ヒーリングっど❤プリキュア〜新たな伝説の誕生〜   作:ssgss

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外出自粛を言い渡されているこの時期にみなさんはどうお過ごしなんでしょうか?

自分の小説を読んでくれている方々やそうでない方にも何事もなく元気で過ごしていただければなと思う今日この頃です


母の温もり

「お邪魔しまーす」

 

「ああ、来たね治くん。いらっしゃい」

 

「こんにちは。たけしさん」

 

 今日、俺、ちゆ、ひなたはのどかの家にお呼ばれしていた。

 

「あ! おさむんやっと来た〜! ねえねえ、この家、のどかっちのパパが作ったんだって! 凄いよね〜!」

 

 俺を見つけるとすぐにひなたが飛んできた。

 そしてその勢いのまま俺に話す。

 

「作ったんじゃなくて、リフォームよ。さっき言われたでしょ、ひなた」

 

 そんなひなたを制するようにちゆが言う。

 そしてひなたはあっはっは〜…と笑って返していた。

 

「のどか」

 

「ん? 何、お母さん」

 

「お母さんね、そろそろ仕事に復帰しようと思うの」

 

 不意にのどかを見ると、のどかのお母さんであるやすこさんとそんな話をしているのが聞こえた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 翌日―――。

 

「そういえば、のどかのお母さんって何やってる人なんだ?」

 

 俺は昨日気になった事を昼休みにのどかに聞いた。

 

「お母さん、配達のお仕事してるんだ。お母さんいつも言ってた。配達で、みんなからありがとうって言ってもらえるのが凄く嬉しいんだって」

 

「素敵なお母さんね」

 

「かっこいい〜!」

 

 そんな談笑しながら俺達は昼飯を囲む。

 ちなみに、二人の横にはもし万が一人が来ても大丈夫なように見えない位置でペギタンとニャトランも俺達の飯に混ざっていた。

 あれ? そういえば今日、ラビリンは?

 

 

 

 一方その頃花寺家にて―――

 

「くぅ〜ん…」

 

「ラテ様。今日からのどかのお母さんもお仕事で夕方まで居ないラビ。けど、学校が終わったらのどかも帰ってくるラビ!」

 

 家中を探し回るラテにラビリンが言う。

 そう、ラテの探している人物はもちろん、のどかの母であるやすこだ。

 地球に来て、のどかに拾われて以来一番自分のお世話をしてくれていた人物。

 その人が急に居なくなったことに不安を覚えているのだろう。

 

「ワン…」

 

 ラビリンに言われ、ラテはトボトボと部屋に戻る。

 そしてまた翌日―――。

 今日はラビリンに加えてペギタンとニャトランもラテのお世話に加わっていた。

 

「さーて何する? 人間が居ないからのびのびし放題じゃん!」

 

「ニャトランは人間が居ても居なくてものびのびしてる気がするラビ」

 

「ラテ様。ご飯の時間だから中に戻るペエ」

 

 ペギタンはラテにそう言う。

 

「くぅん…」

 

 ラテは寂しそうな声を出す。

 そして、出されたご飯もほぼ手付かずの状態だ。

 

「ラテ様どうしたラビ? 具合悪いラビ?」

 

 そんなラテを心配してラビリンが言う。

 だが、ラビリン達のようにのどか達パートナーがいる訳では無いラテにとって、やすこの存在がどれだけ大きいものなのか、ラビリン達には分かるはずもない。

 

「なあに! こんなにいい天気なんだから、庭で日向ぼっこでもすりゃ、気も晴れるって!」

 

「ニャトランは悩みがなさそうで羨ましいペエ」

 

 窓を開けるニャトランにペギタンが言う。

 そして、ラテはその開けられた窓を見た。

 

「ワン!」

 

 打って変わって元気な声を出し、一気に庭へ飛び出すラテ。

 

「ほらな、最初からこうすりゃ良かったんだよ。これでラテ様もすぐに元気に」

 

 そしてラテは、そのまま庭を突っ切って花寺家からも飛び出してしまっていた。

 

「「「あーーーー!!!!」」」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 すこやか中にて―――。

 

「えー、なので、この場合にそのが指すものとしては―――」

 

 ……ヤバい、眠くなってきた。

 数学や理科なんかだと眠くならないのに何だってこの国語ってやつはこうまで眠くなるんだ…?

