荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集   作:マガミ

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スランプ中。はよ色々済ませて、モモンガさん達と観光に行く話が書きたい…。



外伝集・TDC

 銀河辺境の熱砂の星。先住民との戦いに破れ、電子機器の使用が著しく制限され、まるで地球の西部開拓時代のような技術レベルで暮らす事を余儀なくされている星での、辺境も辺境の村。

 

「旅人さん、ここから向うに行くのはお勧めしないよ」

「あん? どうしてだい、爺さんよ」

「年寄の忠告だ。向うに見える盆地の囲いはな、別名、災厄の檻って言ってな、近くに住む奴らも近づかない」

「あー、聞いたことあるな? 確か、プロトゾアン共が上空で見える位に集まる場所があるとか」

「そう、それだ。儂が見たのはカカぁを貰った頃だったんだが、あの盆地の上が一週間、上から降り注ぐ光で輝いてたんだ」

「怖気の走る話だな。被害は無かったのか?」

「儂らには直接は無かったさ。だがな旅人さん、落ち着いた後、無謀にも災厄の檻を見に行った奴らが、顔を青褪めさせて帰ってきたのを覚えてるんだ。一人は俺の従兄弟でな、そりゃあ親御さんに叱られたもんさ」

「何を見たか、聞いたかい?」

「恐る恐る覗いた外側から見えたのは、一面の瓦礫と更地、破壊された建物だったものと、バラバラに分解されたプロトゾアンだった破片だったそうだ」

「まじかよ!? …仲間割れ? いや、未だに奴らと争おうとしていた馬鹿か?」

「さあ、それはわからん。儂が麓から見れたのは、遠い空で蠢く奴ら、降り注ぐ光、盆地の中から飛ぶ炎や青白い塊だけだ。今も時折、彼奴等が巡回しては数本、光を落としてくんだ、新参者と無法者以外は近づかないよ」

「…わかった。忠告ありがとな、爺さん。俺は迂回して進む事にする」

「年寄の長話に付き合ってくれた礼に、これを持ってきなされ。乗合馬車で割引してくれる。携帯食は街の保安官の正面にある店が少し安いぞ」

「おう、ありがとよ。爺さんも元気でな!」

 

 男は多少は脛に傷持つが、やばい気配には敏感だったので、素直に老人の忠告に従い、警告された場所を回避する事に決めた。

 

「なあ爺さん、さっきの話はホントなのかい?」

「ああ。あれのせいでもっと近くに作られてた大きな開拓村から人がこっちに逃げてきてな、誰しも家の中で震えて、酒場の荒くれ者がやけ酒で溢れてたのを思い出すよ」

「爺さんの世代となると、ちっ、もう生きてそうなの殆ど居ないか。災厄の檻の中、その話を聞いてみたかったのに」

「手記と写真なら、形見代わりに預かっとる。後で見せてやるが…くれぐれも、近づくんじゃないぞ?」

「でもなぁ、保安官があの無法者の街について、近い内に様子を見に行くとか何とか」

「あの若造め。流れてきた賞金首の女共が居るからと、鼻の下を伸ばしてるのか。知らんぞ儂は」

 

 この星に暮らす、首都以外の殆どの住民にとって、空から降り注ぐ、奴らの攻撃は恐怖である。それが一週間も続けて降り注いだ禁忌の土地は、その執拗さも相まって呪われた場所である。

-

 んで、そこにひょっこり「また」現れたのはこの男、トールである。

 

「次元周波数…なーんでまたここかね。穏便に移動しようと調査しようとしたら、自動兵器っぽいのが衛星軌道攻撃降らせてくるようなとこだぞ」

『おや、この盆地らしき場所に訪れた事がおありで?』

「ああ。当時はPip-Boyもワークショップもアップデートする前でな、素材が無いから周辺を調査しようとしたら、いきなり上から質量弾だぜ? 仕方無く掘っては迎撃して、落ちてくる残骸を分解しての繰り返し」

『成程、この自動兵器は当時の物ですか。殆ど焼ききれていますね』

「落下方向が外だったから引っ張ったやつだな。大気圏突入で機能はほぼオシャカだったが、転移装置の素材に分解して使った残りだ」

 

