ヒーリングっど♥プリキュア 雪の呼吸の使い手   作:水甲

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前書きでいちゃつかせようと思ったけどやめました。

今回結構な文字数に……


47 意味なくなんかない

ラテが具合悪くなった瞬間、ラビリンたちの前髪が逆立った。

 

「ラビリン!?」

 

「どうしたの!?」

 

「分からないラビ」

 

「何だか急に!?」

 

「ニャアアア!?」

 

「ニャトラン、なにそれ?めっちゃ可愛いんだけど~」

 

「見るな~」

 

ニャトランの額に魚の痣って……確かに可愛いけど……

 

「なぁ?何か今ビリリって音しなかったか?」

 

「いや?してないけど……」

 

善逸は耳がいいらしいけど、ビリリって音ってなんだ?

 

『上の方でパチパチしたプロペラさんが泣いてるラテ』

 

プロペラ?それに上って……

 

 

 

 

僕らは外に出て、それを見上げるが何もいなかった。ラテの……勘違いって訳じゃないよな。

 

のどかはもう一度ラテの声を聞くと

 

『パチパチのプロペラさん、あっちの方ラテ』

 

「メガビョーゲンが移動したってこと?」

 

「行ってみましょう」

 

ラテの言う方向に向かう僕ら。しばらく歩いていると、

 

「いたっ」

 

「大丈夫ですか?」

 

「えぇ、ちょっと静電気がね。でも一度放電したからもう大丈夫よ」

 

そう言ってドアノブに触れると、また静電気が起きた。更には別のお婆さんのところにも……

 

「やーね。静電気なんて起きる季節じゃないのに……」

 

一体何が起きてるんだ?

 

「紫乃くん、お兄ちゃんたちも呼ぶ?」

 

「炭治郎たちにも手伝ってもらうか……」

 

「そう言うも思って、連絡はすんでるよ」

 

カナヲ、仕事が早いな……

 

のどかはまたラテの声を聞き、今度は別のところにいるとのことだった。

 

 

 

 

 

 

配送センターでもベルトコンベアーが動かなくって、困っていた。

 

「ここにもいないね」

 

「おいおい見えないメガビョーゲンなのか」

 

「ねぇ、また音が聞こえたんだけど……」

 

善逸の言う音も気になるけど……メガビョーゲンの姿が見当たらない……

 

ラテはまた別の所に向かったと伝え、また僕らは向かう

 

 

 

 

 

商店街に行くけど、やっぱり姿が見えない。

 

「善逸、音は?」

 

「ここに来る前に聞こえたけど?」

 

だとしたらもう逃げられたか。するとちゆがお店の人と何かを話して戻ってきた。

 

「ちゆ、何か分かったのか?」

 

「さっきからあちこちで起きてる静電気問題。きっとメガビョーゲンの影響よ」

 

「そう言えばラテが教えてくれたところでバチバチって!?」

 

「善逸さん、音が聞こえたのは何処からなの?」

 

「えっ?空の上から……」

 

だとしたら空を飛べて早い奴か。

ラビリンたちもニャトランを押さえつけて、証拠を見つけてるし……

 

「ラテ、今どこにいるか分かる?」

 

のどかがラテの声を聞こうとすると……

 

「聞いても意味なくない?」

 

「えっ?」

 

「行っても見えないし、どうせまた逃げられるし……」

 

「おい、ひなた。何で捜す前から諦めてるんだよ」

 

「探したじゃん。あっちこっち行ったら今じゃん」

 

「それはそうだけど……」

 

「こうしてる間にもまたメガビョーゲンが強くなってるわけでしょ。もっと見つからなくなるに決まってるじゃん!」

 

「ひなたちゃん……」

 

「……決まってるか」

 

僕はため息をついた。ひなたは分かってないな

 

「紫乃っち?」

 

「ひなた、まだ決めつけるのは早いと思うぞ」

 

「でも……」

 

「そんな風にダメだとか決めつけるのはよくないことだと思う」

 

そんな風に決めつけていたら、今ごろ僕はここにいなかった。

 

「ひなた、お前は僕が悪夢に苦しんでいたとき、もう駄目とか、助けられないとか決めつけていたか?」

 

「う、ううん」

 

「最後まで諦めないから、僕はみんなに助けられたんだよ」

 

「紫乃っち……」

 

「それにね。ひなたちゃん、お兄ちゃんは私が鬼になったときに、絶対に元に戻すって気持ちがあったから……諦めなかったから戦いを終わらせられたんだよ」

 

禰豆子の言葉にカナヲも頷いていた。

 

「だから……」

 

決めつけずに最後まで諦めないと言おうとしたら、小さな女の子がこっちに向かってきた

 

「ひなたちゃん、大変なの」

 

「どうしたの?」

 

「めいちゃんが閉じ込められちゃった。あっち」

 

「お姉が!?」

 

まさかと思うけど、この騒動でか?