 しかも内容が難しいんだよ。

 

 ―――俺達の授業で受けている国語の内容を説明すると、人の意識と無意識についてだ。

 何でも、人は意識的に人を傷つけないように力をセーブしているため、自分がどれだけ力を持っているのかは誰にも理解できない。

 しかし、もし人が無意識になった状態で動けたなら、それは意識をハッキリさせて動くよりもより俊敏で力強く動けるようになる……みたいな文章が淡々と書かれているんだ。寝るなって方が無理だろ。

 

 そんな事を考えていると授業終了を告げるチャイムが鳴った。

 

「はい。それでは今日はこれまで。みんな、今日やった事の復習はしっかりしておくんだぞ」

 

『はーい!』

 

 その日の授業が終わり、生徒がそれぞれ散り散りに散って行く。

 

「ちゆちー、今日は部活?」

 

「ううん。今日は休みよ」

 

「じゃあさ、またウチに寄ってかない!?」

 

「そうね…。のどかと治くんはどうするの?」

 

 ちゆが俺に聞いてくる。

 だが、俺とのどかは今日は共通の予定がある。

 

「悪い。今日は俺ものどかの家でラテのお世話するんだ」

 

「ごめんねひなたちゃん。また誘って」

 

 急いで帰り支度を整えようとする俺たち。

 するとそれを見ていたちゆとひなたが、

 

「なんだも〜! 二人揃って水臭いな〜、それならあたし達も手伝うよ〜! ね、ちゆちー」

 

「ええ、私たちもラテに会いたいしね」

 

 と言ってきた。

 

「ありがとう二人とも!」

 

 そんな二人にのどかは感謝する。

 そして俺たちが校門を出ると、

 

「のどかー!」

 

 ラビリンがのどかの名を呼びながら飛んできた。

 

「ラビリン!? どうしたの、今日はラテとお家に居たんじゃ…」

 

「ラテ様が、ラテ様が…!」

 

「「「「?」」」」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ラテ!」

 

「やっと見つけたよ〜!」

 

 ラビリンからラテ脱走の知らせを聞いた俺たちは、ようやく見張っているニャトランとペギタンの近くでラテを発見した。

 そこは、すこやか運送会社の前。

 つまり、のどかのお母さん―――やすこさんの働いている会社の前だった。

 

「ラテはお母さんに会いたかったんだね」

 

 のどかはじっと運送会社の前で座るラテを抱きかかえて言う。

 

「それだけでここまで来られちゃうなんて、凄いな〜!!」

 

 そしてひなたはラテを褒めながら頭を撫でる。

 

「けど、そうだよな。いくらラテがヒーリングガーデンの王女だって言っても、まだまだ子どもなんだよ」

 

 俺は改めてそれを認識する。

 

「聞いてきたわよ。多分、いちご農園にいるはずだって」

 

「さっすがちゆ、動きが早くて助かるぜ!」

 

 俺は指を鳴らしてちゆを指す。

 すると彼女はそれに笑って返した。

 

「くしゅん!」

 

 そんな俺たちに報せるように、ラテが唐突にくしゃみをする。

 

「こんな感動の時くらい来ないでくれねえかな、ホント」

 

 それを見て俺は言う。

 そしてのどかがラテに聴診器を当てた。

 

『あっちの方でいちごさんが泣いてるラテ』

 

 ビョーゲンズが居る場所を教えてくれたラテ。

 そしてそれを聞いたとき俺は、

 

「マジで勘弁しろよ」

 

 少し、自分でも意識しなければ気づけないほどほんの少しだけ……怒っていた。

 

「お母さんが危ない!!」

 

 のどかの声と同時に俺たちはいちご農園に向けて走り出す。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ!」

 

 だが、俺たち四人の中で一番体力の無いのどかは息を切らし、足取りも悪くなっている。

 

「はぁ…はぁ…あっ!」

 

 それに足を取られてのどかは転びそうになる。

 

「大丈夫か?」

 

「ご、ごめんね……治くん」

 

 そんなのどかを俺は受け止める。

 

「治くんは、のどかに付いててあげて。今回は私とひなただけでお手当てするから。のどかは後で治くんとラテと一緒に来れば」

 

「ううん…。行くよ、わたしもラテも」

 

「だけど…」

 

 ひなたがのどかを心配して声をかけようとする。

 

「危ないのはいちごやエレメントさんだけじゃない。大好きなお母さんもなの!」

 

 のどかは強く言う。

 

「……」

 

「わたし達が寂しい時、お母さんは助けてくれた。側にいてくれたの、だから今度はわたし達が助ける番なの!」

 

「ワン!」

 

 のどかとラテの強い言葉。

 そこまで聞かされたらもう俺には何も言う事は無い。

 俺はそう思ってのどかの前にしゃがみ込む。

 

「……のどか、乗れ」

 

「治くん…?」

 

「俺は人よりも早く走れる。お前一人くらいなら、背負っても大して変わらないさ」

 

 のどかは俺にありがとうと言いながら背中に乗った。

 そして俺は、のどかとラテを背負ってちゆ、ひなたと共にいちご農園に向けて再び走り出した。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「あれ? また来たんだ?」

 

 いちご農園に着いた俺たちを待っていたのは、ダルイゼンの姿だった。

 そして近くには、気絶しているやすこさんと農家のおっさんの姿。

 

「来るよ。何度でも!」

 

「ふーん。まあいいや。メガビョーゲン」

 

「メガビョーゲン!!」

 

