荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集 作:マガミ
>ネガティブになんかさせるか
「マーティン・リー、貴方に話がある」
「誰だね? …ふむ、最近有名になった、Mrウェイストランドか。私に一体どのような話が?」
「貴方を蝕む力について」
「…ここでは場所が悪い、他に行こう」
「貴方が内に収めている膨大な…そう、膨大な負のエネルギーに気づいた」
「…続け給え」
「貴方の精神力は驚異的と言っていい。だが、限界に来てはいないだろうか。私なら少し、その力の制御や消去について、相談に乗れるかもしれない」
「無駄だ。私のこの…内側の悪魔は、ある男への憎悪で渦巻いている」
「別に憎悪を忘れろとは言わない。だが、制御を学べば、少なくとも力をぶつける相手を絞る事ができる」
「制御できるというのか、この悍ましい力を!」
「大丈夫だ、大丈夫」
「寄るな」
「さあ、手をとってくれマーティン・リー」
「寄るなぁ!」
「貴方はそんな力に負けていい人ではない」
「寄らないでくれ…!」
「ここは…?」
「貴方の心の世界だ。…とても良いご両親だったのだな、貴方の記憶にあるものは、どれも輝いていて、暖かい」
「だが、私はこの力で、あの男のせいで!」
「そうだ、それは変えようのない事実だ。だが同時に、貴方がこれからも生きて欲しいと願ったご両親の想いもあった筈だ」
「あ、ああ…」
「理由は解らないが、実験を強行したノーマン氏は相応の報いを受けなくてはならない。だが、貴方が直接手を穢しては、生きて欲しいと願った、立派な大人となって欲しいと祈った、ご両親の想いが…」
「無に帰す、か」
「その通りだ。既に財も築き名声は高く、慕う人々も大勢だ。貴方を応援する人は沢山いる」
「だが消えてくれない、この力も、あの男への憎悪も!」
「消さなくていい。貴方は人なんだ」
「…これは?」
「貴方の負の力を、正の力を巡らせて制御する。太極の思想は知っているだろう? それ程の力なら、それと同じ位の正の力の才能もある筈なんだ」
「ああそうか、調和なのか…」
「その通り。憎悪だけで燃え盛る力は、とても強いが…脆い。そんな物に頼るなら、正当な手段でノーマン氏を超えてしまえばいい」
「…できるだろうか」
「できる。ピーター達の尊敬する貴方なら、絶対に。だから負けないでくれ」
「目を開けて。大きく深呼吸だ、伝えた呼吸はできているな?」
「ああ、独特だがとても楽に使える。…時間は経っていないのだな」
「一瞬で会得したか、貴方はやはり優秀だ。心と心が繋がる世界ではあらゆるものが永遠で一瞬だ。身体の調子はどうだろうか」
「…悩まされていた心の声がとても小さい。それ以上に呼吸を繰り返すごとに、活力に満ちている」
「結構。だが心の声は消さず、否定してはいけない。それもまた貴方だから」
「そうか。所で、貴方があの世界で背負っていたのは太陽なのか?」
「いや? もしもの場合に備えた…オーラの塊だった。手遅れだったなら、せめて負の力だけでも吹き飛ばそうと思ってね」
「あれが…はは、私の負の力なぞ木っ端のように吹き飛んだだろう」
「貴方には元から才能があった。負の力の増大は、常人では到達できない領域の力を発揮するが、それと同時に限界がある。太極を奉じ、正の力と共に己の制御下に置くことで、仙人と呼ばれる人々は存在の力を増大させた。貴方は、仙道の第一歩を踏み出したんだ」
「私が仙人に?」
「そうだ。見た所、貴方には私より余程才能があるようだ。私は…都合二十年は習得にかかったのだよ」
「…どうしたものかな、ノーマンへの工作は。色々と前段階だが準備を進めてしまったんだ」
「ノーマン氏は少しつつく程度でも沢山のボロが出る。だが出た後の隠蔽がとても上手なんだ。それをさせなければいいし、貴方はこの今の活動を正しく続けていくだけで、支持はより高まっていくだろう」
