ヒーリングっど♥プリキュア 雪の呼吸の使い手   作:水甲

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95 ちゆのハイジャンプにかける思い

放課後、ちゆの付き添いで取材の様子を見ていた僕。

 

「それじゃ柔軟をしている写真を撮りながら、インタビューしますね」

 

ちゆとツバサさんの二人は柔軟をしながらインタビューに答えていた。

 

「高美さんはハイジャンプを始めたきっかけは?」

 

「小さいとき、地面を蹴って飛びあがったら、どんどん高く飛べるような気持ちになったのが始まりです。私に翼はないけど高く飛びたいって思ってます」

 

「なるほど、沢泉さんは?」

 

「私は小さいときに空を泳ぎたいって思ったのがきっかけです」

 

「へー飛びたいじゃなくって泳ぎたいなんだ」

 

「そうなの」

 

「面白いわ。貴方は空を泳ぎたい。私は飛びたい。案外似てるのかもね。私たち」

 

「友達になれそうでうれしい」

 

「ライバルでしょ」

 

「え、えぇ」

 

なんと言うかちゆとツバサさんの意識の違いみたいなものを感じるな…………まぁ友達もライバルも似てるからな

 

「そう言えば高美さんは海外に行くんでしたね」

 

「はい!親の仕事の都合で、国内での大会は先日で最後で、絶対に優勝したかったんですけど……沢泉さんに負けちゃいました。それでもそれをバネにして頑張りたいと思います」

 

それからつつがなくインタビューは終わったけど……本当に僕は付き添いだけで終わったな……まぁいいけど

 

 

 

 

 

 

ちゆの着替えを待っていると更衣室から大声が聞こえてきた。

 

『別にいいなんて思ってないわ!』

 

『あなたに負けて悔しかった。悔しくて悔しくて眠れなかった。でも自分よりも高く飛ぶ人がいた!だから私はもっと高く飛べるように練習しようって!私は世界を目指して真剣にやってるのに、貴方は!一瞬でもライバルと思った私がバカだった!』

 

『高美さん!?』

 

『私……大会のあと必死に練習して貴方の記録より高く飛んだわよ。さよなら……精々お遊びのハイジャンで頑張るといいわ』

 

これ……気まずいな……早いところ避難しないと…………

 

と思っていたら、丁度高美さんが更衣室から出てきた。

 

「貴方……沢泉さんの……彼氏?」

 

「そう言う認識はもう広まってるのか……」

 

まぁ特に隠すことはしなかったからな…………

 

「貴方は沢泉さんに対して何か言いたいこととかないの?」

 

「僕からは特には……」

 

「冷たい人ね」

 

「そう思われても仕方ないけど…………正直言うとヒントとか答えを与えることはしたくないだけなんだよ」

 

「…………」

 

「安易にそう言うことして、成長しないと思うから……」

 

まぁこれは師匠からの受け売りだけどな

 

「前言撤回するわ。沢泉さんの事、しっかり見守ってる優しい人ね」

 

「まぁこれだけは言える……ちゆはちゃんと答えを出す……あんたがこの国を去る前に……」

 

そう言うと、ツバサさんは笑みを浮かべ、去っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、のどかの家でみんなで集まるけど、ちゆは眉間にシワを寄せて悩んでいた。心配したのどかたちはちゆに事情を聴くと……

 

「高美さんに私のハイジャンはお遊びって言われたの」

 

「えっ!?」

 

「あの西中の子?なにそれ~」

 

「私だって真剣にやってる!負けたら悔しい!でも私は……海と空が溶け合うあの青い世界に近づきたい!その思いでやってるの!それの何処がいけないの?」

 

「いけなくない!いけなくない!」

 

「彼女は海外に行くからもう日本で私と戦えないって……それで私は……ハイジャンで世界とか考えてないって……」

 

「本当にちゆちゃんと勝負したかったんだね」

 

「ちゆはちゆの思ったように飛べばいいペエ」

 

「そうそう」

 

「人それぞれ考えがあります」

 

「最初の思いを大切にすればいいラビ」

 

「初心わするるべからずって言うしな!」

 

「そうね……私は……私の思いだけは……」

 

ちゆは答えを見つけたみたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「よ!」

 

「紫乃?どうしたの?こんな時間に……」

 

「ちょっと鍛え直すために走ってる。ちゆは?」

 

「私は……最初に飛んだときの事を思い出していたわ」

 

「そっか……決めたのか?」

 

「えぇ……」

 

なら心配はいらないな。帰ろうとするとあることを思いだし、ちゆに聞いてみた

 

「そう言えばちゆ?」

 

「何?」

 

「この間の大会の時に、僕と目があった気がしたんだけど……」

 

「あぁ、あれは……紫乃から勇気を貰おうとしたのよ」

 

