荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集   作:マガミ

33 / 50
トールがランナーになったら更地になるので。


外伝集・影走な世界

「これは珍しい。外からの来訪者か。ああ、できればその物騒な機械の塊を避けてくれないか。此方に攻撃の意志は無い」

「…話の通じるドラゴンで助かる。これでいいか?」

「うむ、うむ。突然の出現や、見慣れない武装、まあ色々質問はあるが、まずはお互いの名を知ろう」

「それなら此方から名乗る。トールという、しがない次元旅行者だ。技術や文化収集が趣味なんだが、ここにはそれを目的に現れた」

「成程。私は見ての通りドラゴンだ。名前は…そうだな、セイガ(星牙)でいい。ご同輩や先達に比べれば若輩も若輩でね、命を狙う連中が鬱陶しいから、ここに居を構えている」

「よろしくセイガ。いきなり棲家に来たことを謝罪する」

 

 

 

「…魔法のあるメガコーポ時代か。社会情勢的に大分近づいたか。相当な混乱が起きただろうな」

「そうだな。ゴブリン化をはじめとした、突然変異などで従来の人類と生物が変化し、今も種火が燻っているよ。しかし何だね、トールはとても興味深い。次元を渡る者と言えば、私も出会ったことは無いが、母から聞いた限りでは厄介者の代名詞だ」

「…嫌われてるな。俺も一度も遭ったことはないが、遭遇の際はできるだけ警戒することとしよう」

 

 

 

「君の持つテクノロジーはとても有用だが、纏まりに欠けるこの世界では危険物だな。星の海など夢の夢だ。同性能の物も、何故それで動作するのか興味が尽きない。それに人化のスキンだったか?この図体は母からの賜り物で誇るべきものだが、小さき者達に我々が隠れ、混ざれるのはとてもうれしく思う」

「この世界では複製は難しいだろうが、試しに渡したそれ(腕輪型スキン専用ナザリックギア)は進呈しよう。ただ、魔法や身体能力は同じだが、ドラゴン特有の身体特徴を使うことはできないから、出歩くならその点は気をつけてくれ」

「大いに感謝する。ああ、これでマトリックスやドローン経由でしか見れなかったメガプレックスやシティ、ストリートを、小さきものの視点で直に感じられる」

「ドラゴンがネットやドローンを普通に扱う時点ですげぇが、会社経営もしてるんだったか」

「ふふ、現在目を覚ましているご同輩達は、大抵が新しい物好きだぞ?」

 

 

「テクノロジーや文化の収集だが、直に出歩かなくていいのか?私は退屈しないで済むが」

「この世界でのSIN…登録ナンバーが無いからな。メガプレックス等に入れない以上、ネットワーク…此方ではマトリックスか、そこ経由で見れる範囲にしておいた方が余計な所を刺激しなくていい」

「ああそうか。私もSINの登録はあるが、あくまでもドラゴンとしての登録だ。スキン体のSIN登録を友人に依頼するか」

「所でセイガ、スキン体は男女両方あるが、ドラゴンとしてはどちらになるんだ? 雌雄同体だったりするのか?」

「どちらでもないが、次世代を残す能力はあるから、強いて言えば雌だろうか。…ふむ、暫しマトリックス等で時間を潰してくれるか? 手持ちの端末でスキン体のデザインをする」

「変換コネクタとプロトコルは用意してあるから、コンバート元から流し込めばいい。一度入れて戻し、コンバート先で破綻が無いかそちらの端末で確認してくれ」

 

 

 

「おお! これが小さきものの体か! はは、歩きづらいな! 手足も歩幅も小さ過ぎる! だが肌に感じる感覚はとても新鮮だ!」

「嬉しいのは理解したが、はしゃぐな、転がるな、開脚前転するな! ブリッジしてないで服を着ろ!」

「おおそうか…ううむ、中々難しい…おや? おお、動けないぞ!」

「ええい、着せてやるからじっとしてろ! まずはまっすぐ立って両手を上に上げて…」

 

 

 

「うむ、最初は手間もかかるし鬱陶しいと思ったがこれは良い。ストリートではこれより覆う面積の少ない衣装があるが、この服は肌触りもいいな。通販で色々と見繕い、比べるとしよう」

「通販を利用するドラゴン…所でなんで、人間で言う子供の姿なんだ?」

「先に言っただろう、私は先達に比べれば若輩だと。生まれは以前の周期からすれば末期頃だ」

「成程な。…提案だが、人化スキンを使って複雑な構造の衣服を着るなら、世話役として手持ちのドロイドを贈呈する」

「それは有り難いな。此方の伸縮生地の服はともかく、この紐結びのある衣装は私では着れそうにないのでな」

「なんで童貞を殺す服シリーズなんですかねぇ…」

 

 

 

「有意義な時間であった。それにしても、追加の腕輪、強請ったようで悪いな。仲の良いドラゴンとストリートを出歩きたくてな」

「構わないさ、人間に渡さなければいい。解析は自由だが、無理に扱って壊しても修理はしないから、新たに欲しければ今度は相応の対価を貰うぞ?」

「大事に扱うさ。また今度来た際は、面白いものを見せてくれトールよ。私も色々とテクノロジーや道具を新たに集め、披露するから」

「ああ、楽しみにしているよセイガ。提供したドロイドのマスター権はそちらにある、好きに名前をつけてやってくれ」

「うむ。ではまた会おうぞ、友よ。落ち着いたなら、拠点世界の友人たちとやらも連れてくるといい、歓迎する」

「ああ、またなセイガ」

 

 

 

「改良型人化スキン、あの巨体が収まるとかすげぇな…」

「無防備系幼女ドラゴン! ドールざん、どゆごどぉ!?(血涙)」

「ペロさんどうどう…あれ魔法的存在で実際はマジでドラゴンだからね?」

※後にペロロンチーノは、押しかけ(押し付けられ?)女房として、某可変型のじゃロリBBA竜女王を迎えます。

 




※後に再訪した際、セイガが負傷していたのを確認したトールは、攻撃をしかけてきた組織を特定すると報復攻撃し、文字通り支配エリアを更地にしました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。