荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集   作:マガミ

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拠点世界にたどり着く前の話


たどり着く前・IM

「いててて…、無茶苦茶しやがって。ああくそ、探知機避けに外すんじゃなかった。Perkの切り替え…駄目、コンソールは…こっちも駄目か」

「ふむ追加のゲストとはね。あーミスター、言葉は解るか? 日本語のようだが」

「おっと悪い、先客が居たか。初めまして、私はトール・ミナセ、華やかさの欠片もない男が新入りですまんな」

「とんでもない。友人と二人きりで退屈していた所だ、歓迎するよ。生憎、ティーセットは用意してくれなくてね、温い水しか出せない」

「私はホー・インセン、彼はトニー・スターク。華がないのはお互い様の哀れな虜囚さ。君は何故、こんな所に?」

「旅行の最中の事故だ。緑豊かな所に降りる積りだったんだが…」

 

 

「あのミサイルは厄介だった。侮ってた。緊急でパラを開いた所で、降りたのがこの近くだった訳でな」

「いくつか些細な疑問はあるが、奴らの仲間でないならそれでいい」

「ご理解頂けて幸い。さて、手始めは…」

「おいおい、ちょっと待て。何をする積りだ?」

「そりゃあ、ここを脱出して、ついでにテロ屋をぶん殴るんだが」

「鍛えられた兵士の経験があっても、外は百人単位だ。私達としてはとばっちりは受けたくない」

「それにそこの扉、金属製だぞ? おまけにこれも装甲板が素材になってる。人類には無理だ」

「ああ成程、流石に信用は無いよな、そこまでは」

「そりゃそうさ。こっちは徒手空拳、あっちは…うちの会社の製品を使ってる」

「複雑な事情については聞かない事にする。単なる人質じゃないのか。詳しく聞いても?」

 

 

「…こんな所で施術に開発に、二人共天才だな。凡人の俺としては驚く他無い」

「褒めるな、当然の評価だが。さて、脱出にあたって協力する積りはあるか?」

「当たり前だ。盗られたトランクを取り戻す。あれには大事なものが入ってるんだ」

「ここに放り込まれた以上、得意分野が在るはずだ。君は何ができる?」

「機械加工と電子工作を少々。プログラムは少し苦手かな? 既存の物をいじる程度だ」

「考え無しに放り込まれたって訳でも無いのか。宜しい、手伝って貰おう」

「手伝うって、今からのドンパチ以外に、何かいいプランでも?」

「とびっきりのヤツさ」

 

 

「中々、心惹かれるデザインだな。加工のしがいがある」

「皮肉かそれは? 精一杯だが、スマートじゃない」

「そうか? このマッシブさは個人的に馴染み深い」

「ジャパニメーションの影響かね? ロボテック? それともゴルドラック?」

「教授も中々雑食だな。まあそんな所だ」

 

 

「ミナセ、この回路だが」

「制御系ラインが細いな。サブにしてメインを被覆済の物にしよう。トニー、どうかな?」

「成程、それなら冗長性が増すか。欲を言えば、過電流避けのバイパスをここに…そうだ、それでいい」

 

 

「うぬぬぬ、あと0.5インチ!」

「貸してみろ。…ほれ」

「…どんな筋力してるんだ。まさか、超人兵士とか?」

「何だソレ? 鍛えた筋力があれば、物事の8割は解決できるんだよ」

「それで済む靭性では無いはずだが…」

 

 

「当初の予定だと、洞窟内の制圧で事前の判明ルートを辿る手はずだが、少し変更できるな」

「あのマスクだけじゃ、暗くて見えないからな。簡易型の周辺センサーだが、少しLEDが明るすぎる」

「薄手の布を貼り付ければマシになるだろう」

「着たきりシャツの切れ端は止めてくれよ? ただ布は髭が引っかかりそうなんだが…仕方ない」

「俺は多少だが前に出られる。所で7m先のこの辺り、何か知らないか?」

「武器以外の保管庫だな、私の手術用鞄もそこに戻された筈だ」

「じゃあトニーの騒ぎに便乗して鞄とトランクを取り戻す。便利な道具があるから、教授のガードもできる」

「何か武器でも入っているのか? そもそも、あいつらがトランクを開けられないとでも?」

「開けた所で、見た目は着替えと護身用のバトンしか入ってない。ただ、普通のトランクより重たいがな」

「ほほう、面白い隠し芸があると見た」

「開けてみればそんなに面白い物でもないさ」

 

