紫>萃香>幽香>華扇>勇儀>美鈴>マミゾウ>パチュリー>白蓮>文>レミリア>藍>ぬえ>アリス>フランドール>さとり……
このような感じですかね。本作ではほとんど出番がなかったですが実はかなりの上位者として設定していたマミゾウ。あとは鬼。もはや種族として存在する事が理不尽。お空は神の力によるところが大きいのかなと思うので対象外
私がこの世に生を享けてから既に1700年近くが経った。初めの頃は途方もない年月に思えて軽く絶望しかけたものだが今となってはいい思い出なのではないかと思う。
この長い期間があったおかげで日本に来ることができたし強くなれた。様々な妖怪や人間とも会うことができた。私のせいでぶっ壊れた原作の設定もあったが全体でみると世界の修正力とでも言う力のおかげで大事に至ることは無かった。
思えば美鈴とは私の人生のほとんど(全てと言ってもいいくらい)を共に過ごしていることになる。彼女には何度も助けられた。喘息の時の対応や私がまだ二桁だった頃の生活などだ。今でもそうだが特に当時は彼女が本当に頼もしく見えたものだ。私の姉だと思っても違和感はないくらいに。
私が一番世話になったのが美鈴だとするならば、一番頼ったのは紫になるだろう。レミィなんかは紫の良さがわからないみたいだ。それも当然の事で、彼女は基本的に胡散臭いと思われてしまっているのだ。
昔はまだましな方だったと思うが最近は賢者としての威厳なのか他の妖怪にとってはとっつきにくい妖怪として知られている。それが彼女の望む姿なのかもしれないと思うと何も言えないのだが。
今回の宴会にも途中から式とその式を連れて現れている。他の妖怪からは遠巻きにされているようにも見える。本人が特に気にしているようでは無いので別に構わないのだろう。しかし白蓮とゆっくり語り合おうと思って主催した宴会なのにいつの間にか関係のない妖怪ばかりになってしまった。
今までに見たことのある妖怪は勿論、見たことも無い妖怪もちらほらいる。こちらが一方的に知っているだけの妖怪も少数だがいる。私は自分が大騒ぎをするのは好きではないが宴会の雰囲気は嫌いではない。静かな図書館はお気に入りだが騒がしい宴会もまた良いものである。
でももう春なので喧噪の中にずっといると暑くなってくる。レミィもさっき頭を冷やしに行ったようだし私は少し身体を冷やしてこよう。彼女も何か考えているだろうから彼女が行った方向とは反対に行った方が良いだろう。
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神子や青娥などには会えなかったから今人生を振り返るのが丁度良い気がする。
しかし思い返すと本当に色々なことがあった。旅に出た当時はあまり必要ないと思っていた仙術もかなり様々な場面で活躍してくれたし、高山でのトレーニングもそうだった。結局今の今まで喘息は無くなっていないが何もしていなかった場合と比べるとかなりマシなのだろう。
日本に着いた後も妹紅と輝夜の関係が思ってもみなかった方に行った事以外は順調だったし。幽香に絡まれた時は本気でやばいと思ったが何とか殺されずに済んで良かった。いや、マジで。諏訪でも良い出会いがあったし快適に過ごせた。月面戦争はあの程度で収まったことに感謝するべきだろう。想像以上に依姫が強すぎた。
ヨーロッパに帰った後も紅魔館で楽しく過ごすことができた。何よりも楽しかったのはこあやレミィ、フランドールが目に見えて強くなってゆくことだ。稔里から見た私もそんな感じに成長していたのだろうか。
魔界も行ってよかった場所だ。神綺は規格外だったが好戦的じゃなかったのが幸いだ。白蓮と会ったのもあそこだったし。彼女も辛い人生を歩んできたのだろう。もともとの同族に封印されるというのはどういう気持ちなのだろうか。今笑っているのなら彼女も今は幸せなのだろう……寝ている。流石に妖怪たちの酒を断り切れなかったのだろうか。ご愁傷様とでも言っておこうか。
他の寺組はより一層元気にはしゃいでいるというのに。ぬえも私が以前封印した者だとは気づいていないのだろう。私を見ても突っかかってこないのが良い証拠だ。
