孫悟飯が強くなることに意欲的ならば   作:naonakki

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第2話 サイヤ人ラディッツ襲来

 さて、これから強くなることを決意したのはいいけど、どうも今から亀ハウスまで行って、亀仙人さんやブルマさん、クリリンさんに初めての挨拶をする予定だったみたいだ。

 僕はもう何回も会ってるから変な感じだけど……。

 

 そういうわけで、母さんに身なりを半ば強制的に整えさせられた僕は、父さんと一緒に筋斗雲に乗って亀ハウスまで来たわけだけど

 

 (ブ、ブルマさんが若い……っ!?)

 

 分かっていたことだけど、やっぱり衝撃的であることに変わりはない。

 皺も贅肉もついていないブルマさんは正直言って違和感しかない。

 こんなこと言ったら、きっと凄い怒られるに違いないけど……。

 クリリンさんも亀仙人さんもいたけれど正直この二人は年をとってもあまり変わらない為、そこまでの違和感はない。

 

 「ま、まさか、孫君が子供を連れてくるなんて……」

 「本当だぜ……まさかあの悟空がな。」

 

 向こうは向こうで、かなり驚いているようだ。

 あまり記憶になかったけど、僕たちはこんな風に出会ってたんだ……。

 忘れてしまった大切な人たちとの出会いの場面に立ちあうことが出来て、しみじみとした感動に浸っていると

 

 突然それはやってきた

 

 っ!? 何者かがこちらに向かってくる!?

 

 ……邪悪な気だ、こちらに向かって飛んできているようだけど、

 一体何者だ!?

 

 「んっ、なんだ……??」

 

 父さんたちも謎の気の正体に気付いたようで、険しい表情を浮かべ辺りの様子を伺っている。

 ……待てよ、そう言えば僕が4歳の時に、父さんの兄であるサイヤ人が地球に来たんじゃなかったっけ?

 僕はほとんど覚えていないが、確か父さんがそう言っていた。

 そしてその戦いで父さんは……。

 

 そこまで考えて、一気に警戒モードに入る。

 絶対、僕の目の前で誰も死なせない!

 敵はまだ遠くにいる為、正確な力量は分からない。

 しかし、父さんたちの話では敵は物凄く強く、一対一ではとても叶わず、当時敵同士だったピッコロさんと父さんがタッグを組んでようやく倒せたと言っていたほどの実力者だ。

 まだ修行も何もしていないこの身でどこまできるかは分からないが、今の僕にだってできることが必ずあるはずだ!

 

 緊張が張り詰める中、その敵はやってきた。

 

 「……カカロット、ようやく見つけたぞ。」

 

 腰まで届く黒色の長髪と、そして何よりゆらゆらと揺れる尻尾が特徴的なその男は間違いなく、話に聞いていた父さんの兄であるサイヤ人だろう。

 ナメック星で嫌というほど見たスカウターとかいう機械越しに僕たちを舐めるように見つめるその男からは、本当に父さんの兄なのかと疑うくらい邪悪な気を放っている。

 

 「おめぇ……何者だっ!! そのかか何とかなんて、オラ知らねえぞ!!」

 

 そうか……この時の父さんはまだ自分の正体がサイヤ人と知らないのか。

 よく考えればこの地球で育つだけでは、自分が宇宙人なんて思いもしないだろうし、無理もないのかもしれない。

 

 それにしても、こいつが父さんを……??

 

 僕がある疑問を浮かべる中、ラディッツと名乗る男が自分たちサイヤ人の生い立ち、そしてこれから星を攻める際、人手が足りない為、この地球に来て父さんを仲間に加えに来たことを説明した。

 

 「ふざけるなっ! オラは地球人の孫悟空だ!」

 「そうだぜっ!! 悟空は世界を救ったほどなんだ! お前らみたいなやつらと一緒にするな!」

 「そうよそうよっ!!」

 

 宇宙中の星の住民を殺しているサイヤ人の行いを父さんたちが容認するわけもなく、ラディッツに立ち去れと言い放つ。

 しかし、そんなみんなの主張はどうでもよいと言いたげに、にラディッツは涼しい顔を崩さない。

 

 「まったく、我儘な弟だ。だったら無理やり言う事を聞かせる状況を作り出してやる。」

 

そしてそのニヤニヤした顔で、僕に視線を向けてきたぞ!?