 

「充填完了までまだかかる!」

「くそ、ここまで来て…!」

「任せろ」「グワーッ!?」「グワワー!?」

「カラテでもやってたのか? それともジュードー?」

「そういう話は後で。俺は先にトランクを取ってくる」

 

 

「あーよかった、表も無事か」

『おい、目的の物は取れたのか!?』

「準備に15秒くれ、援護に戻る」

「それは、ハンドヘルドコンピュータ? 見たこともないデザインだが」

「まあね。これで封印を解いて全力を出せる。教授は…これを着てくれ」

「ど、どこから出たんだ!?」

「それも後で。まずは生きのびよう、3人で」

 

 

「おお、派手にやってるな。隠れて教授」

「表の情報などなかった筈だ。それのお陰か?」

「そうでもあるし、そうでもない。捕まったのは自分の慢心だからなぁ…っと、走ろう!」

「う、撃たれ!? …?」

「説明は省くけど、ま、ただの弾なら大丈夫。あの端の車両を奪おう」

 

 

「ご無事? いきなり飛んで落ちてとか焦ったぞ」

「まだ要調整だな。インセン教授は?」「ここだよトニー」

「…む、追撃にしては早い、何処かに応援を呼んだのか?」

「あれは…喜んでくれ、騎兵隊だ」

 

 

「私はトニーの会社で取締役をしている一人だ。さて、君はどこの誰かね?」

「シナの方から来た、日系人のトール・ミナセ。旅の途中でね、国籍を証明する物は手元に無い」

「成程、成程。トニーに協力した事については、繰り返し感謝を述べさせて貰おう。謝礼に何か、必要なものは?」

「ステイツに入国できる仮の身分とビザかな。手持ちは…まあ、入国できたら日雇い労働をして稼ぐさ。無理は重々承知、出せなくとも文句は無いよ」

「それは困るな。我社の最重要人物に協力したにも関わらず、礼がその程度で尽くせる訳がなかろう。これを持っていくといい」

「お、ビザと身分証か。持つべきコネは、大企業というヤツだな。感謝するよ」

「トニーからは、落ち着いたら連絡をと言付かっている。メールでの連絡毎、記載のコードを本文に入れてくれとの事だ」

「了解だ。便宜を図ってくれて有難う、ここの政府に教授の身柄を預けたら向かうと思う」

「そうかね。ではまあ、せっかく渡したそれも我社の関係者としての身分だ、悪い事には使うなよ?」

「心得てるよ。それでは、お元気で」

 

 

「では教授、また何処かで。そのスーツと普段着はプレゼントするよ。白衣も気が向いたら使ってくれると嬉しい」

「君も元気で、ミナセ。悲しい事に故郷は物騒だ、この服があれば怪我が減り、より多くの人の所に向かう回数が増える、使わせて貰うよ」

 

 

「一般的には生前とテクノロジーレベルは近いけど、トニーみたいな例外が居るとなると、一筋縄では行かないなこりゃ」

「ぐえ、乗り換えと航路の時間長い…健康体になったとはいえ、座りが長いと腰が怖い。ならないとはわかっててもな…」

 

 

「…情報の痕跡無しか。ふむ、何かしらの国か組織の所属ではないか。入国後、監視を開始するよう依頼を」

「奴か? ふん、依頼をこなせない無能は要らん。…ほう、そんなものを? 話だけは聞いておこうか」

「制圧した連中の所から残骸は回収しておけ、あれも発明品だ」

 

 

 

