荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集 作:マガミ
冒頭の「ダーマッ!」をやりたかっただけなのに長文…。
MCUな世界は、超絶厄ネタであるサノスとインフィニティストーンが恐らく存在するので、トールは移動の準備を進めるさなかに思い出して頭を抱えた。
ジャービスがAIでなく、旧コミックのように執事だったりするので厳密な意味で同じとは言い難いものの、米国の超人兵士がどうのとか不穏な単語をいくつも聞いていたため「あー、キャップも居るとなると、ハルクも居るんだろうなぁ…」と遠い目。
トニーの計らいでビザという形でアメリカに滞在している訳だが、ネット経由で調べた所、日本はトールの識る日本ではなかった。
打ちひしがれ、辿り着いたニューヨークで、ゲーム版がベースと思われるスパイディに何故か追いかけられる羽目になるトール。原因はキングピンことフィスク。トールの知識が東映版とサム・ラ○ミ版で止まっていたせいもある。
尚、スパイダーマンとその関連であるスパイダーバースも実は厄ネタだらけである。平穏な世界なぞマーベル関連に無いという事だろう(遠い目)。
-
-
実情を知らないトールは、記録上は犯罪歴の無いフィスク氏の関連子会社に傭兵として雇われた。最初の仕事は、所謂潜入捜査篩い分け用の真っ当な仕事。しかし、輸送の仕事中で留守にしている間にフィスク氏は逮捕、収監される。
仕事を負えてニューヨークに戻った所、会社のボスが収監されたのを聞いて噂話やらをニューヨーカー達に確認してようやく「やばい人だったのか」とハッキング情報が白だっただけに項垂れるトールである。
「やり方は苛烈だが、ウェイストランドではまともな方なんだよなぁ…トニーに怒られる前に身を隠そう」
「やぁ、ちょっと訪ねたいんだけどお時間いい? 時間が無くてもゆっくり聞かせて貰うけど」
音も無くスイーっと声が降りてくる。
「独り言に容赦なく入ってくる男、スパイダーマッ!?」
東映版の声真似としては上手い方。少し濁声感が足りないが、それを指摘する者は居なかった。
「?日本語かな? ま、大人しく…ちょっとちょっと!」
トールは全力ダッシュである。その日は運良く、逃れる事ができた。
キングピンによる囮工作で裏の指示者として仕立て上げられたトールは、サム・ライミ版しかよく知らない為に物凄くよく喋るスパイディに困惑しつつ付け狙われて、ヒーローを傷付けたくないので逃げまくる。あと、身分証明がスターク社の物なので、それも原因。
「あぶねぇ!? ウェブを撒き散らすんじゃない、通りすがりの人がひっかかったらどうするんだ!」
衝撃吸収ブーツに宇宙用ムーブワイヤー、跳躍アシストを起動させてニューヨークの裏路地を跳んで跳ねて逃げるトール、それをスイングで追いかけ回すスパイディ。
「ねぇ、実は日本のニンジャだったりするの!? それとも何かのセンス!? 高額で雇われる凄腕の仕事人だったの!?」
「違うし! 俺は請けた仕事をこなしただけ! 何で追っかけてくるのスパイディ!?」
スパイダーガジェットから飛んでくるウェブを時折VATSを併用して回避回避回避。後ろを見る暇は無かったが、声が近いのでトールも必死の形相である。
ウェイストランドを旅立って多次元的世界を彷徨っている頃のため、また、次元転移も技術もまだ未熟だった事から装備も最低限な訳で、そんな状態でマーベルのヒーローとやり合うのは避けたかった。
「逃げるからだろ! あのフィスクが意味深げにあんたの名前をあげたんだ、さあ、洗い浚い…って、早!?」
ステルススーツで身を隠したりしても、スパイダーセンスで捕捉される訳で、それにこれは悪手だった。隠れた周囲をウェブで雁字搦めにされて吊るされるトール。確か、熱にも強いという話なのでバーンドマンをやっても意味がないと諦める。
「怪力に身のこなしにボクも解らないガジェットにも興味あるけど、指名手配…はされてないんだけどさ、少しだけこわーいお姉さんとお話してもらえるかな?」