-

 

『どの程度お時間を? まだ当時は運搬の問題があったと聞いておりますが』

「日増しに増えて迎撃も飽和し始めたもんで、突貫で安全テストもしないで跳んだから、一週間かな。成功したから良かったが、正直、テスト無しでの転移なんて自殺行為もいいとこだ」

『それには同意です。ご主人さま、攻撃される原因に心当たりはございますか? 意匠と構造から、地球人類型文明とは異なるようですが』

「まじで全く心当たりが無い。通信の気配も無く一方的だったから焦った。フォトニックレゾナンスバリア張ったら、粒子系の爆発性エネルギー投下に切り替えてきたし」

『合点がいきました、この更地ぶりは粒子砲の余波でしたか』

「それにな、当時はここ盆地じゃなくて台地だったんだよ。まあ半分は地上から投擲する際の余波だったけど」

『…全力で投げたんですか? まさか、自重するようになった原因はここだと?』

「その通り。ヌカパンチと違って、投げた物が手を離れた時点で物理法則に影響受けるから、自分自身がふっとばされた」

 

-

 

「げ、見つかった。Jr、広域を障壁防御!」

『既に展開中です。攻撃される原因が全くわからないのも考え物ですね。惑星調査もままならないとは』

「攻撃と反撃で表層物質が変質してるから、機材を追加しないと探査波が抜けないんだよな…」

『攻撃は…、前回記録からして質量弾の他は、荷電粒子砲と自由電子レーザーですか。反撃は如何いたしましょう?』

「今は最低限で。武装の無力化を優先。まだ軽い攻撃しか受けてないし、無傷の状態で調査せんと、交渉か殲滅かの判断も尚早だ。バーサーカーなら例外なく惑星自体も素材にしてる」

『かしこまりました。少々手間ですが、データリンク無しの小型独立ドローンで調査いたします』

 

-

 

「…ええと、つまり、無理やり移民してきて先住民とドンパチやって、負けて首都以外は西部劇な状態?」

『そのようです。今も元気に攻撃してくるのは、プロトゾアンの自動兵器で、条約違反の電子機器を扱う相手への問答無用の攻撃ですね』

「成程な。レーダー波の発信が、連中の禁止事項に触れたか。どうすっかなぁ、まず観光先には無理、俺らの機器は条約違反、民間意識は西部開拓時代と…」

『今回は事故ですし、障壁で受けた感想ですが、攻撃兵器のレベルも特に見るべき所はございません。惑星に住む停戦した方々と彼らの関係が拗れる前に、場所を辞すべきかと』

「だなぁ。恒星間移民時代らしいから、次は転移先を変えよう。撃ち落とした分は、攻撃したお返しと諦めて貰おうか。一応、軌道上に彼ら向けのメッセージプレートを飛ばす」

『投擲は禁止で』

「当たり前だ。しかし参ったな、現地の人に迷惑かかるのは本意じゃない」

 

 次元転移装置の応用で、転送装置により衛星軌道上で必死に攻撃をしている自動兵器の脇に、英語で巨大なメッセージプレートを転送。

 旅の途中で寄ったが、条約の件は知らなかった。歓迎されてないようなので、地上人類に迷惑をかけない早い内に去るよ的なメッセージ。自動兵器は人類側のプロトコルがわからないので上に連絡。以前までの損害が酷かったのもあり欺瞞情報と疑ったが、攻撃を止めたら反撃も止んだので様子見。

 というか、ノイズの無い状態で地上を見たら、上空に展開された異常な強度のエネルギー障壁と、焚き火で湯を沸かして液体をのんびりと啜る人類型生物の姿が確認された。

 そして…気付いたように衛星軌道上の端末へ手を振られた時点で、担当のプロトゾアンは感じたことのないノイズが駆け巡るのを確認し、観察措置に移行した。

 尚、人類の首都にある行政府にも確認したが、該当データは無いと困惑した顔だったので、双方、経過観察をする事に。先住民側が勝利したとはいえ、200年前の戦いは大きな痛手であった訳で、好き好んで再度戦端を開こうとする者は居ないのだ。

