【疾走騎士】ゴブリンスレイヤーRTA ドヤ顔W盾チャート   作:もふもふ尻尾

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パート12 『(好感度が)大きすぎる……修正が必要だ……』

 ひたすらゴブリンを退治(スレイ)するゴブスレRTA、第十二部はぁじまぁるよー!

 前回、遺跡に居たデーモンを倒したあと、夜営をしました。

 今回は町に戻って、ギルドへ報告しに行くところからです!

 

「本当にありがとうございました。また何処かでお会いしましょう」

 

 やだ! 小生やだ! 前回も言いましたが、魔女狩人さんと関わるイベントは今後のチャートにありません。

 次に彼女と会うとすれば、ランダムイベントによるタイムロスに他ならないので、出来れば発生して欲しくないですね。

 

 買っておいた強壮の水薬(スタミナポーション)が二本あるので、お互いに一本ずつ飲みながら急いで帰りましょう。

 行きは到着を遅らせる必要がありましたが、帰りは遅れるだけロスになりますからね。

 

 では暫く見所が無いので、16倍速でーす!

 

「ま、待って……早い……」

 

 あくしろよ。彼女の体力の低さも改善してきてはいますが、それでもまだまだですね。

 流石に疾走騎士くんと同等にまでなるのは無理でしょうし、多少の遅れは我慢しましょう。

 

 帰り道の途中で偶然ゴブスレさんと出会いました。牛飼娘さんもご一緒です。

 

 まあ、正確には出会えるように調整していたんですけどね。

 

 ゴブリンにとっての『早朝』、つまり『夕方』頃にゴブリンを殺しに行くのが、ゴブスレさんの日課です。

 朝の依頼争奪戦とは無縁な彼がギルドに向かうのは、これくらいの時間が丁度いいのでしょう。

 

 それでは疾走騎士くん達もご一緒させてもらって、ギルドへと直行します。

 

 ……なんか魔術師ちゃんと牛飼娘さんが仲良くなりましたね。

 豊かな者同士、気が合ったのかな?

 

 着くゥ~。

 

 ギルドに到着! 四人で受付に向かいましょう! ぬわーーん! 疲れたもーーーん!

 

「俺は槍一本で巨人に立ち向かったんだ。どうだい凄いだろう?」

 

 おっと、槍ニキが受付嬢さんに報告、もとい一方的なアピールをしています。

 これはランダムで発生する、暫く順番を待たされてしまうタイムロスイベントですね。

 

「あっ! ゴブリンスレイヤーさん!」

 

 しかし、これも既に対策済み。ゴブスレさんと同行しているので、受付嬢さんが対応を打ち切り、こちらを優先してくれます。

 だから、ゴブスレさんと帰り道で合流しておく必要があったんですね。

 

「ぐぬぬぬぬ……!」

 

 哀れ槍ニキ。これもRTAの為、卑怯とは言うまいな。

 受付嬢さんはゴブスレさんや牛飼娘さんと一言交わしたらこちらにも気付いてくれるので、早速報告をしましょう。

 

 疾走騎士報告中……。

 

「……すみません、もう一度お願いします。『はぐれ』の……ゴブリンですか?」

 

 悪魔(デーモン)だって言ってるだルルォ!?

 とはいえ、黒曜に上がったばかりの新人が平然と悪魔(デーモン)を討伐して戻って来るなんて、信じられないのも無理はありませんよね。

 ところがどっこい夢じゃありません! 現実です! これが現実!

 

「し、少々お待ちを!!」

 

 直ぐ様受付嬢さんが奥に居る監督官ちゃんを引っ張って来ました。《看破(センス・ライ)》での確認を行う為ですね。

 もちろん嘘は一切言ってないので問題はないです。ありのままを話しましょう。

 

 ……信じてもらえたみたいですが、報酬がやけに少ないですね。アァン? ナンデ?

 

「申し訳ありませんが、悪魔(デーモン)の討伐報酬に関しましては後日こちらで調査を行ってからとなります。何しろ『はぐれ』……太古の悪魔(デーモン)が生き残っていた事も、それが討伐された事も稀でして……」

 

 しょうがないね。新種……もとい古代種がこんな所で出現するなんて、私にとっても初の出来事です。彼女達が困惑するのも無理はありません。

 食費と宿賃はありますし、今日もこれから依頼をこなすつもりなので、お金の心配は要りません。問題はもう一つの方でしょうか?

 

「ギルドの評価はどうなるの?」

「そ、それに関しましてはもちろん従来より上乗せさせて頂きます!」

 

 良かった良かった。どうやらチャートからは外れずに済んだようですね。疾走騎士くんの更なる昇級審査が、その調査後に発生する筈です。

 

「ねねねね~、キミもしかして『勇者』だったりする?」

 

 なんだこの監督官!?

