行動派七曜録   作:小鈴ともえ

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成果的第十三話

パチュリーside

 

 

 稔里とも別れの挨拶をしたし、諏訪子と神奈子にも出ていく旨は伝え終わった。あとは美鈴を探して二百年以上ぶりの旅を再開するわけだ。向かう先は平安京。

 

それにしても美鈴はどこにいるのかね。大体はこの山の頂上で変わった動きの練習をしていたりするのだけれど…「あっ、パチュリー?どうしたんですか?」いた。

 

「諏訪を離れて旅を再開するわよ。目指すは平安京。今の日本の首都、なのかしらね?」

 

 

「わかりました。私はいつでも大丈夫ですよ」

 

それでは行きましょう。陰陽師を再開しにね。

 

 

 

   ???side

 

 

 山の上で酒を呑んでいたら部下の天狗が人間が山に入ってきたと伝えてきた。

 

 

「今まで人間の入山を私に伝えてきたことなんてあったかねぇ?」

 

 

「それが私たち大天狗でさえ相手を足止めさせるには至らんのです。ですから鬼の方を何人か派遣していただきたいと思いまして…」

 

 

「いや、それには至らないよ。特別に私が直々に相手をしてあげるからね」「…………え"」

 

さて、そんじゃあその人間の顔を拝みにでも行こうかね。

 

 

 

 

 

「なんだいなんだい、いつから私の部下どもは嘘を吐くようになったんだい。相手はまるっきり人間じゃあないじゃないか」

 

「貴方がこの山の長?天狗たちがわらわら寄ってきて鬱陶しいことこの上ないのだけれど、来ないように言ってくれないかしら?」

 

 

「この山の頂点は私含めて四人だよ。あぁ、天狗どもこれ以上寄ってくるんじゃないよ。

 …………でないと私の攻撃の余波に当たっちゃうよ」

 

 

「ひ、ひえ~。伊吹様が直々に相手をなさるのか」「巻き込まれたら死ぬぞっ!」

 

うるさい天狗どもだ。

 

 

「それで、あんたらかい?この山に無断で入った挙句に天狗たちをどんどん倒していったのは」

 

「私たちは京に向かって旅をしていただけよ。天狗たちが勝手に攻撃してきたから反撃しただけ」

 

 

「それで私とやるのはどちらかな?別に私は二人同時でも構わないがね」

 

 

「貴様っ!私たちを愚弄しやがって。今に吠え面をかかせてやる!」

 

 

「まあまあ落ち着きな。私は何もあんたらを侮っちゃいない。現にこの山の最終兵器の一人である私が出てきているんだからね。

 

さてさて、あんたらがこの私の肌に傷をつけられたら私は負けを認めよう。受けるかい?」

 

「そうね。「パチュリー?!あんなに調子に乗っている奴なんて私一人でも、っ!」いいから聞きなさい。あなたは知らないのでしょうが彼女の種族は鬼。

半端な攻撃では肌に傷をつけるどころかこちらに衝撃が来るほどに硬いのよ。傷をつけることすら難しい鬼の肌を相手にあなた一人で挑むのは流石に無理がある。

だから少しでも勝てそうな方を、と思ったのだけれどそれを聞いてもあなたは一人で彼女に挑みたいかしら?」

 

ほう、鬼の事をよくわかっているね。まあ私はそんな鬼より更に硬いけどね。

 

 

「…………えぇ、私一人で戦います。修行の成果も試したいところでしたし」

 

「…本気なのね」     「はい、私は自分に正直が取り柄ですから」

 

 

「そりゃ素晴らしい。正直なのは好きだが手加減は無しだよ」  「勿論です」

 

 

「大江山の四天王が一人、伊吹萃香」「宣言するほどの役も無き妖怪、紅美鈴」

 

 さあ、始めようか!楽しい勝負(ケンカ)をね!

 

 

 

   パチュリーside

 

 

 美鈴が萃香とタイマンで勝負することになった。まさか大江山に入っているとは思わなかった。

萃香が出てきた時も滅茶苦茶驚いたし。というか大天狗まではこの変装通用したんだよね。天狗社会大丈夫かな。

 

 

「貴方が萃香と戦っている子の連れ?」

 

「っ!え、えぇそうよ」

 

完璧に気配を殺して来たよ。美鈴並みじゃないかな。

 

「私は大都庶樺菜。あなたは?」

 

 

「私?名乗ってもいいけど…………」戦えとか言うなよ?

 

 

「まず貴方の本名を教えてもらってからね」

 

「……どうして偽名だと分かったのかしら?」

 

 

「鬼を相手に嘘を吐けるとは思わない事ね」…………何その鬼の特殊能力。

 

「パチュリー・ノーレッジよ」   「パチュリーね。私は…」

 

私の名前を初めから言えたのこの鬼だけじゃないだろうか。華扇だけど。

 

 

「私は茨木華扇。山の四天王の一人よ。ところで貴方はあの勝負どちらに転ぶと予想するかしら?」

 

「今の美鈴の打撃では萃香に傷をつけるには至らない。だから萃香かしらね」

 

 

「私は赤髪の方だと思うわね。あ、ほら、今まさに決着が着くわ」

 

まさかあれはまだ中国にいたときに教えた○○○○波(の溜がないバージョン)!?

