藤丸立香の親友   作:メイディ・クロッセル

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『空白の一年』の真実

  

 

 立香がマシュやエミヤを結に紹介することになった。

 

「この子が私の後輩のマシュ。で、こっちのスーツ着た大人がエミヤだよ。マシュ、この子が私の親友の結。きっと友達になれると思うよ。」

 

「えっと、マシュ・キリエライトです。先輩の後輩でえっと、その…」

 

「か、可愛い〜!!鏡宮結だよ、よろしくね!マシュちゃんすごい日本語上手だね!」

 

「は、はい、よろしくお願いします。日本語は先輩に教わりましたから…」

 

マシュは初めて会う結のフレンドリーさに戸惑っているようだ。結はそんなのお構いなしに絡んでいく。

 

「何この子めっちゃ可愛い、こんないい子がりっちゃんの後輩?!なにしたの、りっちゃん!」

 

「ひ、人聞きの悪い!ふつーにだよふつーに!」

 

結はマシュを見て、立香に詰め寄った。半年間会っていなくてもこんな風に話せるのは互いに信頼し合っているからだろう。ぎゃあぎゃあ騒いでいるところにエミヤが声をかける。

 

「ごほん、私はエミヤと言う。カルデアの職員で、マシュの護衛として来た。よろしく頼む。」

 

「あ、はい。鏡宮結です、りっちゃんがいつもお世話になっています。

 

えっと、何人で来られてますか?三人?」

 

「五人だよー。っっっ!」

 

何馬鹿正直に答えている、マスター!!と言う目線でエミヤが立花をみる。他の二人は霊体化しているため、見えているのは三人なのである。立香も途中で気付いたのか、慌てて口を塞ぐ。

 

「五人かー、なら私の家に泊まる?今お兄ちゃんとか居ないから、部屋結構空いてるよ。それにいっぱい話したいしねー。」

 

結は立香達の様子に気付かず、泊まる場所の提案をする。

 

「いいの?やったあ、結の家広いし綺麗なんだよねー!」

 

「おいおい、マ、いや藤丸、2週間程日本にいる予定なんだぞ?しかも三人は男だ。いきなり初対面の男をレディの家に泊まらせたらまずいだろう。図々しいぞ。」

 

「いえいえー大丈夫ですよ。無駄に部屋空いてるし、しょっちゅうお客さんが泊まったりするので。」

 

「そうか…ならお言葉に甘えさせて頂こう。何か手伝える事があったら言ってくれ。」

 

「お客様にそんな事させませんって!あ、でもりっちゃんだけはお泊まり三箇条を守ること!覚えてる?お泊まりの時のルール。はい、言ってみて、ひと〜つ!」

 

「はい!私は食器を洗います!

私は目覚ましで起きます!

私は神棚にお祈りを捧げます!」

 

「よくできました!」

 

いや、なんだそれは?!普通のことだろう!?あ、でも最後は違うのか?エミヤはツッコミを抑えるのが大変だった。マスターはよく泊まっていたのだろうか、食事までお世話になるつもりなのかなど言いたいことはあるが、結の手前ぐっと我慢した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結の家に着くと辺りは暗くなり始めており、観光は明日することになった。移動している間にロード・エルメロイ二世とロビンは紹介を済ませ、結とマシュはすっかり仲良くなっていた。結は二人からカルデアについて聞いていた。

 カルデアには個性的な人物しかいないのだろうか。なんだ、愛する=殺すって。いや、それを受け止める人も凄いのだが。きっと立香やエミヤさんも苦労したんだろう。だって目が遠いところを見ているんだもの。ちなみにロビンは立香も苦労をかける側の時があったと結にこっそり教えていた。

 

「お邪魔しま〜す!うーんやっぱり結の家は実家って感じがするなぁ」

 

(マスター、この家はなんだ?神秘がかなり濃いぞ。それもこれは…)

 

(え?そう?いつも来ているから分からないな。うーん、神棚があるからじゃないかな?)

 

(だといいが…)

 

立香とロード・エルメロイ二世は念話で他の人に聞こえないように話す。実はこの家、結が巫女として行ったことのある神降ろしの影響で一種の神域となっていたのである。

 

 当初エミヤ達は他のサーヴァントから、マスターの友人を見定めてくるようにと言われていた。もし、マスターに何かあったらただでは置かないとも。

 時代が違うロビンや、魔術師として生きて来たロード・エルメロイ二世にとって結の立香やマシュへのスキンシップは普通なのかどうか分からなかったが、エミヤは結に対して危険はないとの判断を下した。

 

「ねえ、結。後で話があるんだけど…」

 

立香がそう切り出し、周りの反応を見るとロード・エルメロイ二世は渋い顔をしながら許可を出した。立香と結は少し離れた部屋へと入っていく。

 結は立香が緊張しているのが分かり、よっぽど重要な話なのだろうと背筋を正す。すると、立香が話を切り出した。

 

「『空白の一年』って知ってる?」

 

「知ってるよ?なんか一年分の時間がいつのまにか経ってたって。宇宙人の陰謀説とかあるよね。それがどうかしたの?」

 

 大事な話かと思いきやいきなり半年前に話題になった噂が出てきて結は戸惑った。

 

「うん、その『空白の一年』って本当にあったんだ。」

 

立香は語る。

半年前、人理が漂白されたこと。

カルデアだけはその影響を受けなかったこと。

カルデアは魔術師の施設であること。

いろいろな時代に特異点という歴史の変わってしまった地域ができたこと。

ロビン達は英霊と呼ばれる存在で、過去の英雄が死後に精霊化した者達であること。

黒幕であるゲーティアの目論見。

 そしてーーー人類最後のマスターである立香に英霊達が力を貸してくれて、世界を救ったこと。

 立香は嘘偽りなく、全てを話した。なぜ結に話したのか。あまり立香自身にも分かっていなかった。褒めて欲しい訳でも同情して欲しい訳でもない。ただ、話さなきゃいけないと思ったから話したのだ。

 

 一方、結はいきなりスケールの大きな話になり混乱していた。当たり前だ、留学から帰ってきた友人が世界を救ったと言い出したのだから。

しかし、立香が嘘をついているようには見えなかった。それに、世界を救ったと言いつつも、立香が小さくて潰れそうに見えたのだ。

 無理をしてきたのが分かる。立香はよく自分一人で抱え込むことがあるから。思わず立香を抱きしめた。

 

「りっちゃんが無事で良かった………。人理なんとかはよく分かんないけど、生きてて良かった、それで十分だよ。私のこともりっちゃん達が助けてくれたんでしょ?ありがとう。でも、それはそれとしてりっちゃんが怪我とかしてたら、許さないから!」

 

結は立香が生きてて良かった、と朗らかに笑う。その裏では立香傷つけた奴絶対許さないと決意したのだが。

 

 

 




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