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本当にありがとうございます
パチュリーside
仕切り直して、と。
そう、確かあれは輝夜の護衛が決まった2月後の事だったわね。
~回想~
「姫の護衛は順調なんですか?」
「まあね。護衛とはいっても都に妖怪は入れないから話し相手になったり、話し相手になったりしているだけなのだけれど。
さて、隠れていないで出てきたらどうかしら……紫?」
「あらわかっていたのね。というか貴方話し相手になるだけでそんなに報酬を貰っているの?「まあね」ってそんなことはどうでもよくてね、今日は私の理想郷を創る場所が大まかに決定したから伝えに来たの。だからずっと隠れているつもりなんてなかったわよ」
隠れていたという自覚はあったのね。
「で、ここから近いのかしら?」 「そうねぇ、ここからはかなり……」
「かなり?」近そうね
「遠いわ。ここよりはるか東の方よ」
そっちかい。となるとどのあたりなのだろうか。まあ紫も詳しくはわかっていなさそうだけど。
さて、ごく自然に紫の能力を聞き出して美鈴も都に入ることができるようにしないといけないね。
「そ、そうなのね。ところであなたっていつも不思議な空間から出てくるけどそれはあなたの能力か何かなのかしら?」
「えぇそうよ。私の能力は『境界を操る程度の能力』。この能力の前にはどんな境目があろうと無意味よ。物理的にも概念的にも、ね」
「おぉ、凄まじい能力ですね。……あれ?それを使えば私もパチュリーの手伝いを随分としやすくなるのではないですか?」
美鈴が自分で気づいてくれた分私が変に疑われることはなさそうね。でかしたわ美鈴!
「例えば?」 「そうですね、人間と妖怪の境界を弄れば私は都に入れるのでは?」
「確かにその通りよ。でもね、存在そのものの境界を弄るのは非常に危ないのよ。上手くいっても戻れなくなるか、最悪存在そのものが消滅してしまうかもしれない。
霊力と妖力を弄るだけなら恐らく都の結界程度ならごまかせるでしょうけれど。」
紫にとってはこの結界は大したものではないのか。恐ろしいわあ。この世界楽しいけど辛いわぁ。
「ならそれで行きましょう!」 「わかったわ……はい、もういいわよ」
「あまり変わった気はしませんね」
「それはそうよ。あくまで結界をだますために弄っただけなんですもの。
ところで貴方たちはいつまで都にいるかしら?」
「そうね、あと数年ってところよ。それ以上いると人間ではないとばれてしまいかねないから」
「そう、分かったわ。また用事があったら来るわね」 「えぇ、またね」
~回想終了~
ということがあって美鈴も都での仕事をこなせるようになったのよね。
あとは今買い物をねだってきたこの子の事か。美鈴ではないよ。
あれは確か2年前の頃
~再び回想~
「暇だわ~~。そうだわ!買い物に行きましょうよ、パチュリー」
「仕事中は樺菜呼んでといつも言っているでしょう?それで買い物だっけ、私はいいわよ。私はね」
「ぐっ、いいわ!お爺さまに許可をもらってくるわよ」
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「行ってもいいって!いつも堅苦しいお勉強ばかりしているから、たまには息抜きにでも、だって」
「では行きましょうか。あなたとはばれないように魔法でもかけておいてあげましょうか?」
「えぇ、そうね。そうした方がいいと思うわ」
「うわー、やっぱり外は最高ね!見たことも無い物だらけだわ」
「ちょっと、そういう発言してると疑われるわよ。いくら外が珍しいといっても……あら?あれは迷子かしらね」
「そうみたいね。…………貴方こんなとろで何をしているの?」
「ふぇ?あぁ、お父様がどこかへ行ってしまったの。だから探しているんだけど……」
「貴方名前は?」 「私の名前は藤原妹紅」
まさかの妹紅だった。髪黒いとわからないものだね。
「藤原?もしかして藤原不比等の孫か何かなのかしら?」孫て……まぁわからなくはないけれど。
「娘よ!…あっ……言っちゃいけないんだった」 「どうして?」
「ほら、私こんな姿をしているでしょう?普通の人とは違うから皆私を忌み子扱いするの。一族の間ではいないように扱われることもあるくらい。
