「ラテ……大丈夫か?」
ちゆと一緒にラテのお見舞いをする僕。
「くぅ~ん」
「ラテ……何だか嬉しそう」
「紫乃っち、まず私たちに謝ることあるよね?」
ひなたは怒った顔をしていた。そうだよな……謝らないとな……
「ごめん、心配かけて……」
「うん、いいよ」
「紫乃くんが戻ってきてくれただけで嬉しいよ」
二人に許された。後はラテが元気になれば…
「それじゃ紫乃っちがもっと強くなれるように考えよー」
「はい?」
ひなたの突然の提案……いきなり過ぎて反応に困るんだけど……
「紫乃くん、私たちもね。紫乃くんに何かできることないかなって思ってね」
「それで紫乃が戻ってきてから話し合おうって……」
「みんな……」
なんと言うか……ありがたい話だ……
「はい、何か案ある人‼」
「はい!」
早速話し合いが始まり、のどかが挙手した。
「しのぶさんに聞いたけど、紫乃くんはもう限界まで鍛えてあるって、鬼の力を扱えば下弦の鬼と上弦の間くらいの強さだって」
「でもあの月鬼は…………紫乃よりも強かった……」
「前にさ……たんじーに聞いたら、鬼って……えっとなんとかなんとかの血が濃いほど強いって……それだったらその血を飲めばいいんだよ」
ひなた……鬼舞辻舞惨な。それに……
「その血は何処にあるんだよ」
この世界にはいたけど倒されてるし…………
「そもそも僕はあの鬼たちとは違うし…………」
「そっか~」
「人の血とか飲んだりはダメなの?」
「さぁ?それで強くなっても僕はやりたくないけど……」
「試しにさ、ちゆちーの首噛んでみたら?」
ひなた……人の話を聞こうか……
「紫乃くん、試しに」
「のどか……ちゆの意見も……」
「その……紫乃が良ければ…………」
ちゆは髪をかきあげ、首筋を晒す。
「……ちゆ……ちょっとごめん」
ちゆの首筋に甘噛みをすると……
「ん////」
ちゆの声……それに仄かに香るちゆの匂い…………噛むのを止めるとちゆの首筋が少し赤くなっていた。
「どう?強くなった?」
「/////」
「/////」
別の意味でこれはやめた方がいいな…………
それから夕方まで話し合いが続くけど、どうにも答えが見つからず、解散することになった。
一番現実的なのは……やっぱり今を越えることだろうな……
「鍛えるか……」
それしかないよな……心を強く持ち……鍛えよう
のどかside
その日の夜、ラテが何だか辛そうにしていた。私はラビリンと一緒にラテの声を聞いてみた
「どこか辛いの?聞かせて」
『元気になれないのが悲しいラテ』
「みんなと早くお外に行きたいよね」
「元気になったらたくさんみんなと遊ぶラビ」
『みんな……みんなラテに優しいラテ……でもラテ、何もしてないラテ。みんなプリキュアになって頑張ってるラテ……紫乃だって大変なのに……ラテはいつも助けてもらってるだけラテ……』
「ラテ様……」
「そっか……そんなこと思ってたんだね。ラテ、私たちこそラテのお陰で助かってるんだよ」
私はそっとラテを抱き締めた。ラテは何もできない訳じゃないよ……
「ラテ様は地球の苦しみを身体で感じてくれてるからラビリンたちはお手当てできるラビ」
ラテが不安になるのは仕方ないけど……私たちはラテのお陰で…………
紫乃side
次の日、すこやか山に鍛練しに(みんなには連絡済み)向かうと、山の頂上から大地が蝕まわれていた。
「まさか!?」
急いで山の頂上に向かうとそこにはメガビョーゲンが暴れていた。どう言うことだ?何でラテは感知しなかった?まさか…………調子が悪いと感知出来ないのか?
「あれー?鬼狩りじゃないっすか!今日は一人っすか?」
バテテモーダが現れると、僕は刀を構えた。
「偶々だよ」
「まぁどうでもいいっすけど……あんたの相手は俺じゃないので……」
バテテモーダがそう言った瞬間、僕の後ろに下弦の二人が現れた
「お前らは……轆轤と病葉!?」
「お前を確実に殺せと言われてるからな」
「嘗めてると……痛い目にあうぞ‼」
「月鬼と再戦したいところだけど…………仕方ない‼お前らを片付けて、メガビョーゲンを……」
「だから俺たちを」
「嘗めるな‼」
轆轤が取り出したの何かの角だった。角から黒い光が放たれ、二人を包み込むと…………巨大な異形の鬼へと姿を変えていた。
『これが鬼神様のお力‼』
「合体したところで‼」
『漆ノ型‼雪崩』
一気に攻めようとするが、異形の鬼に腕を捕まれ、そのまま地面に叩きつけられた。
「かはっ!?」
『すごい力だ‼こいつの動きが分かる‼』
「くそ‼それなら……」
『血鬼術‼血癒の矢』
血で作った矢を放ち、異形の鬼に刺さる。鬼ならこれで…………
『ふははは‼何だ?何かしたのか?』
効いてない!?鬼神の力の影響なのか!?
