行動派七曜録   作:小鈴ともえ

2 / 71
初会話的第二話

そんなこんなで旅が始まったのだけれど、今冷静に考えたら

 

陰陽師なんてまだ日本にいないよね。

 

陰陽師が日本に伝わるのは500年代だったかな?あちゃ~、完全に失念していたよ。それに今の日本(倭国)は大和王権の古墳時代にあたるはずだから、行くとしたら認識阻害はかなり慎重にかけておかないといけないのか。

 

面倒だねぇ。

 

 それにこの時代って既に建御名方神は洩矢神と戦っていたっけ?鉄の輪を作る技術は流石に製鉄が盛んになる5世紀くらいにならないとなさそうか。この世界は元の世界とは違うから神の力によってもう既にあってもおかしくはないけど。

 

 

 となると、今の倭国に行ってもあまり目的は達成できそうにないね。念には念を入れて7世紀中ごろまでは中国の山の方で仙人のような生活をしておきましょう。不老でも全く不思議に思われないし、この髪色にどうこう言われることもないだろうからね。

 

 因みに山の方に行く理由はこの時代の中国は戦争が非常に盛んだから。多分今は三国時代、そのあとすぐに晋に変わったような気がするから下の方にいると巻き込まれる可能性が非常に高い。流石に人間同士の戦いに後れを取るほどではないと思っているけど、避けられるリスクはできる限り避けたい。戦闘狂じゃないんで。それに人間じゃない分悪目立ちしそうで怖い。

 

 それにしても流石は幻想が生きている世界とこの時代だね。妖怪はかなり出る。西洋の方では魔物っていうのかな?よくわからないから妖怪と呼んでいるけど。あ、また出たね。人間に化けているようだけど、下手だから下級ってとこかしらね。

 

 

「こんばんは、お嬢さん。どうですか?一緒にですか夜の散歩でも」

 

 こんなに怪しい奴についていく馬鹿なんているのだろうか。

 

「遠慮するわ。私はこの先を急いでいるから」

 

 

 

「この先は砂漠しかありませんよ。そんなところに行くくらいなら私と散歩をした方がよっぽど安全ではないですかね」

 

「私がそこに行きたいのよ。それに散歩をしようだなんてなんて微塵も思っていないくせに」

 

 

「な、何を言っているのかよくわかりませんね。私がもともと散歩をする気がない、ですって?」

 

 

「ええ、まず自分の姿を見てみたらどうかしら?あなた人間に化けるのが下手すぎるでしょう。(ついでに口も下手)

 ついていった私を人目につかない所で喰うつもりなんでしょう?・・・・・・・・・妖怪さん」

 

 

「ちっ、ばれてしまったんじゃあしょうがない。今ここで喰ってやるよ」

 

「あら、それがあなたの本性なのね。紳士的じゃなくなった分とても戦いやすくなったわ。

 あなたは生まれたばかりでわからないんでしょうがケンカを売る相手はしっかり見極めた方がよかったわね」

   アグニシャイン

 

 

「なんだtッッッ!!」

 

 

 

 

 これで良し、断末魔も無しに焼死したのはかわいそうな気がしなくもないが。下級妖怪は大体相性に合わせて原作のスペルを戦闘用に改良したら対処できそうね。

 

 

 さて早速砂漠に乗り込もうかな。体調は万全魔力も殆んど減ってない。砂漠を越えたらいよいよ中国に入るからね。検問とかありそうだけど最悪飛び越えればいいよね。

 夜の砂漠は非常に寒いらしいからしっかり防寒魔法をかけてっ、と。いざ参る。

 

 

 流石は砂漠だね。妖怪がほとんどいない。来る人間が少ないからっていうのもあるかもしれないけど、そもそも住みにくいんだろうね。砂漠はこの気候を何とかしのげられればかなり安全ね。

 

「よかったよかった」

 

 

「何に安心しているのかは知らんがな、小娘よ、愚かなお前さんには俺様が特別に教えてやろう。ここにはここなりに進化した生物が多くてねぇ、なめてここを通っているとひどい目にあうぜ。あんたみたいになぁ!」

 

うっわ、なんか気持ちの悪い緑色のトゲトゲの妖怪が出てきた。まあ普通に考えてサボテンなんでしょうね。ホントただのサボテンが粋がんなよ。

相手はおそらく「木」でしょうからこちらが出すべきは「金」か。こういう時に冷静に分析できるのはかなりありがたい。ってことで、

   メタルファティーグ

 