「冷静に考えてみれば、復讐の為とはいえ拙速に過ぎた。ノーマンへ別の手段で挑むのは変わらないが、スパイダーマンは、私に味方をしてくれるだろうか?」
「氏が何に焦っているのかはわからないが、彼の拙速さは無辜の市民を巻き込むし、これからも誰かが傷ついていく。全ては防げない以上、起きた犯罪から市民を逃がし、警察を助ける集まりを作るべきだ。直接的な行動はスパイディと警察に任せて、犠牲者を減らすんだ」
「この力はそれに役立つか」
「ああ。流れる力に貴方が長年続けてきた功夫を応用すれば、事前に銃の射線を察して避け、数発程度なら銃弾を防げる。多少劣化するがその力を部下に与える事もできるだろう。偏った力なら一方的に命を奪いかねないが、今の貴方ほどの太極のオーラなら、逆に命を守れる」
「あの時…私が今のこのオーラに目覚めていたら…!」
「…もしもは止そう、マーティン・リー。過去は変えられないが、今の貴方には沢山の支持者が居る。メイ女史とピーターもそうだ。彼らが尊敬し敬愛する貴方でいて欲しい」
「その上で、あの男の上を行くと?」
「その通りだ。どうだ、痛快だとは思わないか?」
「ふふ、そうだな、そうなったらとても素敵だ」
「ねえマーティン、最近、いい事あった?」
「ああメイ、長年の悩みが少しだけ解決したんだ。ちょっとだけ不始末もあるが…すぐに解消するよ」
「それは良かった。貴方が心の底から笑った顔、失礼だけど初めて見たもの」
「私が笑っていた…ああ、うん、ありがとう。これからも宜しく頼む」
「ええ、勿論よ」
>オットー博士のフォロー
「トール、君は何を見ているんだ?」
「今日よりは少しマシな明日ですよ、博士。だから、貴方が目指し、ピーターが憧れた未来に手助けできる事は誇らしい。完成したどれもが、世界をより良い明日に変えてくれる」
「…そうか」
「市長の妨害を心配しておいでで? もしくは世界規模のオズコープの妨害?」
「そうだ。いつもあいつは、私の夢を壊し、成果を奪っていく!」
「ご心配なく。私のツテは、そう簡単にオズコープ社絡みでの妨害を許したりはしません。これをどうぞ」
「スターク社!? 方針転換をしてここ数年、爆発的に業績を伸ばしていると聞いてはいたが…」
「スターク社長は、博士の義手関連技術に大いに関心を寄せ、期待しています。ご希望ならポストも用意するそうですよ」
「ポストの件は考えさせてくれ。だが、この最初の契約についてはサインしよう」
「ありがとう博士、これだけでもスターク社が立ち上げた社会復帰事業が大きく前進する」
「…どうしたの、トニー?」
「僕とは分野が変わるが、天才ってのは居るものだね。諸々の問題で滞っていたが、これで退役軍人達の高性能義手がとても安価に生産できる」
「あら、トールの紹介なのね? 今はニューヨーク?」
「あの不遇の天才、オクタヴィアス博士の所だ、どういう繋がりがあるんだか。ま、僕としてはイメージ戦略にも有用なこの発明を存分に広めるとするさ、できればこのオットー博士を迎えたい。インスピレーションがもっと湧きそうだ」
「成程ね、新規研究所の設立予算はそういう…」
「博士の助手という男にも…まあ、平凡な人材では無いだろうから会ってみたいね」
>みんなに人気スクリューボール(筆者は嫌い)
「ちょっとちょっとちょっとぉー!? 私のプロデュースが台無しじゃないの!?」
「不要だ、フロイライン。他人を利用し、尚且つその他人に利益が無い、それどころか迷惑をかけてばかりだ。まるでイナゴだな? ネットイナゴだ、そうだろ?」
「きぃー!? SNSの女王の私にそーんな口聞いて、タダで済むと思ってんの!?」
「いくらでもお友達を呼ぶがいい。私はここで待ち、その上で画にならない事をしてやろう。スパイダーマンの邪魔はさせんよ」
「…ねぇ、一仕事終えてから人が集まってるから来てみたけど、この囚人やらマギアやらの山は? みんな疲労困憊って感じ、運動会でもしたの?」
「襲いかかって来たのでね、優しく転がし続けてやった。ほらあれだ、以前愚痴っていたスクリューボール、彼女のファン達だそうだ」
