お酒で「酔っ払っちゃった〜」作戦をしようとする僕です
友A「顔赤いね」
僕「弱くなったのかなぁ」
コンビニに行って、Aの家で宅飲みを開始した僕ら。
1時間もたっていないが、鏡で自分の顔を見るとすごく赤い。
男のころも酔うと顔が赤くなってしまうタイプだったが、そこは変わらないのだろう。
実際、僕の飲んだ量としては350mlの半分にも満たないのだが。
友A「そんな酔った?早いじゃん」
僕「いや、そんなに酔ってないよ」
とりあえず、酔ったと見せかけるのは大丈夫だろう。
僕はいつも酔った時は「酔った!」と宣言するタイプだ。
逆に「酔ってない」っていう時は大抵酔っているのだ。
一緒に飲んだことが何度もあることから、もちろんAも知っている。
加えて、酔うと眠くなるタイプなのでココで眠気をアピール!
僕「ふゎ…ぁ」
友A「また眠くなってる」
僕「いや全然、ただあくびしただけ」
友A「なんじゃそりゃあ」
Aはけらけらと笑い、手にしているウイスキーのロックをあおる。
テーブルの上にはウイスキーの瓶と氷水。
僕「よく強いの飲めるねー」
友A「ウイスキーの美味しさに気づいてしまってな」
僕「えー、おしゃれー」
実際、ある時期からAはウイスキーばかり飲むようになった。
ウイスキーをストレートで飲んでから、氷水を飲むとウイスキーの味が楽しめるんだとか。
一度試してみたが、度数の高いお酒が飲めない僕は当然合わなかった。
友A「なんかカッコイイしな、ウイスキーロックで飲むの」
僕「…わかる」
そう、実際カッコイイんだよ。
ウイスキーをロックで飲む。度数高いお酒をけろっと飲めるのカッコイイよな。
…それに加えてウイスキーロックで飲むA、顔が良いだろ…。
僕「はーあ、いいよなぁー色んなお酒楽しめて」
友A「そんな強くないもんな、今顔めっちゃ赤いし。」
友A「男のときより酔いやすいんじゃない?」
僕(ビンゴ…っ!)
今がチャンスではないのか。
「酔っちゃった〜」とかできる自然な流れなのでは!?
僕「…」
…急に言ったら変かな。
引かれないかな。
僕「…そうかも、酔いやすいかも」
もっと自然にやるべきかな!?
「酔っちゃった〜」とかより「眠くなっちゃった…」とかで肩借りるとかのほうが自然かな…?
いや、それよりも。
よく考えたらそういうことをするってことは。
Aの隣に行って、体を密着させるってことでは…?
僕「酔ってるね!酔ってる酔ってる!」ガタン
友A「うわぁ、急にどうした」
うっわ!想像したらめっちゃ照れる!
酔って積極的にとか考えていたけど、めちゃくちゃ照れるじゃんコレ!!
僕「酔うと熱いねー!」パタパタ
友A「顔赤すぎ、そんなに飲んでたっけ」
今鏡を見たら耳まで真っ赤になっていそうだ。
体温もドカッと上がった気がする。
とりあえず落ち着いて水を飲もう。
僕「はー、熱い……水もらうわ」ゴクゴク
友A「え?」
僕「………ん、何」プハ
友A「それ俺のグラス」
僕「え?」
友A「勝手に飲むなよ」
僕「………!悪いっ、手元にあったからつい…」
友A「はは、飲み会だから好き勝手飲み食いするの変わらんのな」
僕「いいじゃん、どうせ酔ってんだし」
友A「……」
僕「……」
友A「………関節キスじゃん」
僕「……言わんでおいたのに!僕わざと言わんでおいたのに!」
友A「わかりやすく顔赤くしてるんだもんさぁ」
僕「アホ!気にしてたのに!」
今、酔ってるだけじゃなくて恥ずかしさもあって顔が真っ赤な気がする。
ペース乱されるし、変に意識するし、泊まるのも…なんかアレだし今日は帰ろう。
ドカッと立ち上がり、荷物をまとめる。
友A「何?帰るの?急だね」
僕「酔ったし!帰って寝るし!」
友A「そ、気をつけて」
ウイスキー片手に手をひらひらとさせるA。それを横目に帰る準備を済ませる。
玄関先まで行くと、Aが鍵を閉めるためかついてきてくれる。
僕「…」
友A「…送ってこうか?」
僕「何さ急にぃ…」
友A「や、いつも以上に酔ってるようだしなんとなく?」
今までそんなことしなかったくせに…
僕「…いや、いいよ。ロード押して帰る。」
友A「了解、気をつけてな」
バタン
ガチャ
…酔っちゃった〜ってできなかったな…
アレ、めっちゃ勇気いるんだね。すげーや。
はぁ、帰ろう…
就活してました。