 

 

 

 

 

 

 

 

めいさんのワゴン車に行くと、めいさんがワゴン車の中に閉じ込められていた。

 

「お姉、すぐに助けるっし!」

 

「さわっちゃダメ!危ないから!」

 

「えっ?」

 

「暫くしたら静電気も収まるよ。まっ、ダメならパパとお兄ちゃん呼んで、みんなでワゴンのドアぶっ壊してよ。そしたら出られるでしょ」

 

「お姉……」

 

めいさん、優しいな。閉じ込められて不安なはずなのに、ひなたを心配させないようにしてるなんて……

 

僕らはワゴンから離れると、ひなたに告げた。

 

「ひなた、諦めるつもりはないよな」

 

「う、うん」

 

まだ不安そうだな。するとのどかはあることを告げた。

 

「ひなたちゃんのジュース、美味しかったよ」

 

「えっ?」

 

「めいさんのお店のジュースとは違ったかもしれないけど、美味しかったよ。ひなたちゃんが作ったって聞いて、私嬉しかった。意味なんかなくないよ」

 

「のどかっち……」

 

「助けたいなら動いてみないと……紫乃の時だってそうだったでしょ」

 

「ちゆちー」

 

「誰かみたいにじゃなく、ひなただけのものがあるんだから、不安になったりするなよ。それに……僕みたいに襲われたりしたら、のどかやちゆが助ける」

 

「紫乃っちは?」

 

「襲われる前に助ける!」

 

「紫乃っち……そう言うことはちゆちーに言ってあげなよ……」

 

かっこつけたのに、辛辣だな。でもひなたの気持ちも変わってきたな。するとラビリンたちが何かを発見した。それはドローンだった。

今回のメガビョーゲンは空を飛んでるから見つけられなかったのか……

 

ひなたはスマホで調べると、UFOの目撃情報が入っていた。

 

「駅から北に行ったっぽい」

 

「行こう!」

 

「うん!」

 

「「「スタート」」」

 

「「「プリキュアオペレーション」」」

 

「「重なる二つの花!キュアグレース!」」

 

「「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ‼」」

 

「「溶け合う二つの光‼キュアスパークル‼」」

 

「「「地球をお手当て‼」」」

 

「「「ヒーリングっとプリキュア‼」」」

 

久しぶ…………プリキュアに変身し、メガビョーゲンの所へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

一青side

 

ドローンメガビョーゲンに乗りながら、優雅に蝕んでいる俺たち。

 

「ふっははは、どうだバテテモーダ!少しずつ広範囲に蝕んで、このグアイワル様の繊細かつ高度なテクニック!」

 

「流石は先輩っす!新人の自分には全く思い付かないっす」

 

「そうか!そうか!この俺の子分になりたいか」

 

「?アザッス!先輩!」

 

通じてない通じてない。と言うかバテテモーダも大変だな。

 

すると下から黄色い閃光がメガビョーゲンに当たり、俺たちは下へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

「やーーーっと見つけたよ!メガビョーゲン!」

 

「おっと!プリキュアじゃないですか!チース!」

 

「ふっ、遅かったじゃないか。今からメガビョーゲンを浄化できるのか?」

 

「するよ!絶対!」

 

メガビョーゲンを見つけたのはいいけど、グアイワルとバテテモーダと一緒にいる黒いコートに黒い角が生えた仮面をつけてるのは誰だ?

 

「雪の呼吸の使い手は任せろ」

 

仮面の男が刀を抜いた瞬間、

 

『十二月の呼吸!壱の月!睦我月‼』

 

振り落とされる斬撃を僕は防ぐが、右肩が切られた。

 

「防いだのに!?」

 

「初めまして、橘紫乃。俺は月鬼。十二鬼月の世話役みたいなものだ」

 

「月鬼?それに世話役って……四鬼将なのか?」

 

「いや、違う。だが実力は!」

 

腹に蹴りを喰らい、膝をつくと……

 

『弐の月!如切月!』

 

一振りで、左肩と右足を切られた。こいつ、本当に強い

 

グレースたちは大丈夫か?