 

 「さっきから気になっていたが、そこの子供はカカロットの息子じゃないのか??」

 「っ!? ち、違うっ!!」

 「ふっ、嘘をつくな。その尻尾が何よりの証拠だ。」

 

 必死に否定をする父さんに対してそう言うと、ラディッツは僕の方へ歩いてくる。

 自分の言うことを聞かない父さんに対して、子供の僕を人質にでも取るつもりだろうか。

 

 しかし、そうはさせまいと、父さんが僕の目の前に立ち、ラディッツに対し構えをとった。

 その父さんの全身は震えている、気も乱れているし、まるでとんでもない強者を目の前にしているように。

 クリリンさんたちを見ても、圧倒的存在を前に身動きがとれないと言った感じだが…

 

 

 

 どうして皆そんなにおびえているのだろう?

 

 そんなに……

 

 そんなにこいつは強いのだろうか??

 

 確かに今の僕たちにとっては、弱い敵ではないと思う、油断はできない。

 しかし、しっかり力を出し切れば苦戦することもなく倒せる相手ではないのだろうか?

 目の前にいる敵がどれほどの力を隠しているか正確には分からないが、どうしてもそこまでの強敵だとは思えないのが正直な感想だ。

 

 

 

 いや

 

 何を考えているんだ僕は??

 

 今、僕は相手が大したことがない相手だと勝手に判断した……??

 

 まただ……

 

 こうやって、いつも失敗してきたんだ!!!

 

 いい加減学習するんだ!!

 また大切な人を殺すつもりか!!

 

 あまりの自分の愚かしさに堪えようのない怒りが込みあがってくる。

 

 ピピピッ

 

 「ん? な、なんだこれは!? 戦闘力が1000を越えているだと!?」

 「え……ご、悟飯……なのか??」

 

 僕の戦闘力が表示されているスカウターを見て驚愕の表情を浮かべるラディッツと、同じく驚いたように僕を見つめる父さん。

 

 理由も分からぬ状態で過去に来て、いきなり何の準備もないまま、今敵を目の前にしている状況。

 しかし、恐れは一切なかった。

 出し切れるだけの力を出し切って目の前の敵を排除する。

 

 それだけだ!

 

 怒りによって膨れた気に加え、さらに体の中に眠る気をコントロールし、全身に巡らせていく。

 気のコントロールだけは、記憶として今の僕に引き継がれているため容易だ。

 これも全て父さんとピッコロさんが教えてくれたんだ…‥。

 

 ゴゴゴと、辺りの空気が震えるのを感じながらゆっくりと改めて目の前の敵を見据える。

 

 「ば、馬鹿な、戦闘力が1300を超えた、だと?? こんなガキの頃からあり得ない……。スカウターの故障か!?」

 

 驚き慌てふためくラディッツに対し、キッと睨みをきかせ、

 

 「はぁっ!!」

 

 気合の掛け声とともに、一気に敵への距離を詰め、全身の体重を込めた拳を思い切りラディッツの腹部へ叩き込む。

 

 戦闘態勢をとれていなかったラディッツにモロに一撃をくらわすことができた、『ドズンッッ!!』という大気を震わす鈍い音と共に、相手が身に付けているプロテクターを割り、相手の肉体へダメージを負わせた感触がしっかりと伝わってくる。

 

 「ガ、ガハッ!!??」

 

 血を吐き、ヨロヨロと、ダメージを負った個所を手で押さえながら後ずさり、信じられないようなものを見る目でこちらを見ている。

 

 まだだ、相手に考える暇を与えるなっ!!

 

 追撃を与えるべく、再び距離を詰め、体のひねりを利用した右足の上段蹴りを繰り出す、が、慌てたように戦闘態勢をとった敵にその攻撃をかろうじてではあるが躱されてしまう。

 くそっ……手足が短すぎて感覚がかなり狂ってしまう。

 今の蹴りも大人での体でなら当てられただろうけど……と、愚痴を言っても仕方がない。

 攻撃は外れたが相手の体は大きくバランスを崩している。

 すかさず、態勢を戻し相手への顔面へ思い切りパンチを叩き込む。

 ラディッツはこの攻撃をまともに受け、その勢いのまま水平方向に飛んでいく。

 

 「まだだーっっっ!!!」

 

 ダメージは負わせているが致命傷ではない。

 僕とラディッツの間には大きな戦闘力差はない、このまま肉弾戦を続けても埒があかない。

 一撃で決めるような技が必要だ……。

 

 「くっ、この俺が一方的に攻撃されている……だと!?」

 

 二度の攻撃をまともにくらってしまい、流石に相手も焦りが出てきたようで、先ほどまでの余裕はない。

 だが、生き物とは追い込まれるほど真価を発揮するもの。

 

 

 

 ズドドドドッッ!!!!