「くっそ、あの筋肉ダルマ、撹乱の為に良いように誘導しやがって…お手上げだ、お手柔らかに頼むよ」
逮捕ではなく任意聴取という事で承諾し、雇われたのも日が浅く請け負った仕事も真っ当な内容だった事が証明される。また、入国手続き以外では何も記録がないという事と、スターク社の海外研究員相当の身分という事がわかり、訝しげな目で見られつつも身軽な状態に。
電話越しに女警官からの聴取も終わって、身体の状態を確認するトールに、スパイディが壊れかけのスマホを渡してきた。フィスクの私兵が持っていた支給品なので見覚えがある。
「…えっと、トールさん? 借り物だけど、電話で話したいって奴が居るんだけど。困ったことに」
「誰だよ?」
「フィスク」
「…りぴーとあふたーみー」
「フィスクだってば」
「…リアリィ?」
「フィスクだって言ってるでしょ」
キングピンことフィスクは、引っ掻き回してきたスパイディがトール一人に撹乱されたのを報告されて上機嫌で大爆笑だった。
『思っていた以上に使える男だったな貴様は。あの小僧の件から久しく笑っていなかったが、囮として考えてた以上に笑わせてもらったわ!』
「…下調べ不足の自分を殴りたい気分だよ。契約はあの仕事で終わってる、もうそっちの仕事は避けるからな」
『残念だ。貴様にはもう少し仕事を頼みたかったのだがな』
「遠慮しとく。手法の大半は気に入らないが、今が現代でここがニューヨークでなけりゃ…、あんたは尊敬できる統率者だった」
最後まで上機嫌だったキングピンに、トールは頭痛を抑える仕草をして、クソデカため息を吐いた。
「で、何だって?」
「雇って囮にして大正解、久し振りに大爆笑って所だよ…。無論、笑った相手は…わかるよな?」
「うっわ、やっぱあいつ最悪!」
別れ際、お勧めのピザ屋の話を聞こうと考えてうっかりスパイディに「あ、そういえばピーター」とか言ったせいで詰め寄られ、別の世界でスパイダーマン=大抵がピーター、という情報で煙を巻く。
「…正直な所、信じられないけど、ポカしなければボクから逃げられる程の身体能力とか興味深いガジェットとか考えると、別の世界の人間…人間?」
「がっでむ!」
その後、スパイダーマンことピーターが尊敬するオクタヴィアス博士の研究所の近所に住まい、義手研究で壁にぶつかる彼らに資金と資材提供を行う事になった。
発想力から、地上で生成できる素材だけで高度なサイバーウェアを開発する彼らに感銘を受けたからだ。
実際の所、より高度で複雑なサイバネティクスをトールは扱えるが、素材に地球上には無かったり、宇宙空間や超重力下での生成が必要なものがある。
オクタヴィアス博士とピーターのタッグによる発想力と実現力はビッグエンプティの連中に匹敵し、その上で興味があるから研究ではなく「人の役に立つ」「新しい世界を」という点が殊更気に入ったのだった。
尚、博士をかつて共同会社から追い出したオズボーン市長からの介入については、初期に財務データを見た時点でばっさりカット。スターク社に提供した作業用動力外骨格の売買益を資金源というダミーとして、MODチート全開で支える事になった。
「ちょっと古めかしくて大きめだけど、必要な性能を持ってるんだね?」
「手狭になった事は謝るよ。博士、使い勝手はどうだろうか?」
「いや十分だとも! 資金も余裕があるし、これだけあれば既存の機材も含めてより研究に柔軟性が出る。ありがとう、本当にありがとう!」
中を覗いたピーターとしては、高度集積回路なども用いていないのに既存のタブレット端末相当の性能を有する洗濯機大の端末や、電源が少しおっかない(原子力電池)が大学に設置されているスーパーコンピュータ並の性能を持つZAXスーパーコンピュータ簡易版に首を傾げた。見たことあるようでいて見たこともない製品だらけの為である。
ある日、監査と称して市の職員が立ち入って来た所で、トールがスターク社のコネを少し用いて弁護士を呼ぶと押し問答になる。
ノーマン・オズボーン市長と同時に弁護士が到着した所で、事前にピーターと相談しておいた内容で余計な連中を追い出した。その代わり、市や他の出資先からの援助が打ち切りになったが、トールが持つ資産からすれば雀の涙だった訳で市長は博士の態度に面食らう。