「ようこそトール。少し散らかってるが歓迎するよ」

「お出迎えありがとう社長。そちらは、幾度も聞いたご自慢の秘書?」

「ええ、初めましてミスターミナセ、歓迎するわ」

「宜しく、ミズ・ポッツ」

 

 

「あの最悪だが貴重な時間を共に過ごした仲だ、僕の事はトニーでいい」

「オーケー、トニー。それで、この惨状は? 何か発明品のアイディアでも練ってたのか?」

「まあね。少し思う所があって、壊れてしまったあれの再構築とブラッシュアップさ」

「成程。リアクターはもう換装したのか?」

「したわ。臭いが最悪だったけど、これ見て?」

「”トニー・スタークにもハートがある”か。くく、中々いい関係じゃないかトニー」

「ふん、優秀だろうちの秘書は。小言が多いのが難点だが」

「お茶をお持ちしました。申し遅れましたが、私はジャービス、トニー様の執事です」

「宜しく、ミスタージャービス」

 

 

「所で表に停めたトラックの中は何だい?」

「個人的に用意していた、商売の種さ。軍事用でなくて、これから必要になるだろう分野向けの」

「売り込みか。誼でアポ無し営業の件はチャラにするが、僕の評価は厳しいぞ?」

「それは重々承知してる。まあ、トニーにとっては面白みの無い技術の塊だが、枯れてる上に量産に向いてる点はセールスポイントだよ」

「事前に確認しても構いませんか?」

「勿論。後部ドアを開ける」

 

 

「これで枯れた技術か。いや確かに枯れた技術と言えるが、フレームの基礎設計は合理的だ。制御系は…、いや制御系すら古いのに完成度がクレージーだ。強いて言えば発展性がフレームに無い事が難点だが、どこでこれを?」

「与太話と思ってくれて構わない。完成品はここにあるから、ビジネスとは別に切り離して扱える。俺がどこから来た人間かについて…まあ、信用の置ける面子だろうし、一緒に聞いてくれ」

 

 

「信じられないわね…」

「失礼ながら、まるでパルプ・フィクションですな」

「君を知る前の僕ならキレ散らかしてる所だが、これを見て合点が行く。それに…」

『おや、何か粗相でもございましたか?』

「なんでもないよ、エインズワース、コーヒーありがとう。…執事ロボットね。こんなタイプ、見たこともない」

「ユーモラスでキュート。ジョークも品が良いというのは評価高いわよ」

『有難うございます、ミズ、ポッツ。日々勉強の私めとしては、Mrジャービスの背を見て勉強中です』

 

 

「多少は信じてもらえるかな?」

「そりゃな。ただ、目の前のこれは兎も角、識っているであろう他の技術は話さないでくれよ? 僕も発明家の端くれなんだ、トップを常に走ってきたプライドがある。その上で、ちょっと手伝…見てもらいたいものがある」

「喜んで。ただ、先に済ませておきたい件がある」

「なんだ?」

「心臓近辺の破片については自重せず治療するが、いいか?」

「できるのですか?」

「ああ、ジャービスさん。手術というよりは、見た目は薬剤投与による治療に見えるかもな。投与は二人のどちらかに頼む」

「手段があるなら受けるべきよ、トニー」

「私めとしては反対したい所ですが…仕方ありません」

「具体的にはどんな方法を使うんだ? 受けるかは内容次第だ」

「医療用ナノマシンを使う。特定目的用で、治療後は体外に排出される」

「…まだ研究段階だってのに、常識はずれめ」

「詳しくは話さないが、色々見てきたからな、常識を覆される世界ばかりだったよ、ほんとに」

 

 

