マインディストピア   作:蒼かえる

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3日目

そこそこのMOBを慎重に倒しながら進んでいくと少し先に悲鳴が聞こえた。誰かいるか呼びかけると助けをこいながらゾンビから逃げているサラリーマンを見つけた。

 

こっちに来るように呼びかけ、サラリーマンは逃げながら助けを求めてきた。クラフトした石の剣で少し慣れながらも慎重にゾンビを倒した。

 

サラリーマンは何度も自分に俺を言って自分はサラリーマンに学校へ向かって救助を待つように言う。更に他に人を見かけたらそれを教えるようにして欲しいと頼み、サラリーマンも冷静を取り戻し学校の方へ向かっていった。

 

「(よし…この調子で夜になる前になるべく多く人を見つけて学校に行ってもらおう……!)」

 

夕暮れになるまで街を駆け回り、救助されていない民間人を見つけて学校へ向かわせる。夕暮れになりMOBがまた現れないうちに自身も学校へ向かった。

 

距離的にかなり時間がかかってしまったがなんとかヘリに乗せてもらえる余裕をもって学校へ到着した。それほどの時間が立たぬうちに自衛隊の救助ヘリがやってきて、民間人を誘導して乗せていく。しかしその間に完全に夜になってしまい、周辺はヘリの照明以外真っ暗になってしまった。

 

ゾンビがうねり声を上げながらヘリに近づいてくる。まだヘリには民間人が乗り切っていない。すぐそこまで迫ってきたゾンビは民間人を今にも襲おうとしていた。

 

すぐに飛び出してゾンビを石剣で切りつける。その間にヘリに乗り込んでいく人々。全員が乗り込みあとは自分だけとなったところで周辺がゾンビに囲まれてしまった。

 

「大丈夫か!? 今救助する!!」

 

「もう行ってください!これ以上ここにいたらまずいです!」

 

「しかし君を置いていく訳にはいかない!」

 

救助しようとする自衛隊の隊員にもう離陸するように呼びかけるも置いていけないと言われてしまう。しかし奥からはスケルトンがこちらに迫ってきていた。

 

またあんな思いはしたくないと思いながらも自分が見つけた人達のために救助ヘリから離れた。できるだけMOB達を引き付けつつ学校の校内へ誘導する。

 

校内に入ったところでヘリは離陸していった。前回は助けが来ないことに絶望し打ちひしがれながら、今回は仕方なくとも人々を優先して守るために。

 

その違いに少しの喜びを感じつつ迫り来るゾンビ達を倒して行く。矢を放つスケルトンとは矢が当たらない距離を保ちながら近くにいるゾンビを倒していく。

 

校内という閉鎖空間で戦っていることで周囲に対してそれほど気を配ることなく戦っている。

 

廊下にいることで一方通行でMOBがくるので後ろや左右に気を配る必要はなく、公園にいた時ほど苦戦はしていなかった。更に昼の間にゾンビやスケルトンと戦ったことで戦闘にも少し慣れているために、余裕を残しつつ3階まで上がることができた。

 

「ハァ……ハァ……。」

 

「(屋上にいればファントムに襲われそうだけど、天井があるから大丈夫か……?)」

 

教室の明かりをつけて扉に鍵をつける。MOBが扉の前でたむろするが開けられないことは知っているのでそのままにする。椅子に座って息を整える。

 

休憩のつもりで睡眠をとろうと机に突っ伏すと疲労から瞼が重くなってしまう。

 

「(…ヤバ……眠るのは……でも休憩なら……。)」

 

そんなことを頭の片隅で考えながら眠ってしまった。

 

 

 

 

 

翌日、夜が明けるまで眠ってしまったいたようで、校庭を見てみるとMOBが燃えていた。扉の前にいるMOBは未だにそこでたむろしていたが、ずっと教室にいる訳にはいかないため扉の鍵を開けて窓の方へMOB達を引き寄せる。

 

動きが遅いMOB達を少し引き付けてからすぐに屋上まで校内を駆け上がる。スケルトンの矢を一、二本受けつつ屋上まで上がる。矢を受けた痛みでどうにかなりそうだったが、目的であるMOBを屋上まで引きつけることはなんとか成功したようでMOB達は自分を追って屋上まで上がり太陽の光に焼かれていった。

 

頭に兜や帽子、いわゆる装備を付けているMOBは太陽光から守られているので燃えていなかった。

 

「(体に光が当たっても燃えないのか……!!)」

 

放たれた矢をギリギリで避けることができた。しかし戦いとは無縁の世界で暮らしてきた自分は既に何度か戦ったことがあるとしてもまだまだ経験は浅い。今の矢は奇跡的に避けることができただけ、次は当たる。

 

そんな確信を抱きつつまずはスケルトンからクラフトした石剣を構える。燃えていないMOBはスケルトン2体、ゾンビ3体。弓矢持ちのスケルトンから倒して、慎重にゾンビを処理する算段である。

 

対峙していない方のスケルトンを警戒しつつ、切りつけていく。矢を番える暇など与えず3回ほど切りつけるとスケルトンは消滅した。しかし対峙していない方のスケルトンが矢を放つ。

 

太ももに刺さり激痛に耐えながらもスケルトンに近づきジャンプからの上段切り、切り払いでスケルトンは消滅した。そこであることに気がつく。ジャンプからの上段切りはかなりダメージをいれられたような気がした。

 

ゲーム内でもジャンプからの切りつけはクリティカルのような演出があったため、こっちでも有効であることに気がつく。思考中に襲いかかるゾンビ3体。

 

1番近い位置にいたゾンビをジャンプからの上段切りで一撃で倒した。残る2体はわざわざ相手にする必要は無いと感じてそのまま突っ切って屋上から退散した。

 

校内を走り抜けて校門まで来る。ここまで来ればあとは少し残っているMOBを警戒しながら進むだけで済む。しかしもう救助を望むことは出来ない。恐らくここに残っているのは自分だけであり、わざわざ危険な場所に民間人1人を救出するために自衛隊が来るとは思えないため、自分の足で自衛隊の基地に向かうことにした。




自分を犠牲にして民間人を救助する主人公、それは元より持っていた善意か、1度死んだことで薄れた死の恐怖からか。
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