ヒーリングっど❤プリキュア〜新たな伝説の誕生〜   作:ssgss

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まあ、今更ですがヒープリでは私は断然花寺のどか/キュアグレース推しですね←タグで分かるっての



アニマルクリニック

 もうかれこれ二時間はこうしてるな。

 俺は重力室の中で4倍の重量と戦いながら思う。

 そして、自分の変化に疑問を持つ。

 

「俺って、何なんだろう…」

 

 最近、前にも増してここに籠もることが増えた。

 のどかやちゆがプリキュアになって、メガビョーゲンって化物が出てきて、俺ももっと役に立ちたいって思ったからか?

 確かにそれもあるかもしれない……けど、役に立つだけならもっと他にもある。

 例えば周囲の人に危害が加わらないよう避難に手を貸すとか、それこそ、いつもラテの近くに居て、メガビョーゲンが出たら真っ先に知らせるとか、方法はいくらでも―――。

 なのにどうして、強さに(こだわ)る。

 

「これも結局分からず終いだし…」

 

 俺の視界の中でピョコピョコと揺れる尻尾。

 物心付いた時……いや、生まれた時から付いてたらしいこの尻尾。

 どうして俺にだけ付いているのか、それもまったく分からない。

 

「ハア…、考えたって仕方ねえよな」

 

 俺はそう呟きながら重量を元にし、重力室を後にする。

 明日は出かける約束だし、午後からとはいえちょっと早めに起きないと。

 もう遅刻は懲り懲りだからな。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「え? ラテが?」

 

 翌日、約束の時間よりも早い時間にのどかから電話を受けた俺。

 

『そうなの、朝は何とも無かったのに、午後からちょっと具合が悪いそうで』

 

「分かった。俺も今から行く。後でな」

 

『うん。待ってる』

 

 そんな会話の後に電話を切った。

 ラテの様子……ねえ。

 そういえば、のどかの奴。

 

「なあのどか、お前ってラテを匿ってから、動物病院とかに連れてったことあるか?」

 

「え……う、ううん。一度も」

 

 あの後、なるべく急いでのどかの家に行った俺はのどかに聞いた。

 そして、のどかからの返答は予想通り。

 

「やっぱりか、多分だけど慣れない環境でストレスが溜まったんだろう。それに、ラテが居たのは文字通り違う土地なんだから」

 

 とりあえず、動物病院で落ち合うことをちゆにも連絡しないと。

 

「近くにある動物病院で、診てもらおうぜ」

 

「うん…」

 

「心配すんな。すぐ良くなるって」

 

 その後、俺たちはちゆと合流し、その動物病院へ向かった。

 ちなみに、ニャトランはまたパートナー探しに出かけたらしい。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「うん。治くんの言う通り、ただのストレスだね。これなら、すぐに良くなるよ」

 

「良かったぁ〜!」

 

「ありがとうございます」

 

「俺からもお礼を言わせてください。ありがとうございます。ようたさん」

 

 俺はひなたの兄である平光ようたさんにお礼を言う。

 

「いや、良いんだよ。僕も好きでやってるんだから、それに、みんなはひなたの同級生なんでしょ?」

 

「そうですね。みんな同じクラスです」

 

「そっか。治くんは今年もか、まあ、知ってると思うけど騒がしい妹だから、よろしくね」

 

 俺はようたさんにはいと返す。

 すると、ちゆとのどかが不思議そうな目で俺を見ていた。

 てか、なんでのどかはちょっと怒ってそうな目…?