「…気分はどうだ? 痛みやだるさはあるか?」

「悪くない。若干感じていただるさも無いし、頭もスッキリしてる」

「ならいい。フライデー、渡したバイタルデータのチェック、朝昼晩で報告頼む。勿論、ジャービスさん達にも提出を。細かい所が塞ぐまで数日は安静に」

「停止したナノマシンの完全排出にはどの程度かかる?」

「臓器の健康さから、2日とかからない。ただ、出すものを出すとき、鼻が曲がりそうになるのは我慢してくれ」

「そいつは困った問題だ。まあそれはいいが、尖ってたりしてないだろうな? 僕にそんな性癖は無い」

「んな訳あるか。大抵は胸の所から取り出したし、幾らかの金属イオン分だけだ。ただ、触媒のパラジウム対処は現状難しいぞ? どうして拘ってるんだ」

「これを見てくれ」

「…成程、動力源か。心臓保護については要らないにせよ、漏出対策はプランが必要だ」

「一番は同特性の元素だが、今は不可能だろう。代替案として、電磁石が無い分のスペースを活用して、放出分を隔離する部分を作る」

「元気そうね。ジャービスか私、あるいはフライデーでお掃除するわよ。でも臭かったんですからね?」

「それは悪かったと言ってるじゃないか」

「カートリッジ式にして、簡素に済ます方法にしようか」

「なんで不機嫌なのよトニー?」

「…先に言われた」

 

 

「トニー、大丈夫か? えらい勢いで吹っ飛んだぞ」

「華麗なフライトとは言えなかったな、いてて…。やっぱりバランスの為に、別途スラスタが必要か」

「かと言って、メインスラスタを背に置くには反対なんだろ。バックパック位、いいと思うんだが」

「飛ばない形で飛んでこそだ。僕の美学に反する」

「このへそ曲がりめ。実験が必要な事とその美学には同意するが、せめてシミュレートしてからにしろ!」

「実際に飛んだ方が早かっただろうが! …その後の件については黙秘するが。フライデー、データは取ったな? シミュレートを開始」

『かしこまりました』

「反省してないな!? ジャービスさん、この暴走社長をやり込めるネタ、何か無い!?」

「ふむ、そうでございますね、トニー様が8歳の頃…」

「おいジャービス、お前はどっちの味方だ!?」

「無論、トニー様の味方です。ですので、執事と致しましては命に関わる件についてはお諌めするのが責務かと」

「味方は…おい、フライデー、カメラをこっちに向けろよ、私は社長だぞ!?」

「「ポッツ様(さん)に伝えておきます(おくぞ)」

「降参だ、勘弁してくれ」

 

 

「最適化については早く済んだが、極限テストをいくつかパスさせるべきだな。シミュレート結果は?」

『概ね良好ですが、トランスポンダかIFFの対応が必要かと。現状では米軍から攻撃を受けかねません』

『エインズワースの意見と同一です。ただ認可を受けられるかは不明のため、ステルス対策も代案として提示します』

「やっぱりな。どうするトニー?」

「迂闊だった、そうか、ステイツなら捕捉してもおかしくない。僕の会社から先進的レーダーを採用しているなら尚更だ」

「取引先でレーダー迷彩塗装があるわよ?」

「配列は…成程、買収に乗るか確認しよう」

「やだ、さらっと会社買収とかこの人達怖い」

 

 

「初期設計案より随分と頑丈で軽量にできたな」

「訪ねた時点で最初のモデルが完成済みなのは想定の範囲だが、基礎設計からして大概おかしい。どうなってんだよ社長の頭の中は」

「天才だからな。流石にこのサイズにまとめるのは僕だって苦労したが、いい仕事だったと自負してる」

「所で、新型は金チタン合金なのはいいとして、全身金色かよ…どこの英雄王だ」

「AuOh?? ゴールドって事か? 確かにちょっと派手だな」

「これがちょっと? わからん…」

『ではこちらのプランは如何でしょうか』

「お、いいね、ホットロッドか。例の塗装がクリアで助かる」

「折角、色が自由にと提示した塗装素材だってのに。派手だな…金と赤か」

「トールのデザインは、何というかちょっと太いしマスプロ向きなんだよ。これは僕専用なんだぜ」

「へいへい、どうせ俺は庶民ですよ」

「フライデー、それで製作開始。だいたい5時間か」

 

 

「小型パラジウム・リアクター…このアーク・リアクターだけでもトニーに出会ったかいがあった。これでパワーアーマーも安全性が上がる。同等の出力を得るには研究で時間はかかるだろうけど」

