「紫乃!?」
「紫乃っち」
「紫乃くん」
三人の声が聞こえ、目を覚ます僕。
「みんな……」
「良かった…………」
ちゆは僕に抱きつく。僕は抱きつくちゆの頭をぽんぽんする
「ごめん……心配かけて、杏寿郎さんたちは?」
「私たちだけここに吹き飛ばされたみたい……」
みんなは無事なのか…………良かった
「早く……お手当てをしに……」
「……本当にお手当て出来るのかな?」
突然ひなたがそんなことを言い出す。確かに今まで以上に強くなっているメガビョーゲン。不安になるのも無理もない
「ひなたちゃん……」
「まさかあんなに強くなってなんて……」
「ラビリンたちもあんなに成長したメガビョーゲンは初めてラビ」
「正直怖かったペエ」
「浄化するにしてもまだまだ時間がかかる。つまりもっと強くなってるってことよね」
「そんなのもっと無理じゃん」
みんな…………不安でしょうがないよな。僕も不安でしょうがないけど…………
「ねぇ、ラビリン。このままメガビョーゲンの成長が続いたらどうなるの?」
「今、病気にされてる所は二度と元に戻らなくなるラビ」
二度と…………そんなこと……
「ダメそんなの‼絶対浄化しなきゃ…………」
「わかってるラビ。でもどうしたらいいラビ?」
「力の差が圧倒的すぎるニャ」
「私たち…………やり方間違えたかな?」
「ひなた……」
「だってめちゃめちゃ強かったんだよ。杏兄たちでも敵わないよ…………私たちがみんなビビんないで、手分けして自分の担当浄化してたら…………あんな強くなんなかったってことでしょ」
「ごめんペエ。僕たちの判断が良くなかったペエ」
「ペギタンのせいじゃないわ。私も賛成したもの…………」
「…………」
みんな……間違ってない。落ち込むことはない。
僕はあることを言おうとした瞬間、
「そんなことないよ」
「のどか……」
「ラビリンたちの判断があったから、光のエレメントさんを助けられた。作品だって守れた。相良さんの思いだって守れた。水のエレメントさんを助けることができた。それは全部本当のことだよ」
「でも結局…………最後のメガビョーゲンを浄化できなかったら……花のエレメントさんは……」
「諦めなきゃいいんだよ。みんな、見捨てるつもりで花のエレメントさんを最後にした訳じゃないでしょ。全部のエレメントさんを助けたい気持ちは変わらないでしょ、だったらどんなに難しくてもお手当てを続ける。それしかないんだよ」
のどか……強いな。お前は……
「でも解決策が分からないんじゃ…………どうにも」
「それでも……戦うことを諦めたら終わりだから……」
笑顔でそう告げるのどか。諦めたら終わりか…………
『いいか。大丈夫は言い聞かせるものじゃない。自分を奮い立たせ。諦めないと誓う言葉なんだよ』
そうだよな。そうだったね。お祖父ちゃん
『俺たちは諦めたりしない。お前も諦めるな。諦めそうになったら、言葉にして言うんだ』
…………おじさん。ありがとう。
「大丈夫。諦めないし、勝とう」
「紫乃……そうね。その通りね」
「そうと決まったらすぐに…………ってどっちいったらいい?」
そういえば道……分からなかった……
のどかたちがラテの心の声を聞こうとするが、病状が重くなり、聞けなくなっていた。ひなたは思わず……
「もうどこにいるか教えてー森さーん‼」
その叫びと同時に森中のエレメントさんたちが道を示してくれた。
それと同時に茂みから猪の被り物をした奴が現れた
「いやがった‼いやがったぞ‼」
「お前……伊之助だっけ?」
遅れて杏寿郎さんたちが合流してきた
「みんな、無事か!?」
「無事みたいですね」
「良かった」
みんなが安堵してる中、僕は……僕らは諦めないことをみんなに伝えた。するとカナヲが……