 

 

 

 僕を完全な敵とみなしたラディッツに、さきほどまでの油断しきった様子はない。

 意識を集中し、完全な戦闘モードだ。

 蹴り、殴打、頭突き、あらゆる攻撃が目にも止まらぬ速さで繰り返される中、相手の実力もだんだん推し量れてきた。

 戦う前は、僕の方が戦闘力で上回ると思っていた。

 しかし蓋を開けてみればどうだ、最初に完全な二撃を決めたにも関わらずまったくの互角だった。

 いや、正確に言うと気の量では予想通り僕の方に軍配が上がっている。

 しかし、この4歳児の体では、リーチ差という体格の問題がハンデとして重くのしかかり、その結果互角の戦いになってしまっているんだ。

 

 

 

バチィッ!!!

 

 

 

 お互いの一撃により、距離が離れ、先ほどまでの激しい戦闘によりまき散らされていた爆音が止む。

 二人の間には、僕たちの戦いの余波によって荒れ狂った波の音だけが鳴り響く。

 

 「ハァハァ……、まさかカカロットの息子がそんなガキのくせにここまでの実力を持っているとは思わなかったぜ。」

 

 そう言うラディッツは、素直に僕の実力を称賛しているようだ。

 しかし、その顔には再び余裕の表情に戻っている。

 ……向こうも気付いているのだろう、‘僕の動きがだんだん悪くなっていることに’。

 このまま戦えば僕は負けるだろう。

 確かに、体格の差があるとはいえ、互角の戦いはできていた。

 しかし

 

『スタミナ』

  

 これが今の僕には圧倒的に足りていなかった。

 フルパワーの状態で戦えたのはほんのわずかな間だけ。

 今は、凄い速さでパワーが落ちてくのを嫌でも感じてしまう。

 この体は、今までごくごく平凡な生活を送ってきたのだ、むしろここまで善戦できたことが奇跡的ともいえる。

 

 

 

 だが、それがどうした?

 

 そんな言い訳をしたら敵が僕たちを見逃してくれるのか??

 

 一撃だ……

 

 一撃で決めるんだ……

 

 残ったすべてをこの一撃に込めるんだ!!

 

 「か……め……」

 

 構えをとり、全力のかめはめ波を放ち、敵を葬らんとする。

 

 ピピピピピ!!

 

 「な、なに!!?? せ、戦闘力がどんどん上がっていく???」

 「せ、1400……1600……だと……? ま、まだ増えている!? き、貴様、戦闘力を自在に操ることができるのか!?」

 

 驚きを越し、絶望の表情すら見えるラディッツだったが、僕は内心焦っていた。全力のかめはめ波を放つには、気をためるのに時間がかかる。

 その間敵は待ってくれるだろうか??

 

 「くっ……、このまま大人しくやられてたまるかぁ!!」

 

 しかし、天は僕に味方しなかったようだ。

 決死の覚悟で、ラディッツは僕に抵抗せんと飛び掛かってくる。

 

 だめだ、かめはめ波はまだ打てない!? 

 

 やられる……

 

 しかし

 

 「おりゃーーっ!!!」

 「な、なにぃっ!?」

 

 ドガッ!!

 

 視界の端から現れた父さんが、ラディッツの横から不意打ちの強力な蹴りをお見舞いし、ラディッツはその勢いを殺し切れず海の中へ大量の水しぶきを上げて打ち付けられる。

 

 「悟飯っ!!! 今だ!!!」

 

 父さんの掛け声とともに、僕は掌に集まっていたエネルギーをラディッツの方へ向かって勢いよく突き出し

 

 「波ぁあああああっっ!!!」

 

 青白く輝く、全力のかめはめ波が凄まじい速度でラディッツへ向かっていく。

 ラディッツは急ぎ、立ち上がり回避しようとするが今からでは間に合わない。

 

 「くそおおおおお!!!」

 

 ラディッツの怒りなのか、あるいは恐怖による心からの叫び声を最後に、僕のこちらの世界での初戦が幕を閉じた。

 

 つづく

 




第二話読んで頂いてありがとうございます!

というわけで、ラディッツ戦でした!

ちなみにラディッツは公式では、戦闘力1500らしいですけど本当なんですかね?笑
今回の作品では、私の勝手な見解でラディッツは万全の状態で戦闘力1200~1300程度くらいの感覚で書きました。
違和感を覚えられた方がいましたらすみませんでした。

引き続きどんどん更新していきますので、次話も読んで頂ければ嬉しいです!!
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