「僕から?」

 

「えぇ、紫乃は基本的には何もアドバイスとかしないけど……それは優しさから来てるものだって知ってるの。だけど……私としては少しでも勇気が欲しいから…………」

 

それで僕の方を見たのか……

 

「まぁちょっとしたおまじないみたいなものよ……」

 

「そっか」

 

「紫乃……明日……私……」

 

「見守ってるよ。ちゆ」

 

「ありがとう」

 

ちゆは満面の笑顔でそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後、ちゆの練習を見つめる僕。ちゆはこの間の大会よりも5センチ高く飛ぼうとしていた。

 

「頑張ってるんだな」

 

「あぁ……」

 

気がつくと一青が隣にいた。別の場所にはのどかとひなたの姿も……

 

「ライバルと言う存在があんな風に高めあってるのかもな」

 

「俺とお前みたいにか?」

 

「そうかもな…………」

 

僕と一青もそう言う関係だ。今は共に戦う仲間だけど……

 

「いつか別の形でお前と決着をつけたいな」

 

「まぁその時は血が流れないような勝負だ」

 

「あぁ……」

 

そんなことを話していると、ちゆが成功し、何処かへと向かっていく

 

僕らはそんなちゆを追いかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゆは西中に来て、ツバサさんの事を聞いたみたいだが、帰ってしまい、また何処かへと走っていく。多分伝えたいんだな。一緒にみんなとちゆと追いかけていくと、競技場の近くでアスミと合流した瞬間、ラテが具合悪くなった。みんなはプリキュアに変身して、競技場に向かうと、そこにはギガビョーゲンが暴れていた。

 

「おぉ!?何か跳んでる!?」

 

「出たわね!プリキュアに鬼狩り!」

 

フォンテーヌがキュアスキャンするとギガビョーゲンの中にはツバサさんの姿があった。

 

「高美さん!?」

 

「あら?あんたの友達?」

 

「違う!ライバルよ」

 

「ライバル~」

 

「彼女を返しなさい!」

 

「お断り!!」

 

フォンテーヌがシンドイーネと戦う中、僕らはギガビョーゲンと戦うが、ギガビョーゲンは高く飛び上がり、バネを飛ばしてきた。僕らはそれを避けていくが、バネの反動で攻撃を喰らってしまう。

 

「みんな!?彼女のパワーをこんなことに使わせない!」

 

「ライバルなら丁度いいじゃない!いなくなった方がさ!」

 

「違う!彼女がいてくれるから私はもっと飛べるの!」

 

「ライバルなんて邪魔で目障りなムカつくだけよ!消えりゃいいのよ!」

 

「貴方には分からない!」

 

「分かりたくもないわよ!」

 

フォンテーヌがシンドイーネと激しくぶつかり合い、シンドイーネの攻撃を避け、蹴り飛ばした。

 

「紫乃!」

 

「あぁ!」

 

フォンテーヌと手を繋ぎ、ギガビョーゲンの攻撃を高く飛んで避ける。ギガビョーゲンは同じように飛んでくるが……

 

「フォンテーヌ!」

 

僕はフォンテーヌを投げ、落下しながら、ギガビョーゲンに攻撃を繰り出し、フォンテーヌは雨のエレメントボトルを使い、ギガビョーゲンを地面へと叩きつけた。シンドイーネがそんなフォンテーヌに攻撃をしようとするが……

 

「雨のエレメント!」

 

「ハアア!!」

 

アースと一青の攻撃で防いだ。

 

「今よ!」

 

『ヒーリングっとアロー!』

 

『アメイジングお手当て!準備OK!』

 

『プリキュア・ファイナルヒーリングっど・シャワー!』

 

浄化技を放ち、ギガビョーゲンを無事浄化するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「良かった……」

 

目を覚ましたツバサさんに安堵するちゆ

 

「どうして……」

 

「あのままさよならできないもの。ライバルと」

 

「あ、あの……この前はごめんなさい。あんなひどいこと言って……貴方が世界を目指さないなんて私に貴方を責める資格はないの。でもこれだけは……信じてほしいの……私、本心から貴方と……」

 

ちゆはそっと手を差し伸べながら……自分の思いを告げた。

 

「次は世界で」

 

「な…んて…」

 

「私も世界を目指すわ!もっともっと高く飛ぶ!貴方には負けないわよ!ツバサ!」

 

「ちゆ…」

 

二人は互いに認めあったライバルになった……本当にいつか見てみたいな。二人が世界の舞台で戦う姿を…………

 

 

 

 

 

 

でも…………

 

 

 

 

 

 

一青side

 

ただそこには紫乃の刀が地面に突き刺さり……フォンテーヌの紫乃を呼ぶ声だけが……響くのであった。

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