 

 

「これはまた素晴らしい威力ね。流石の萃香でも体に風穴が空いたでしょうね」

 

 

「いやぁ~負けた負けた。まさか傷つけるだけじゃなく穴をあけられるとはね。

強いねぇあんた。気に入ったよ!」

 

 

「そんなに元気に言われましてもねぇ。あまり勝った気にはなれないのですが」

 

 

「まあまあ気にするな。私が負けたといったんだからあんたの勝ちは揺るがないのさ。

 

それよりいい気分だねえ。宴会でも開きたい気分だよ」

 

 

「貴方たちは常日頃から宴会を開いているじゃないの」

 

 

「あれ~?華扇じゃないの。どうしてここに来たんだい?

ま・さ・か、戦いたかったのかい?」

 

 

「そんなわけないでしょう?私を貴方たちと一緒にしないで頂戴」

 

 

「なーんだ、つまんないの。まあとりあえず宴会するから皆を萃めようか。華扇は酒虫酒(しゅちゅうざけ)でいいから持ってきてね」

 

 

「まったく、鬼使いが荒いわね。いつものことながら」

 

 

 

「良かったわね、美鈴。ところで最後の技は昔私が教えた技なのかしら?」

 

 

「えぇ、吠え面はかかせませんでしたけど。そうですね、最後の技は教えてもらった技の溜の時間を戦闘中の気の練りに変えた私独自の技です。幽香さんのところで身に着けました。必要になる集中力は馬鹿にならないのですけど」

 

確かにあの時気を練る修行をしていたっけ。美鈴もかなり強くなったものだ。

 

 

          ・

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          ・

 

「ふ~ん、貴方たちは妖怪なのにも関わらず陰陽師なんてしているのね」

 

 

「人間の陰陽師どももあんたらくらい強かったらいいんだけどねぇ。最近の人間はどうも好かん。私らをただ殺しに来ている姑息な連中が増えてきやがった。正々堂々と勝負して退治されたうえで殺されるのなら、それは私たちにとっても嬉しいことだ。私たちを負かす人間が存在するということに他ならないからね。だがどうだ、最近の人間どもは私らの寝首を掻こうとしてきやがる。もう私は人間を信じることができなくなりそうだよ。鬼が人間を見限っちまったらどうなってしまうんだろうね。せいぜいそうならないことを祈るしかないけどね」

 

「山に来る人間には十分に注意した方がいいわよ。どんな理由があるかはわからないけれどね」

 

 

「わかってはいるんだけどね、鬼はまだ人間を信じたいのさ。

 

パチュリーはこれからどうするんだい?」

 

そういえば萃香も普通に名前呼んでるのよね。鬼って肉体関係のスペックがおかしいのかも。

 

「初めにあった時にも言ったでしょう?私たちは京を目指しているの。そこでまた陰陽師として生活するのよ」

 

 

「あぁ、そういえば言ってたね。紫から聞いたよ、あんた三百年くらい前にも都で陰陽師してたんだってね。名前が特殊なせいですぐにピンと来たよ」

 

「紫と知り合いだったのね。で、まあそういう事よ。遷都された先でもまたやろうってわけ。

都を出たころには仙人として扱われていたし、これまでもちょくちょく活動していたから私の陰陽師としての名前はまだ生きているのよ」

 

 

「間違ってもこの山には攻めてこないでおくれよ。私ら鬼はいいが今日の様子じゃあ天狗は一部を除いて滅ぼされそうだからね」

 

「私たちは悪行を働いた妖怪しか相手にしていないわ。山にいるだけの天狗が退治対象になることはまずないでしょうね」

 

 

「それもそうだ、さあこの酒はどうだい?酒虫酒に勇儀の星熊盃を利用して作った酒だ。超一級品だよ」

 

「いただくわ。それにしても鬼でもこんなに薄い(度数が低い)酒を呑むものなのね。意外だわ」

 

 

「まあね、私らはうまい酒が好きだからね。だからこの伊吹瓢から出る酒虫酒を星熊盃に入れてすぐの酒なんて最高さ。もともとうまい酒の格を上げることになるんだからね。

 でもまあ濃い酒も当然好きだよ。呑んでる感じがするからね」

 

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「また気が向いたらこの山にも来るわ、またね」

 

 

「今日は宴会楽しかったです。また会いましょうね」

 

「ええ、また会いましょう」

 

…因みに見送りが華扇一人なのは彼女以外の鬼は皆酔って寝てしまっているからだ。

 

さて、京はもうすぐそこよ!




華扇のことに関してはどこまでがネタバレではないかが判断できないので解説は無しです。知りたければ茨歌仙を読めばわかります。酒虫酒についても。

平安は非常に出来事も多く書くのは大変そうです


では次回も読んでいただければ幸いです
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