「オットー、後悔するぞ?」
「既に君の息がかかった所からは清算済みだし、建物の内側も…ほら、そんなものはここには無いが、もし仮に内側で爆弾や薬品や電磁気が盛大に暴走したとしても、最後に吹き飛ぶのは我々だけだよ」
「ふん…、そこの、そこのお前だ、見たこと無い顔だが?」
「あー、お会いできて光栄です市長。何か御用で?」
「先の見えない研究に嫌気がさしたら訪ねて来るといい。オズコープ社では相応のポストを用意してやろう」
「えーと「パトロンが居るから…」ああ、そうです、随分と余裕のある…笑わないでくれ二人共。失礼、パトロンが十分に支援してくれてますので、ご心配無く」
顔を真赤にして怒り肩で去るオズボーン市長の姿に、博士は過呼吸気味になるほど笑い転げた。
尚、資金援助についてはピーターも対象なので、研究室に近い位置の少し広めのアパートに引っ越し。Mrナニーを常駐させる。当然、スパイディと研究員という二足の草鞋を履く彼の私生活を支援する為だ。
「どうなってんのこのスラスター? そんなに熱くも無いのに…」
「理論周りは説明できるが?」
ウェイストランドではありふれたMrハンディとその使用された技術や理論に対し、ピーターは頭を抱えたという。
-
トールはパトロンとして活動する傍ら、億万長者のマーティン・リーが主催し、メイ・パーカーが参加するF.E.A.S.T.の協力者として簡素設計のプロテクトロンを提供した。電子音で応答するタイプだが、柔軟性を必要とする為に自我に目覚めている電子頭脳を搭載している。
「ピーターが紹介してくれた業者さんのこの子、働き者なのよ」
「人でなければいけない所に人を、そうでない所を彼らにする事で、より沢山の人を支えられる。素晴らしいよピーター」
「あ、ありがとう。少なくともあと数年は試験だそうだから、データ取りの為にも沢山役立ててね」
動作はゆっくりでユーモラス、どこか懐かしい外見に、ここでのレンタル価格はサービス期間中ということで実質タダ。テスト段階だと偽って、一体の価格を少し高めの車程度に、レンタルだと人を雇うよりは高くなると説明しておいた。
-
トールは開発経過を専らパトロンとして確認しながら、開発技術の前提や経過で起こる障害や致命的問題だけ口を出す。トールは高いInt値から科学技術への理解力はともかく、発想力は根本的に足りない凡人だ。だが、形になり出来上がっている技術であれば、そこから考えうる組み合わせや問題点の指摘は可能だった。
「ピーターが紹介してきた人物なだけはあるな。これでまた一歩先に踏み出せる」
「此方は凡人ですからね、二人の発想力で形を持たなければ指摘なんてとてもじゃないができませんよ」
まず完成したのは、既存の動作義手としては安価な、腕に直接装着して神経信号を受け取るインターフェースとセットになった義手。コンピュータ上で腕の動きを訓練して神経信号をある程度復帰させてから接続する。
腕力は人間としてはやや弱いものの、力仕事以外に復帰できると施術を受けた人々は皆、喜んだ。
「提案してくれた電磁気反応樹脂がもう少し安くなれば、簡素化した上で反応速度も耐久度も増すんだが…」
「どことは言えませんが元は軍事技術ですから、こればかりは仕方無いですよ。別のアプローチを…」
「ええと博士、この構造ならどうでしょう? トールさんも見てくれる?」
「おお、これなら!」「…天才かっ!?」
改良型は、ピーター提案の新型構造をした電磁収縮樹脂を用いて、自然な動作と反応速度を持ち、短時間であれば装着者と同じ程度の膂力を発揮できる代物に仕上がった。それにとても安価である。材料の大半は、ある年代に販売された電気工事用ケーブルの被覆樹脂。成分が確認できれば合成は容易である。
ただ、四肢を失って久しい人の神経信号を復帰させるのは薬物投与か代わりになる人工神経ケーブルの埋設が必要になるため、より踏み込んだ形で脳神経の信号を受け取れるインターフェースの開発をオクタヴィアス博士は考え始めた。
