ヒーリングっど❤プリキュア〜新たな伝説の誕生〜   作:ssgss

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5話に関してはちょっとオリジナルの展開というか、視点にさせていただきます


願いとわがまま

「……はあ…」

 

 授業中、俺はため息を吐いて窓の外を眺める。

 

『お前はプリキュアの足手まといにしかならない』

 

 ……。

 

『お前に何か一つでも、誇れるものがあったか?』

 

 ……分かっている。

 結局のところ、浄化ができない俺が居たところで何も変わらない。それでも、少しは強くなれた……そう思ってたんだけど、敵とはいえああまでハッキリ言われるとな…。

 その日は、その事にのみ意識を持っていかれ、気がついたら学校は終わっていた。

 

「治くん。ちょっといいかな…?」

 

「…………」

 

「えっと、あの? おーい?」

 

「……あ! のどかか? 悪い、ちょっと考え事をな。どうかしたのか?」

 

「えっと、実はね」

 

 のどかの話だと、今日の放課後新しく加わったひなたへの説明も兼ね、改めてプリキュアやヒーリングガーデンの事について知っていこうという話らしい。

 

「分かった俺も行こう」

 

「うん!」

 

 俺が言うとのどかは屈託のない笑顔を浮かべる。

 そんな彼女の顔が、今の俺には少し眩しすぎた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「よし、とりあえず今までの確認してくぞ」

 

 ある程度の事を話した後。

 俺はひなたのお姉さん特製のミックスジュースを飲みながら言う。

 

「まず、ラテの母さんのテアティーヌって人の認識は覚えてるか?」

 

「もっちろん! ヒーリングカーテンの偉い人でしょ!」

 

 ひなたは自信満々に言う。

 が、不正解だ。

 

「ヒーリングガーデンの女王様ラビ」

 

 ラビリンに訂正されるひなた。

 本人的には頑張ってるつもりなんだろうが、その頑張りがどうにも空回りしてる所があるっぽい。

 

「じゃあ、また続けていくね」

 

 そんなひなたのためにのどか説明を続けようとした。

 しかし、

 

「悪いのどか、ちょっと待ってくれ。俺からラビリン達に一つ聞かなきゃいけない事を思い出した」

 

 そんな話を俺は遮った。

 

「どうしたんだよ?」

 

 そして、そんな俺にニャトランが聞く。

 

「ビョーゲンズが作っている…ってか、呼んでるメガビョーゲン。アイツらはプリキュアじゃないと浄化できないのは今までも見てきたから分かるんだけど、俺みたいな一般人でもダメージを与えられるって事はアイツらを倒すだけなら俺でもできるんじゃないのか? なんでわざわざ浄化なんだ?」

 

 俺は気になってしまった事を聞いた。

 そして、静かにペギタンが口を開く。

 

「確かに、メガビョーゲンを倒すだけなら普通の人間にもできるかもしれないペエ…」

 

「なら…」

 

「けど、それじゃあエレメントさんを助けられなくなっちゃうペエ」

 

 ペギタンはそう言った。

 そしてそれをラビリンが細かく説明してくれる。

 

「エレメントさんはこの地球のあっちこっちに居るラビ。今この地球の木や花が元気でいられるのもエレメントさんのおかげラビ」

 

 ラビリンの言葉に俺は頷く。

 それは分かってる。

 なにせ今まで見てきたんだからな。

 

「でも、もしビョーゲンズに蝕まれたままメガビョーゲンを倒しちゃったら、そのエレメントさんも倒すことになるラビ。そうなったら、その蝕まれた場所は……」

 

「元に戻らない。ということね?」

 

 ちゆが聞くとラビリン達も頷く。

 なるほど、だからあんな頑なに倒すって事に否定的だったのか。

 

「分かった。そういう事ならやっぱしょうがねえよな。お前らもお医者さんなんだもんな。何かイジワルな事聞いちまったみたいでごめんな」

 

「治。もしかして昨日のグアイワルが言ってること気にしてるペエ?」

 

「―――」

 

 そのペギタンの言葉に俺は何も返せなかった。

 気にしてる。気にするに決まってる。

 けど、今ここでそれをこいつらに言っても変わらないからな。

 そしてその日のおさらい会はそれでお開きになった。

 一応、プリキュアも増えたから正体が、バレないようにみんな気をつけるようにとちゆに注意された。

 

 そういえば、ひなたの奴がやけにちゆに対して距離感を持ってたっていうか、少し腰を引いてる感じがしたような……気のせいか?