「あー、ミスターもひっかかったのか。利用されるのマジで勘弁して欲しいよなぁ」
「大丈夫。別にカメラを設置して、私のアカウントからライブ映像を見れるようにした。当然、スクリューボールのカメラからは目立たないように立ち回っている」
「え、アカウント作ったの!? …うっわ、まじだ」
「目立つ画と、画面の本人の映える立ち回りの画、どちらをユーザーは支持するだろうか?」
「わぁお素敵。あ、僕もフォローしていい? 今回の奴、僕も共有しとこっと」
「まじで、ほんとまじでありえないんですけどぉ!?」
「設置されたEMP瞬殺とか、いやこれ自分のアイディアではあるけど、実際に作れて僕感動、このスパイダーエアドローン」
「本当に勘弁してよぉ!? なんで犯人全員が、一瞬で画面から消えるの!?」
「蜘蛛なら空も飛ばないとって、こういう意味か。電撃込みのウェブ一発、真上から喰らって空中で拘束、複数だと短距離しか動かせないけどこりゃ便利、僕もそろそろヒーロー引退?」
「はっはっはぁ! 遠隔操作ならハッキングし…!? ちょちょちょ、どういう事!? 全然まともに飛ばないんだけど!?」
「…うーわ、素ではまともに飛ばない欠陥品状態にしておいて、制御はこっちのスパイダーブレスの中にある独立系回路でしかできないようにって、とても素敵なアイディア…意地悪いけど」
「こうなったら全開でぶっ飛ばしてぇええええ!? なんで、なんでなの!? 止まっちゃったわよ!!」
「…全力命令だしても、飛ばすピークをわざと外してる訳で、すぐにガス欠に。うん、やっぱ意地が悪い」
「スパイディ、ちょっとお話しようか?」
「げ、ミスター!? 僕はスクリューボールを捕まえに行って来るからお話は後でー!」
「ふざけないでよ! 私のフォロワー奪っておいて、あの泥棒野郎! 私は悪いこと全然やってないんだから!」
「弁明は弁護士さん呼んでからね? じゃあお巡りさん、お手数ですが宜しく」
「わかった、手伝ってくれてありがとうスパイディ」
「因みにスクリューボール? 今の映像、彼のアカウントでばっちりライブ中。よかったね、大人気みたい。こっちも共有したら凄く広まったよ」
「むっきー!?」
>ミスターウェイストランドについて語るTL
XXX ミスターウェイストランドって、本人も言ってるけどマジで旅行者なんだな。こないだフォローしたけど、マンハッタンの観光写真が多い。あと食べ物
XXX それな。TLにたまに載る説得(?)動画とか楽しみにしてたんだけど、最近、きれいな写真見て住んでるのに結構行ってない所あるんだなって。あと飲食店
XXX 食い物屋紹介多いのかよ!
XXX 多いよ? テイクアウトばっかりみたいだけどね
XXX 俺、紹介された写真の所行ってみた。写真で見るよりすげぇ綺麗だったし、お勧めされてたピザ屋行ったら美味いのなんの! →画像
XXX この時間に腹が減る画像を、どうしてくれる!(注文ポチー)
XXX それとトップに固定されている、スパイディや地元の人、警察に聞いたっていう安全マップが超有用。近付くのに危険な所や時間帯、いざという時の逃げ込み先とか紹介されてる。あと大抵、飲食店が近くにある。
XXX 本人は地元のボランティアが作っていたのに協力して、紹介したって書いてあった。スパイディの頼みだったみたい
XXX スパイディ、忙しいもんな
XXX ミスターっていつの間に来ていつの間にか居なくなるよな。スパイディはまだわかりやすいけど、こないだ友達がガチで姿が消えたって言ってた
XXX え、あのマスクの下の通り、ゴーストだったりするの? こわい…
XXX スーパーパワーか、はたまた新技術か。辛うじて輪郭解るオズコープの奴より高性能だよな
XXX 噂だとオズコープ絡みの恨みがあるんじゃないかって言ってたな。あの姿もそれが原因じゃねぇかって
XXX あくまで噂だろ? 本人がいい人かってのも、なあ?