それこそがピーターが博士を師と仰ぐ真骨頂にして…原典での悲劇である。運がいいのか悪いのか、そこには彷徨う理不尽が居るのでこの世界では回避される訳だが、そこに居る誰も知らない話だ。
「…ここの機材でこれを作れるのか。はは、二人はやはり天才だな!」
草案だったが、オクタヴィアス博士が行き着いた研究理論にトールは喜色満面となった。
脳神経接続インターフェースについては、外科手術では未だ問題が多いと考え、博士とピーターは日々、トライ・アンド・エラーを繰り返す。博士は急かされたり挫折したりが少ない影響か、拙速に至る事は無く問題のある初期型をまず完成させた後、万人が用いることができる改良型を作り上げた。
改良型は接続する神経インターフェースモジュールに過剰な悪性情報を防ぐフィルターが用意される。博士、ピーター、そしてトールが試し、フィードバックモジュールが人体以上の動きを「装着者が想像する通りに」実現する人体を超えるものとなった。
その日はデリバリーでピザを頼んでのささやかなパーティーになった。
「所でピーター…その、彼は大丈夫なのかい? 大変なようだけど」
オクタヴィアス博士は、ピーターのちょっとしたポカからスパイダーマンスーツを見てしまい、それ以降はピーターをスーツ職人だと思いこんでいる。
「え、ああ…ちょっと大変そうです。ねぇトールさん?」
「そうですね、フィスク氏が逮捕されて以降、木っ端が性懲りも無く暴れてるようで」
ピーターとトールは苦笑い。トールは研究室の支援の傍ら、ガジェット開発でピーターに援助をしている。
見返りにピーターの脳神経波長データを取り、違う世界のトニーのようにスパイダーセンスをPerkとして生やす事に成功した。ピーター程の適正や経験は無いので既存の能力の延長線ではあるが、
「…ねぇトールさん? ウェイストランドってどんだけ魔境だったの?」
聞いたピーターは後悔した。
-
-
トールはピーターが手の足りない時にフェドーラ帽とステルススーツを纏ってボランティアも開始。黒いロングコートまで着ているので、別世界のザ・スパイダーマンみたいである。
トールとしては、ウェイストランド視点で危険なアボミネーションもスーパーミュータントも居ないこの世界で短絡的な暴力に訴える連中が、どうにも悲しく見えた。俗物的な思考として、ニューヨーク位は平和平穏であって欲しいという考えも勿論ある。
「何なんだよ、何なんだよお前!」
「折角ニューヨークに居るんだ、馬鹿な事は止めるんだ」
交渉から始めて、武器を向けられようが殴りかかられようが撃たれようが「避けて」「防いで」説得を続けるスタイル。VATSで接近してふわりと相手を武装解除しつつ投げて、警察に自首するよう説得を続けるので時間がかかる。大抵は相手の心が折れる。
「見たんだって! スパイディとは別の黒いヒーロー!」
当然、噂になるのに時間はかからなかった。ステルススーツとムーブワイヤーによる神出鬼没なスタイル、奇襲もせず人質などの安全確保を優先し、表立って武器や道具を持たない姿で犯人たちの前に立ち塞がる。
「あ、あの、お名前は?」
「ウェイストランド、ミスターウェイストランド」
犯人制圧時も動きに派手さは無く、スーパーパワーも見た目は無い。いつの間にか現れ、いつの間にか居なくなる。
時折、スパイダーマンと合同で事に当たる事や親しい様子からして「どっちがよりニューヨークに相応しいか」という話も立ち消える。
-
トールことMrウェイストランドは覆面スタイルなので、スパイディを目の敵にするJJJの二番目の口撃先になったが、トールは放送を聞くなり一計を案じて、通りすがりのニューヨーカーに動画を撮るよう頼む。
「え、い、いいのかな?」
「私は市民の皆と同じくスパイディとは友人だ。ほんの少しだけ親しいがね。だが、覆面をしなければならない理由は当然あるんだ。どこぞの記者さんは私の素顔が気になるそうだが…見せてもいいと判断した」
そう言って…Fallout3に存在する「グールマスク」を装着した状態で覆面部分を取り外した。ゲーム中ではできない仕様である。無論、そうとは知らず固唾を飲んで見守っていた周囲のニューヨーカー達から悲鳴が上がる。