 

『上空の攻撃兵器は殆ど散ったようです。それにしてもよく見えますね? 私どもの標準カメラではブロックノイズの塊になる距離です』

「以前覚えた、視力強化する仙術と神通力モドキPerkの応用。ペロさん程には見えないよ。あの人、地面が丸くなけりゃ地上でも数十キロ先の新聞まで文字が見えるらしいし」

『然様で。攻撃が停止した事からメッセージは伝わったと思われますが、近郊程度はご覧に行かれますか? 麓にとてもウェイストランド的な街が1つございました』

「ああ、画像とかで見たがなんか凄い衣装の女ガンマンとか居たな。…接触しない方がいいと俺の勘が言ってる」

『おや珍しい。ウェイストランドよりは多少マシな文化レベルだと思うのですが』

「女絡みでトラブルに巻き込まれる。多分な」

『随分と具体的ですね…』

「記憶が薄れてるが、拠点世界にたどり着く以前、同じような感覚がした世界で…襲われてな。宿で油断してた俺が悪いんだが」

『襲われ…? …成程、そういう事ですか。把握しました。記録を舞子様達が見るかもしれない関係上、それは避けたいですね』

「空気としちゃ馴染み深いし居心地も然程悪くは無いだろうが、妻帯者としちゃ示しがつかない。多分二人は怒らないだろうけど、嫉妬マスク同盟の残りとNPC達が怖い」

「然様で」

 

 トールが出現した影響で起きた砲撃で元台地の周辺にあった無法者達の街は大騒ぎ。混乱に便乗した賞金稼ぎが隠れていた賞金首をドサマギで狩ったりできてホクホク顔だった模様。

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>拠点世界

 

「トールさんが介入しない事もあるんだね」

「最初はいきなり攻撃でしたから容赦なく反撃しながら去りましたが、今回はゆっくり観察してどうにも慌ててる感じがしたのと、周辺を軽く調査できたんで」

「前回の時点で、下手したら再度の大戦か」

「ええ、気付いた時点で肝が冷えました」

「砲火後コーヒーブレイクというか、あの最中で焚き火とコーヒーとか落ち着きすぎ」

「フォトニックレゾナンスバリア頑丈だな…」

「エネルギー減衰も軽微でしたから、多分、マスドライバーの一種ですね。粒子砲は上空の自動機械だと思いますが」

「砲火後というか砲火中の件について」

「ま、既に星系間世界のようでしたし、首都では許可と、先住民と話がついてるみたいなんで更に藪を突くのも宜しくないなと。次回行くなら、他の星経由で装備を制限して行く位かな?」

 

-

 

「ねぇねぇ、あのアレンジカウボーイというかカウガール?スタイルの服、データある?」

「…え、餡ちゃん、あれ着るの!?」

「流石に出歩かないよ? 部屋でペスとかと着せ替えで楽しもうかなって」

「ううむ、似たようなデータ、MOD装備に無かったか探してみます。あったらセレクトショップに並べておきますよ」

「わぁい!」

「…まあ、餡ちゃんやペスの人化のスタイルなら、似合わなくは無いのか」

(((すげぇ見たい)))←男性陣

「姉ちゃんだと腹肉が零れそうだな? 運動しようぜ、流石に…」

「ぐっ、弟に憐れまれた!? 人が最近気にしてる事を! 山ちゃんならもっと零れそうだけどな! 特に胸! なんで最近、また大きくなってるの!? トールさんだな犯人!」

「流れ弾!? の、ノーコメント!」

(((じー)))

「ノーコメント!」

 




ビッチ強襲回避。尚、スパロボ時空はできるだけ回避と頑張っていますが、ブッチー時空が近づきました(やばい

原題はTRE DONNE CRUDELIだそうで。

久し振りにスピンオフとか読み返そうと思ったら手元に無くて、では書い直すかと思ったら電子書籍も壊滅…ガガガ文庫さん、頑張ってくれないだろうか。
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