ちゆside
紫乃と上弦の参との戦い。紫乃は上弦の参の攻撃に対応できるようになっている
「紫乃……」
「紫乃くん、強くなってる……」
「そりゃそうだよ!あの時に比べたら凄く強くなってるもん」
ひなたの言う通り……紫乃はあれから身体だけじゃなく、心も強くなってる…………きっと勝てるハズだけど……
「…………感じが変わりました」
アスミがそう言った瞬間、富岡さんと煉獄さんの二人が身構えた。
「あの技がくる!」
「うむ、みんなはもう少し離れていた方がいい。あの技は…………」
「一体……何が!?」
「…………全方向からのほぼ同時に放たれる技…………回避できたのは炭治朗のみだ」
「俺もあの時は…………紫乃があの時の俺みたいに透明な世界に入れたら……」
「…………無理だろう。あの時みたいなことは早々起きない」
「だが……」
「……だが」
紫乃は備えた。防ぐために?ううん、違う……紫乃は……
『雪の呼吸‼捌ノ型‼雪花』
紫乃side
数時間前
道場で柱の皆にある鍛練をお願いした。それは……
「同時に技を放つ……だと!?」
「杏寿朗さんや義勇さんから聞いた限り、猗窩座の技は…………僕には避けきれないから…………それなら対抗するしかないと思って……」
「うむ!だがそのためにこんな短い時間で何とかしようとしても……付け焼き刃に過ぎないぞ」
「付け焼き刃でもやる価値はありますよ」
僕は鬼神の角で鬼化した。
「身体能力も動体視力も上がってるなら……何とかできるはず‼」
無茶だろうが何だろうがやれるだけの事をするだけ‼
『青銀乱残光』
威力も速度も上がった必殺の技…………僕は…………
ちゆside
同時に技が放たれて、土煙が舞う…………紫乃は……どうなったの?
土煙が晴れ…………立っていたのは上弦の参……
「し……の……?」
まさか紫乃は負けたの?そう思った瞬間、上弦の参の両腕が切り落とされていた。
「くっ!?まさか……」
そして完全に土煙が晴れるとそこには血まみれになりながらも立っている紫乃の姿があった。一体何が…………
月鬼side
見えなかった……あいつは何をしたんだ?
「あの小僧……やるな」
「月鬼……見えなかったみたいだな」
黒死牟と酒呑の二人には見えていたのか?一体何が……
「奴は……猗窩座の技が放たれた瞬間…………避けるのではなく、飛び込んでいき…………攻撃を逸らしていった」
「鬼神さまの力を取り込んだとはいえ…………あの技を逸らすことは難しいが…………奴は傷だらけになりながらも懐まで潜り込み…………猗窩座の腕を切り落とした」
紫乃が……そんなことを……何て言う奴だ…………
紫乃side
完璧と言うわけにはいかなかったけど…………成功だな…………
流石に全部逸らすことは出来なかったけど…………両腕を切り落とした…………後は…………再生する前に……
「ちっ!」
猗窩座が両腕を再生しようとした瞬間、更に腕を切り落とす。
『破壊殺‼滅式‼』
切り落としてもすぐに片腕だけ再生させ、僕の両手を打ち砕く。
「切れなくっても‼」
僕は頭を大きく振りかざし、思いきり頭突きを喰らわす。
「くっ」
一瞬眩んだ猗窩座。僕は更に蹴りを喰らわし…………落とされた刀を拾い上げた。
『雪の呼吸‼壱ノ型』
「させるか‼」
『術式展開‼終式』
このタイミングで‼技を切り替えることは出来ない…………まずい
「狛治さん‼」
突然誰かの声が聞こえた。その瞬間、猗窩座の動きが止まり、驚いた顔をしていた。
「………………■■■」
猗窩座side
俺はまた甦った。罰を受けるはずなのに…………
甦らせた奴は言った。協力すれば願いを叶えると………………
そんな言葉に乗る奴なんていない…………
だが俺には一つだけあった。それは…………
「俺の婚約者である恋雪がこの世界に現れたら…………彼女が幸せになってもらいたい。そして俺は…………戦いで死ぬ」
『それでいいのか?お前は鬼でも幸せになる資格はあるはずだ』
「ない……俺はもう彼女と同じ道を歩むことは出来ない…………」
『分かった…………それが契約だ』
最初は恩人も愛しい人もいなくなり、失意の中で死んだ
二回目は、俺の記憶を思い出させてくれたことに……大切な人を思い出させてくれたことに感謝をして、死んだ。
三回目は……………………
いつまでも死は来ない…………気がつくと、寸前のところで橘紫乃は刀を止めていた
「何故……殺さない」
「死に際の台詞が…………幸せにじゃねぇよ…………あんたを殺すなんて……出来るか‼」
「……だが」
「悪いけど……この戦いは僕の勝ちだ‼勝者の言うことを聞いてもらうぞ‼」
「お前の……言うことを?」
「生きろ‼あの人がお前の何なのかは知らないけど…………ちゃんと幸せにして…………それから死ね‼」
橘紫乃はそう言って、そのまま倒れ込んだ。限界まで戦ったからだ…………
幸せにしてから死ね……か……
「狛治さん……」
「…………俺は人ではない…………恋雪……それでも」
「はい……貴方が背負った罪は私も背負います…………貴方が鬼になったのなら……私も鬼になって……今度は貴方と共に生きます」
恋雪は笑顔でそう告げる…………俺に…………
「幸せになる資格はあるのか……幸せにする資格はあるのか?」
「はい……狛治さん」
恋雪は俺を抱き締めた。その瞬間、何故か涙が溢れだした。
紫乃side
「頑張りすぎですよ。紫乃くん」
「カナエさんが連れてきたの?」
「えぇ」
「そっか……」
猗窩座にとっては良いことだな。
「紫乃!?」
するとみんなが駆け寄ってきた。みんなも心配かけたな
「紫乃……良かった」
「凄いよ!紫乃っち、上弦の参に勝っちゃうなんて」
「あれを勝ちでいいのかな?勢いで言ったけど……」
「…………あの人たち……幸せになれるかな?」
のどかは心配そうにしていた。確かに鬼と人だからな…………するとカナエさんは
「大丈夫よ。しのぶから鬼から人に戻す薬があるから……時間がかかるけど…………」
ちゃんと幸せになれるのか…………
それならいいかな
月鬼side
「…………」
「月鬼、黒死牟……猗窩座は死んだ。そう報告する。異論はないな」
「…………もしも奴が今度現れたときは…………猗窩座ではなく狛治として戦う」
「…………」
二人の話が入ってこない…………俺にもあの二人みたいに幸せになることはあるのか…………
これにてオリスト終わりです。
次回は本編に戻ります
あとヒープリ本編がどんな感じになるか分かりませんが……一応最後らへんの戦いについては思い付いてます