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 その翌日の昼休み―――。

 俺はのどかに呼び出された。

 場所は人なんてほとんど来ない校舎裏だ。

 

「なんすかのどかさん。俺絞められんすか?」

 

「し、絞めないよ! 治くんわたしを何だと思ってるの〜!?」

 

 あ、のどかって絞めるの意味知ってるんだ。

 などと呑気に思いながら、俺は本題に入る。

 

「で、どうしたんだよ? 俺だけなんて、ちゆやひなたは一緒じゃないのか?」

 

「うん。そのちゆちゃん達の事なんだけどね」

 

 話を聞くと、ひなたとちゆはお互いがお互いを気にしすぎているとの事だった。

 ひなたは自分の軽いところにちゆが怒っていると思い、ちゆは逆に自分の真面目すぎるところがひなたを怖がらせてしまっているんじゃないのか、と気にしていることを両者ともにのどかに相談したらしい。

 

「どうしたらいいのかな? わたし、ちゆちゃんにもひなたちゃんにも仲良くしてほしいよ」

 

「うーん、けどなぁ。そういうのって結局、時間が解決したりするからな……のどか、たまには俺じゃなくお前のお母さんとかに相談してみたらどうだ?」

 

「え、お母さん…?」

 

「そうそう。こういうのはやっぱり、俺たちよりも経験豊富な人に聞いてみるのが一番だからさ。そうしてみろよ」

 

 俺が、そう言うとのどかはそうしてみると言っていた。

 けど、いつもの俺ならのどかの力になってやりたい。

 そう思っていたはずだ。

 ……もしかしたら、本当に距離を置こうとしてるのはちゆとひなたじゃなく、俺とのどか達なのかもしれないな。

 

 教室に戻る最中、俺はそう考えていた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 翌日―――。

 

「みんなで水族館に行こう!」

 

 もはやここしか集まる場所無いんじゃないの?

 と思われるかもしれないが俺たちはまたしてもカフェに集まった。

 そして、その時にのどか水族館のチケットを見せて言ってきたのだ。

 

「……のどか、それは別に構わないんだろうけど」

 

「え?」

 

「それ、三枚しかねえぞ」

 

 のどかに俺は言う。

 そしてのどかも手元にある水族館のチケットを見ると確かにそこには三枚のチケットが握られていた。

 なんでも、お母さんから渡されたらしい。

 まあ、ラテとラビリン達はぬいぐる等々でごまかしは効くと思うが、さすがに俺達は厳しいだろ…。

 

「私はいいから、みんなで行ってきて」

 

 ちゆが真っ先に席を立とうとする。

 そして、

 

「え! ダメだよちゆちー! あたしが帰るから、ちゆちー達は楽しんできて!」

 

 次にひなたが席を立つ。

 そして二人は、その場で少し言い争いになった。

 一方の俺はというと、のどかを見た。

 急にこんな事を言い出すなんてどうしたんだと思いながら彼女を見ていると、のどかも何か言いたそうになっている。

 

 そこで俺は昨日彼女から聞いた話を思い出した。

 おそらく…いや、間違いなくあの話からここに繋がっているはずだからひなたとちゆの存在は絶対に必要。

 そしてそこにのどかが居ればきっと上手く行くだろう。

 それに、今は俺としてもこんなところあんまり見てほしく無いしな。

 

「悪いのどか! そういえば俺今日用事あったんだ!」

 

 俺は机をバンと叩いて言う。

 そんな俺にその場の視線が集まる。

 

「すっかり忘れてた。急ぎの用事で父さんから買い物頼まれてたんだ。だから今日は行けねえやこれから隣街のショッピングモールに行かないと…じゃあな!」

 

 俺は全員に有無を言わせずに走り出した。

 もちろん、そんな用事は存在しない。

 ただ、のどかの願いと俺のわがままが一致した。

 それだけの理由であるが、まあいいかと思いながら俺は隣街まで走ることに舌のだった。

 

 そういえば、一人で過ごすのなんて久しぶりだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まあ、オリ主もまだまだ子どもですからこんな事もありますよね…。
ちなみに、のどか達の方で起こることはアニメと何の変化もありません。

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