汚れた暗殺者達の道   作:カムラス

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「敵」の姿

ピー、ピー。と単調な笛の音が当たりに響く。大勢の野次馬が「アパートの爆発事故」の見物に着ており、警官が現場に入らない様にしている。

 

 

そのすぐ傍の自販機に体中血だらけの火傷だらけの男、グノッコがコーラを飲んでいた。その傍を二人の男、ビアンコとフンゴが立っている。

 

「奴は完全に殺した。スタンドが消えて行った。完全に始末したぞ。」

 

ビアンコはそう静に呟いた。それと同時にグノッコが勢いよく立ち上がると叫んだ。

 

「あああああッ!!しまったッ!!」

 

「何だ?どうした?やっぱりやり損ねたとか言うのはやめろよ?」

 

フンゴの問いにグノッコは焦りながら叫んだ。

 

「違げえよッ!!あの野郎は確かに死んだッ!!それはさっきビアンコが言ってたし今頃っは警察の鑑識の奴らが喉が少し抉れたのをちょっぴり変と思うくらいだッ!!さっき思い出した!!」

 

 

「あの野郎携帯持ってやがったッ!!」

 

「それは…まさか。」

 

「ああ!!あの野郎!!誰かと連絡を取るつもりだったはずだ。あの現場にまだそれがあるんだよッ!!速く取りに行かなきゃ!!」

 

するとビアンコが取り乱すグノッコを押さえた。

 

「分かった分かった。俺が取りに行ってやる。お前は水分補給しっかりしとけ。」

 

そう言うと近くの建物の鉄筋を操作して足場を作ると携帯電話を取りに行った。

 

 

結構な数の野次馬の中をビアンコは自分の体を砂鉄を纏って姿を消しながら携帯を探していた。

 

(こういう時はなるべく呼吸を抑えろってあの人が言ってたからな…。まあ周りを見る限りバレてはないと思うけど。)

 

立ち入り禁止のテープを潜り、まだ燃えている家具や高熱で真っ赤になった金属が散乱している事件現場の地面をハイエナの様に探していた。

 

(ねえな…。もう持ってかれたか?あの署長にはあんまり会いたくは無いが…」

 

そう思いながら顔を上げた時、ビアンコの目の前に何か浮いているものがあった。

 

球体の直径は30cmほど、球体に四本の平たい板のようなものが四方についていた。それはしばらく

ビアンコを見るように浮遊すると、突如、球体がバナナの様に剥けた。そこには清流の様に綺麗なレンズがあった。

 

(敵かッ!?)

 

ビアンコがスタンドを出すと、それはコマの様に空中で激しく回転すると、砕けたコンクリートなどで砂埃を起こした。

 

(ぶわっ!?くッ…前が…!!畜生!!)

 

スタンド能力を使い、コンクリートに含まれていた微小な金属を操作し、目から排除した。

 

しかし、すでにそれは何処かへ行ってしまい、ビアンコの足元にはひび割れた携帯電話が落ちていた。

 

(あのスタンドが渡したのか…?)

 

周りを見渡しても怪しい人影はおらず、スタンドエネルギーも感じなかった。

 

(糞!!舐めやがってッ!!遠隔操作のスタンドか…)

 

ビアンコはひび割れた携帯電話を拾った。どうやら使用できるようで動かせるかすこしテストした。

 

(え~と…ここが着信履歴で…ここがメールフォルダだっけか…?携帯はあんまり得意じゃないからな…)

 

するとメールフォルダにほんのついさっき送られたメールがあった。

 

「我らアヴィディータ(欲望)に勝てるかな?パッショーネのボスによろしく。」

 

 

ビアンコはジョルノの前に立っていた。ジョルノの机には件の携帯電話が置かれていた。

 

「これではっきりと分かりましたよ。今までのスタンド使いによる犯罪はこの携帯電話を所持していた男、このアスペッティの所属していた組織、仮に彼らをアヴィディータと呼びましょう。そのアヴィディータの犯行でした。」

 

ジョルノは溜息交じりに離し始めた。自分達の敵がスタンド能力者で構成された犯罪者集団だったのであったからだ。

 

「現在はパッショーネの息の掛かったすべての場所にスタンド使いを配置させました。また幹部も極力目に付くような行動は控えさせています。」

 

「アヴィディータは携帯の情報から判断するに敵の構成はこちらとほぼ同じ、そしてそれらを束ねるボスが一人と言う構成です。」

 

「…アヴィディータ…欲望ですか…。糞イケすかねえ…」

 

「君達戦闘チームにはアヴィディータ討伐を命じます。彼らの討伐は勿論、敵のアジトの発見、協力者の洗い出し、資金元まで調べてその情報をこちらにください。情報を渡し次第、すべてを始末する事。」

 

「分かりました。ところで…」

 

「何でしょうか?」

 

「グノッコの姿を見ていないのですが…」

 

「ああ、そんなことですか。彼なら僕の能力によって治療しました。今、戦闘特化の人間を欠けるわけには行きませんからね。来なさい。」

 

すると扉を開けてグノッコが入ってきた。すっかり火傷や弾痕は治っており、すぐにでも仕事を

こなせそうであった。

 

「ボ、ボス、感謝します。」

 

ビアンコはコンディメンと共に跪いた。そしてジョルノは顔色一つ変えずに話を続ける。

 

「君達に送る伝令はしばらくネアポリス警察署長経由で送ります。その風呂敷の中に警察無線を傍受する装置があります。持って行きなさい。」

 

ビアンコは風呂敷を担ぐと、ジョルノの部屋から出た。部屋から出る瞬間、グノッコがビアンコに話しかけた。

 

「よおよお、何かすげー事になっちまったなあオイ。幹部連中なんか幽霊みてェーに真っ青になってたぜ?」

 

「関係ないね。幹部連中がドンだけ騒ごうが知らない。」

 

「あ?って…何でそんなに「笑顔」なんだよ?」

 

「ワクワクするじゃねえか。これでやっとリゾットさんと同じ土台に立てたんだぜ?コレが嬉しくなくて何なんだ?」

 

「リゾット・ネエロと同じ土台ねえ…」

 

「ヘヘヘ…リゾットさん以上に組織に名を売ってやる。」

 

そう言うビアンコの眼は次の獲物を狙う「暗殺者」の顔になっていた。

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