英雄の弟。今度はオカケンメンバーと異世界へ   作:孤独なバカ

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プロローグ

世界には選択肢がある

それに気づいたのはいつだっただろうか

世界は選択肢が分かれている

それがどんな展開にもなるのか神以外には変わらない

しかしこの地球はどんな崩壊の危機も迎えるかは分からない

俺は何を選び何を切り捨てるのであろうか

一度世界は終焉を迎え新たな世界に旅立った

能力者は消え、魔物使いもいない世界

しかし俺だけは能力が消えてなかった

そして彼女たちも記憶が残ったままだった

魔物も、能力も使えないのに

何故なのかは分からない。

元々はこの能力は自分が持っていたと前世の兄が言っていた。

世界をそれで世界を変えたと

俺はそのことを知っている

俺にとってその人は英雄なんだから。

この物語は今は平和な世界に起きた二つの高校のクラスととある部活が消えた物語

さぁ始めよう

淘汰で残酷な物語を

 

 

「……ソラくん。ソラくん」

「ん〜。」

「ほら起きて!!ソラくん!!」

 

俺は幼馴染の声が聞こえる

瞼を開けるともう見慣れた朝と長髪の少し天然が入ってそうな少女の声が聞こえてくる。

 

「なんだよ小鳥。」

「ほら、今日は学校でしょ?いい加減起きないと遅れるよ!!」

「……ん〜そうだっけ?」

 

と俺は幼馴染神戸小鳥の言葉に答える

 

「もう。昨日は月曜日でしょ!!今日の放課後に儀式すること忘れたの?」

「……はぁ。いきたくねぇな。」

 

と俺は少しため息を吐く。

 

「仕方ないでしょ。この世界じゃ会長さんは本当の大金持ちなんだから。」

「……はぁ。そうだよなぁ。」

 

俺は一つ手を伸ばし、全身をほぐす

 

「んじゃ準備するわ。えっと。」

「ご飯できてるから下で待ってる。」

「ん。いつもサンキューな。小鳥。」

 

と俺は立ちあがる。

すると小鳥がジッと俺の方を見てくる

 

「どうした小鳥?」

「……やっぱり瑚太郎くんじゃないんだね。」

「兄ちゃんじゃなくて悪かったな。てかさっさとでてけよ!!」

「は〜い。」

 

と俺は小鳥を追い出すと少しため息を吐く。

天王寺宇宙

宇宙と書いてソラ。

瑚太郎っていうのは俺の前世の兄で、……この世界に存在するどころか前世では俺の小学校の時に行方不明になってしまった兄だ

 

「……行くか。俺の頼みなんだし。」

 

と俺は立ち上がると制服に着替える。

そして下に降り顔を洗いそしてリビングに向かう。

今、俺と小鳥の両親は今は外国にいて俺と小鳥は共同生活を送っている。

いや俺たち二人だけじゃないのだが

リビングに向かうと既に同居人全員が揃っていた

金髪の片目に眼帯少女とポニーテールの女の子。

俺は苦笑し二人に挨拶する

 

「ソラおはよう。」

「遅いぞ。ソラ。」

「おはよう。静流。悪かったってルチア。」

 

と笑いながら二人に挨拶する。

この二人は金髪の片目に眼帯をつけた少女は中津静流。一個年下の女の子で秋刀魚が大好きな女の子。ついでにルチアと仲がいいので何故かここに住んでいないのに朝飯を一緒に食べる女の子。

ポニーテールの少女は此花ルチア。激辛好きの女の子。委員長体質でしっかり者の少女だが時々面白い反応をする。ついでに、ルチアは孤児院で育ったのを俺の家が引き取った過去がある。

しかしここに兄ちゃんがいないのはやっぱり違和感がある。

食卓には恐らくルチアが作ったのであろう食事が並び俺は少しだけ胸がチクっと痛む。

 

「……」

「……どうしたのソラくん。」

「嫌なんでもない。早く食べようぜ。」

 

と俺が着席し座るとやっぱり違和感がある。

そして席に座ると俺は早速飯にありつく

今日の朝ごはんはサンドイッチ。ルチアが作った特性のサンドイッチだ。

恐らくわさびだろうか少し鼻にツーンとくるのでアクセントが面白い。

 

「うん。やっぱり美味しいね。」

「そうだな。」

「……(モグモグ)」

「それは良かった。今日のお弁当も豪勢に作ってある」

 

と俺たちは食卓にありつく

 

「そういえば、今日の放課後だがちゃんと空けてあるのだろうな。」

「空けてる。てか空けないと会長うるさいし。」

「……ん。」

「もちろん。」

「ならいいけど。元々はソラが言い出したんだろう。」

「そうだけどさ。……なんか怖くて。」

 

と俺が苦笑する。

 

「……ソラは怖がり。」

「お前らと違って俺は争いごとが慣れてないんだよ。」

「…月で一番瑚太郎くんと長くいたのに?」

「あれは能力上仕方ないだろ?俺も瑚太郎と一緒の血が流れているんだから。」

 

前世の話で盛り上がる。いつもそうだ。

兄ちゃんの思い出はオカケンメンバーでは良い記憶だからだ。もちろん俺にとってもいい記憶である。

そうやって話していると付いていたテレビからこんな音声が聞こえてくる

 