「これ……今渡すべきだと思うの」
「手紙?」
「お館様から貴方に…………」
「「「お館様から!?」」」
お館様?それって鬼殺隊のトップの?何で僕に…………
手紙を読んでみると…………
『初めまして。君の事は宗一…………君のお祖父様の親友から聞いてるよ』
「宗一……おじさんが?」
気になることがあるけど、続けて読むことにした。
『鬼神たち、鬼舞辻の鬼たちとの戦うことになり、大変かもしれない。辛いことが多いかもしれないが、共に戦う仲間がいるはずだ。柱たちに…………隊士たちにこの手紙を読ませ、君と共に戦うんだ。彼の言葉を信じるんだと伝えるんだ。これが私の命令だと…………そして紫乃……君は宗一が与えた力。鬼となり、人を守る力を持っている。思い出すんだ。君が何のために力を目覚めさせたのかを…………みなと共に戦え。時代が違っても、世界が違っても君は鬼殺隊の一員だ』
会ったことがないけど…………心に響く。ありがとうございます。
「行こう……メガビョーゲンを浄化するために」
「だが鬼たちの妨害があるだろう」
「鬼を気にせずに…………みんなで戦おう。邪魔されるなら、無視する」
「紫乃……」
「意外とゲスイね。紫乃っち……」
何か呆れられてるけど……気にしないようにしておこう
みんなでメガビョーゲンの所にたどり着く。茨木たちの姿はない。
「何?また来たの?懲りない連中だね」
「花のエレメントさん、待たせてごめんね。必ず助けるから‼」
「「「スタート」」」
「「「プリキュアオペレーション」」」
「「重なる二つの花!キュアグレース!」」
「「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ‼」」
「「溶け合う二つの光‼キュアスパークル‼」」
「「「地球をお手当て‼」」」
「「「ヒーリングっとプリキュア‼」」」
三人がプリキュアに変身し、メガビョーゲンに立ち向かう。
向かう途中にカナヲたちの戦いかたを聞いていた。
「玄弥だっけ?取り込んだ力はまだあるの?」
「いや、また出たら取り込むつもりだったけど…………」
「それなら教えてほしいことがある。前におじさんから聞いた反復動作の事を…………」
おじさんは今のところは必要ないと言っていた。でも今は…………必要なはず。集中力を極限まで高めて、全ての力を開放する。
「分かった。決められた動作をするんだ。そうすれば…………」
決められた動作を…………僕はあの時…………何を思っていた。
グレースside
私たちはメガビョーゲンに立ち向かう。
『炎の呼吸‼伍ノ型 炎虎』
『蟲の呼吸‼蜂牙ノ舞 真靡き』
『花の呼吸‼陸ノ型 渦桃』
『雷の呼吸‼壱ノ型 霹靂一閃』
『獣の呼吸‼肆ノ牙 切細裂き』
杏寿郎さんたちがメガビョーゲンを攻撃して、注意を引いている。私たちも一緒に攻撃を喰らわせると、メガビョーゲンが怯んだ
だけどメガビョーゲンの反撃に私たちは吹き飛ばされる
「体力削られてるみたいだね。まぁ、何をしようとも無理なものは無理なんだぜ」
「まさか……」
エレメントさんの様子を見ると、エレメントさんがぐったりしていた。
「エレメントさんはメガビョーゲンに力を使い果たされる寸前ラビ」
「エレメントさんが消えたら……」
「この辺りの蝕まれた土地はもう終わりペエ」
私は…………諦めない。
「エレメントさん……諦めないで‼」
「あなたを助けたいのは…………私たちだけじゃない‼」
「光のエレメントさんも水のエレメントさんも……あと、とにかくたくさんのエレメントさんも‼みんなみんな、言ってたんだよ‼」
「どうかあなたを助けてほしいって‼」