 どうやら彼女は、疾走騎士くんが伝説の勇者ではないかと考えているようですね。

 しかし、彼は女神から啓示を受けているわけではなく、走者であるこの私の指示で動いているただの駒です。勇者ではありませんので、ここは『いいえ』を選択しましょう。

 多分本物の勇者は、今ごろ魔神将の一角でもぶった斬ってるんじゃないかな?

 

「あっ……どうも」

 

 おおっと? 女神官ちゃんがやって来ましたね。神殿に籠ってから三日経ったので、そろそろだと思ってました。

 ゴブスレさんと女神官ちゃんは、早速ゴブリン退治へと向かうようです。

 

 この日に発生するゴブリン退治は三件あります。

 北、西、南、各方面に一ヶ所ずつですね。

 

 ちなみに南の方面はすでに白磁の新人一党が受注済みです。

 その為、実質あと二件となるはずなんですが、この新人一党は全滅するので、結局ゴブスレさんが後日向かう羽目になるんですよね。

 

「さっきロビーに居た……三人で勝てるわけないですよ!」

 

 ここで女神官ちゃんが助けに行こうと言い出しますが、ゴブスレさんは拒否します。

 理由としましては、ゴブリンが鼠算式に増えていく生き物だからです。

 ゴブリンが増える。村が襲われる。より多くのゴブリンが増える。より多くの村が襲われる。更により多くのゴブリンが増える。このサイクルが回る毎に、巣と被害の規模は、より大きくなっていきます。

 北と南のゴブリンの巣は小規模、西の巣は中規模です。よって、西の巣を優先して叩く必要があるわけですね。

 

「何を勘違いしているかは知らんが……こちらを放置するわけにはいかん」

 

 彼は決して、目先の被害に動いてしまうような勇者(ヒーロー)ではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった。

 

 

 

 じゃあ、疾走騎士くんにその新人一党を、助けに向かわせましょうねー。

 

 

 

「え……いいんですか?」 

 

 牧場防衛戦までの間、人員を極力減らしたくはないですからね。何より冒険者の救出は評価的にも……うん、おいしい!

 さて、残りの北にある巣穴は後回しになりますね。多分ゴブスレさんが西の巣穴を潰してからそのまま向かう事でしょう。

 

「話は聞かせてもらったよ!」

「そちらは我々にまかせてもらおう!」

「ゴブリンは私達にとっても許されざる怪物です」

「という訳です。構いませんか?」

 

 おおっと! ここで鋼鉄等級一党のエントリーだ! キミ達今日は依頼を受けて無かったのか……? とにかく、これで決まりですね。

 

 北には鋼鉄等級一党。

 西にはゴブスレさん一党。

 南には疾走騎士くん一党。

 手分けしてゴブリンを撃滅させる事が、本日の目標となります。

 

「……任せる」

 

 しょうがねぇなあ(悟空)

 んじゃ早速ゴブリン退治へイク「ね、ねぇ君!」

 

 オォン! ギルドから出ようとした瞬間に牛飼娘さんに話し掛けられました。今まで一切関わりが無かったのに!? ロスになるんでお願い許して!

 

「コレあげる。二人で食べてよ」

 

 ……なんか突然チーズを貰いました。どうやらゴブスレさんに協力している事に対してのお礼のようですね。

 

「その、彼の事……これからもよろしくね?」

 

 当たり前だよなあ? このRTAにとってゴブスレさんは必要不可欠な人物ですから、今後も濃厚な関係を続ける予定です。

 んじゃ気を取り直して、ゴブリン退治へ……。

 

 …………。

 

「あれ? どうしました? さっき出発したのでは?」

 

 今回のゴブリン退治では、解毒の水薬(アンチドーテ)を買っておく必要があります。三本だよ三本。

 

 水薬関連は受付でも買えます。今回は工房に行く必要がないから依頼を受けるついでに購入するってチャートに書いておいたんですが、依頼を受ける前に確認してない。ハッキリ分かんだね。

 

「それじゃあ、今回はこれを差し上げます。……その、せめてものお詫びです」

 

 やったぜ。強壮の水薬(スタミナポーション)を二本貰えました。

 依頼にイレギュラーばかり発生している事で、彼女も少し堪えているようですね。

 まあ、こちらはそれが目当てで依頼を受けているので、完全にマッチポンプではあるんですが……貰える物は貰っておきましょう! 強壮の水薬(スタミナポーション)は何本あっても困りませんからね!