 

「前から思っていたのだけど、治くんは、平光さんとどういう仲なの?」

 

 ちゆが俺に聞く。

 のどかも激しく同意して聞きたかったのか、うんうんと横で頷いていた。

 

「え、出会っていきなりここに診察されそうになっただけだけど?」

 

 俺はありのままを伝える。

 ようたさんはその時の事を知っているので苦笑いを浮かべているが、ちゆとのどかは驚いていた。

 

「あの時はビックリしたよ。いきなり君を連れてきたと思ったら『病気かもしれない! なんとかならない!?』って言われたからね」

 

「最初に元からこうだったって伝えたんですけど…。優しい反面、猪突猛進な所がありますからねひなたは」

 

 俺たちはハハハと笑った。

 

「そんな事があったんだ……あれ? ようたさんさっき妹って…?」

 

「ああ、ひなたは僕の妹だからね。……もしかして、お父さんと間違えた?」

 

「「ご、ごめんなさい!」」

 

 ちゆとのどかは同時に謝った。

 

「お兄!!! ちょっと見てよこれこれ! この子!」

 

 いきなり開くドア。

 その向こうからひなたが姿を見せた。

 

「ひなたちゃん!?」

 

「お前、確か今日は隣町まで友達と遊びに行くって…」

 

「あー、そうなんだけど。とにかくこの子! 喋る猫発見!」

 

 ひなたは両手でニャトランを見せた。

 当然、

 

「「「!?」」」

 

 俺たちは動揺する。

 プリキュアの事は絶対に秘密。

 ラビリンから再三に渡って言われたことで、その近くにいる俺も正体をバレないように今日は変装のための道具を買いに行く約束したんだから。

 

「喋る猫? ひなたの聞き間違えじゃなくてか?」

 

「それは無い! 絶対に喋ったって…」

 

「そ、そう! 聞き間違いよ!」

 

「お前はいつもそそっかしい所があるんだから、絶対に聞き間違いだって!」

 

「ひなたちゃん! わたし、喉乾いちゃったから、隣のカフェでジュース飲みたいな〜!」

 

 俺たちは三者三様にひなたを押さえる。

 そして、

 

「「失礼しました〜…」」

 

「それじゃあようたさん。頑張ってください」

 

 静かに診察室のドアを閉める。

 そして、隣のカフェで特製のジュースをご馳走してもらう俺たち。

 

「ふわぁ〜美味しい〜!」

 

「ホントだこりゃ美味えや。意外にもこのグミが合ってる」

 

「でしょでしょ! 実はグミ入れるの、あたしのアイデアなんだー!」

 

 ジュースを飲み、その感想を言うと、ひなたは嬉しそうに教えてくれた。

 

「でねでね、さっき拾ったこの猫なんだけど〜」

 

「気のせいよ! 猫は喋らない!」

 

 ひなたの言葉に間髪入れず、ちゆが声を荒げる。

 ちょっと怖い。

 

「ちょっ、ちゆちー怖い〜…」

 

「ちゆちー…」

 

 ひなたから突然あだ名で呼ばれ、戸惑うちゆ。

 そして、

 

「俺の名前はニャトラン! 四人ともよろしくな!」

 

 テーブルの下から出てきたかと思ったら、ニャトランはなんの躊躇いもなくひなたの目の前で言葉を発しやがった…。

 

「ほら喋った!」

 

「あ、ああ…ソダナー」

 

 思わず乾いた笑いを浮かべながら俺は返す。

 こうなったらニャトラン、お前が責任取れよ…。

 俺はニャトランを見ながらそう思う。

 

「あたしはひなた! ねえ、ニャトランはどうして喋れるの?」

 

「それが分からないんだ。生まれた時から俺だけ喋れてさ」

 

「あ、そうなんだ。おさむんも、尻尾が生まれつき生えてるって言ってたし、あたしってそういうのに縁があるんだ〜!」

 

 ニャトランを説明を受け、ひなたは納得した。

 意外だ! 意外なところでこの尻尾が役に立ちやがった!

