荒野からやってきました外伝 荒野の災厄のやらかし集 作:マガミ
「ハジメー? ミナセさんが来たわよー?」
「ミナセのおじさんこんにちはー」
「やあこんにちは。お土産あるから後で皆で食べてね」
「わーい!」「まあ、ありがとうございます」
「おう、邪魔するよ」
「き、来ましたね、次元渡りの理不尽!」
「バグウサギにこうまで言わせるとか、流石の年季」
「…なぁ、ハジメ君、きみの嫁さん達が凄く辛辣なんだが。というか明らかに嫌そうな顔しないでくれ」
「今朝方地球の裏側に出現した後、わけのわからない方法で加速して大陸間弾道弾の軌道で日本上空まで飛んできて、魔法とアーティファクトで囲った日本と俺の家の近所を何も起こさず検知もされず突破して、平気な顔して親戚のおじさん風に手土産持って訪ねて来てるアンタが何言うか」
「概ね正解。持てる技術で最大警戒した装備で来たが、中々手強かった。新技術を覚えてなければいくつかは確実にひっかかってたな」
「そこはひっかかっとけよ人類なら」
「年の功だよハジメ君。ま、流石は俺の知る中で十指に入る魔王の称号持ちだ」
「…上位はどんな化物だ」
「友人も何人か居るけど、仲良く無い上位陣の一柱はインド神話世界に行った時の…」
「もういい」
「それで、今回は何の用だ。二度目の転移時にもう用事は済んでた筈だろ?」
「そう邪険にされるとおじさん泣けてくる。ハジメ君は技術屋だったのを思い出してね、文化情報の集積兼ねて最近取得した技術について提供しようかと。ほいこれ」
「…親切すぎて逆にこえーよ。えーと何々? 核融合炉に縮退炉に反物質炉にって、おいまてこら!?」
「作れそうな技術系有能少年魔王が居たじゃん? 魔法使えるじゃん? 教えたくなるじゃん? 面白そうじゃーん?」
「その口調やめろ。てかいいのかよ、こんなオーバーテク」
「最初の建造で俺も理論構築に中々苦労したからね、これはいうなれば挑戦状じゃん?」
「その口調マジやめろ! …ほう、俺に挑戦状ね、いいだろう乗ってやる」
「と言いつつ、わくわくしているのが隠しきれないハジメs…痛い痛い!」
「協力体制を取る国への飴として作ってやるといい。日本以外には国連大使のお偉いさん経由で各国に提供とかな。あくまで発電所とセットが望ましい。巨大な安全装置付き核融合炉なら、一国で数機設置すれば十分だ。それを君しか製造もメンテもできないとなれば…」
「…成程な。化石燃料の価値は下がるが、需要全てを奪わないという事か」
「まあ某常任理事国様は、勝手に弄って自爆するだろうけど被害は施設の範囲で収まるよう、この安全措置も講じておくといい」
「んな所に提供はしたくねぇなぁ…」
「あ、ヒントって程でもないが、魔法というチートを最大限に活用したまえ? 嫁さん達との協力が鍵だ」
「成程、いくつか必要なでかい前提施設を魔法でショートカットするのか」
「そういう事。ただ若いのはいいが、夜の性活も大概にな。昨晩はお愉しみでしたね? では俺は帰る」
「うるせぇ! てか昨日から来てたのかよ! さっさと帰れ、不良中年め!」
「…くそ、既に秋葉原かよ。痕跡も無いし、どんな技術を手に入れたんだ?」
「作るの、ハジメ?」
「おう。…だが、正直な所、この理論の核融合炉の時点でかなりの難物だ。ショートカットは魔法でできるが、物自体が魔法と無関係に物理法則で稼働しやがる。とすれば…」
「ふふ、楽しそう」「ですね」
「ぱぱ、他の皆も来たよ!」
「…まあ、ぼちぼち考えるか」