ちゆと話すために多分いるだろうなと思った海岸に来ると……
「ハイジャンで世界にいきたーーーーい!!!でも!旅館も好きーーー!!」
ストレスが溜まってるからかやっぱり叫んでいた。
「ここにいたか。ちゆ」
「紫乃!?」
「ちゆーーー」
「ペギタンまで……」
「やっぱりちゆはここにいたペエ」
「悩んでるんだろ。どっちにするか」
「あ……」
「それなら……」
いいかけた瞬間、悲鳴が聞こえてきた。悲鳴の方を見るとギガビョーゲンが暴れまわっていた。
「話は後だ!」
「えぇ!」
「スタート!」
「プリキュア ・オペレーション!」
「エレメントレベル上昇ペエ!」
「「キュアタッチ」」
「「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ‼」」
ちゆがプリキュアに変身し、一緒にギガビョーゲンの前に立ち塞がった。
「シンドイーネ……」
「あ~ら、今日は二人だけ?ま、精々足掻くがいいわ。蝕んじゃってギガビョーゲン!」
ギガビョーゲンが高く飛び上がる。サーファーだからなのか?まぁいい!僕とフォンテーヌは攻撃を避け、僕は追撃を喰らわせようとしていた。
『雪の……』
『血鬼術!凍て曇り!』
突然氷の霧が迫ってきた。僕は咄嗟に避けるが……
「ぐ!?」
「あれ~?避けられちゃったか。まぁいいや。俺も遊ばせてよ」
「ちっ、童磨か……」
避けたけど、左腕が凍りついてしまった。
「何よ?鬼神の命令できたの?」
「ちがうちがう。ただの暇つぶし。さぁ遊ぼうよ。鬼擬き」
「紫乃!?」
「大丈夫……フォンテーヌはギガビョーゲンを頼む」
片手で何とか構えるけど……結構厳しいかもしれないな
フォンテーヌはギガビョーゲンの攻撃を難なく避けていく
「もう!私のキングビョーゲン様への一途な愛を邪魔するんじゃないわよ!」
「一途……」
「そうよ!私はずっとずっとキングビョーゲン様を思ってやってきた!この一途な思いがあってこそ!キングビョーゲン様の愛をつかめるのよ!」
「一途な思い……」
「フォンテーヌ!避けろ!」
「えっ?きゃあ!?」
ギガビョーゲンの後ろからの攻撃を喰らい、吹き飛ばされるフォンテーヌ。すぐに助けに入ろうとしたが…………
「余所見してていいのかな?」
『血鬼術!蔓蓮華』
氷の蔓が襲いかかってきて、僕は全部弾くが……
『冬ざれ氷柱』
無数の氷柱が身体中に突き刺さった。
「がぁ!?」
「どうしたの?鬼化して再生しなよ」
「くっ……」
何とか引き抜くけど……再生ができない……これは……傷口が凍らされた!?
「紫乃……」
「フォンテーヌ!?紫乃くん!?」
ビョーゲンズを感知して、のどかたちがやって来て、プリキュアに変身した。
「紫乃、お前は海の中に飛び込め!それで何とか凍らされた箇所が溶けるはずだ」
「そうか……一青、少し任せる」
「今度は裏切り者か。暇潰しが面白くなってきたよ」
『血鬼術!散り蓮華』
無数の氷の刃が一青に迫るが……一青は痣を発現し
『十二月の呼吸!終ノ月!』
全ての刃を切り裂いていく。
「すごいすごい!どれくらい耐えきれるかな?」
早く戻らないと……凍りついた身体を何とか動かしていくと、膝をついたままのフォンテーヌが目に入った。
「シンドイーネの言う通りかもしれない。何事も一途な思いに敵わない。なのに私はハイジャンと旅館……どっち付かず……」
「それでいいペエ!どっちも好きなんだからどっちもやっちゃえばいいペエ!ちゆなら出来るペエ!僕はずっと頑張るちゆを見てきたペエ!ハイジャンも女将修行も、それにプリキュアも、どれも手を抜いたりしないで、頑張ってきたちゆなら、絶対できるペエ!それでもまだ勇気が足りないなら僕の分けてあげるペエ」
「は!」
「ペギタンの言う通りだよ…………どれかひとつなんて選ばずに…………全部やればいい」
「紫乃……そう、そうよね……私はずっとチャレンジしてきた。ハイジャンも旅館も……全部好きだからやってこれた」
「辛くても……僕が支えるから……それが僕の夢だったからな」
「どういうこと?」
「思い出したんだよ……子供の頃の夢を……大好きなちゆを支えられるように強くなるって」
「紫乃……ありがとう」
笑顔を見せるフォンテーヌ。その瞬間、凍りついた身体がもとに戻った。溶けた?違うこれは…………
『喰らったんだ。それが成長したお前の力だ』
誰だか知らないけど……これなら!
「あははは!あんたたちの望みなんて何一つ叶うもんですか!叶うのは地球を蝕むというキングビョーゲン様の望みだけ!」
「そんなことない!誰の望みだってビョーゲンズなんかに邪魔なんてさせない!」
フォンテーヌとシンドイーネが戦う中、僕は童磨の所へいき、童磨は血鬼術を発動させようとしていた。
『寒烈の白姫!』
「させるか!」
僕は一青の前に出て、両手を前に突き出すと、童磨の血鬼術が僕の身体に吸い込まれた。
「なっ!?」
「お前、それ……」
「奴の動きは僕が封じるからその間に奴の首を!」
僕は鬼化して、血を凍らせて作った氷柱を童磨に向かって放つ
『血鬼術!血癒凍り!』
童磨の身体を貫くと、氷柱が童磨の身体を凍らせて動きを封じた。その瞬間、一青が童磨の首を切ろうとするが……
「ここで死ぬわけにはいかないんだよね」
凍らされた箇所を無理矢理千切り、童磨は撤退するのであった。
「逃げられたか」
「それがお前の新しい力か?」
「みたいだよ…………後は……」
フォンテーヌたちの方を見ると、ギガビョーゲンの攻撃に苦戦していたが、フォンテーヌが雨のエレメントを使い、ギガビョーゲンの動きを封じた。そして……
『ヒーリングアニマルパワー全開!』
『アメイジングお手当て!準備OK!』
「プリキュア・ファイナルヒーリングっど・シャワー!」
ヒーリングっど・シャワーでギガビョーゲンを浄化するのであった。
無事に浄化し終わり、ちゆも悩みが解決して満足そうにする。
「紫乃、ありがとう」
「僕は別に……言いたいことはペギタンが全部言ってくれたから」
「それでもありがとう。そしてこれからも……紫乃?」
「どうした?ちゆ?」
「右頬、治ってないみたいよ」
ちゆに言われて頬に触れると確かに治ってなく、血が流れていたけど……直ぐに再生した。
「大丈夫?」
「あぁ」
心配するちゆだけど、僕は笑顔で返すのであった。
だけど…………この時気づいていなかった。ほんの少しだけ、頬の傷から塵みたいなものが出ていたことに、僕もみんなも…………