「だからお願い……一緒に頑張って‼」
私たちは立ち向かう。ううん、私たちだけじゃない‼煉獄さんたちも……
「まだやれるな‼みんな‼」
「あの子達が諦めてない」
「柱である私たちが諦めたらダメね」
「姉さんたちだけじゃない」
「俺たちも諦めねぇ‼」
「守るために‼」
みんなが諦めないで戦ってるの…………だから
「一緒に‼」
私たちが同時に挑むけどメガビョーゲンに吹き飛ばされる。
「お大事に…………なんてね」
紫乃side
みんなの思いが…………聞こえる。そうだった。僕は守るために…………みんなの事を……みんなの想いを……守る‼
「ハアアアアアア‼」
身体中から力が溢れ、髪は白く、額には角が生える。
「お前!?この短時間で!?」
「反復動作……出来たみたいだな‼」
僕は日輪刀を構え…………
『雪の呼吸‼陸ノ型 雪豹』
素早く、そして鋭くメガビョーゲンを切り刻む。
『雪の呼吸‼壱ノ型 初雪連撃』
更に切り刻む。メガビョーゲンは今まで以上に苦しんでいた
「あいつ!?」
「安定してなかった陸ノ型が使えるようになってる‼それに他の型も…………」
メガビョーゲンを切り刻む中、グレースたちが光に包まれ、その手には新しいエレメントボトルがあった。
「みんなが戦おうって……地球の病気と……戦おうって‼」
不意に頭の中に何かが浮かぶ。
『血鬼術 癒し 浄化』
「やってみるか‼」
『血鬼術‼浄化雪‼』
紅い雪がメガビョーゲンを包み込み、拘束していく。分かる…………メガビョーゲンが少しずつ浄化されていくのが‼
「グレース‼フォンテーヌ‼スパークル‼今だ‼」
ヒーリングステッキに新しいボトルを装着し、
「トリプルハートチャージ!」
「「届け!」」
「「癒しの!」」
「「パワー!」」
肉球を3回タッチし、背面にオアシスを作り出す。
「「「プリキュア・ヒーリングオアシス‼」」」
ステッキからピンク、水色、黄色の螺旋状のエネルギーを放つ。
エレメントさんを救いだし、メガビョーゲンが浄化される
『ヒーリングッバイ』
『お大事に』
「あの鬼狩り……メガビョーゲンを!?」
「あの姿…………なるほど‼奴が関わっていたか‼」
「奴とは?」
「裏切り者だよ‼人に鬼の力を与える血をもって逃げた…………そしてそれは創造した力を扱う‼」
エレメントさんも無事に助けだし、侵された大地は時間が経てば元に戻るらしい。ラテも新しいボトル……ミラクルヒーリングボトルで元気になるのであった。
そして僕は……
「疲れた…………」
最初みたいな疲労はないけど…………今日一日で本当に疲れた
「まさか血鬼術が使えるなんて……」
「うむ‼浄化の力をもつ血鬼術‼紫乃らしい力だ」
「僕らしいって?」
「貴方は優しいってことよ。それじゃ私たちは先に戻って、カナヲたちの歓迎の料理を作っておくから、寄り道しないでね」
そう言ってカナエさんたちと別れるのであった。
「にしても…………宗一おじさんが関わってるのか……」
カナエさんたちの事やら日輪刀の認識をずらしたりとか……それにお館様と話をしたりとか…………相変わらず不思議な人だな…………
「おーい、沢泉、花寺、平光、橘」
「あれ?先生、どうしたんですか?」
「お前たち……何処にいたんだ」
そう言えば校外学習の事を忘れてた
「えっと……」
「橘!?お前、その格好!?」
戦いで夢中になって制服がボロボロになってるの忘れてたよ。とりあえず逃げていて崖に落ちて、三人に助けられていたと誤魔化すけど…………
「おまっ!?早く病院に」
「木とかクッションになってたんで怪我は大丈夫です。はい…………」
我ながら苦しい言い訳をしつつ、すこやか市に帰るのであった。
次回はオリストになります