ヒーリングっど♥プリキュア 雪の呼吸の使い手   作:水甲

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75 ペギタン行方不明事件(命名アスミ)

ペギタンside

 

ある日の事、ちゆと一緒に映画を観ていたけど……怖いシーンでつい、ビックリしてしまった

 

「はー面白かった!……だから見ない方がいいって言ったのに……ペギタン?平気?」

 

「へ、平気ってペエ!全然怖くなかったペエ!CGがいまいちだったペエ。いきなりババンッと出すのは怖いんじゃなくって、ビックリなだけペエ。それにそれに……」

 

ふっとちゆが僕の頭を撫で……

 

「ふふ、可愛い」

 

か……可愛い……!?僕はショックだった……可愛いって……可愛いって……

 

 

 

 

 

 

ショックのあまり、僕は近くの公園のベンチで落ち込んでいた

 

「はぁ~いつまで経っても僕は弱虫のままだペエ……可愛いじゃなくって格好いいって言われたいペエ」

 

紫乃みたいにかっこよく……呼吸とか使って……

 

『癒しの呼吸!』

 

って感じで……と想像していたら、女の子が僕を見つめていたことに気がついた

 

まずい……見られた?ぬいぐるみの振りをして何とか逃れないと……

 

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

カナエさんと一緒に買い物をして、その帰り道の事……

 

「紫乃!?」

 

ちゆの声が聞こえ、振り向いた瞬間、ちゆが抱きついてきた

 

「あら?私は邪魔かしら」

 

「い、いや、その……ちゆ……どうかしたのか?」

 

「ペギタンが……ペギタンが……」

 

ペギタンがどうかしたのか?もしかして体調崩したとか?

 

「いなくなったの!」

 

いなくなった?

 

「何処に散歩しにいったんじゃなくって?」

 

「違うの……いなくなる前まで一緒に映画を見てて……少し離れたらいなくって……探しても見つからないの……私……私……」

 

泣きじゃくるちゆを僕はなだめつつ、カナエさんにあることを頼んだ

 

「のどかたちに頼もう」

 

「そうね。人が多い方がいいわ」

 

ちゆをこんなに心配かけさせて……ペギタンは一体何処に……

 

 

 

 

 

 

 

ペギタンside

 

まさか女の子にお持ち帰りされるなんて……

 

ぬいぐるみだと思ってもらえたのラッキーだったけど……捨てられたぬいぐるみだと思われたの予想外だった……

 

どうすればいいのか考えていると、女の子は僕の事を見つめ……

 

「ジョセフィーヌ?貴方は今日からジョセフィーヌだよ。私はりり、よろしくね」

 

それから僕は着せ替えやら色々とさせられていた。

 

このままバレないようにしていたら、お腹がなり……

 

「えっ?もしかして野生ペンギンさん?それとも迷いペンギンさん?どっちでもいいけど、すごーい、本物のペンギンさんだぁ~」

 

りりちゃんは僕を持ってクルクル回りだした。ヒーリングアニマルだってばれなかったから良かったけど……これは本当に予想外だった

 

 

それから何とか脱出しようとしたけど、部屋の窓の外には……ドーベルマンが三匹いて、怖くって逃げられなかった。

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

のどかとひなたの二人と合流し、ペギタンを探しているけど見つからない……

 

のどかは自販機の下を覗いたり、ひなたはメガホンを使って呼んでるけど……

 

「ちゆ……大丈夫か?」

 

「……えぇ」

 

ちゆの顔は暗いままだった。

 

「たくっ、パートナーに心配かけて、何やってるんだ?ペギタンの奴」

 

「悪いのは……私……」

 

ちゆ……

 

「ただいま戻りました」

 

するとアスミがラテを連れてやって来た。まさかと思うけど……

 

「嗅覚探偵ラテ様の登場ラビ!」

 

嗅覚ならラテと炭治郎じゃないのかと思うけど……炭治郎は今は出掛けてるし…………

 

「アスミ、何か手がかりはあったのか?」

 

「はい……それが……」

 

 

 

 

 

 

アスミに案内された場所は公園のベンチだった。ラテの話では匂いがそこで途切れていて、誰かに連れていかれたらしい

 

「ペギタン……」

 

「…………今日はもう遅いから帰ろう」

 

僕がそう告げると、のどかとひなたとアスミの三人は頷き……

 

「カナエさん、みんなの事送ってあげて」

 

「えぇ、紫乃くんはちゆちゃんの側にいてあげて」

 

みんなと別れて、僕はちゆを抱き締めた

 

「大丈夫……明日また探してみよう」

 

「でも……もしも何かあったら……」

 

「ペギタンなら大丈夫。ちゆから勇気を貰ってるから…………何かあっても大丈夫だよ」

 

「紫乃……」

 

「と言うか気にしすぎだよ……何があったのか分からないけど……」

 

「昼間にペギタンと一緒に映画を見てて……怖がってるのに強がってるペギタンに私……可愛いって言ったの……もしかしたらそれでペギタンを傷つけて……外に出たんだと思うの……」

 

ペギタン……かっこよく思われたいからな。

 

「大丈夫……必ず見つけるから……」

 

「紫乃……」

 

ここまでちゆに心配かけて……本当にどこにいるんだ?と言うか……

 

「でも少し嫉妬してる」

 

「えっ?」

 

「ちゆにここまで心配されるペギタンが羨ましいよ……」

 

「ふふ、紫乃ったら」

 

ようやく笑った。やっぱりちゆは笑顔が似合うな

 

「紫乃がいなくなったら……私きっと……ずっと泣いてると思うの」

 

「ちゆ……」

 

「大好きな人がいなくなる……それだけで本当に辛いから……」

 

「そっか……」

 

嬉しいことを言ってくれているけど……それでもちゆにそんな思いをさせたくないと思う僕であった。


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