XXX 凄いいい人だと思うよ。スパイディほど気さくじゃないっぽいけど。あ、こないだスパイディと一緒にメトロ乗ってた
XXX まじかよ!? 現場でも中々レアだってのに
XXX スパイディは結構乗るよね。コスプレした人と話をしてた
XXX …まじか。俺、仕事でメトロ使うけど一度も遭遇したことないや
XXX そういやJJJってミスターについて全然取り上げないよね?
XXX マスクの下の素顔にビビってんのさ。俺だったらちびる。失礼な話、びっくりさせるからマスクで正解
XXX 私はあの時、話を聞いてたし素顔も見たわ。でもミスターの行動を知るなら気にならないわね
XXX そりゃそうさ! 友人の手伝いだって言って、スパイディの手が回らない所を、警察もある意味文句無しの手段で介入解決するんだから
XXX 気絶したりウェブで捕まれば終わるスパイダーマンと違って、疲労困憊になる犯人たち…
XXX 足抜けしようとしてリンチされかかった知り合いが居るけど、見てる分にはなんか可哀想になってきたって言ってた。動画もあるよ
XXX ああ、大抵の説得動画か。うん、本来は同情の余地ないんだけど、何しても同じ場所に立ったままのミスターがすっげぇシュールだよな
XXX 早すぎてスローにしないと何してるかわかんない技の冴え。JJJすら話題に上げるのを拒否するという凄さ
XXX ツッコミ入れられないからだんまりを決め込むんだろうなぁ。流石はJJJ、尊敬できねぇな!
XXX JJJが尊敬できないのはいつもの事だろ、いい加減にしろ
XXX サーセン。所で、武術の達人だよな彼。ボクさ、動画で日本のアイキドーとか見たことあるけど、そんな感じなんだよね。すっごく早いけど
XXX 動きが静かで受けが悪いけどな。どんな巨漢でもふわっと地面に転がる。しっかし、スクリューボールの件はチョー笑った
XXX あれは面白かったよな! 彼女、ブチギレまくり、俺ら爆笑、ミスターは何処吹く風、画面外から犯人が積み上がっていくだけっていう超シュール
XXX うっわ、後で動画見に行こう
XXX 最初はスパイディも翻弄されたけど、ミスターのお蔭であのクソ女、フォロワー盗られたってガチギレしてたわ
XXX 見るならミスターのアカウントの動画で、何をしてたかがよく解る。外からキレたスクリューボールの声が聞こえまくる
XXX 一瞬で事件解決したスパイディの動画もお勧め。というか一瞬過ぎて瞬き禁止。新ガジェット、使い所が合致するとすっげー優秀
XXX 犯人が一瞬でビリビリして集団で空中に浮かぶ姿は超シュール
XXX そういやスクリューボール、あいつ捕まったんだろ? でもすぐ出てきそう
XXX なんか証拠映像とかハッキング記録とか沢山提出されたとかで、前より長い間でてこれないってさ
XXX ざまぁ! ホットドッグが美味い!
XXX ちょっと冷めたけどハンバーガー食おうっと!
XXX ピザ来たけど良いこと聞いた、より美味い! ざまぁ!
XXX 俺もピザ食おうっと(ぽちー)
XXX ミスターは、実はデブを増やすために暗躍!?
XXX デブ予備軍の多いTLだなおい
マーティン・リーに教えたのは波紋の呼吸。トールは都合二十年強かかりましたが、リーさんは体感で半日程度で覚えました。ミスターポジティブ→ネガティブが原作ですが、この場合はどうなるんだろう?