だからお父様の顔に泥を塗らないように娘だとは言わないようにしてるの」
「なんてかわいそうな子ッ……。貴方さえよければ今から家に来ないかしら?」
あっれぇ?輝夜のキャラがおかしいぞ?なんでこんなに母性全開になっているのだろうか。
これなら『妹紅が死なないように』とか言って薬飲ませそうな勢いだ。
それは何か嫌ね。
「あなたはいったい…?」 「私は輝夜、蓬莱山輝夜よ。かぐや姫とも呼ばれているけど」
「かぐや姫…?だからお父様の事も知っていたの?」 「えぇそうよ」
「あなたのせいか最近お父様の元気がないわ。あなたと結婚できなかった辺りから」
「あら、貴方は父君の浮気を望んでいたのかしら?」
「違う。私はただお父様の幸せを望んでいたのよ。私を取り巻く家庭事情を何とも思わず私を気に掛けてくれたのはお父様だけだったから。
でも最近はそんなお父様でさえ私に構ってくれなくなって私を放って何処かに行ってしまうまでになった。これはあなたのせいではないの?」
「そうね、そうなった原因の一つに私がいる可能性はあるわ。「ならっ…」まあ待ちなさいって。彼が貴方に構わなくなったのではなく、
「つまりどういう事?」
「彼は病気でもう長くない、という事よ。人間とは死を恐れるもの。自分の死に際を貴方に見せて言いようのない死への恐怖を貴方に植え付けないようにしているのかもしれないわね」
「あなたは死が怖くないの?」 「私は永遠に死ぬことは無いもの。そんな薬を飲んだの」
「それをお父様にも飲ませれば……!「駄目よ」…どうしてさっ!死にたい人間なんてこの世にはいないんだっ!……」
「1つ、教えてあげるわ。貴方は生き物が存在しない世界を考えたことがあるかしら?
永遠に生きる者にはそういう世界になって尚生き続けなければならない未来が確約されているの。
この残酷な蓬莱人の結末を知って尚父君にそんな薬を飲ませたい、と思うかしら」
「…思わない。でも、それでも私は死が怖い」
~回想終了~
結局あの後妹紅と一緒に都を回って、妹紅も輝夜の屋敷に来るようになったんだよね。
美鈴は妹紅のいい遊び相手になってくれるし。不比等さんには何故か申し訳ない顔されたけど。
で、今日も妹紅を屋敷に迎えに行ったあとで輝夜の屋敷に向かっているわけ。思いだしている間にもうすぐ着くのだけれど。
因みに輝夜が月からの迎えの情報を世に出すのは来る1月前らしい。つまりはあと2月。
今日も輝夜は帝からの手紙に律義に返事を書いているようね。ここ数年だと思うのだけれど、よく帝も諦めないよね。
輝夜は身分の違いからいやいや書いているみたいだけれど。
私は妹紅と遊んでいようかな、後で手紙を書き終わった輝夜も来るだろうけれど。
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「あっ!あれ朝言ってたやつだよ!」
うん?あれは原作の妹紅が付けているリボンにそっくりだね。これは買ってあげるしかないね。
「約束だったし買ってあげるわ」
「ありがとう、樺菜!それにしても今日も楽しかったね」
「それは良かったわ。でも妹紅、そろそろあなたの御父上を私の術で延命するのにも限界が訪れそうだから、今のうちに彼に無理がないようにお話でもしてあげてね」
もってあと1月。何故9月までもたなかったのか。それは恐らくこの世界だからでしょうね。でもそのおかげで彼は輝夜が月に帰ることを知らずに済む。
救いのない延命よりもせめて救いある死を
知らぬが仏とはよく言ったものね。知ってしまえば瞬時にこの世界は残酷なものに変わってしまうのだから
不比等さんには早めに退場してもらうことにしました。不比等さんもう62歳くらいですし。不比等さんファンの方々と妹紅さんには申し訳ないですが
輝夜が本名を明かしたのは、妹紅には本来の自分を知ってもらいたかったためです
因みに幻想郷ですが本作では遠野のあたりに創ります。実際にはどこかの山奥にあるらしいですが
あまり縦に長くしたくなかったので所々会話を横に持ってきていますが途中の妹紅パートは妹紅と輝夜しか喋っていません。わかりにくかったでしょうがご勘弁を
では次回も読んでいただければ幸いです