『オオオオオオオオ‼』
異形の鬼は口を大きく開き、衝撃波を放ってきた。僕は避けようとするが、足をメガビョーゲンに捕まれ、直撃を喰らった
「かはっ!?」
『流石は鬼擬き‼肉は残るか‼だがお前では俺たちには勝てない‼』
「紫乃!?」
「紫乃くん!?」
「何?あの鬼‼」
フォンテーヌたちも来たが、異形の鬼に驚いていた
「だ…いじょうぶ…みんなは…メガ…ビョーゲンを…」
血まみれになりながら、笑顔を向ける。まだ僕は…負けてない…
「紫乃…」
「余所見してる場合っすか‼プリキュア‼」
メガビョーゲンがみんなを襲う。助けに……入らないと……
『俺たちを忘れるな‼』
異形の鬼に殴られ、近くの木に叩きつられる。みんなもメガビョーゲンに拘束され……
『バテテモーダ。お前はビョーゲンズの目的を果たせ‼』
「そっちはそいつに止めっすか?プリキュアも残念だね!仲間の死に際に会えなくって」
バテテモーダの笑い声が響く中……避難していたラテが必死にメガビョーゲンを止めようとしていた
「ラテ……」
ラテが……頑張ってるんだ…………僕だって……負けられない…………
するとラテは何かに気がつき、地面に落ちていた何かをくわえて、僕の方に放り投げた。
「これは……」
ラテが届けてくれたのは…………異形の鬼が合体した時に使った『鬼神の角』だった。
『このくそ犬‼』
「ラテ……」
ラテがバテテモーダに捕まり、今にも握りつぶされようとしていた。
助けるんだ……ラテを……みんなを‼
僕は鬼神の角を身体に埋め込んだ。効果あるかわからないけど…………僕には強くなる理由がある‼
「オオオオオオオオ‼」
身体が今よりも成長し、力が溢れる‼
「うぐっ……ううう……」
だけどそれ以上に嫌なものが溢れる…………
『喰らえ…………もっと力を得るために…………』
違う…………僕は…
「紫乃‼」
フォンテーヌの声が聞こえ、見上げた。フォンテーヌは何も言わず……ただ強く頷いた。
「ありがとう……フォンテーヌ‼」
『何故喰らわない‼お前には私の血が混ざり、古の鬼の身体を喰らったことで……』
目の前に現れる青白い顔の男を思いきり殴った‼
僕は人間だよ‼
声が聞こえなくなり、ラテを助けようとすると……一陣の風が吹き、バテテモーダに捕まったラテが、見たことのない少女に助けられていた。
「プリキュアラビ!?」
「えっ?」
「先代のプリキュアにゃ!?」
「テアテーヌ様のパートナーだったプリキュアにそっくりペエ!?」
あれが先代のプリキュア?何か不思議な感じがするけど……
「ラテ様、あなたの望み……私が叶えましょう」
謎のプリキュアはそっとラテを下ろすと……
「地球を蝕む邪悪な者よ!最後の時です!清められなさい」
謎のプリキュアは一瞬で移動し、グレースたちを助けた。
更に謎のプリキュアは連続で攻撃し、メガビョーゲンを頂上まで吹き飛ばす。
「凄いな……」
『俺たちを無視してるんじゃねぇよ‼』
異形の鬼が殴りかけようしてきたが、僕は拳を受けとめ、思いきり殴り返すと異形の鬼がメガビョーゲンと同じところまで吹き飛ばされる
「加減が難しいな」
「紫乃‼大丈夫?」
「あぁ、フォンテーヌのお陰だよ。ありがとう…大好き」
「ちょっと…そこの二人~早く追うよ~」
「あはは……」
スパークルに注意され、グレースは苦笑いをしていた。僕らは急いで頂上まで向かうと……謎のプリキュアがメガビョーゲンを圧倒していた
『何故だ!?何故……こいつは俺たちみたいな鬼じゃないのに……鬼神様の力を扱える‼』
「知らないよ……ただ……いい加減……倒されてくれ」
僕は日輪刀を構え、グレースたちがヒーリング・オアシスを放った瞬間、異形の鬼の首を切り裂いた
『が……きじん……さま……』
首を切られて、異形の鬼は塵となり……メガビョーゲンも無事に浄化された
月鬼side
紫乃の最後を見にきたはずなのに……何だ?あいつの……あの強さは……
「奴は……何なんだ?」
『なるほど……打ち勝ったか』
不意に鬼神が現れた。打ち勝った?
『奴は裏切り者が作った血を体内に取り込んでいる。それは始祖の鬼の血を改造したもの』
「だからあいつには食人衝動がない……」
『そして我が角を取り込んだことで、始祖の鬼の血が暴走するはずだった』
それを紫乃は……打ち勝った……精神力の違いなのか?
次回に続きます