 ちとロスりましたがそれでは出発です。いざ鎌倉。

 

 

 このゴブリン討伐自体は、極めて楽勝な難易度です。

 W盾を構えた疾走騎士くんをぶち込んで、終わりっ!

 しかも前回の輸送依頼で、治癒の水薬(ヒールポーション)が三本も余っていますからね。負ける要素はほぼありません。

 

 しかし、新人一党がやられてしまうと、疾走騎士くんが助けに来た意味がありません。先程買った解毒の水薬(アンチドーテ)は彼等の分という訳です。

 

 さて、移動にもう暫くかかりそうなので、このゲームの好感度システムについてでも、ご説明しましょうかね。

 

 このゲームでは、他のキャラクターと何らかのやり取りを行う度に好感度の変動が発生し、その好感度が一定以上まで上がると、冒険に誘う事が出来たり、アイテムを貰えたりします。

 受付嬢さんから強壮の水薬(スタミナポーション)を貰えたのも、このシステムのお陰です。

 

 しかし実はこの好感度、変動をするのはやり取りをした相手だけでなく、そのキャラクターに近しい人物も、微量ではありますが変動します。

 だから先程、全く関わりが無かったにも関わらず、牛飼娘さんからチーズを貰えたんですね。

 彼女はゴブスレさんとは親しいですし、話だけでも疾走騎士くんの事を聞いていたのかもしれません。

 

 ちなみにこの好感度を確認する方法ですが、会話などのコミュニケーションでの反応によって、大まかな判断ができます。

 では早速、魔術師ちゃんの好感度を確認してみましょう。

 

「……な、何よ? 急に立ち止まったら驚くじゃない」

 

 多分悪くはないな! ヨシ!(現場猫)

 好感度が低ければ、早く行けだの、隊列を乱すなだのといった文句を言われるはずですからね!

 

 

 着くゥ~。

 

 

 ようやくゴブリンの巣へ到着しました。そこまで離れてない距離だったのですが、ちと掛かりましたね。

 

 入り口に見張りは居ません。恐らくこれは、最初に疾走騎士くん達が挑んだゴブリン退治と同じパターンでしょう。

 ゴブリンは中の横穴で待ち伏せをしており、それを見落とした場合に挟み撃ちを受けてしまう流れです。

 つまり今回は、疾走騎士くんが前回のゴブリンスレイヤーさんの立ち位置になり、彼等を救出するという訳です。

 

「きゃああああああ!!!」

 

 おっと、中から悲鳴が! 魔術師ちゃんに松明を持ってもらい、突入しましょう!

 

 疾走騎士くん達が奥に進むと、ゴブリンの群れに襲われている三人を見付けました。

 ……新米の魔術師が一人倒れてますね。どうやら最初の不意打ちで一発もらってしまったようです。

 残った戦士と神官が前後を守っていますが、やられるのも時間の問題でしょう。

 

 では先ず、魔術師ちゃんに《突風(ブラストウィンド)》を使ってもらいます。

 

「な、何だ!? 風!? うわあぁっ!!」

 

 洞窟の通路内に居たゴブリン達を転倒させました。新米の冒険者達も多少転がりましたが問題は無いです。一応撃つ前に伏せろって言ったんですけどねぇ?

 

 次に《聖壁(プロテクション)》を上から押し付け、ゴブリン達を行動不能にします。

 新米冒険者達は《聖壁(プロテクション)》をすり抜けられるので平気です。彼等は味方ですからね。

 

 ゴブリン達は地面に這いつくばった状態、或いは寝転がった状態から起き上がる事が出来ず、もがく事しか出来ません。

 新米冒険者達は立ち上がりこちらに気付いたので、解毒の水薬(アンチドーテ)を一本渡して仲間を解毒させましょう。

 

 そして疾走騎士くん達二人で、一匹ずつ殺していく(ゴブスレさん並み感)

 

 魔術師ちゃんには持っている松明でゴブリンを燃やしてもらいましょう。時間は掛かりますが何もしないよりは良いです。

 

「あ、あんたらは一体……?」

 

 RTA走者です。RTA芸人ではありません。ホラ解毒が済んだらさっさと手伝うんだよあくしろよ。

 新米一党の救出に成功しましたね。ではここからゴブリンの(巣)穴の奥に盾をぶち込

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




Q.好感度が最大値に達するとどうなるんですか?

A.特に何もありませんが、異性の冒険者だと多少弊害が発生するかもしれません。でもまだ始まったばかりだし、稼ぎ過ぎの心配をする必要は無いと思いますね!(五名天元突破済み)

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