現実世界で遊戯王!   作:たけぽん

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6. 金髪リア充と遊戯王(中編)

先攻 五和ダイゴ ライフ8000 手札5枚  デッキ60枚 エクストラデッキ 10枚

後攻 武藤ハルカ ライフ8000 手札5枚  デッキ40枚 エクストラデッキ15枚

 

第1ターン

 

「先攻はお前からでいいぞ」

「お、あざす!それじゃあ俺のターン!ドロー……はないと」

 

さて、五和はどんなデッキを組んだのやら……。

 

「お!いい手札だぜ!俺はマジックカード隣の芝刈りを発動!自分と相手のデッキの差分カードを墓地に送るぜ!」

「え?」

 

し、芝刈りだと?確かにそこまで高いカードではないが、問題は五和が芝刈りを買ったうえでデッキを60枚にしたところだ。つまり、こいつは芝刈りの使い方や強さをさっきの20分程度で理解したということになる。

 

「お、おい?俺なんか間違ったか?」

「いや、別に問題ないぞ。えっと、俺のデッキは初手5枚引いて35枚だ」

「俺は初手5枚引いて55枚だから20枚墓地へ送るぜ!」

 

五和はデッキの上から20枚数えてからそれを表替えして墓地に置く。

 

「えーっと、そんでまだモンスターを召喚してないから……モンスターをセットしてターンエンドだ!」

 

五和 手札 3枚 フィールド 裏側守備モンスター 伏せカード なし

 

第2ターン

 

「俺のターン。ドロー」

 

さて、五和のフィールドには裏守備モンスターが一体で伏せカードは無し。だが、隣の芝刈りで増えた20枚の墓地がある。五和が芝刈りを真に理解しているのなら、墓地で発動するカードがふんだんに入っているはずだ。

 

「五和、墓地を見せてもらっていいか?」

「え?ああいいよ。ほい」

 

渡された墓地のカードをなるべくすばやく確認する。

 

「……なるほど。そういうデッキか」

「え、もう俺の手ばれたの?」

「まあ、とりあえずゲームを続けよう。俺はスタンバイフェイズからメインフェイズに入る。手札から炎舞天キを発動。発動時の効果処理により、デッキから獣戦士族を手札に加える。俺が加えるのは十二獣モルモラットだ」

「十二獣ってことはあと十一種類もいるのか?」

「まあカードとして存在はしてるな」

 

一人獄中だけど。

 

「俺は今加えたモルモラットを召喚。効果発動。デッキから十二獣カードを墓地へ送る。十二獣サラブレードを墓地へ」

「ネズミとサラブレ―ド……馬か!」

「そして俺はモルモラット一体でエクシーズ召喚。十二獣ハマーコング」

「え?おい、ちょっと待て!エクシーズ召喚ってモンスター2体以上を重ねて出すんじゃないのか?」

「十二獣エクシーズモンスターは共通効果として同名以外の十二獣モンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる」

「なんで?」

「そういうカードだからだ」

「なんじゃそりゃ!」

 

まあ、俺も激しく同意するが、できる以上使うのがデュエリストだ。

 

「それじゃあハマーコングの上タイグリスを、その上にワイルドボウを、その上にライカを重ねる」

「お、おい!そのモンスター素材何枚あるんだよ!」

「現在4枚だ」

「すげーな……」

「それじゃあライカの効果。素材を一つ使い墓地の十二獣を特殊召喚。今墓地へ送ったタイグリスを蘇生。そしてライカの上にドランシアを重ねてエクシーズ召喚」

 

投獄されていた経験もある最強の十二獣も今じゃ制限カードだ。

 

「それじゃあここでマジックカード、エクシーズギフトを発動。場にエクシーズモンスターが2体以上いるとき、素材を2つ取り除いてカードを2枚ドローする」

「条件付きの強欲な壺ってことか」

「俺はドランシアとタイグリス、同じ種族のモンスター二体でリンク召喚。アカシックマジシャン」

 

リンク先のモンスターを手札に戻す効果は使えないが、このデッキでのアカシックの役割は魔法使いであることだ。

 

「俺はアカシックマジシャンをリリースし、沈黙の魔術師サイレントマジシャンを特殊召喚。こいつは魔法を一ターンに一度無効にする効果と、手札一枚に付き攻撃力が500ポイント上昇する効果がある」

