歌って飯テロする予定 作:狗妹
3人共入学が確定し本格的な人学準備を進めている中、チャットアプリから通知が来た。
電気『おーい!暇かー!』
『暇っていうか上鳴は準備おわってるの?』福音
障子目蔵『引っ越しの荷物を整理してた所だ』
自撮りアイコンの上鳴と最近捕獲に成功したフグ鯨の刺身盛りをアイコンにした福音。
そしてチャットアプリ初心者で初期のままの無地アイコンの障子という性格が分かりやすいアイコンが目に留まる。
ちなみにその後フグ鯨はマイクとイレイザーと3人胃の中に納まりました。
次の日揃って顎が筋肉痛になったがフグ鯨のヒレ酒まで堪能した2人はまた食べたいと口を零した。
電気『いやさー、用意していたけど。手紙とかいれる四角いプラスチックケースあるじゃん?』
障子目蔵『これか』
障子目蔵『<透明のファイルケース画像>』
電気『そうそう!それよ!それさっき踏んずけちまって壊したんだよ』
『あらら、怪我は大丈夫?』福音
電気『へーき!それで買い物行くんだけど一緒に行かねーかなって!』
電気『障子もこっちに引っ越してきたことだし!』
『俺もペン入れとか見たいし別にいいよ』福音
障子目蔵『俺もかまわない』
電気『おっし!じゃあ明日の10時ごろに〇〇駅の東口に集合でいいか!』
『あそこだとすぐ近くのモールに行くのか?別にいいよ』福音
障子目蔵『こちらに土地勘はないから任せる』
急に決まった用事だが3年間使っていたペン入れもボロボロで取り替えないといけないなと思っていた所だったので上鳴の申し出はありがたかった。
===次の日===
「いやもう完全に女じゃん!モデルじゃん!」
「え?どこが?」
「すべてが!!!」
「・・・・」コクコクと上鳴に同意する
福音が着てきた私服は女性ものという訳ではないがゆったりとした透かし入りのオーバーサイズの淡いミント色のカーディガンと細い脚を強調するデニムパンツに白のシャツを着て足も花びらの刺繍がある白く動きやすいスニーカー。
カラフルな髪は頭のてっぺんで桜の花びらのチャームが付いた一本刺しでまとめてあり団子から垂れている残りの髪がふんわり春風に遊ばれている。
肩掛けの大きながま口バックも相まってマネキンのような洗練された美しさを自然体で着こなす福音に2人は「あれ?ここファッション会場じゃないよな?」と疑問を浮かべる。
和柄なんてゴツイ人や古臭いイメージという思いがあった2人の概念を覆すハイセンスな着こなしをしている福音に見惚れた。
前世でも結構和風系など大好きでレジンなどで小物を作ってたりしてた福音は今世でもその趣味を継続させている。
一本刺しも福音オリジナルである。だって現在のヒーロー名を見てわかる通り国際化が進んで和柄とか和雑貨など扱っている所が少ないこと!京都とか一部の地域で土産用とかほとんどで実用モノなんて前世より少ない!
だからこそ初めにボカロ曲で【千本桜】を筆頭に和風系曲を流した時は社会現象まで発展するほど取り上げられた。
現在和風系の曲を出せばそれにこじつけて和小物系を売る店も多い。
そんな和をうまく取り入れた福音の姿は目立つ容姿も相まってモデルや女優か?と人々の目をくぎ付けにする。
「じゃ、行こうか?」
「「お、おう(あ、ああ)」」
半分上の空状態の2人を連れて駅の広場から離れる。
「やべえ、完全に女の見た目なのに別の意味でドキドキする」
「といってもコレが普通なんだけど?」
「上鳴と同意見だが。人目が集まるが寄ってこないな」
「そりゃあこんな完璧美人に気軽に声かけられねーよ」
「もう慣れた」
「これを慣れるとか無理だろ・・」
「ずっと勧誘とか一目惚れです!とか言われ続けてストーカーまで頻繁に起これば嫌でもなれるぞ?」
「「・・・うわぁ」」ドン引き
なおその人たちは相談や愚痴を受けた保護者(マイクとイレイザー)の手によって処置された事を福音は知らない。
モール内でも引く先々で人の目が集まり2人は居心地悪そうに目的のものを買い込んで福音を連れてモールから少し離れた公園に出た。
綺麗すぎて声はかけづらいが少しでも見続けたい野次馬達がモール内で3人を追いかける。
勇気ある若者が声をかけようとすれば2人より先に福音が気安く声かけようとすんじゃねぇとばかりに冷めた視線で追い払う。
それでも集まりすぎる野次馬にさすがの福音も2人に気を付かせモールを離れる。
