風邪が治り、学校に行くとひなたの姿がなかった。
遅刻かなと思っていると、担任が風邪を引いて休みだとの話だった。
放課後、お見舞いに行くけど、ちゆは部活、のどかは用事があると言うことで僕一人だった。
ひなたの姉のめいさんに部屋まで案内された。
「ひなた、入るぞ」
「ん~ニャトラン?背中拭いて…………」
寝惚けているのかパジャマを脱ぎ出すひなた。
「いや、僕……」
ニャトランは何処に行った‼鞄の中にいるのか?
「早く…」
パジャマを完全に脱ぎ終わり、綺麗な背中が露になる。
目のやり場に困る。どうする?逃げるべきか?
でもこのまま逃げるのは…………
僕は腹くくり、ひなたの背中を…………
「お~い‼ひなた、背中拭いて着替え…………」
拭こうとした瞬間、鞄からニャトランが出てきて、僕らを見て固まる
「あれ?ニャトラン?じゃあ…………」
ひなたは僕の方を振り向き、固まる
「…………」
「…………」
「…………」
静寂が流れ……ニャトランは鞄を持ち……
「のどかかちゆの所に行ってくるニャ。2、3時間したら戻ってくる…………」
ニャトランは出ていき……ひなたは……
「紫乃っち……着直すから出てって」
「はい」
部屋の外に出て、ひなたが着直すのを待つ。
さっきのひなたの背中……きれいだったな……
いやいや、何を思い出してるんだよ‼?
事故とは言え、女の子のあんな姿を見たんだ。忘れた方が……
「入っていいよ」
ひなたの声が聞こえ、部屋に入る僕。
「あ、あはは、お見苦しいものを見せてごめんね」
「見苦しいなんて……」
凄く綺麗なとか言わない方がいいよな。うん、
「熱で意識朦朧してて……何かごめんね」
「気にしないでいいよ。と言うか謝るのは僕のせいだよな」
「何で?」
「だって……風邪移したの僕のせいだよな」
ちゃんと気を使っていれば…………
「紫乃っちのせいじゃないよ。気にしないで」
「でも……」
「紫乃っちは責任感じすぎだよ~」
ひなたは笑顔で言うけど…………本当に申し訳ない
「そんなに暗い顔をしないで」
ひなたは心配そうにしているから、別の話題に変えた。
夕方になり、気がつくとひなたは眠っていた。
「疲れてるよな…………」
音を立てずに帰ろうとしたけど…………昨日のひなたに言われた事を思い出した。
『好きな人……』
「ひなたは僕の事……好きなのかな?」
ちゃんとした答えを聞きたいけど…………答えを聞いて僕は……
「僕は……ひなたの事が好きなのかな?」
一人でそう呟きながら、部屋を後にするのであった。
ひなたside
紫乃っちが帰った後、目を開ける私。紫乃っちのあの言葉…………
『僕はひなたの事が好きなのかな?』
紫乃っちは分からないでいる。自分の気持ちに…………悩んでる
「ごめんね。紫乃っちが答えを出しても…………私は……その気持ちには応えられないよ…」
一人で呟いていると、ニャトランが帰ってきた。
「あれ?紫乃は…………ってひなた!?どうしたんだよ!?泣いてるじゃないか!?紫乃に何か……」
「ううん、違うよ……欠伸して……」
私は笑って誤魔化すのであった。
紫乃side
自分の気持ちを考えていた。僕はひなたの事を好きなのか…………
「こう言うときに相談できたらな…………」
ため息をつきながら、誰かに相談しようと思った。
ちゆとのどかは…………相談しやすいけど、納得する答えを出してくれるか……
しのぶさん……恋愛関係に疎い感じがする。
やっぱり残ってるのは…………
僕はカナエさんを呼び、リビングで相談を持ちかけた
「つまり、自分の気持ちがどうなのかってこと?」
「うん、本当に好きなのか分からないんだよ」
包み隠さずに自分のことだと話した。カナエさんは少し考え込み…………
「そう言うときは…………その子の事を考えて……ドキドキする?」
ひなたの事を…………
いつも突っ走っていて、危なっかしいけど、誰かを思っての優しさ。分け隔てなく見せる明るい笑顔…………
それに一人でいることに慣れていた僕に…………光をくれた
「カナエさん、ありがとう。答えでたよ」
「それじゃ早速告白ね」
「早くないですか?」
「早いに越したことないから。明日報告待ってるから…………」
笑顔が物凄くウキウキしてるのは気のせいですか?
二日後の放課後、ひなたを呼び出して、校舎裏でひなたを待っていた
「お待たせ~」
「悪い。急に呼び出して」
「あはは、こんなところで話したいことって、告白するの?」
「…………」
僕は黙りこむと、ひなたは察したのか顔を赤く染める
「えっと……」
「ひなた……お前のお陰で僕は助かってるんだ。お前と言う光のお陰で…………だから聞いてほしい。僕は…………」
告白しようとしたけど、ひなたが突然手で口を押さえてきた。
「ごめん、紫乃っちが言いたいことはわかるよ、でも……私は応えられない」
「ひなた…………」
「紫乃っちには私なんかよりももっと素敵な人がいるから…………私よりもその子の事を選んであげて……私はただ紫乃っちが好きだった事を思い出にしたいから…………」
ひなたは微笑みながら、その場から去ろうとしていた。
僕は…………
「ひなた‼」
ひなたの腕をつかんだ。
「離して…………」
「離さない」
「離してよ…………」
「絶対に離さない‼」
ひなたを僕の方を向かせた。ひなたは涙を流している。
「紫乃っち…………」
「お前がどうしようとも関係ない‼僕はひなたが大好きだ‼」
僕は無理矢理ひなたにキスをする。ひなたは僕の胸を叩き、拒否する。
「んん!?ん……」
唇を離すと、ひなたは泣いていた。無理矢理キスをしたんだ。叩かれるのも覚悟していた。だけどひなたは…………
「ひどいよ……こんなことされたら…………好きでいられないよ」
「ごめん」
「…………大好きになっちゃう」
次回は本編に戻ります。本編後にまたifを書きますのでお楽しみに