「え、武藤の手札は5枚もあるぜ?」

「よって攻撃力は3500だ」

「3500!?俺のヴァレルロードよりも攻撃力が高いじゃねーか!」

 

まだヴァレルロードは出てないけどな。

 

「それじゃあバトルフェイズ。サイレントマジシャンでセットモンスターを攻撃」

「セットモンスターはクリッターだ!墓地へ送られたことでデッキからジェットシンクロンを手札に加えるぜ!」

 

そういえばジェットも最近再録されて値段下がったんだったな。

 

「俺はカードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

 

ハルカ 手札 4枚 フィールド 沈黙の魔術師サイレントマジシャン(攻撃表示)

伏せカード 一枚 炎舞天キ

 

第3ターン

 

「俺のターン、ドロー!」

 

五和はドローしたカードと手札のカードを見比べて小さく唸る。

 

「えーっと、サイレントマジシャンは魔法を無効化するんだよな?」

「ああ」

「てことはむやみに魔法を打つと無駄になるのか……うーん」

「焦らなくても、ゆっくり考えろ」

「よし、これだ!俺はジェットシンクロンを召喚!そしてこいつを素材に転生炎獣アルミラージをリンク召喚!」

 

この店のストレージすげえな。優良カード多すぎるぞ。

 

「そして手札を一枚捨ててジェットシンクロンを墓地から特殊召喚!さらに墓地へ送ったドットスケーパーを特殊召喚!」

「これでレベル1が2体か」

「俺はこの二体でエクシーズ召喚!ゴーストリックデュラハン!」

 

デュラハン。ランク1ながら強力なカードだ。

 

「デュラハンはゴーストリックカードの数だけパワーアップ!攻撃力1200だ!そして効果発動!サイレントマジシャンの攻撃力を半分に!」

 

魔法カードを使わずにサイレントマジシャンの攻撃力を下げてきたか。これで攻撃力は1500、そして五和の墓地には……。

 

「バトル!デュラハンでサイレントマジシャンを攻撃!そして墓地からトラップカードスキルサクセサーを発動!攻撃力800ポイントアップだ!」

 

サイレントマジシャンは破壊されてしまう。

 

ハルカLP8000→7500

 

「サイレントマジシャンの効果。破壊されたとき、デッキからサイレントマジシャンLV8を特殊召喚する」

「ええ、せっかく倒したのに……って攻撃力3500!?つ、強いなそのカード……」

『えっへん!』

 

隣にいるサイマジが得意げに胸を張るが、五和には見えるはずもないので俺も特に何も言わずにプレイを続行する。

 

「それじゃあメインフェイズ2で、アルミラージ一体でリンク召喚!セキュアガードナー!」

 

セキュアガードナーがいると、一ターンに一度効果か戦闘によるダメージが0にされてしまう。低い攻撃力のモンスターたちの弱点を補う。とてもよく考えられたコンボだ。

これで復帰勢っていうんだから恐ろしい。遊戯王部でどんなスパルタ指導を受けたのやら。

 

「これでターンエンドだぜ!」

 

五和 手札 3枚  フィールド セキュアガードナー(エクストラモンスターゾーン)

ゴーストリックデュラハン(攻撃表示)

伏せカード なし

 

第4ターン

 

「ドロー」

 

さて、先手を取られてしまったが、俺の場にはサイレントマジシャンLV8がいる。

手札も5枚あるしまだまだこれからだ。

とはいえ、セキュアガードナーをどかさないとダメージは通らないし、デュラハンの効果は誘発即時効果。こちらが攻撃するタイミングで使ってくるはずだ。

ならば、俺の一手は……。

 

「貪欲な壺を発動。墓地のライカ、ハマーコング、ワイルドボウ、ドランシア、サイレントマジシャンをデッキに戻して2枚ドローする」

「めっちゃドローするなあ」

 

墓地から選んだカードをエクストラとメインデッキにそれぞれ戻してシャッフルし、五和にカットしてもらって2枚引く。

 

「トラップカード、エクシーズリボーン発動。墓地からタイグリスを蘇生して、このカードをエクシーズ素材にする」

「げ、さっき貪欲な壺で戻したカードがまた……」

「その通り。タイグリスにハマーコングを重ねて、その上にワイルドボウ、ライカ。ライカの上にドランシアを重ねてエクシーズ召喚」

 

