荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集   作:マガミ

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レアリティではないです(殴

大騒ぎになった設定の再構築なのですが、今だと「世界線が変わった」で済みそう(暴言)


外伝集・5星

「あ、公爵夫人、お久しぶりです。あー、その件ですか? いやぁ取り扱って頂いて幸い、ご希望でしたら…そうですかそうですか! 絹と綿、前回の倍までは…え、ああ、そうですね、そういう事でしたら追加でご用意できます。いえいえいえとんでもございません、御贔屓頂いて助かっております、はい、はい、ではいつもの業者で発送致しますので、到着次第ご確認の上で、入金をお願い致します。ええ、はい、ありがとうございました、失礼いたします…」

「いつもの渡航費用調達先ですか?」

「ああ。あの子達用の天然素材はべらぼうに高いそうだからな、拠点生産の一回分で小金持ちだよ」

「重量も嵩みませんし、良い取り引きかと。でも値崩れはしないのですか?」

「既存産地との取引量と額は決められてるし、依頼待ちが多いから大丈夫なんだと。今回はファクトリーとか、懇意にしてる所に融通きかせるって言ってた」

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「久し振り。随分と…歳を取ったな」

「…お前はアレと変わらんのだな。彷徨う理不尽め」

「階梯とカテゴリが別だが、この姿に固定しているのは近い領域の力だから、甘んじてその謗りは受けよう」

「存外素直だな。だが、お前の持つ何某かを使っての延命は遠慮する。そのつもりで来たのだろう?」

「本当にいいのか? 悲しむぞ」

「真の意味で、アレは悲しみを知らない。私の死で、永遠の別れで、それを識るなら願っても無い事だ。共に在れぬのはとても惜しい事だが」

「全く、この銀河の人間は頑固だ。在ると理解しても理論から手を伸ばして、否定材料を探そうとする。とっくに答えは自分達の内にあるのにな」

「性分なのだ。我々が超帝國のそれを技術と定義した以上、アレがかの領域の存在であっても…いや、これも私の願望か。…座るがいい、茶程度は出そう」

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「そういや養子を取ったんだって? あの種馬坊主が拾ってきたって言うが、優秀だって聞いたぞ」

「意図した訳ではないが、後継者に相応しい。財産はどうでもいいが、縁者を名乗る有象無象に研究と名が食い散らかされるより、余程上等だ。まあ、アレが余計な真似は許さんだろうがな」

「形や伝わりは変わるだろうが、あんたの名は多分、長く残るだろう…それにアレも、君の子らも、そして俺も覚えているよ」

「有り難い話だ。まあお前は出来の悪い生徒だったが」

「やかましい。遺伝子だけじゃない領域で別生物のあんたらと、騎士やマイトですらない常人の俺を比べるな。常人なりに必死に詰め込んだんだぞ、それでも俺の種からすれば時間が一生分なんだからな!」

「またその冗談か。アレの事もそうだが、お前の場合はどうやって人に擬態しているのか、ついぞわからなかった…ああ、それも未練だな」

「だから本来は、寿命すら100年が精々の生物だっつーの。多少弄ってるが、遺伝子情報は見ただろうに」

「アレどころか娘達に心が無いと理論的に認識する方が、まだマシだ。貴様も懲りんな、冗談も程々にしろ」

「ひでぇ!?」

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「紅茶、ご馳走様。もう行くが、これがお別れだな」

「ああ」

「限度はあるが…お前以外の事で、何かしておいて欲しい事はあるか?」

「無い。強いて言えば子と弟子の事だが、アレやカイエンがどうにかするだろうよ」

「まあそうか。それじゃな、バランシェ」

「さらばだ、トール」

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「なーんで激おこぷんぷん丸なんですかねぇ…って、光剣投げんな!?」

