【習作】私のクラスメイトが常識に喧嘩を売っている件【一発ネタ】 作:素人創作者
原作:ロクでなし魔術講師と禁忌教典
タグ:性格・能力改変 原作再構成 ギャグ 原作既読推奨 ※この物語はフィクションです。実際の人物、団体、『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』とは関係ありません。
注:出てくるキャラのほとんどがおかしいです。
「《ズドン》」
その一言でテロリストを名乗る男の指先から雷撃が私へと放たれ───
「なっ!? バカnギャァァ!!!」
間髪入れずに男の方にも五月雨のごとく紫電が降り注ぎ蹂躙していく。所詮は魔術学生、軍用魔術による威嚇があれば大人しくなると侮っていたのだろう。仲間に対する思わぬ反撃にもう一人のテロリスト───ダークコートの男が動揺を抑えて魔術を唱えようとするが、多重起動された【サイ・テレキネシス】により動きを封じられ、その間にカッシュを筆頭とした格闘が得意な男子たちに取り押さえられた。
「ふっざけんなァ! テメェらただの学生がなんでこんな動けアババババ!?」
先に倒されたチンピラ風の男が何やら騒ぎ立てるが、【ファンタズマル・フォース】をかけられ直ぐに幻術に沈んだ。流石は頭のおかしい学生を集めたと評判のクラス。学生レベルに留まらない魔術行使で帝国を永らく蝕むテロ組織の一員を平然と制圧する様は、見ていて呆れるほど鮮やかだった。
「おのれ、何故ただの魔術学生が対応できる……!」
取り押さえられたダークコートの男が疑問を口にするが、それに答えるものなどいるはずもなく。
「おーいギィブル! こいつ、なんか良い剣持ってるぞー!」
「すぐさま渡せカッシュ。僕の魔術芸術の材料にする」
「んな! やめろ貴様ら! その剣の記憶がどれほど貴重なものか分かっているのか!?」
「そんなことは僕らには関係ないね」「そんなの俺らにゃ関係ないな」
傍から見れば正反対な二人が息ピッタリに相手の主張を切り捨てながら、奪い取った剣を錬金術で前衛芸術に変えていくのを見て、
「ああ、グレン先生早く来ないかな……」
私はクラスメイト達にあっさり捕縛された憐れなテロリストから視線を外し、まだ来ぬ愛しの人に思いをはせるのであった。
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「ってことがあったんですけど、このクラス常識に喧嘩売っている人多くありませんか?」
『少なくともそれは【ゲイルブロウ】で音声を任意の座標に送って遠隔通信しているお前が言っていいことじゃないよな、白猫』
「まったく先生ったら、褒めても何も出ませんよ?」
「あ、あはははは……」
赤面して周囲に風を巻き起こしているシスティを見て、思わず乾いた笑いがこぼれる。
…………お城にいる
私のクラスメイトは今日も元気に、常識に喧嘩を売っています。
登場人物紹介
・ズドンさん、ダークコートの男
被害者 テロリスト
・カッシュ
格闘が得意な少年。おい魔術使え魔術学生
・ギィブル=ウィズダン
錬金術によってこの世のすべてを美しいものにしたい自分のことを芸術家だと思い込んでいる一般少年。
・システィーナ=フィーベル
自分のことを普通の魔術学生だと思い込んでいる頭のおかしい暴風少女。
・グレン=レーダス
元来ロクでなしな気質であったが、担当クラスが頭のおかしい集団であったが運の尽き。全うな先生になってしまい他の講師から畏敬のこもった目で見られることに。
・ルミア=ティンジェル
本作最大の被害者。この胃が痛くなるようなクラスメイトに負けず無事に卒業してほしい。
・ヒューイ=ルイセン
被害者その2。天の智慧研究会とか関係なく生徒の頭のおかしさに胃を痛めて失踪した。