-
爛れ禿げ上がった頭部に皮膚を失って鼻も唇も無く、ぎょろりと目立つ黒の多い目玉に窪んだ眼窩、食い縛っているようにも見える歯茎…まさに、地獄から蘇ってきた亡者のような顔。
-
グールマスクは、ゲーム中にとあるクエストでルート次第で取得できる顔用アイテムで、被っているとグール顔になる代わりにフェラル・グール達から襲われなくなる効果がある。現実と化したあの世界で既にインベントリに入っていたが、完全にリアルなグール顔になる訳で、滅多に使わなかった。
トールは覆面を元に戻し、静まり返る周囲に良く聞こえる声で伝える。
「親愛なる市民の皆さん、驚かせてしまってすまない。だが、これで解ってくれたと思う。私とスパイディでは覆面の意味は異なるだろうが、隠さなければならない理由はそれぞれ相応にある事は、理解して欲しい」
「ねえ、いたくないの?」
一人の少年がトールに尋ねる。
「痛くはないさ。だが、私とスパイディにはこんなものよりもっと痛いものがあるんだ」
「それはなに?」
「手を差し伸べられない事で、間に合わないことで、誰かに悲しい事が起きる事なんだ。彼はかつて、親しい人を強盗事件で失ったそうだ」
少年にも何か辛いことでもあったのか、くしゃりと顔を歪めた。トールは頭をそっと撫でる。そして周囲のニューヨーカーに声を届ける。
「彼は、パワーを持っていても個人としてはとても脆弱な立場なんだ、それこそ一般市民でしかないからマスクを被らなければ周囲の親しい人が狙われるかもしれない」
それでも彼は、助けられる人を放って置けないと。
「私は外からの稀人だ。私が旅立った後も、彼には困難が訪れるだろう」
だから、困っている多くの誰かを助ける為に、弱い彼を支えてやって欲しいと伝えた。
我ながらクサイなと思ったが、少年も、そして周囲のニューヨーカー達も大きく頷いてくれた。トールは覆面の下、計画通りとニヤリとした。色々真っ黒である。
-
その後だが、元々Mrウェイストランドは非暴力スタイル(当社比)であった上にマスク下の顔(そう仕向けたが)から色々な憶測を呼んだ。
自らウェイストランド=無法地帯を名乗るのは、表立って生きていけない姿と出自だからだとか、その姿は超人計画の後遺症だとか、時折発揮するパワーはどこかの実験体だったせいとか、そんな感じに。
共通するのは、スパイディと友人となる事で正義に目覚めて非殺害を貫いているという点だろうか。この辺りは、この世界に来てエインズワースにネット工作を頼んでいる。
「あーあー、その件については私は一切語らない!」
JJJはその後、覆面をしたトールの事については一切触れようとはしなくなった。リスナーからのお電話や生放送インタビューでトールことMrウェイストランドの件について出ようものなら「アーアーキコエナーイ!」でシャットアウトある。
JJJによるスパイディへの口撃や、皮肉屋もいるニューヨーカーの意見も以前よりかはほんの少しだけマイルドになった。
それ以外の面についてはJJJは相変わらずではあったが。
そんな感じの騒がしくも辛うじて平穏を保つニューヨーク。だが、裏で蠢く勢力は平穏を嘲笑うかのように脈動を始めていた。
博士は病に倒れながらもピーターを助けていたが、初期型のモジュール設計図を何者かが盗み出し、自らオクトパスを名乗って暴れ始めてしまう。
-
数多くの悲しい出来事が起き、トールが居てすら被害は防げなかった。それでもとピーターは戦うのを止めず、傷ついても立ち上がる。ニューヨーカー達は親愛なる隣人の為に、声をかけ、応援し、手助けをした。
全てがどうにか収まった頃、トールはニューヨークを去ることにした。
「博士、ピーター、お別れだ。色々ありがとう」
「君のお蔭で完成した。これでまだまだ、私は先を目指せる」
「またね、トールさん」
本編はもう少しお待ちを。
尚、スパイディ絡みで見てみたいエピソードがあれば(ゲーム版の設定ですが)考えてみますので感想がてらリクエストを(露骨