「チッ外した。お前はこの世界での異物、そのものだからだよ」

「鏡見ろ鏡…って、ガチでわからないって顔すんな!」

「彼の不出来な弟子で友人の一人でなかったら、見かけ次第、ボッコボコにしてやるのに!」

「出合い頭に音速超えてかっ飛んで分身して蹴りを見舞ってきて、ボコボコにしてないとはこれいかに。一応、騎士ですらない一般人なんですけど!? 星団法が迷子だよ!」

「一般人詐欺だ不法侵入理不尽生物め! それに星団法なんか、個人相手ならどうにでもなりますが何か!?」

「うっわ、清々しいまでに権力者ムーヴだよこのアマテラス!」

「うるさい。かけた懸賞金を平気で取り下げさせる、あのずるっこ生産能力を寄越せ! アレはずるい! 頂戴! お小遣いだけでも!」

「ケチ臭いなおい!? 誰がやるかばーかばーか!」

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「もー動けない…くそう」

「散々暴れやがって。一歩手前からのスティム、何本使ったと思ってんだ」

「…それで、彼はなんて言ってた?」

「そんなん自分で聞け。ばっちりまだ生きてるんだ、最後の時間位は素直に寄り添え。意地を張る所じゃないぞ」

「それは…うん。でもお前に言われるのなんか腹立つ」

「何を躊躇ってるんだこの複合神格め。怖気づいたのか? これから幾度も見るものだろうに」

「…初めてなんだよ、友と認めた相手が、ただ静かに去ってしまうのが。解らない感覚なんだ」

「…バランシェが言ってた通りだが、ああもう、俺と駄弁ってないでさっさと行け!」

「ま、まだ心の準備が!エミュレートが!」

「人にとっては時間は有限だと理解しやがれこの駄目神が! そーれ逝ってこーい!」

「うきゃー!?」

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「…や、やあ、久し振り。痩せたね」

「お節介だな、あの男も」

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「種馬坊主、いつもの昼行灯ムーヴしろよ、なんで臨戦態勢なんだよ、俺は手紙を届けに来ただけだぞ!」

「…八つ当たりに付き合え」

「人の話聞いてくれないかな? …バランシェの事はいいのか? もう時間は無いぞ」

「いいんだ。それに何を今更ってヤツだよ、ほんとにね」

「そうか。それより聞いたぞ、アウクソーを死なせかけたんだってな。お前が居て何してやがんだよ」

「…ボクの失態だ。彼女の特性で思い出を失わずに済んだが、この憤りはお前にぶつける」

「理不尽っ!」

-

「死ぬわ! 大技ぶっぱすんな! 直撃したら塵も残らないんだぞそれ!」

「どうやったらMBTをナイフで切り裂けるんだよ!」

「ええと、こうやって…こう?」

「動きの事じゃない! 素に戻って丁寧に動作をレクチャーすんのが腹立つわ!」

「地元の友人が神様の領域だからなー、レベル足りない感じ。でも凄くいい線行ってる。あ、まじで言ってるからね?」

「訳のわからんことを! ほんとあんた、はぐらかしてばかりでムカつくな!」

「本当の事なんだけどなぁ…何とぉ!?」

「カルバリィ・ブレード三重を平気で避けるな!」

「防いでも痛いんだからな! 直撃したら普通は致命傷だろ!」

「防ぐな避けるな一般人ならそこで死んどけよ! 痛いで済ますな!」

「ナチュラルに星団法無視するとか、ソープと同じだなこんちくしょう!」

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「くっそ…当てただけでもう無傷かよ、手応えあったのに…」