さっきは表側のカードがなくて使えなかったが、今度はドランシアの効果を使える。

 

「ドランシアの効果。素材を取り除き、セキュアガードナーを破壊」

「ああ、せっかく出したのに」

「バトルフェイズ!サイレントマジシャンでデュラハンを攻撃!」

「なら、デュラハンの効果発動!サイレントマジシャンの攻撃力を半分に!」

「速攻魔法、禁じられた聖杯発動。デュラハンの効果を無効にし、攻撃力を400アップする」

「えーとそれじゃあデュラハンの攻撃力は……?」

「自身の上昇効果が消えて1000.そこに聖杯で400プラスして1400だ」

「って、どっちにしろ大ダメージじゃん!」

 

 

五和LP8000→5900

 

「メインフェイズ2。俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

ハルカ 手札5枚 フィールド サイレントマジシャンLV8(攻撃表示)十二獣ドランシア(守備表示 素材4つ) 伏せカード1枚 炎舞天キ

 

第5ターン

 

「俺のターン!よし!いいカードを引いたぜ!マジックカード、終わりの始まり!」

 

終わりの始まりは、墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合そのうち5体を除外してカードを3枚ドローするスーパードローカードだ。

 

「えーと、墓地からデュラハン、ダークアームドドラゴン、ダークネクロフィア、終末の騎士、金華猫を除外して3枚ドローだ!」

 

これで五和の手札は6枚。一体何を繰り出してくるか……。

 

「俺は手札から金華猫を召喚!その効果で墓地のレベル1モンスター、クリボールを特殊召喚!」

 

またランク1のエクシーズモンスターを出すつもりなのか、それとも……。

 

 

「そしてここで地獄の暴走召喚を発動!デッキ、手札、墓地からクリボールを増殖させる!」

 

なんか言い回しがどこぞの王様っぽいが、うまいコンボだ。こちらのフィールドのサイレントマジシャンとドランシアは特定条件下でしか場に出せないモンスターなので、暴走召喚で増やすことはできない。

 

「よっしゃ!これでモンスターが4体だぜ!ようやくヴァレルロードが……」

「ドランシアの効果。素材を一つ使い金華猫を破壊する」

「えええ!そいつ相手ターンでも使えんのかよ!」

 

そりゃあ当時環境を蹂躙した十二獣のトップレアカードだし、これくらいのカードパワーは普通……と思うのは俺が遊戯王に毒される証拠だな。

 

「うう……金華猫は墓地へ……くそう!武藤容赦ねえなあ!」

「ヴァレルロードになられるとドランシアじゃ対処できないからな」

「うわーマスターこわーい」

「……」

「ひっ!ご、ごめんなさい!許してください!」

 

サイマジをにらんで黙らせてから、俺は再びフィールドに目を向ける。

 

「じゃあしょうがねえ、俺は3体のクリボールでエクシーズ召喚!LLアセンブリーナイチンゲール!」

 

俺はそのモンスターの登場に少し口角が上がる。カードのチョイスが面白いなこいつ。

 

「アセンブリーナイチンゲールは素材一つに付き攻撃力が200アップし、素材の数だけ相手に直接攻撃ができる!いくぜ!三回連続攻撃!」

 

ハルカLP7500→6900→6300→5700

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

五和 手札 2枚  フィールド LLアセンブリーナイチンゲール(攻撃表示 素材3つ)

伏せカード 2枚

 

第6ターン

 

「俺のターン。ドロー」

 

アセンブリーナイチンゲールを放置しておけば俺のライフは毎ターン確実に削られる。だがあの伏せカード……。正直、もう五和を素人扱いするのは危険だ。どうやらカードの経験は浅くてもこいつはもともと頭がいいらしい。

 

「手札から刻剣の魔術師を召喚」

「お!これがペンデュラムモンスターだな!」

 

まあ、このデッキだとあんまりペンデュラム召喚はしないんだが。

 

「刻剣の魔術師の効果。このモンスターとフィールドのモンスター一体を次の俺のスタンバイフェイズまで除外する。対象はアセンブリーナイチンゲール」

「やべ、除外されたらエクシーズ素材は墓地に行くんだよな?」

「ああ」

「じゃあここでアセンブリーナイチンゲールの効果!素材を一つ使いターン終了時まで俺が受けるダメージは0になる!」

 

当然そう来ることは分かっていた。だが、場に居座られて3ターンも効果を使われるのは面倒だ。

 

