出会い
〜キングズクロス駅〜
ガラガラガラ…
大きな荷物が音を立てて動く。その荷物を押すのは、たっぷりとした深い赤色の髪に、ハシバミ色の目をした少女だ。
少女は困ったように歩みを進めている。
「九と四分の三番線に行きたいのか?」
突然、少女は声をかけられた。
少女は少し驚いたように、また、少し訝しげに声をかけてきた人物に問いかける。
「どうしてわかったんですか?」
少女に声をかけた人物は、同じくらいの年頃の、黒い髪に碧い目をした少年だった。
「そんな立派なフクロウを連れて彷徨っていたら、誰だってわかるさ。さぁ、九と四分の三番線はこっちだ。」
そう言って少年は歩き出した。
「あなたはホグワーツの生徒なの?」
少年に付いていきながら、少女は前を歩く少年に話しかける。
「いや、新入生だ。…君はマグル出身か?」
少女は困ったような表情をする。
「ううん、ただ、親戚の家で育ったんだ。」
「…そうか。」
何か感じ取ったのか、少年は口をつぐんだ。
少し歩き、少年が立ち止まる
「ここが入口だ。」
そう言った少年の前には、ただの柵があった。
「ただの柵だよ?」
「魔法で隠されているんだ。怖がらず、柵にむかって歩いて行けばいい。」
言い終わると、少年は柵に歩いて行き、ぶつかる!と少女が思った瞬間、少年は柵に飲み込まれるように消えていた。
驚き、止まっていた少女も、少年にならい柵の中に入っていった。
気がつくと、少女の目の前には、人で溢れかえる見知らぬプラットホームが広がっていた。
正面には深紅の蒸気機関車が停車しており、上の方には『ホグワーツ行特急 11時発』と書かれた看板が掛かっている。
少女は無事に目的地に着けたことに安堵した。
空いているコンパートメントを探しながら周りを見渡すと、そこは少女の見慣れないものでいっぱいだった。
生徒以外の殆どの人たちがヘンテコな格好をしていたし、怪しげな箱を抱えた少年や、後ろには赤毛の集団なんてのもいた。
少女は次はどんなものがあるんだろう、とワクワクしながらプラットホームを進んで行った。
列車の後ろの方に少女は空のコンパートメントを見つけた。だが重すぎる荷物を列車に乗せられない。
少女が困っていると、見かねた人が列車に荷物を乗せてくれた。見ると、それはさっきの少年だった。
▪️ ▪️ ▪️
「ありがとう。その…さっきも。」
少年もコンパートメントを探していたらしく、あの後空いていたコンパートメントに2人で乗り込んだ。
「大したことじゃない。」
「でも、すごく助かったから」
少年は本当になんともないと思っているようだった。
「あの…、助けてもらってばっかりなんだけど、私にホグワーツの事教えてくれないかな?実は何にも知らないんだ…。」
少女は優しさにつけ込むようで悪いな、と思いながらも少年に話しかける。
「大丈夫だ。」
少年は快よく引き受けてくれる。
「とりあえず…、今どれくらいのことを知ってるんだ?」
「ダンブルドアと、ハグリッドと、後は寮があるのは知ってるんだけど…、スリザリンとかハッフルパフとかがよくわかんない。」
少年は少し考えてから話し出した。
「そうだな…、まず寮は四つある。それぞれ特色を簡単にまとめると、
グリフィンドールは、勇気はあるが、馬鹿正直。
レイブンクローは、知恵はあるが、頭が硬い。
ハッフルパフは、優しさはあるが、優秀な生徒が少ない。
スリザリンは、成績はいいが、性格が悪い。って感じだな。」
少女が少年の話を聞いていると、出発の汽笛の音が鳴り響いた。
列車が動き出す。
少年は話を中断して、窓の外に手を振る。その光景を少女が羨ましそうに見た。
「俺も人から聞いただけのものだが…、こんなものか。」
「どの寮も一長一短って感じだね。…!」
少女は少年がどこの寮に入りたいのかを聞こうとして、気づく。
「ごめん。自己紹介忘れてた!」
「そういえば…。」
少年もすっかり忘れていたようで、しっかりしてそうな人なのにそう言うこともあるんだな、と少女は少しおかしくなった。
「改めまして、わたしハリー、ハリー・ポッター。よろしくね。」
「俺は、ジンジャーだ。ジンジャー・グラジオラス。こちらこそ宜しく。」
原作でもそうだけど、ちょっと優しくするとすぐ仲良くなってくれるハリー。ちょろい
女の子のはずなのに名前ハリーのままなの?と思った皆さん。わたしもそう思います。ただどれだけ探しても良い名前がなかった(すでにハーメルン内で使われているのもある)ので、しゃーなしやな、と思いながらお読み下さい。申し訳ありません。