 ダルイゼンに言われるように姿を現すメガビョーゲン。

 

「許せない!」

 

「のどか、行くラビ!」

 

「うん!」

 

 怒りを表しながら変身するのどか、ちゆ、ひなた。

 

「「重なる2つの花!!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

「「交わる2つの流れ!!」」

 

「キュアフォンテーヌ!」

 

「ペエ!」

 

「「溶け合う2つの光!!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャン!」

 

「「「地球をお手当て!」」」

 

「「「ヒーリングっど♥プリキュア!」」」

 

 グレース、フォンテーヌ、スパークルの三人はパートナーと共に決めポーズを取る。

 そして次の瞬間、メガビョーゲンはビニールハウスから襲ってくる。

 その攻撃を躱して俺は三人に言う。

 

「俺がやすこさんとおっさんを出来るだけ安全なところまで離すから、お前らはメガビョーゲンを頼む!」

 

「うん!」

 

「分かったわ!」

 

「まっかせて〜!」

 

 三人とそう話して、俺はやすこさん達の元に向かう。

 その途中、ダルイゼンの横を通り過ぎた。

 

「いいの? 君は戦わなくて。ああ、浄化できないんだっけ?」

 

 ダルイゼンは挑発するように俺に言う。

 

「浄化が出来なくても、あいつらと一緒に、あいつらの隣で戦うことはできるからな」

 

 が、今の俺はそんなダルイゼンの挑発に返す。

 ……そういえば待てよ。

 俺はここに、のどかとラテを背負って連れてきた。

 そしてのどかはグレースに変身して戦っている。

 

 ……ラテは…!?

 

 俺はその事に危機感を覚え、先決させるべきやすこさんとおっさんの元にたどり着き、出来るだけ遠くまで運ぶ。

 そして、戦場に戻った俺は衝撃的な物を見た。

 

「……くぅ…くぅん…」

 

 いちご農園の中。

 ラテが青い顔をしながら歩いていた。

 まるで、そこで何かを探すように。

 

「ラテ!」

 

 俺がラテの名を呼ぶ。

 するとラテは、

 

「ワン…!」

 

 弱々しく、それでも俺に心配をかけないように吠える。

 

「あの犬…、ヒーリングガーデンの……ちょうどいいや。メガビョーゲン、アイツからやりなよ」

 

「メガビョーゲーーーーーン!!!」

 

 メガビョーゲンの鉄球の様な腕がラテに迫る。

 

「危ない!」

 

「逃げて!」

 

 フォンテーヌとスパークルはもう片方の腕に手こずっており、グレースは何故かその場から動けていない。

 そして、

 

「ラテーーーーーーー!!!!!!」

 

 俺は叫びながらラテの元へ走る。

 結果だけを言おう。

 俺はメガビョーゲンの攻撃よりも先にラテの元に着くことはできた。

 

「ぐっ……」

 

 しかし、逃げる間も無かった俺はメガビョーゲンの攻撃をもろに頭へ受ける。

 

 ……凄く、痛い…。

 尋常じゃなく痛く、そして額の辺りが熱い。

 この感覚、ひなたを庇った時に似てるから多分血出てるな。

 

「ラテ…、大丈夫か…?」

 

 俺はラテを抱えて言う。

 あの一撃のせいで足に力が入らねえ。

 

「メガビョーゲン」

 

「メーガー!!」

 

 そして再び迫るメガビョーゲンの腕。

 力が入らないから、多分これ以上躱すのは無理かな。

 そう思った俺はラテを強く抱きしめる。

 

「……安心しろラテ。絶対に、お前を傷つけさせやしない。お前は必ず、母親に会わしてやっからな」

 

 俺がラテに言うと、再び後頭部に衝撃が走る。

 しかも今度は一度じゃない……何度も何度も…って、よく冷静に分析できるな。

 

「治くん!」

 

「止めて! 止めてよ! 止めてって言ってるじゃん! それ以上やったら本当に許さない!」

 

「何で……何で動いてくれないの!?」

 

 フォンテーヌの俺を呼ぶ声。

 スパークルの怒りの声。

 そしてグレースの悲痛な声。

 それが俺の耳に届く。

 

 そしていつまでも倒れない俺に痺れを切らせたメガビョーゲンが、今度は両腕を振りかざしていた。

 ……さすがに、アレからラテを無傷は厳しいな。

 俺は覚悟を決める。

 そしてラテを、フォンテーヌとスパークル目掛けて思いっきり放り投げる。

 

「二人とも……!!!!」

 

 そして二人がしっかりラテをキャッチしてくれたのを確認した俺は、

 

「……頼んだぜ」

 

 それだけ残してメガビョーゲンの攻撃を受ける。

 それが俺が、次に起きるまでの最後の記憶だった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回のタイトルはもう決めているのでお先にお知らせしておきます。

次回のタイトルは『力の片鱗』です。

それでは、また次回でお会いしましょう!
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