今日もちゆの練習を見に来た僕、のどか、ひなたの三人。未だにちゆは飛べないでいた。
「ちゆちー」
「辛くないのかな…………」
「辛いはずだよ。でもそれでも飛ぼうとするのがちゆだから…………」
心配する二人に、僕はそんな言葉をかける。
ちゆは少し休んでいるとのどかが…………
「頑張るのも大事だけど…………あんまり無理しないでちゆちゃん」
「記録でなくても死なないし、ね‼」
「…………それでも私は飛びたいの。今は無理をしてでも、自分の限界を超えたい。そういうのってもう古いのかな?」
笑顔でそう告げるちゆ。これはもう言っても聞かないと言うよりかは、僕らにも出来ることをした方がいいかもしれない。
帰り道にのどかとひなたは横断幕を作ろうと言う話になり、僕にも手伝ってほしいと言うけど…………
「僕にはちょっとやることがあるから…………そっちは二人に任せるよ」
ペギタンside
日曜日の朝もちゆは練習に向かおうとしている。ちょっと頑張りすぎだ。
「ちゆ、日曜日くらい休んだ方がいいんじゃないかペエ」
「ありがとうペギタン。行ってくるわね」
ちゆは笑顔で誤魔化すけど…………僕も何か助けにならないとダメだ。
ヒーリングバッグに入り、ちゆが飛べなくなった原因を探すと、ある文章が目に入った。
イップス。これまで簡単に出来たことがある日突然出来なくなり、出来なくなったことが気になり、更に出来なくなる症状…………ちゆはこれにかかってる
僕は大慌てで家を飛び出し、のどかの家に向かった。
「大変ペエ。イップス、イップス」
「どうしたラビ?ペギタン」
「ちゆがイップスになったペエ。みんなでお手当てを考えるペエ。のどかは?のどかはどこペエ?」
「のどかならひなたと買い物に出掛けたラビ。多分今はひなたの家に……」
「ひどい……ひどいペエ」
きっと二人はちゆの事をそっちのけで買い物を楽しんでる。
そうだ‼こういうときは…………
「紫乃、紫乃はいるペエ!?」
「あれ?ペギタン?」
「何を慌ててるだ?」
紫乃の家に行くと、カナエと杏寿郎が何かをしていた。
「紫乃は、紫乃はどこにいるペエ!?」
「紫乃くん?紫乃くんなら…………」
「散歩に出かけているぞ」
紫乃もちゆが大変なときに散歩…………
「紫乃の薄情者ペエ~」
紫乃side
「へっくしゅ!?」
「風邪?」
「いや、誰か噂してるのか?」
ちゆと二人でベンチに座りながら話しているときに、くしゃみが出た。
「別に付き合わなくてもいいのに…………」
ちゆは笑顔でそう言うけど、そんな訳には行かない
「頑張ってるちゆを見てたいんだよ」
「私を?」
僕はこの間益子からもらった写真を見せた。写真にはちゆの姿が写っていた。
「これ…………盗撮?」
「違う!?ちゆの跳んでる姿が綺麗だから、いつか写真とかほしいと思って…………」
まさか益子から貰うとは思っても見なかった…………
「紫乃…………」
「頑張ってるちゆに対して出来ることは、ちゆの側にいることだから…………応援は大会当日にするよ」
「てっきり何かするのかと思ったわ」
「何かしてもちゆは望まないだろ」
「そうね……」
お互い笑い合うのであった。
「何だか紫乃が側にいるだけでも……のどかやひなたがいる時とは違う安心があるの…………」
「どう言うこと?」
「…………跳べるようになったら言うわ」
「じゃあ、跳べるようになったら、二人きりで出掛けようか」
「えぇ」
そして大会当日
のどかとひなたと一緒に応援に来ていた。二人は完成した横断幕をちゆに見せた。
横断幕には『空へ、限界突破』と書かれていた。何故か破が直されてるけど、何があったんだ?
とは言えちゆは気合が入ったみたいだ。
いざ大会が始まろうとしたとき、ラテが具合悪そうになった。
「ラテ!?」
「ビョーゲンズ!?」
メガビョーゲンの出現を感知したと同時に、会場にメガビョーゲンが現れた。こんなときに現れるなよ
「ちゆ‼」
「分かってる‼」
「「「スタート」」」
「「「プリキュアオペレーション」」」
「「重なる二つの花!キュアグレース!」」
「「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ‼」」
「「溶け合う二つの光‼キュアスパークル‼」」
「「「地球をお手当て‼」」」
「「「ヒーリングっとプリキュア‼」」」
みんながプリキュアに変身した。
「行くわよ‼紫乃‼」
メガビョーゲンが氷の光線を放つ。僕らは散らばりながらメガビョーゲンを翻弄し、四人でキックを放つ。
『メガ‼ビョーゲン‼』
メガビョーゲンが全身を氷で覆い、覆った状態で光線を放ち続ける。
「みんな‼あいつの攻撃を私から逸らすこと出来る?」
「分かった‼スパークル、紫乃くん」
「OK」
「フォンテーヌ‼任せたぞ‼」
グレースとフォンテーヌがメガビョーゲンの気をそらしつつ、僕は素早く動きながら、氷を切っていく。
メガビョーゲンの目をそらしている間、フォンテーヌが上へと跳び
「エレメントチャージ‼ヒーリングゲージ上昇‼プリキュア・ヒーリングストリーム‼」
フォンテーヌの浄化技で、メガビョーゲンを浄化するのであった。
「「お大事に」」
無事メガビョーゲンを浄化したけど、ラテが元気にならなかった。
「氷のエレメントさん。力を分けてほしいペエ」
「いいですよ」
氷のエレメントさんから氷のエレメントボトルを受けとり、ラテに与えると元気になった。
そしてちゆは僕らの前で飛んで見せ、ジャンプを成功させるのであった。
その日の夜の事、
「紫乃、起きてる?」
「どうしたんだ?こんな時間に?」
道場で鍛練中にやって来たちゆだけど、何故か顔が赤い。どうしたんだ?
「みんなのお陰でまた跳べるようになった。ありがとう」
「のどかやひなたにも言ってあげろよ。僕は側に…………」
「紫乃が側にいるとね…………安心するの。でもその安心は…………好きだからこその安心だと思う」
…………好き?聞き間違いじゃないよな?
「紫乃、私は貴方の事が好き…………大好き」
ちゆの想い…………僕はどう答えるべきなんだ。いや、悩んでる場合じゃない
「小さい頃から…………一緒にいることが多かったけど、僕のちゆへの気持ちは…………」
「無理して答えなくていいよ。他の人が好きなら…………紫乃の気持ちを大事に…………んん!?」
何かをいいかけるちゆの口をキスして塞いだ。一秒くらいして離すと…………
「これが返事でいいかな?」
ちゆは顔を赤くしながら、涙を流す。
「バカ…………大好き」