「逃げに徹しても足も腕ももげかけたわ! スティムパックの再生でクソ痛いのは変わんないんだぞ」

「相変わらず、おとぎ話の命の水みたいな異常薬物だな、化け物め」

「そっちこそ殆ど避けといて何を言うか。これだから騎士は厄介だよ。そも星団トップクラスが一般人に剣を向けんな!」

「分身使わないと避けられないとか、一般人名乗るな金輪際!」

「残念! 遺伝子情報は短命種の人類です!」

「嘘つけぇ!」

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「「ぜはー、ぜはー…」」

「マスターもその辺りで。はい、トールさんもどうぞ」

「…悪い、病み上がりなのに」

「タオルありがとう。いやほんと、君らはいい子ばかりなのに、なんでアレみたいなのと相性最高になるんだろな。バランシェが酷ぇ奴らにばかり貰われてくと嘆いてたぞ」

「こればかりは私にも…」

「…騎士じゃないのにそれとか、何なんだよ。人の皮を被った純血の騎士なのか? どうやって一般人に偽装してるんだ」

「ひでぇ言われようだな!? だが、強いて言えば鍛錬だ。まずは限界を超えてから言おうな? 生物の物理限界がスタートラインなのは同じだが、その上でダイバー的な領域で補強してる。それに超帝國の騎士やA.K.Dのログナーとか、多分こんなもんじゃなかろ」

「この歳で未熟と言われるとか…いやそれ以前に、人の限界を超えてからとか、どういう?」

「色々あったんだろうが、腑抜けて鈍ってるから今はお話にならんってこった。直撃しといて、俺の四肢の一本も飛んでない時点で、以前のお前にも、自身の本当の限界にも届いてないんだよカイエン。自分でわかってるだろ?」

「…鈍ったのは、自覚してる」

「修行なんて柄じゃないのは知ってる。だが、俺では届かない領域にあるんだぞ、勿体ない」

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「そういえば、何でわざわざこっちに来たんだ?」

「あのな、最初に言ったろ。捕縛は無理だから手紙だけって頼まれてな。…相変わらずサイテーだな」

「なんだサイテーとか藪から棒に…げ、ヤーボ」

「渡したからな? 何をしてやれるかはアンタ次第だが、何も無いとかいうのだけは止めてやれよ」

「…忠告、受け取っておくよ。お帰りはあっちだ」

「マスター様が多分、ガキん頃みたいにぐずるから後よろしくな」

「はい、トール様」

「んじゃな坊主」

「うるさいわこの凡人…いや人間詐欺!「ひどくない?」 さっさと行け! お前も嬉しそうにするなよ!?」

-

 

-

「…衰退してるとはいえ、嘗ては科学技術の頂点か。他の銀河と広く交流できずとも、科学技術のみで高次特性領域に至ってるのは凄まじいとしか言えん」

「ご主人さまも同じく科学技術で高次特性領域の扱いができるのでは?」

「いくつもの文明から貰った技術の重ね合わせというズルだから、同じ文明種族だけ生み出した技術とは別物さ、元の技術が劣るわけでもないが、俺のキメラ的なのと一緒にしたら失礼だ。早々に高次特性領域については、俺は純科学技術での扱いは縮小してるからな」

「成程。所で興味本位なのですが、どれ程の文明がここまで到達できるのでしょうか?」

「そうさな…見てきた中からすると、居ない訳でもないが、多くは無いな。同じ宇宙ではそれこそ人間の認識範囲で数えられる程度だろう。断片を受け継いだこの星団の国家ですらこの規模だ、外宇宙から戻ってきたのが多かったとはいえ、超帝國は大抵の宇宙でもさらに稀だな。最盛期はどれ程の領域にあったか推測すらできん」

「旅行先としては如何いたしましょう?」

「科学技術万歳の中にドラゴンとかアレみたいなのが居る時点で外したほうがいい。遭遇した事ないが悪魔もでてくるらしいぞ。それに、SFなのにいきなりおとぎ話の神様が平気で国家運営してんだぞ? 厄介事しか考えられない」

「然様ですか。SFと言ってもサイエンスファンタジーのようです。まあ、A.K.DがAOGの面々と全面戦争する可能性が高いでしょうし仕方ありません」

「だよなぁ…俺ですら目の敵にするもん、あの荒人神。こっちは傍観者というか、観光客だというに。実際、何かや誰かを手助けどころか介入なんてできなかったんだぞ…」

「把握している中で、五指に入る高度文明ですから仕方ありません。主だった技術はご主人さまが習得に血道を上げられましたが、百年程度では芳しくありませんでしたね」

「特定血統でないと作れない兵器なんか、いつか絶対、陳腐化させてやるぅ! 戦う美術品がなんぼのもんじゃあ!」

-

 