幻想郷に来た後も想定外の事は多くあった。一番はやはり外の世界に行ったことだろう。私が記憶として残しているものよりはいくらか古い、しかし私が生きてきた外の世界の記憶よりは新しい。そんな不思議な体験だった。たまたま会ったマミゾウも来年には幻想郷に来るだろう。彼女はかなり大人な対応をしてくれるので話し相手には良いだろう。気を抜いたらすぐに化かされそうなのはあれだが。
それにそろそろ華扇も仙界から出てきてくれる頃になるだろう。仙人となった彼女と話をするのも今からとても楽しみだ。レミィと一緒に私まで神社に通う事になるかもしれない。霊夢は嘆くだろうがもはやあそこは妖怪神社になってしまっている。妖怪から信仰を得ているわけでもないのに妖怪が集まるのも不思議な話だ。それも一度退治された妖怪ばかり。
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そういえば口直しに和菓子を貰って来ていたのだった。食べるなら静かな場所で食べたいと思っていたしここは丁度良いだろう。今日は初心に返って柏餅を作ったようだ。妖夢がこっそり持って来たものだが妖夢の作った物とレミィの作った物がある。見た目では判断できないが食べればわかるだろうか。
お、美味しい美味しい。もう一つの方は……うん、美味しい。どちらも美味しいが後に食べた少し味が惜しい方がレミィの方だろう。まだ始めて数年だからかいくらレミィでも妖夢の腕には到達できていないようだ。料理の時とは少し感覚が違うらしい。
いい具合に落ち着けたしそろそろ宴会に戻った方が良いだろう。一応今回の主催者は私になっているのだし。費用は紅魔館で出すが想定外の出費の方は私の貯金から出しておこう。一応まだまだ余裕はあるし。
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そんなこんなで今までは凡そ原作通りに進んできた。それはこれからも変わらないだろう。私が今まで関わってこなかった妖怪や仙人たちがこの先の異変の主犯になる。つまり完全に原作に沿う事になる。知らない人たちに会う事。それはとても嬉しく楽しみなことだ。
たとえ私が旅をしなくても美鈴は紅魔館に来ていただろう。異変も問題なく解決されたに違いない。しかし私は原作より身体が弱くなっていただろうし、紫をただの胡散臭い妖怪としてしか見ていなかっただろう。ロケットを飛ばした時は永琳にも狙われたに違いない。
私の身体のこと以外は結局人脈の問題だ。そしてそれを解決したのはやはり旅なのだ。袖振り合うも多生の縁。私は前世から彼女たちを知っていた。故に前世からの因縁が存在していたのだ。他の言葉で言いかえれば単に”運命”ともいえるのかもしれない。
私はパチュリー・ノーレッジ。もう『名乗っている』と付ける必要はない。この世界では私が本来のパチュリー・ノーレッジなのだと理解できた。パラレルワールドは存在する。故に私ではないパチュリーも必ずどこかにいるのである。僅かな分岐が大きな変化を与える。この世界のパチュリーは少し旅がしたかった、私とそれ以外なんて本来はそれだけの違いしかないのだ。
というわけで特別な異変を解決して終わり、みたいな感じでは無いのでスッキリしない終わり方になりましたが完結です。もっと文章力があればなあ……と思います
和菓子の件はただの進捗状況みたいなものです。続きは書かないのですが二年後くらいには違いが判らなくなっているでしょう
今回書くに当たって最も気を付けたことは主人公を強くしすぎないことです。前書きでは妖怪しか書いていませんがさらに上位には神や月関係者もいます。主人公最強物は読んでいると逆に辛くなってくると思っているのでほどほどの強さで止めるようにしました
設定を盛ると書くのは楽しいですが忘れている物も多くなります。例えばパチュリーの口癖「辛い」を覚えている方はいないでしょう。私ですら二話前の話を書いている時に不意に思い出したくらいですし。全体的にキャラもブレブレだったりと反省の多い作品になりました
宣言通り完結させられて良かったです。ここまで読んでくださった方々のおかげでほぼ定期的に楽しく執筆できましたし毎回の誤字報告もとても助っていました。ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました