ヒーリングっど❤プリキュア〜新たな伝説の誕生〜 作:ssgss
今日はちゆの大会当日。
会場に向かった俺はのどかとちゆを見つけた。
「よっ、二人とも」
「あ、治くん!」
「やっほ〜、おさむんも来たんだ」
「まあ、ちゆにも約束したからな」
俺は二人の横に座って言う。
そんな俺を不思議そうな目で見る二人。
「……お前ら、何だそのデカいの?」
「ちゆちゃんを応援しようと思って、みんなで横断幕作ってたんだ。わたしもひなたちゃんも頑張ったんだよ」
のどかは全部を見せないが少しだけ端をめくって見せてくれた。
だが、俺はその端から見えた物を見過ごさない。
「何で一部だけ色が……」
「「「ぷにシールド!」」」
縫い直したような後のある事を聞こうとしたらヒーリングアニマルズに同時攻撃を俺はまともに受けた。
あれじゃ、ぷにシールドじゃなくてぷにタックルだろ…。
「いや別に隠すようなことでもねえだろ? 間違ったんなら間違ったで―――」
「あ、ちゆちー!」
「聞けよ…」
俺の言葉を遮ってひなたがちゆを見つけた。
そして、のどかとひなたはちゆに向けて横断幕を広げる。
そこには【空へ! 限界突破!】と書かれていた。
……うん、やっぱり破の部分だけ縫い直されてる。
そんな事を思いながら、俺もちゆに向けて手を振る。
ちゆはそんな俺たちを見ると途端に笑顔になる。
そして、ちゆが挑もうとした時―――
「くしゅん…!」
ラテが顔色を悪くしてくしゃみをした。
そして今回に関しては、俺たちが行くまでもなくその場にメガビョーゲンが現れる。
困惑するちゆ。
逃げる人々。
「……悪い、俺ちょっと準備してくる!」
俺はひなたとのどかにそう言ってその場を離れる。
……初お披露目、こんなに早くなるとは思わなかったけどな。
俺は父さんの作ってくれたアクセサリーを眺めてそう思った。
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メガビョーゲンが吐いたブレスにより、グラウンドの一部が凍りつく。
「今日の為に、皆必死で努力してきたのよ! それを台無しにするなんて!」
「ちゆちゃん!」
「ちゆちー!」
怒りをメガビョーゲンに向けるちゆ。
そんなちゆの元に駆けつけたのどかとひなたを見て、ちゆは微笑んだ。
そして三人はプリキュアに変身してメガビョーゲンに向かう。
「「「ハアアッ!!」」」
だが、メガビョーゲンの体を覆う巨大な氷塊に三人の攻撃は弾かれる。
「メガッ! ビョーゲン!」
体勢を崩した三人めがけ、メガビョーゲンはブレスで応戦する。
しかし、そこはさすがのプリキュア。
三人はそのブレスを躱して着地する。
「きゃっ! 何!?」
「地面がツルツルしてる動き辛い〜!」
凍った地面に苦戦するプリキュア達。
それを遠くからダルイゼンが見ていた。
「―――今日は、オサムの姿は無しか。ま、どうでもいいけど」
ダルイゼンは言う。
その時彼は、そっとかつて治につけられた傷をなぞった。
「お待たせ!」
そんなダルイゼンの言葉など知らないプリキュア達の元に聞き慣れた声が届く。
「治くん! 遅い…よ…?」
声に真っ先に反応したグレースがその方を見るも、彼女はその声の主に戸惑った。
服装も声も、間違いなく治である。
そのはずなんだが……声をかけた主は別れる前の彼と違いサングラスを顔にかけ、頭にはターバンのようにタオルを巻いていた。
「え…、おさむん、だよね?」
「? おう、間違いなく俺だけど? ああでも、この格好の時に本名は結構マズいよな……なんかいい呼び名でも考えとこうかな」
困惑する彼女たちを他所に変装した治は言う。
けど、そんなくだらないやり取りをいつまでも待つほどメガビョーゲンも愚かではない。
「メガビョーゲン!」
メガビョーゲンによるブレス攻撃。
それを四人はそれぞれの方向で躱す。
そして、
「やっぱり来たんだ」
「ん? うわっ!」
治の所にはダルイゼンが現れる。
そんなダルイゼンの攻撃を受けながらも、治はしっかりと着地をする。
「…………」
「お前には聞かなきゃいけない事があるからね。借りもあるし」
ダルイゼンは自分の頬を指さして言う。
「(借り…? なんの事だ?)」
だが治はその意味を分かっていない。
当然だろう。彼はその時気絶していたのだから。
しかし、目の前で構えるダルイゼンを見た彼は、
「……グレース! フォンテーヌ! スパークル! 悪いけどこいつは俺に用事みたいです、今回は手伝えねえ! 三人でなんとかしてくれ!」
三人に叫ぶ。
「…! ええ、分かったわ!