 

ギィィャァァァアアアア

 

妖怪の断末魔も聞き飽きた。それにあまり思うところがなくなっている自分が怖い。人は慣れる生き物だというけれど、こんなものに慣れたくはなかったかな。

 一日歩いて身体はつかれたけど、今のところ喘息が出る兆しもない。下手に妖怪を呼びそうだから出していなかったけど明かりを確保して休憩しましょうかね。

 

 休憩といえば読書。もちろん私も魔法使いだから本をたくさん読むわけなのだけれど、やっぱり旅に出るにあたってたくさん持ち歩くのは絶対にあり得ない。重すぎるから。でもどうしても読みたかったから次元干渉できないかと色々探し回ってようやく現実的な魔法を見つけられた。紫のスキマほど万能ではない。生物つまり()()()()()()()()が生成された謎な空間に入ることは不可能だったり、中の時間が進んでいたりする。でもどうせ本しか保管しないし、紙魚(しみ)とかが入り込めない分保存状態は抜群に良い。本が日光にさらされる心配もない。中の本を取り出すには無生物の棒状のもので引っ張り出す必要がある。(最悪壊死した腕とかでもいい。キョンシーとか霊の類はよくわからないのだけれど)これはかなり面倒だしコツがいる分、他人には盗られにくい。(そもそも他人の前で開けなければ良いのだが紫には開けられるかもしれない。大妖怪怖い)

 

 とまあこんな感じに旅先でも本を読んで知識も深めるのが大事なのだ。私は動ける大図書館を目指すからね。

 

 早く夜が明けないかしらね。襲撃されないように認識阻害をかけているけど、これも万能じゃないから本だけに集中できないのは辛い

 

 

 ようやく朝になったわね。ちょっと面倒だから飛んで砂漠を越えてしまおうかしら。同じ景色ばかりで楽しめないし。そうと決まれば早速行ってみよう。

 

 

この砂漠広すぎやしませんかね?飛んでも今日のうちに通過できるかわからないね。方角は東にあわせてあわせて、とにかく行ってみましょう。

 

暇、暑い、眩しい、景色もごくまれに見つかるオアシスくらいしか楽しめない。辛いね。行商人なんかは地上を歩いて行かないといけないうえに、食料、水、睡眠は必須だし妖怪におびえて進まなければならない。私がそんなことをすれば、ストレスで胃に穴が開きかねないね。行商人ってとても偉大だったんだなぁと思う。これは香辛料なんかの値段がかなり高いことにも頷ける。

 

 

 なんだか身体がしんどくなってきたし心なしか咳も出始めたような?なんだかんだ言ってこんなに連続して飛行したことなかったのがここにきて響くか。くそぅ、「喘息が出る兆しもない」とか言ってたやつ誰だよ。

だめだ、思考が正常じゃない。いったん地上に降りて身体を休めないと。なんだか意識が遠くなりだしたぞ。もうすぐ砂漠を越えられたってのに・・・・・・。

せめて落下死は避けないと、やばいなあ。

あぁ、もう自由落下しても死にはしない・・・かな。

 

 

 

   ???side

 

 おや、砂漠にだれか倒れているみたいですね。

着ている物や髪の色から彼女がこの辺りに住んでいないのは明白なのですがいったいどうしてこんなところに?

まあ髪色は私も他人のことを言えないのですがね。なんにせよまずは保護しておきましょうか。人間は私たち妖怪とは違って脆いですからね。

 でも何か人間とは異なる気を感じるような。

気のせいですかね、気だけに!・・・・・・・・・いや、本当に、申し訳ございません。

 

とにかくこの方が起きられれば何かしらわかるでしょう。

 

 

  

 

 

 

 




最初の発言権はまさかのモブにありました
 個人的な意見ですが一人称が「俺様」ってむしろ小者っぽく感じます

最後の誰かさんのあれは可哀そうだと思いながらも入れました。気分を害されたという方本当に申し訳ございません

因みに細かくて誰も気にしていないでしょうが、一応主人公(パチュリー)が話すときのカギかっこは直前の文章から1段、そのた登場人物は2段空けております。誰が話しているのかわかりにくくなった時などに参考にしてみてください

書き方はまだ変えていくかもしれません少しの間お付き合いいただければと思います
では次回も読んでいただければ幸いです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。