「僕としては、小型の核爆弾を背負うなんて正気とは思えん。核融合バッテリー、核融合コア、この小型技術は参考になったけど。ちょっとだけね」

「これは今の世界では危険だからな、素材からしてありふれた物で作れてしまう以上、安定、安価の放射性物質除去技術が確立されるまでは、流石に公開はしない方がいいな」

「それはよく解る。ま、アーク・リアクターの無毒化措置が進んだだけでもいい。他にも色々と調べる積りだが…」

「その顔、必要特性を持った新元素でも探るのか?」

「御名答、解ってきたじゃないか。まだペーパープランだがね、先を見越してこその僕さ」

「この天才め」

「褒め言葉だね」

 

 

「意外よね、トニーが認める技術者だなんて」

「僕よりは凡人だ。本人もそう言ってる。だが、積み重ねて修めてきた事実とその内容は、敬意を払うに値する。機密と特許的にはともかく、訪ねた既存技術に関して打てば響くように応えてくれるのは、フライデーにもできない」

『私も改善の余地ありですね。データーベース検索エンジンのアップデートを所望します』

「オーケー、試作品があるからファイルFの最新からテストをしておけ」

『これはこれは…暫し、お時間を下さい』

「トニー、どうせなら自分でたどり着きたいのよね? そうでしょ」

「そういう事。可能な事が解ったという点で、未知に対するワクワク感は薄れるけど」

 

 

 

「やあトニー、体はもういいのか?」

「オビー、不在の間、迷惑をかけた」

「構わないさ。所で、それが新製品かね?」

「戦闘は想定してない。トールが売り込んできた作業用のスーツさ。ああ来たな」

「やあステインさん。先日は世話になった」

「久し振り。思った以上に君は拾いものだったと言うことか」

 

 

「素晴らしいな、これで軍も重労働から開放される。それにこのパワー! 普通の車両程度ならひっくり返す程とは!」

「小型の重機と考えてくれ、事故の救助活動、鉱山や港湾施設といった場所での荷役作業向きだよ。専用バッテリーで1時間は連続稼働できる。移動程度なら6時間かな? それと、既存の発電機接続でも使える」

「それでもこれは、大型重機をもっと必要な所に向けられるし、何より素晴らしいのはこの予想価格! 現状で4千ドル、量産で2千まで可能なら、革命だぞ!」

「気に入ってくれれば幸いだ。重要ポイントは専用バッテリーは既存技術だが、製造と充電はスターク社でしかできない点だな。ケーブル接続でもいいが、利便性が少し下がる」

「いつもの事だが、他社からやっかみゃ不満は出そうだ。だがオビー、どうだい?」

「プリンタとインク方式だろう? いいじゃないか! ローディを呼んで、まずは軍のトライアルに回そう!」

 

 

「いいのか、トニー?」

「それを君が言うか? まあ現代戦というか非対称戦には余り向いていない構成だ。稼働時間は行軍には向かないし、再設計で各パーツもフレームと一緒のモノコック構造。装甲厚を上げようにも、重量がネックになって鈍くなる。参考があったとはいえ、性能を落とす設計には苦労した」

「さらっと苦労したで済ませる社長ェ…。うちの採掘用はパーツ換装で容易に戦闘用に切り替えられるがね。一体構造にしたのは良いアイディアだ」

「まあそれでも、広まれば利用しようと考える奴らは出てくるだろう。装甲部ならライフルまでは止められて、軽いランニング程度には走れる。重機関銃を一人で運用でき、電源も背負う前提でデカイ奴を使うのだって有り得る。武装勢力に大人気の、日本車と一緒さ」

「ああ、○○タのピックアップね。CIA提供の車両がテロ屋に横流しされてたりする…」

「トール、それ以上はいけない」

 

 その後、トールは「アイアンマン」のお披露目は待たずにトニーの所を辞し、現在の世界について追加の情報収集を開始。

 自分の生前世界とは異なることに落胆しつつ、次の次元転移の準備を開始した。

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