 

グレースたちは素早く動くメガビョーゲンに対して目が追い付いていない。

 

「キュアスキャン」

 

スパークルがエレメントさんの位置を特定した。

 

「雷のエレメントさんだから、雷みたいな動きをするのか‼」

 

「雷がなんだって言うの!私なんて一度も雷に怖がったことはなかったんだから‼」

 

スパークルとグレースがメガビョーゲンと立ち向かう。

 

「くっ!?」

 

「仲間のところに行きたいか?悪いが……」

 

『血鬼術!爆血!』

 

炎が月鬼の視界を奪い、僕はその隙に蹴りを喰らわせ……

 

『血鬼術!血癒楔』

 

月鬼を拘束した

 

「ちっ!」

 

「カナヲ!目で追えるか?」

 

「追えてるけど…………」

 

動きに付いていけないか。どうすればと思っていると……

 

「紫乃‼」

 

いつの間にか目を閉じ、構えている善逸の姿が見えた。それなら……

 

「フォンテーヌ!氷のエレメントで僕の血を凍らせてくれ!」

 

「分かったわ!」

 

『血鬼術!血癒玉!』

 

いくつかの血で作られた玉をフォンテーヌが凍らせた瞬間、

 

『雷の呼吸!壱の型!霹靂一閃・六連!』

 

それを足場にして、メガビョーゲンのプロペラを切りつける。

 

「浅い!?」

 

「寸前で避けたのか!?」

 

あのメガビョーゲン、善逸より早いのか!?

だけど善逸は凍った血玉に乗った瞬間……

 

『雷の呼吸!壱の型!霹靂一閃!神速!』

 

目にも止まらぬ速さでメガビョーゲンのプロペラを切り落とした。

 

「善逸、やっぱり凄い」

 

「スパークル!」

 

グレースのぷにシールドを足場にして、墜落しそうなメガビョーゲンに踵落としを喰らわすスパークル

 

メガビョーゲンは地面に叩きつけられ……

 

「トリプルハートチャージ!」

 

「「届け!」」

 

「「癒しの!」」

 

「「パワー!」」

 

「「「プリキュア・ヒーリングオアシス‼」」」

 

ヒーリングオアシスでメガビョーゲンを浄化するのであった。

 

「やるね……今日のところはそこそこ楽しめたよ。それじゃ」

 

月鬼は姿を消し、グアイワルとバテテモーダもいつの間にか姿を消していた。

 

「月鬼……何者なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一青side

 

カッコつけて姿を消したけど、俺はあいつらみたいに一瞬で移動とか出来ないんだけど……

 

「さて、帰る前に……何か飲んでいくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

そんなこんなで雷のエレメントさんから雷のエレメントボトルを貰い、ラテも元気になった。めいさんも無事にワゴンから出られたみたいだ。

 

そしてひなたも……

 

「ありがとね。バテテモーダとか月鬼とか四鬼将とかまだ全然いるけど、それでも今、私が頑張ればみんなを助けられるもんね!意味なくなんかないんだもんね」

 

ひなたも気持ちが前向きになったんだな。さて……

 

「紫乃~早く治してよ~」

 

「善逸さん、家に帰ってからにしよ」

 

「着地に失敗して、骨を折るなんて……」

 

「私たちは先に帰ってるね」

 

禰豆子とカナヲに肩を借りながら泣く善逸。本当に格好いいときは格好良いのに……

 

「紫乃っちも……助けてくれるんだよね。襲われそうになる前に」

 

「あぁ」

 

「本当に紫乃っちは…………ちゆちーに内緒で私と付き合う?」

 

「ひ、ひなた……」

 

ひなた、冗談でも止めてくれ。ちゆが泣きそうだから……

 

「冗談だよ~お姉!紫乃っちとちゆちーに恋人御用達ラブラブドリンクを~」

 

「はーい」

 

めいさんが出してくれたの、ハート型のグミが乗ったジュースだったけど、何故かストローが二つある……

 

「さぁさぁ二人とも~」

 

ひなた…………お前……

 

「紫乃、飲みましょう」

 

「そうだな」

 

気にせずジュースを飲むのであった。

 

「弄っても照れなくなったね」

 

「本当にね」

 

「何か楽しそうだな」

 

するとクラスメイトの一青が声をかけてきた。

 

「お前らもUFO探してたのか?こんなところに来て」

 

「まぁそんなところ」

 

「でも何処か行っちゃったみたい」

 

「そうか……それじゃな」

 

一青はジュースを受けとり、帰っていくのであった。あいつ、UFO探しなんて……世俗的と言うかなんと言うか……

 




今回の話……カッコつけたのに台無しなった男三人がいます


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