そんな彼の言葉へ一番に返したのはフォンテーヌ。
その時の彼女は、治を信頼し、彼の名を真っ直ぐに呼んだ。
「……へへ、任せとけ」
その事に嬉しくなった治もまた笑顔で構える。
「(しっかしどうしたもんかな…。向こうは飛び道具ありみたいだし、こっちもなんか武器が欲しいな)」
眼前でエネルギーを溜めるダルイゼンを見ながら考える治。
そんな時彼の目に映ったのは、ちゆが跳ぼうとしていたハイジャンプのバー。
「あれだ…!」
「ふっ!」
それを見つけた治と、治に向けてエネルギー弾を放つダルイゼン。
治はダルイゼンの攻撃を躱してバー向けて走り出す。
ダルイゼンはそんな治に向けてエネルギー弾を連発する。
「ちっ…しぶとい…!」
珍しく苦悶の表情を見せるダルイゼン。
そして治は、ダルイゼンからのエネルギー弾の雨を躱してバーを手に取った。
「おっし! 武器ゲット!」
治は手に取った武器を構えてダルイゼンに向き直る。
「さあ、続きを始めようぜ」
「……ホント何なのお前?」
そんな治にダルイゼンは聞いた。
「何なのって言われてもな…」
「普通プリキュア以外の人間に、俺たちと戦えるわけがない。……なのになんでお前は戦えるわけ?」
ダルイゼンはそう告げる。
「……さあな」
少しの間を置き、治は返す。
ダルイゼンめがけてハードルのバー振りかざしながら。
そしてダルイゼンはその振り下ろされた一撃を受け止め、二人は互いを睨みつけていた。
「……へえ、メガビョーゲンに任せっきりなのかと思ったけどお前自身も戦えんのか」
「自分で戦うよりもメガビョーゲンに任せた方が楽だからやってるだけだよ」
静かに話す二人。
そしてお互いに再び距離を取る。
「俺が何なのかなんて、俺が知りてえよ。人と違って尻尾なんて生えてるし、こんな状況だってのにわくわくして止まんねえし。……けど、一つだけ分かることもある」
治はそれでも笑う。
きっとこのままダルイゼンがどう彼に問いかけようと、きっと彼の気持ちが揺らぐことない。
そう思わせるような顔のまま彼は、
「俺はお前らの敵だってことは変わらねえよ」
と言ったその時、彼の髪は風が吹いたわけでもないにも関わらず一瞬揺れた。
「プリキュア! ヒーリング・ストリーム!」
その時、戦いを終える鐘のようにフォンテーヌの叫びがこだまする。
その様子を見たダルイゼンは、
「ここまでかこの借りは、また今度返すよ」
治にそう告げて去る。
「だから借りって何なんだよ!?」
だが、その事が分からない治はその場で叫んでいた。
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「ちっくしょう、ダルイゼンの奴。自分の言いたい事だけ言って消えやがった…」
俺は不完全燃焼のまま言う。
「まあまあ、いいじゃねえか! 今回もお手当ては出来たんだからよ!」
そんな俺を、ニャトランが宥める。
確かに、メガビョーゲンの影響で凍ったグラウンドとかは戻ったが、まだ肝心のラテが元気を取り戻していない。
「氷のエレメントさん。ラテ様に少しだけ元気を分けてほしいペエ」
『はい! もちろんです!』
氷のエレメントが言うと、俺たちが今持っているボトルに元気を貯めるのではなく、新しいボトルがその場に出現した。
「貴重なボトル! これで二個目ニャ!」
そのボトルの元気を受けてラテは元気になる。
けど、
「大会、残念だったな…」
俺は目の前のシーンとした会場を見て言う。
その様子を、のどかとひなたも残念そうに見ていた。
「……ねえ治。そのバー、またあそこに掛けてもらえないかしら?」
そんな俺にちゆは言う。
俺はそれの意味が分からないまま、彼女に言われた通りにバーをハイジャンプの所へ掛け直した。
「これでいいのか?」
「ええ。ありがとう」
そう言うとちゆは走り出す。
そして、昨日まで跳べていなかったのが嘘のように、彼女はそのバーを軽々と跳び超えてみせた。
「やったー!」
「ちゆちゃーん!」
のどかたちが勢いに任せてちゆへ抱きつく。
そして、俺とちゆはお互い笑顔のみで成功を喜びあった。
「―――また一歩、近づけた。あの場所へ!」
はあ…ヒープリ放送延期、映画再延期……仕方がないけど悲しいぜ…