことに気付いたのか動きを止め、

 

 「ふん……ナッパが倒されたか。ベジータも苦戦しているようだな。」

 「……仲間がやられたのに随分、あっさりしているんだな?」

 

 仲間がやられたのに淡々としているラディッツに対し、思わずそう口を開く。

 そして、それは何もラディッツに限った話ではない。

 元の世界ではナッパをベジータさん自ら殺したりと、サイヤ人が何を考えているのか分からなかったのだ。

 

 「ふっ、当然だろう? 強い奴が勝ち、弱い奴が負ける。そんな当たり前のことが起きているだけだ。なぜそれに一喜一憂しなくてはいけないのだ? それに俺はあいつらのことを仲間だなんて思ったことはない……。」

 

 苦虫を噛み潰したような表情でそう語るラディッツは、むしろナッパやベジータさんを敵視しているようにさえ見える。

 サイヤ人は、弱肉強食の世界とは聞いていたけど、そんな風な考えをもっているなんて……。地球で育ってきた僕には理解しがたい。

 僕がそんなことを思いながらラディッツを何とも言えない表情で見つめていると

 

 「……お前名前は何というんだ?」

 

 すると、突然ラディッツはこんなことを聞いてきた。

 

 「……孫悟飯だ。」

 

 なぜこのタイミングでそんなことを聞いてきたのか分からなかったが断る理由もなかったので、そう答える。

 ラディッツは、「孫悟飯……」と小さな声でそう繰り返し、続けて口を開いて続けて質問を投げかけてくる。

 

 「では悟飯、お前に聞くが、生まれた瞬間から己の才能を否定され、馬鹿にされ、強い奴らにいいように、それこそ体のいい道具のように扱われたような経験をしたことがあるか?」

 

 質問の意図がよく分からなかった。

 それはサイヤ人としての人生を歩んできたラディッツ自身のことを言っているのだろうか? 

だとしたら酷い話だと思う。勿論だが、父さんと母さんに大切に育てられてきた僕にそのような経験はない。

 しかし、僕がそう答えるよりも早くラディッツがそのまま口を開き、

 

 「ないだろうな? お前達地球人の様子を見ていれば分かる。そんな環境にいた俺は、俺自身も気付かないうちに己を否定し、勝手に自分の限界を決めていた。」

 

 しかし、とラディッツは僕のことを改めてまっすぐに見つめ、言葉を続ける。

 僕もそんなラディッツの言葉に耳を傾け、静かに聞く。

 

 「そんな時、お前と出会ったんだ。俺と同じ下級戦士の血を引き、本来なら才能がないと、否定されるべき存在であるばすのお前とな……。だが、おまえはガキのくせに既にこの俺を上回る力を持っていた。……衝撃的だった。だが、そのおかげで俺は目が覚めた。そういう意味ではお前には感謝している。」

 「……感謝するくらいなら、すぐに地球から去ってほしいんだけどね。」

 「そうはいかん、俺はこのまま強くなり、やがては『ある奴』を倒すんだ。そのためには俺には多くのギリギリの戦いが必要だ。そういう意味ではおまえはうってつけの相手だ。ここまで強くなっているとは思わなかったがな。」

 

 それにだ、と続けたラディッツは憎々しげに僕を見つめ、

 

 「流石にカカロットの息子にやられっぱなしというのは、癪だ。」

 

 そう言ったラディッツは、また気を開放し、戦闘モードに移行する。

 

 「……大人気ないんだな?」

 「……その生意気な口をすぐにきけなくしてやる。」

 

 それにしても、『ある奴』とはフリーザのことだろうか? 

 確かに父さんの兄であるラディッツならフリーザに立ちはだかるだけの実力を身に付けれる可能性は十分ある、現にこうして飛躍的なパワーアップを果たしているわけだ。

 倒すと決意したに至る過程は違えど、フリーザを倒す目的は僕と同じだ。

 だとしたら、うまくいけばラディッツも……。

 

 そこまで思考を巡らせたところで僕はこの勝負を決着させるために大勝負に出ることを決意する。

 今回、この技を使う予定はなかった、というよりまだ修行不足のため、未完成であり、まともに扱えないため、自分の体への負担が大きすぎるのだ。

 だが、ラディッツを追い込むことはできるはずだ。

 

 ……本当、大変だったけど、父さんが3日も早く地球に戻ってきてくれてよかったって今実感しているよ。

 

 

 

 ~3日前~

 

 界王星で修業を終えた父さんと僕は二人で家で話していた。

 父さんの気は、修行前と比較しても大幅に増えており、無事修行を終えたことを物語っていた。

 

 「悟飯おめえ、滅茶苦茶強くなってねえか? どんな修行をしたんだ??」

 

 父さんは驚いたように僕を見つめていた。

 確かに父さんも強くなったが、重力室での修行を終えた僕は、そんな父さんの数倍以上の強さを手に入れている、父さんが驚くのも無理もない。

 

 「ブルマさんに重力を100倍までコントロールできる重力室を作ってもらって、そこで修業をしていたんです。」

 「ひゃ~、なるほどな! 界王星も地球に比べて重力が強かったけど、それでも10倍だったからな~、それを100倍ってすげえな!」

 「はい、重力室での修行は非常にためになりました。」

 

 そう言うと、「へ~」と目をキラキラさせた父さんはおもむろに立ち上がった。

 どうしたんだろう、と思っていると

 

 「オラもブルマんとこに行って、重力室で修業してくる!」

 

 そう言って、本当に行く気なのか家の玄関にバタバタと慌ただしく向かっていく。

 

 「ちょ、ちょっと父さんっ! 今から行っても三日後にサイヤ人が来るんですから体を休ませないと! ただでさえ、界王星から戻ってきたばかりなんですから!」

 

 正直、僕一人でもベジータさんを倒せると思ったが、何が起きるか分からない。

そのため、父さんを必死になだめ、家にいるよう説得する。

 途中で母さんも父さんを引き止めることに尽力してくれたため、何とか父さんは家にいることを了承してくれた。

 

 「う~ん、でも家にいても暇だなぁ」

 

 と、自宅謹慎を言い渡された父さんは、退屈そうにそう言っている。

 このままでは、こっそり西の都に行ってしまう恐れもあったので、こう提案しみてる。

 

 「そ、そうだ! 界王星で習得したと言っていた界王拳というのを僕にも教えてくれませんか? どんな技か興味があるので!」

 「へっ? 界王拳を?」

 

 

 

 ~フリーザ船~

 

 「ほほほ、この星の制圧も順調ですね。」

 

 宇宙船内から、部下たちが星の住民を殲滅していく様子を見て、満足そうにそう言うフリーザ。

 

 そんな時、部屋の扉が開き、部下の一人がこちらにやってきた。

 その者は自分のもとまで来ると「報告したいことが」と一言告げてきた。

 

 「なんでしょうか?」

 

 そう答え、部下に続きを促す。

 

 「はい、現在ベジータ達が地球という星にいるのですが、気になることが――」

 

 つづく

 




というわけで11話読んで頂いてありがとうございます!

というわけで、次話本格的に戦局が大きく変化していきます!(多分)

まずは、皆さまたくさんの感想・意見有難うございます!
そして色々意見を頂きましたが、

……悟空のナメック星到着後の戦闘力は9万が公式だったのかorz
いや、本当に勉強不足で申しわけありません。

これについては、どうしようかまとめていますので、また活動報告でも使って結論を出そうかなと思っています!

では、引き続き更新していきますので感想等頂ければ嬉しいです!!
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