「なんか・・・ごめん」
「平気だ」
「目的のものは買えたし大丈夫だって!それにヒーローになったらあれぐらい注目されてファンからキャーキャーいわれるだろ!それの練習だと思えば・・!」
「「((・・・いや、それはどうだろう??))」」
どこまでもポジティブな上鳴に障子と福音は上鳴の今後を心配した。
「あ、そうだ!」
ふと思い出したかの様に大きなガマ口バックを開きごそごそとあさる。
そしてガマ口から出てきたのは明らかに容量オーバーの重箱だった。
「「待って(待て)!どこから出した!!」」
「?ここから」バックを見せる
「どう考えても入り切らねーだろ!」
「何というか・・なんでもありだな?個性か?」
「そんな所。で、お昼食べれてないでしょ?結構料理は個性もあって得意なんだよ。お近づきの印もかねて作って見た」
「山田の個性って結局なんだ?髪じゃねーのかよ」
「うーん?まあ髪も個性の一部だよ。で、食べない?食べる?」
「「食べる!(食う!!)」」
追いかけまわされて体力を使い過ぎた2人にとってはありがたい申し出だった。
大きな重箱の中は育ち盛りの男子達には嬉しい唐揚げや一口ハンバーグなど好きそうな具が沢山入っていた。
2人に割り箸と紙皿を渡し、そろっていただきますとそれぞれ具をつまみ口に運ぶ。
「「!!!!!!んんんん!!????」」
上鳴の口の中でサクサクの衣の中からあふれ出た肉汁とうま味広がりゴクリと喉を鳴らす。あっさりとしながらも今まで感じたことないほどの鳥のうま味たっぷりな唐揚げに一個食べただけ何に目を白黒させる。
ドリルバードで作られた唐揚げは脂肪が少なく高タンパク低カロリーで発展途上の筋肉にとても効果的で今の2人にはもってこいの食材だ。
片や2段目に入っていたタコ飯のおにぎりを口にした障子は最初の一口をずっと咀嚼している。
噛んでも噛んでもタコの弾力が歯を押し返し無理に噛み切るとタコなのにイカの特有の甘味を含んだ美味さが魚介の美味さを吸い込んだご飯のうま味、甘味と合わさり満たされる。
イカスタコと呼ばれる10本の足をもつタコなのにイカの美味さも上乗せされる食材は障子にとっては未知の遭遇ともいえるであろう。
食べてるのはタコなのかイカなのか。いや、それすらどうでもよくなるほど今はこの味を堪能したいと口を動かす。
「「ごちそうさまでした」」
「はい、おそまつさま」
普段より何倍も咀嚼する数が多くそしてゆっくりと時間をかけて味を堪能した。
口も胃も満足感にあふれていて、自然と心込めた食後の挨拶が口からこぼれた。
「やばい・・めっっちゃくちゃ美味かった」
「すまん、かなり食べてしまった」
「いや、好評なようで作った甲斐があったよ」
「いやマジ山田ってヒーローじゃなくて料理人目指せよ!ぜってー通うから!」
「だが断る」
「本当にその道いけるぞ?」
「障子まで・・・」
自分もその美味しさを理解しているからこそ2人の言葉に理解できる所はあるが。
食材も混みで戦闘面でも活躍するこの個性を使うのはヒーローになるしかないと思う。
あと原作的にも(←メタい
「あーまた食いてぇ」
「機会があればたまにおすそ分けするさ」
「マジか!!」
「!!いいのか?」
「う、うん」
2人の食いつきが予想以上に強くて嬉しい誤算を感じながら頷くとパァア!と背後にお花を咲かせる今年高校生になる男子2人が可愛すぎて胸を抑える。
その後基本なんでも作れると言った福音に2人は「ハンバーガーはつくれるか?」や「たこ焼きとか作れるか?魚介類全般さばけるのか?」と質問攻めされた。
それぞれの好物を聞いて次の機会に作る事を約束した後。前半の疲労はもはや吹っ飛び食後はご飯の話オンリーで終わった。
その後ラインのアイコンがその日のお弁当のアイコンに変わり晩御飯を食べたばかりなのにお腹がすく事案が発生し上鳴と障子が福音に対し文句をいう為アプリを開いた。
<食材説明>
・ドリルバード
転させて高速で飛行できる鳥獣類で、弾丸のようなスピードで頭上から突進して襲ってくる。
嘴はとても頑丈でドリル状になっているため、コンクリート壁を軽く突き破るほどの威力を誇る。
肉は脂肪が少なく高タンパク低カロリーで、良質の筋肉を作ったりダイエットをするにはもってこいの食材である。
・イカスタコ
10本の足を持つイカしたタコ。その身はイカのように甘く、タコのように歯ごたえがある。