「それじゃあ俺はこれでターンエンドだ」

 

ハルカ 手札  5枚 フィールド サイレントマジシャンLV8 十二獣ドランシア

伏せカード 一枚 炎舞天キ 除外ゾーン 刻剣の魔術師 

 

第7ターン

 

「俺のターン!」

 

さあ、次はどうくるんだ五和。

 

「ターンエンドだ」

『えええ!次のターンマスターが攻撃したら大ダメージですよ!?』

 

サイマジは驚いているようだが、五和の墓地の内容を知っている俺は素直に喜ぶことはできなかった。フィールドにモンスターこそないが、大量の墓地と2枚の伏せカード。つまり五和は攻撃を誘っているのだ。

 

五和 手札 3枚 フィールド モンスターなし 伏せカード2枚

除外ゾーン LLアセンブリーナイチンゲール

 

第8ターン

 

「ドロー。」

 

さて、このまま五和の思惑通り攻撃するか否か。攻撃宣言すれば十中八九あのカードが発動する。そうなると状況はがらりと変わる。

 

「スタンバイフェイズ。刻剣の魔術師とアセンブリーナイチンゲールはフィールドに戻る」

 

だが、攻撃しなければ延々とターンが進むだけだ。それなら一枚でも多くカードを消費させるべきだろう。

 

「……バトルフェイズ!サイレントマジシャンでアセンブリーナイチンゲールを攻撃!」

「攻撃宣言時、墓地のクリボーンの効果!このカードを除外し、墓地からクリボーモンスターを任意の数だけ特殊召喚する!墓地からクリボール2体を攻撃表示で特殊召喚!」

 

これが五和が芝刈りで墓地を増やした一番の目的。墓地にクリボーモンスターをため込み、クリボーンで壁にする。芝刈りクリボーというデッキを短時間で作り上げたのだ。

 

「だが、サイレントマジシャンの攻撃は止まらない!」

「まだだ!トラップ発動!スウィッチヒーロー!」

「何……?」

「お互いのフィールドのモンスターが同じ数の時、そのコントロールをすべて入れ替える!」

「ならば、ドランシアの効果!フィールドの表側カードを一枚破壊する!対象は……」

 

どうする?とにかくモンスターの数が変わればスウィッチヒーローは不発。だがもしドランシアの効果で選んだ五和のモンスターを何らかの手段で守られれば、スウィッチヒーローは成功してしまう。その場合一番困るのはサイレントマジシャンが向こうのフィールドに移ること。攻撃力3500で魔法効果を一切受け付けないこいつと素材が残っているドランシアをセットで渡してしまえば大ピンチだ。だから、選ぶならドランシアかサイレントマジシャンのどちらかだ。

 

「……サイレントマジシャンを破壊する」

「ここで自分のエースを選ぶなんて、やっぱ武藤はすげーな!でも、俺の狙いはこっちだ!トラップ発動!ギブアンドテイク!」

「なっ!?」

「俺の墓地からモンスター一体を相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、そのレベル分、クリボール一体のレベルをアップする!甦れ、速攻のかかし!」

 

ここでチェーンは組み終わり、逆順処理が行われる。まず、ギブアンドテイクで俺の場に速攻のかかしが特殊召喚され、クリボール一体のレベルが1上がる。そしてドランシアの効果でサイレントマジシャンが破壊され、最後にスウィッチヒーローの効果で俺の場のドランシア、刻剣の魔術師、速攻のかかしと五和の場のアセンブリーナイチンゲールと攻撃表示のクリボール2体のコントロールが入れ替わる。

 

「くそー、せっかく攻撃力の高いサイレントマジシャンを奪えると思ったのに!」

「自分のカードは自分で葬る」

「なんか聞いたことあるセリフだ!」

 

さて、冗談言ってる場合じゃないな。こちら側のクリボール2体とアセンブリーはすべて攻撃表示。しかもアセンブリー以外はこのターン守備表示にできない。つまり、攻撃力の低いモンスターをさらしたまま五和のターンを迎えなければならないのだ。

この状況をなんとかするには……。

 

「俺はアセンブリーを守備表示に。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

ハルカ 手札5枚  フィールド アセンブリーナイチンゲール(守備表示)クリボール×2(攻撃表示)伏せカード 2枚 炎舞天キ

 

 

 

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