のどかさんを家まで送り、僕も家に帰ると、家の前に見覚えのある女性が立っていた。
「お帰りなさい。紫乃くん」
長い黒髪に蝶の髪飾りを付けた女性が笑顔で出迎える。この人は以前保護した胡蝶カナエさん。買い物から帰ってきてたのか…………
「化け物が出たって聞いたけど、大丈夫だった?」
心配そうにするカナエさん。さて一応話しておいた方がいいのかな?
「化け物と戦ったよ」
そう告げた瞬間、カナエさんは更に心配そうにしていた。
「大丈夫!?怪我は?痛いところない?」
「カナエさん!?大丈夫だから!?」
「紫乃くん。ラテのこと許して…………何してるの?」
ラテを連れてのどかさんが着たけど、今の状況に困惑していた。
「すみません。お夕飯一緒に頂いて」
「いえいえ、紫乃くんが娘に街案内してもらったり、それにお隣さん同士これからの親交を深めると言うことで」
「カナエさんは……親戚の方と聞きましたが、紫乃くんのご両親は何を?」
「海外で働いていて、私ともう一人の方で紫乃くんの面倒を見てるんです」
カナエさんたちが夕飯を食べながら話しているのを聞く僕とのどかさん。
「きれいな人だね」
「まぁ、よく言われるみたいだよ」
「紫乃くん。ご飯が終わったら、のどかちゃんに学校のこと教えてあげなさい」
「はーい」
学校のことよりかは、他の事を色々と聞きたい。のどかさんも聞きたいことがあるだろうしな。
のどかさんの部屋で、のどかさん、ラテ、ラビリン、ペギタン、ニャトランと話をすることになった僕。
「えっと、小さい頃に会ったおじさんに教えてもらったの?その鬼を倒す力を…………」
「うん、まぁ、おじさんがいた世界とは違う世界らしいから…………カナエさんも同じ世界の人だよ」
初めてあったときに聞いたら驚いたよ。しかもおじさんと知り合いとか…………
あともう一人のあの人はまだ出掛けてるらしいけど、明日なら紹介できるかもしれないな
「それでメガビョーゲンと戦えたラビか……」
「でも刀とか持っていて大丈夫なの?」
「おじいちゃんの知り合いが色々と改造してくれたんだよ。お陰で大丈夫かな?」
戦い以外の時は竹刀で誤魔化したり、持ち運びに便利だったりできるようにしてもらっている。おじいちゃんの知り合いは何者なのかな?
「それでラビリンたちのこととかあのメガビョーゲンのこととか聞いていいか?」
ラビリン達はすぐに僕に話してくれた。
ラビリンたちヒーリングアニマルはヒーリングガーデンと呼ばれる場所で、地球の治療をしている。ラテはそこの王女様らしい。
だけどある日、突然現れた地球を病気にしようとするビョーゲンキングダムが攻めてきて、ラビリン達は女王にラテのことを頼まれ、プリキュアのパートナーとなり、ビョーゲンキングダムと戦うことになった。
「それでのどかさんが選ばれたのか」
「のどかとは肉球がキュンとなったラビ」
「ラビリン、私、頑張るね。紫乃くんも一緒に…………」
「関わった以上はな」
「それと紫乃。プリキュアの事はナイショラビ」
秘密にしておく必要があるなら、秘密にしておくか。でもカナエさんには話してあるから、しょうがないか
カナエさんと家に帰り、プリキュアの事を話しつつ、秘密にしておくようにと伝えた。カナエさんも納得するのであった。
「それで?紫乃くんは…………戦うの?」
「関わった以上はね。それにカナエさんたちが言っていた鬼とは違うから大丈夫だよ」
鬼…………人を食う鬼。カナエさんたちはその鬼と戦っていたけど、この世界にはそんなのいない。世界の違いのお陰でカナエさんたちは平和に過ごせている。
「そう……だけど……」
「それじゃあおやすみ」
カナエさんは部屋から出ていき、僕は道場で鍛練に励むのであった。
明け方になり、鍛練したまま寝落ちしたことに気がついた。部屋に戻り寝直すと…………
『あら、のどかちゃん。制服似合ってるわよ』
『ありがとうございます。あの紫乃くんは?』
『寝てるみたいね。ちょっと待ってなさい』
何か声が聞こえるけど、そろそろ起きた方がいいかな。身体を起こすとカナエさんが部屋に入ってきた。
「あら、おはよう。のどかちゃんが来てるわよ」
「ん~すぐに着替える~」
制服に着替え、玄関に行くと制服姿ののどかさんがいた。
「おはよう。紫乃くん」
「おはよう。のどかさん」
「二人とも何だか幼馴染みみたいね」
カナエさん。僕らはまだ出会って一日しか経ってないんだけど…………
「ほら、遅刻するから行きなさい」
「「はーい」」
のどかさんと一緒に登校する中、のどかさんの鞄がやけに膨らんでいるのが気になるけど…………
「のどかさん、鞄…………」
「あっ、実は連れてきてるの」
のどかさんは鞄を開けるとラビリン達が入っていた。連れてきていいのか?まぁ学校で襲われたら大変だからな。僕も学校では鞄に入れられるように小さくした竹刀を持っている
「ねぇラビリン、ペギタン達のパートナー探しのために、クラスのみんなに聞いてみようか?プリキュアになりたい人ーって」
「ダメラビ!?」
「ヒーリングガーデンのことは秘密ペエ」
「そうなんだ~それじゃあ紫乃くんがプリキュアに…………」
「やだ」
「何で~?一緒にプリキュアやろうよ~」
「あのフリフリした格好になれと…………と言うか心の肉球がキュンとならないとダメなんだろ。ペギタンとニャトラン」
「ペエ?」
「やれやれ」
二匹の肉球に触れるが、特に反応なし。そうそうなれるわけなかったか。
「僕は僕で戦う力を持ってるから、プリキュアにならなくても大丈夫」
「そっか~」
そんな感じに学校まで登校するのであった。