-

>世界が書き換わった後

「墓参りと思ってきてみたら…どういう事なの」

「別世界にならず、新世界というのは初めてのパターンです」

「MHからGTMか…原作で何があったんだか。丸ごと認識が変化してんじゃねーか、どうなってんのよこの世界」

「おとぎ話では?」

「おとぎ話だったな…」

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-

「所でここは? 空が近いが…」

「転移座標にズレがあります。確かこの浮遊島は…」

「あ」

「あ」

「…」

「…」

「ログナーに頼まれてた豆大福、宅配予定だったけどはい」

「ど、どうも…」

「…」

「…」

「それじゃ!」

「逃がすかぁ! 修理費置いてけぇ! あと嫁の機嫌が悪いのぉ!」

「誰がやるかばーかばーか! 嫁の機嫌くらい自分で取れ!」

 

 

 

 

 

-

>Perkを取得

 

Piece of Five Star Technologys:

 超帝國から断片的に受け継いだ科学技術の頂点…のさらに断片を習得している事を示すPerk。

 恒星間国家世界としては小さめの銀河だが、何千年も積み重ねられた超文明技術。ただ、運悪く近郊の外銀河には他の文明などが無く、FTL技術に到達していたにも関わらず交流も入植もほぼ無く頂点に達した後、衰退してしまっている。

 完全に使いこなすには、遺伝子的に人類とは異なる存在(マイトや騎士、ダイバー)になる必要がある。世界が書き換わる前と後で技術の呼称が異なる。

 

 

解説:

 ジョーカー星団における技術群。超帝國の劣化版ではあるが、数ある恒星間国家宇宙の中でも抜きん出た技術力を有している。トールにとっては複数の別アプローチでなければ到達どころか背中を見るのが精々の技術の頂点。

 技術的断片から応用などはできるが、原典にあったそのものを製造することは困難。

 天文学的出力を持つ外燃機関イレーザー・エンジン、時空間すら歪めるバスターコントロールによる大量破壊兵器バスター砲、光速移動すら行うマシンメサイアを原型とするモーターヘッド(MH)、生体演算器ファティマなどの基礎概念を得るが、そのものを製造したり、十全に使いこなすには地球人類とは遺伝子的に異なるマイトやヘッドライナーなど、生物的根幹から異なる存在である事が必要。

 辛うじて、フォトニックレゾナンス技術の応用でイレーザー・エンジン関連技術は扱える。他の動力機関と組み合わせて余剰分をエネルギーとして利用する疑似ハイブリッド機関として試験中。艦船については理論推力に対してFTL領域では何故か遅い為、イレーザー技術に何らかの問題があるとして主機に置くのは避けている。

 尚、計算上ではMHの操縦が可能だが、トールの純粋な身体能力での反応速度では並の騎士に劣る事(VATSを常時使用で自称そこそこ)や、高次領域での演算すら仕様にあるファティマやエルトナムのような存在が用意できないため、まともな運用はできないと考えてMHの製造はしていない。でも多分、AOGの戦闘組なら機体演算の問題を除いて普通に反応は可能。

 エア・バレル系の飛行戦車については飛行速度や装甲防護能力の高さ、大抵が160mm口径で秒間20発をぶっ放せる異様な性能を持つので、対プレイヤー戦を想定して製造計画を立てている。




FSS世界は、トールの見てきた中では、トップクラスに技術を極めた世界です。大抵の銀河間国家では、ここまで到達する前に複数の銀河系に版図を広げるか、別アプローチで知性体としてのアプローチを変えるか、その前に滅びるかです。

尚、特に何もせず(できず)観光や交流をしていただけとはトールの弁ですが、トールはその宇宙での異物としてアマテラス(とソープ達)に一方的に目の敵にされています。ただどっちかといえば、(物質世界で制限のある)アマテラスが訳がわからないと判断した探知阻害能力(辛うじて現れたのは解る)や物質生成能力(縛りのないフリー能力)に目をつけられた模様。ソープ達には毎度(命の意味で)襲われ(たかられる)ので、トールは金塊や希少金属をばら撒いて逃走しています。


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