 

「彼女ああ言ってるけど…これで良かったのかしら…?」

 

 ちゆが俺に耳打ちする。

 

「仕方ねえだろ。ああなっちまったんだ。もうニャトランに任せるしかない」

 

 俺はちゆにそう返す。

 そしてニャトランとひなたの話は進む。

 

「なあひなた。俺のことはみんなには内緒にしてくれよ」

 

「もちろんだよ! てか、初めからそうするつもりだったし」

 

 ひなたの言葉で俺たちは一斉に彼女を見た。

 

「うぇ? どうしたのみんな、あたし何か変なこと言っちゃった感じ!? だって、見世物になっちゃったら可哀想じゃん!」

 

「いや、だってさっきようたさんに真っ先に見せようとしてたから」

 

「あ、あれは、そうなる前に保護するーとか、迷子だったらお家探すーとか、お兄に相談するー…とか、色々考えて慌てちゃって…。はあ、駄目だなあたし…またすぐ周り見えなくなっちゃうんだもん」

 

「そうだな。ここでのどかにぶつかって、急いで謝って急いで駆け抜けていくくらいだもんな。お前」

 

「ええ!! なんでおさむんがその事知ってんの!? のどかっちから聞いた!?」

 

「いやあの日俺もその場に居たんだよ」

 

「嘘ぉ!?」

 

 嘘言ってどうなるんだよ俺。

 何も良いことねえじゃん俺に。

 そんな事を考えてると、のどかが不意に笑った。

 

「あれ? どしたの、のどかっち」

 

「ひなたちゃんって優しいんだなって思って」

 

 のどかにそう言われると、ひなたの顔は見る見る紅くなった。

 

「ふぇっ!? いやいやいやいや、あたしなんて全然だってば!」

 

 ひなたは腕をぶんぶん振りながら否定する。

 そこで俺は、さっきようたさんが言ってた事を思い出した。

 

「なあひなた。お前確か今日…」

 

 俺が話しかけた瞬間。

 ひなたのスマホが鳴り、それを確認したひなたの顔が紅から真っ青になっていく。

 

「あーーーーーーーーー!!!!」

 

 そしてひなたは絶叫した。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 あの後起こった事を説明しよう。

 ひなたは今日、隣街にある大型ショッピングモールに友達と遊びに行く予定があり、元々遅刻しそうだったが途中でニャトランと遭遇。

 そして先ほどの俺たちとの事に繋がり、さっきのスマホはひなたの友達から彼女への催促の連絡だったようだ。

 

「どこにいるんだろ〜…」

 

「今どこに居るのか、連絡つかないの?」

 

「うん…。さっきから掛けてるけど、全然繋がらない…」

 

 というとひなたは(うずくま)ってしまう。

 

「はあ…やばぁっ…。またやっちゃった…」

 

「また、って?」

 

 そんなひなたにのどかが聞く。

 

「あたし、目の前のことでいっぱいになって、すぐに他のこと忘れちゃうんだ〜…。今日みたいに遅刻するのも、何度もあったし…」

 

 ひなたは自分を責める。

 だが、そんな彼女の頭にニャトランが乗った。

 

「任せとけよひなた」

 

「ニャトラン?」

 

「ひなたは、俺を助けようとして遅刻したってことをちゃんと俺が説明してやるよ」

 

「ありがと〜。優しい〜!」

 

 いや待て待て待て、お前が説明したら結局バレんだろうが…。

 

「説明は俺たちでしよう。な、ちゆ?」

 

「え、ええそうね。そっちは私たちに任せてちょうだい!」

 

「そうだね。ひなたちゃん。とりあえず、二人を探そう? 大丈夫だよ。みんなで探せばすぐに見つかるよ」

 

 ちゆとのどかがひなたを慰める。

 

「みんな、ありがとう!」

 

 そして、俺たちはひなたの友達を探すことになった。

 その途中、

 

「ごめんね治くん。今日は買い物の約束だったのに…」

 

 のどかが俺に言う。

 

「なあに、目的地には着いたんだ。早く見つけて、買い物に戻ればいいさ」

 

 と俺は言ったが、結局しばらく見つからず……挙げ句の果てには。

 

「……くしゅん!」

 

 ビョーゲンズが現れた、か。

 

「よし、ニャトランはひなたを逃してくれ。俺たちはビョーゲンズをやろう」

 

「分かった。任せろ!」

 

 ニャトランはそう言ってひなたの方へ向かった。

 

「よし、俺たちも行くぞ」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はキュアスパークル登場です!

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