『昨日正午ごろ起こった〇〇高等学校の生徒は未だに見つかっておらず、これにより16名の生徒と教員1名が行方不明になっています。』

 

するとの俺の視線がテレビに向けられる。

今まで楽しそうに話していたけどなんとなく気になった。

 

「今日ってエイプリルフールじゃないよな?」

「うん。そうだけど……。」

「昨日からずっとそのニュースばかり流れているな。」

「原因不明のクラスの神隠し。」

「……なんか嫌な予感がするぞ。あのオカルトマニアが好きそうな記事だ。」

 

俺は遠い目をする。恐らく会長は学校をサボってまでこの記事に食いつくだろう

するとみんなも同じ気持ちだったのか頷く。

恐らくこの記事のせいで俺たちは兄ちゃんと親バカ執事探しを延期するしかないのだろうと思うと一斉にため息をつくのだった。

 

 

 

「神隠しした生徒たちを探すわよ。」

 

授業が終わり全員が揃ったオカルト研究会で会長こと千里朱音が宣言した。

 

「え〜咲夜を探すネタを持ってきたんじゃないんですか?」

 

と不満げに何故か他の高校の制服を着用している鳳ちはやが反論する。

俺と同じで召喚したい人がいる同級生で何かと接点が多いのだが

 

「どうせ失敗したんだろ?俺の元に会長が知らないってか担任が聞いてきたからな。」

「うっ!」

「会長さん。またサボったのか?」

「何故か出席扱いにされているけどね。」

「トーカ先生のセッカン?」

「もちろん今日の放課後やるっていってましたね〜。」

「あちゃ〜会長さん今日は帰るの遅くなりそうだねぇ〜。」

「うるさいわよ。」

 

とみんなでワイワイも盛り上がる俺たち。でも

 

「正直俺も知りたいな。十人以上の人物が消えるなんて明らかにおかしいだろ。」

「うん。久しぶりにオカ研らしい活動だし今度の文化祭の発表にも使えるかも。」

 

と俺たちは三週間後に文化祭を控えており何かテーマを決め発表しないとならないのだ。

 

「なるほどな。確かに最近は儀式の準備ばっかりだったしいいかもしれないな。」

「私としたら咲夜を先に探したいんですけど。」

「俺だって兄さんが探したいのは山々だけど完全に手詰まりだろ?というよりも……会長が何も考えず俺たちに探そうなんて言うはずがないし。」

「えぇ。それがちょっとその当時の防犯カメラを少しハックしてみたのだけれど少し気になることがあるのよ。」

「「「おい。今なんて言った。」」」

 

と会長の犯罪行為に俺、小鳥、ルチアが突っ込むがそれを無視して会長のパソコンで映像が流れる。仕方がないので黙認し俺たちはその映像に目を向ける。

クラスの中では弁当を食べる生徒たちが写っている。

普通の昼休憩の時間。しかし少し流れた後

 

「これよ。」

「っ!!」

「これは。」

 

と俺とルチアがまず反応する。

会長が止めた瞬間それは俺たちが昔よく見ていたものそのものだったからだ。

純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れている

その紋章。それが何を意味をしているのか

 

「魔法陣だね?」

「しかもガイアが使っていた魔物使いの魔法陣とそっくりですね。」

「同じもの?」

「いや。アウロラや生命エネルギーではないぞ。これなんだ?どんな原理で動いている?」

 

俺の言葉に全員が息を呑む。

 

「それ本当?」

「てかこれ本当にハックしたものじゃないだろうな?」

「えぇ。江坂さんから送られてきたものだわ。」

 

江坂さん。つまり警視庁か。

昔アンティークショップ「フォレスト」でガーディアンの主だった江坂さんは今は特殊警察として警察でもトップクラスにえらくなっている。

 

「……なるほど。俺の能力を使えってことか。」

「できそう?」

「兄ちゃんの能力じゃなければ調節可能。ただ模写すればいいだけだろ?エネルギー源は……恐らくアウロラで代用できるか?」

「む。それじゃあ。」

 

静流が反応する。平和な時間は終わりってことだ。

 

「あぁ。準備してくれないか?西九条先生にも報告。もしかしたら数年規模で帰れないかもしれないから。」

「了解。」

「分かった。私も刀を用意してくる。」

「私は西九条先生に話してきますね。」

「多分5時間ほどかかるから……夜中の9時くらいか。それから救出に向かおう。……恐らく戦闘は免れないと思うからそのつもりで。」

 

その言葉に全員が息を呑む。恐らく全員が気づいているのであろう

これから行く先が非日常であることを。

 

「あまり危険なところに行きたくないのだけど。」

「会長諦めてください。俺たちはそういう契約なんですから。」

「そもそもあかねが授業にでたらこんなことにならない。」

「…そういえば何故私たちは会長の足拭いをしなければならないのだ。」

「…どうせ後々報酬がいいだろうしそれで我慢しようぜ。」

「そうそう。帰ってきてからパーっと会長さんが奢ってくれるよ。」

 

俺がそういうと全員が納得しきれないが頷く。

 

「それじゃあ又後で。」

「えぇ。それじゃあ後でね。」

「はい。」

「うむ。」

「了解。」

「えぇ。」

 

 

と五人は教室から出て行く。恐らく準備をするのであろう。

 

「んじゃやるか。」

 

と俺はカメラの解析に移る。

これから非日常的生活になるのかと思うと少し気が重くなった。


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