しのぶside
ある日の事、紫乃くんの血を調べていて、気がついたら朝を迎えていた。私は外に出て背伸びをする。
「流石に徹夜は厳しいですね」
比較的に夜行動することが多かったけど……この世界に来てからはちゃんと寝るようにしている。
それだけ、この世界は平和だということ……
「朝食を食べたら……少し寝ようかしら?」
一人でそんなことを呟いていると……
「あの!しのぶさん!」
訪ねてきたのは、のどかちゃんだった。いつもならもう少ししてからランニングするはずなのに……こんなに早くから?
「おはようございます。どうしたの?今日は早いけど……」
「お願いがあるんです」
「お願い?」
「私に呼吸法を教えてください!」
「はい?」
今朝ののどかちゃんからの申し出を私は考えさせてと伝えたけど……一体何があったのだろうか?
そんなことを考えながら、アスミさんたちの話を聞いていた。
「のどかがランニングに熱心なのはいいことじゃねぇの?」
「でもついこの間ラビ!メガパーツのせいで苦しんだのは……ハードな運動は少し心配ラビ……」
「そうね……それにあの子……私に呼吸法を教えてくださいって頼み込んできたわ」
「そうラビ!?」
「だけどよ。才能とかの問題だろ。しのぶたちが使ってるの」
「誰にも使えるって訳じゃないって聞いたペエ」
「えぇ、私も考えさせてと伝えたけど……後々みんなにも聞いたら……同じことを頼み込んだと……」
あの不死川さんにまで頼むなんて相当なものだ。一応紫乃くんには内密にはしてある
「あれじゃねぇのか?ダルイゼンの」
ニャトランの言うように……ダルイゼンがまさかのどかちゃんから生まれた存在……それに生き物から生まれると言うこと……
そして……鬼神……あの時私たちは何も出来ずに動けなくなった。まるでそう命じられたように…………
あの後、宇髄さんと善逸くんから聞かされたのは……小さく息をはいただけとの事…………毒にやられた?それとも…………
「しのぶ?」
「あ、何でしょう?」
「今からのどかのストレスを発散のために何か出来ないか探しましょう」
ストレスが原因……なのか分からないけど、私はそれに付き合うのであった。
紫乃side
「ふぁ~」
移動教室のため、廊下を歩いているとのどかが大きな欠伸をした。
「昨日夜、遅かったの?」
「ううん、早かったよ」
「えぇ!?じゃあ昨日のドラマ見なかったの?」
他愛のない話をする中、僕はあることが気になっていた。
「お前も一緒に行動するなんてな」
僕の隣を歩くのは一青だった。ひなたが戦うとき戦うし、普段は普段通りにすると約束したらしいけど…………
「仕方ないだろ。普段通りにしようとしたら…………『いーくんも、行くよ~』って連れ出されてるんだからな」
「…………ひなたは何を考えてるんだ?」
いつも通りなのにいつも通りじゃない気がする。
「おい」
すると後ろから声をかけられた。あれは……
「あぁごめんごめん」
「気を付けろよ。傷ひとつで音が変わる。それと廊下を塞ぐように歩くのは止めてくれるか?」
それだけ言って去っていった。
「ひぃ~やっぱ怖いわ……吹奏の王子さま」
「すいそう?水槽の王子さま?人魚?」
明らかに違うことを思い浮かべるのどか。後ちゆも受けてるし……
「違う違う!吹奏って、吹奏楽部の吹奏。今のは菅原有斗くんって言って、楽器の演奏が上手くてうちの学校じゃ有名なんだよ~」
「そうなんだ~」
「でもね…クールでストイックで同じクラブのメンバーから怖がられてるって話……」
「それだけ音楽に対して熱心って事だよ!」
今度はクラスメイトの……金森ことえが話に入ってきた。
「ことえっち」
「金森さん」
金森さんを交えながら、吹奏楽部の話を聞いていた。
金森さんはトランペット担当で、菅原はそのパートリーダーらしい。
「金森さん、先週まで休んでいたけど、もういいの?確か風邪をこじらせたって先生が……」
「もう大丈夫。定期演奏会前なのに体調崩しちゃって最低だよ」
すると金森さんも欠伸をした。
「寝不足?」
「ちょっとね……花寺さんも眠くないの?あんな時間、私だけかと思って驚いちゃった」
あんな時間?何かのどかの奴……隠してる?
「…………」
一青も何か勘づいてるみたいだし…………
しのぶside
アスミたちと一緒に海に来た私。ペギタン曰くここがちゆちゃんにとってストレス発散の場所らしい。
「ここがちゆのストレス発散と言うか気分転換スポットペエ。この間も……」
ペギタン曰くちゆちゃんはペギタンのラップがみたいと叫んだらしい。それを聞いたペギタンは食器にかけるラップだと勘違いしたらしい
「yo、yo、ラテの寝顔は最高。月の光は月光。どっちも素敵で結構。チェケラ」
アスミがお手本を見せてくれたけど……この子は本当に何で覚えてるのかしら?