甘粕正彦は鬼と人の勇気が見たい。   作:ζ+

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閲覧ありがとうございます。
全体的にこってり気味なので、頭使わずサーッと眺めてってくださいm(__)m





<前編>
00.「すべての始まり」


 side by ??? 

 

 

 打ち込まれた拳に、彼はびくともしない。

 まるでダメージなどなかったかのようだ。

 

「ははははは、素晴らしいぞよくやったッ!」

 

 それどころか、その向かってくる――挑む姿を見てどこか愉快そうに笑った。

 

「全人類を敵に回しても我を通し、生を掴もうとするその気概。あらゆるものを粉砕して直進しようとする独尊。これを勇気と言わずなんと言うのだ。あぁ、今世(・・)でも、(セージ)のような者にこうして直接出会えるとはッ」

 

 彼は平等な裁定者であり、それゆえにあらゆる局面で差別をしない。

 己が判断基準に従って、いかなる功績にも公正な評価を下す。

 それは、己に向けられる敵意ですら、微塵も動じず談笑さえしている始末である。

 

「なんなんだよ……なんなんだよお前はぁッ!」

 

 彼に対するものは人喰いの"鬼"。

 人ならざる者。

 しかし、その拳を難なく防がれたように、この場において捕食者の立場は無い。

 なぜならば――

 

「何を驚く、ここは()。差し詰め、俺にかけた術は邯鄲法に似た何かだろう? そこに招待してくれたのは他ならぬおまえではないか。俺は今、久しい感覚にとても感動している。感謝しよう」

 

「ふざけないで。俺は夢を見せるが、見ることなどはありえない。ましてや引きずり込まれるなど……何をした?」

 

 そう、ここは夢。

 当然ながら、現実の彼らは別の場所にいる。

 外のルールは適応されない。

 

「まぁ、待て。まだ(・・)何もしてはおらぬよ。ただ夢に潜ったにすぎん。まずはゆっくり話そうではないか」

 

 彼はどこららともなく現れた、近くの椅子に腰掛ける。

 鬼はそことぬ警戒した様子で、迂闊には動かない。

 いや、動けない。

 

「ありえない、夢を潜る? 何を言うかと思えば戯言か。夢は人によるし、それは精神の核あってこそ。故に夢が繋がるなど馬鹿げている」

 

 この鬼も、夢を扱うもの。

 夢で喰らい、勝ってきた。

 その得意分野で誤魔化されるなど、鬼のプライドが許さなかった。

 

「ふむ、そう捉えているのか……惜しいな。だが、その先がある」

 

「何?」

 

 しかし、鬼は本質を理解していない。

 ここは夢。

 それを道具としてしか捉えられない鬼では、その先は見えない。

 

「簡単に言ってしまうと、人の集合無意識――それを第八層、阿頼耶(アラヤ)と言う。お前の言うそれは、第一層。分かるだろう? 入り口にすぎん」

 

「先があるというのか? そんな……」

 

「今回はお前のお陰で一層から夢界(カナン)に入り、私がここ第三層へ招待した」

 

「招待……もはや、俺の血鬼術ですらない、超えているというのか」

 

 鬼も人形ではない。知能がある。

 例え第三層が指し示す意味を知らずとも、本能で理解し、この瞬間、総ては目の前の男が支配していると悟っていた。

 

「ほぅ、おまえのソレは"けっきじゅつ"と言うのか。あぁ、そう不思議な顔をするな。おまえの想像通り、帝国陸軍は鬼を追っているが、鬼を知らぬのだ。何せ捕まえられぬし、仮に捕えても、その驚異的な治癒能力で尋問がどれ程効くのか。さぞや鬼から見る人間の姿は滑稽であるだろう。ゆえに――情報交換といこうではないか」

 

 ここは夢。

 (盧生)の世界。

 

 鬼は鬼に成ってから初めての恐怖を知った。

 鬼の力は夢を手繰ること。

 物理攻撃も効かない。

 最早、どうしようもない絶望感に体さえ、ガタガタと震えて止まない。

 

「まずは自己紹介といこう。俺は憲兵中尉(・・)甘粕正彦(あまかすまさひこ)。俺が俺を取り戻した以上、これからは人の輝きのみに留まらん。鬼の勇気も存分に試させてもらう。なぁに、まだ夜が明けるには十分な時間がある。長い付き合いになるのだ。まずは、おまえの名を聞かせてくれないか?」

 

 

 




もし鬼が血鬼術使ってなかったら殺れてました()

※第1話(本編) 4/8 22:00予定

甘粕大尉といえば?

  • ロッズ・フロム・ゴッド
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