少々変わり者の副隊長   作:魔剣グラム

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総合評価も1200超えという素晴らしいモノですね!
過去イチだ!!!


尸魂界編
侵入者の始末の悪さ


「…やっぱりかぁ…」

花鶴大砲(かかくたいほう)』を使って、堂々たる潜入(笑)をして来た侵入者達。

あまりにもド派手すぎて、逆に笑えて来る。昼間っから来るなんて、弱者は考えもしない。強者は一応考えるが、その可能性を切る。

…単にバカの所業だからだ。

…前日までに薬やら包帯やら揃ってて良かった…。

「虎徹ちゃん。後方支援だよ。『絶対に戦わない事』。コレは命令だよ」

「ハイ!!!」

1つだった光は文字通り、四散した。

俺達のいる所とは全く違う所へ飛んで行く。

やっべえ。…1つ、花太郎の近くに行ったぞ?

まぁ花太郎の担当する領域ってだけだが。

 

……………………。まっいっか。

 

良くないですぅ!!!

 

そんな声が聞こえた気がした。

気のせいだ。

それにアイツも七席。なんとかするだろ。

 

どうにもならないですぅ!!!

 

そんな声が聞こえた気がした。

最近、幻聴が酷いな。

 

よし。花太郎に思念でも送っとくか。

 

゛それ終わったら可愛がってやるよ。十一番隊的な意味で゛

 

これでよし。

「……いいどころか、悪化してませんか?」

気のせい。十割、100%、完全に気のせい。

「……さて。そろそろ十一番隊(バカ)達の治療だ。手こずる相手は俺と隊長でなんとかする。それ以外の治療を頼む」

「……わかりました」

俺は尊い犠牲(山田花太郎)に涙した。

「……顔が笑っていますよ?」

……笑いすぎて涙した。

「最低ですね!!!」

ちょっと5字、省いただけだ。

さぁお仕事の時間だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「被害はどうなってるんですか?」

雛森副隊長か。俺は手元の資料に目を落とす。

 

「被害は斑目三席と綾瀬川五席の重傷。他、十一番隊が壊滅的ですね。他隊なら『鎌鼬』が重症」

 

俺は報告を伝える。四番隊は傷の治療にあたるせいで、こんな役を押し付けられる。

「十一番隊が壊滅的な被害が出ている他、他隊も無視できない被害があり、拡大中です」

俺は欠伸を噛み殺す。こんなモンになると思っていたよ。十一番隊。護挺十三隊最強(笑)。

 

ホントはただ単純に、バカで血の気の多いヤツの集まりだ。その中でも阿散井副隊長はマシな部類だったのだろう。

 

「何か対策はないんですか!?」

慌てるな、雛森副隊長。焦りは視野を狭くする。

「この中の誰かが出る他ないでしょう。強い者には強い者をぶつける。至極当たり前の理屈です。問題は、『誰が出るか』という事」

 

俺はここで一拍おく。

 

「一応、言っておきますが、私は出られませんよ。治療部隊の陣頭指揮をとらねばなりません。その他、面倒事が起きるのであるならば、隊長が出られない場合は私が出なくてはなりません。割りと多忙ですよ」

「俺が出る」

「…阿散井くん」

自分から言ってくれて何よりだ。

副隊長の中でも強い方が出てくれて助かる。

旅禍との因縁もあるだろうしな。

 

「旅禍の目的は罪人『朽木ルキア』の奪還。それを阻止するのが我らの勤め」

 

「任せましたよ。阿散井副隊長」

 

「あぁ。任せとけ!!」

 

これで間違いなく勝てるだろう。旅禍達は副隊長の中でも下の部類だと思う。

俺や雀部さん(最古参勢)が出なくても、まず負けないだろう。

 

さてと。少し遠回りしてから帰るか。

……十一番隊の邂逅を少しでも遅らせたいんだよな。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

凄まじい爆音を撒き散らして、壁がブチ破られる。

モクモク立つ煙から、巨体がヌゥッと。

肌が浅黒く、それにもまして右腕が黒い。

 漆黒の右の(かいな)を振り回し、得体のしれない閃光を吐き出す。

 その右腕の持ち主は茶渡。本名はサドだが、仲間からはチャドと呼ばれている。

 

……S(サド)ではない。

 

その漢の前には一人の漢が立ち塞がった。

「私は八番隊第三席、副官補佐。円乗寺 辰房である!!運がなかったな!私がこの道に現れた時点で、この道は行き止まりである!!!」

筋骨隆々な漢が刀を抜くと。

 

ほぉしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃ!!!                     」

 

刀をめちゃくちゃに振り回す。ヒュンヒュン、刀が風を斬る音が激しい。

「……あれは!!!辰房さんの『崩山剣舞』!!!」

「旅禍のヤツ、手も足も出ずに突っ立ってやがる!!!さすがだ!!!」

周りからも声が上がる。

「手も足も出ないだろう!それも道理!!この辰房、いままで一度もやぶぅううううがべしッ」

 

頬に真横からマトモに拳をもらい、勢いよく吹き飛ぶ。

 

「……スマン。隙だらけだぞ」

あっけなさすぎる幕切れだった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「じゃあ、俺ならどうかな?」

漢が降り立つ。……左腕に花が描かれている腕巻と帯刀をした、そんだけの姿で俺の前に降り立った。

「四番隊、副隊長。天邪鬼(あまのじゃく)だ」

そんな事よりも俺は気になる事があった。

「……なんで全裸なんだ?」

「趣味だ」

でも、すぐにそんな事はどうでもいいと思った。思考を切り替えて、話を変える。

「そこを通してくれないか?できれば戦いたくない」

「でもここを通すワケには、俺の立場的にもいかんのよ。だから、さ」

一拍おく。

「呑もう!仲良く!今、他の隊長達も動いているとこだし、すぐにこの争いは収まるよ!!!ちょうどいい日本酒を手に入れたんだ。だからそれまで俺と一杯楽しく()ろうじゃ…」

……なんだと?

他の隊長達も動いている?

じゃあ俺も助けに行かないと。……俺程度の力でも幾分かは助けになるだろう。

「…他の隊長達も動いている?事情が変わってしまった。天邪鬼さん、今すぐそこをどいてくれ」

相手が笑う。

「……君達は旅禍だよ?わかりやすく言えば侵入者。侵入者達の都合で俺が退くワケないじゃあない。そんな事……」

 

ズドォォォォォォン

 

 

「破道の一『衝』」

バシュン

俺の技をあっさり撃ち抜いた。

 

「常識で考えたらわかるでしょ?」

 

ニコッと笑った顔はどんな表情よりも不気味に思えた。

 

 

 

ズドォォォォォン

バシュン

 

ズドォォォォォン

バシュン

 

ズドォォォォォォン

バシュン

 

 

ズドォォォォォン

バシュン

最初の一発以降、全て術で相殺されている。「一発もマトモに当たらない」んじゃあない。「一発も相手に届かない」のだ。

 

(さっきのヤツは『副官補佐』と言っていた)

 

目の前の男とは隊は違えど、階級は1つしか変わらないハズだ。

目の前には十数メートルしかない。だが俺には遥か遠くに霞んで見えた。

 

(たった1つの階級が、ここまで遠いのか…)

 

「キミの技は凄いよ。速いし、威力も人間にしては大したモンだ。…でもね。俺には届かない。それが全てさ。どんな攻撃も当たらなければ、意味なんてないよー。……それに技も、人間にしては、の話だ。死神からすると、席官くらいのモン、さ。マトモに喰らっても、俺にはちょっと痛いぐらいにしか効きゃせんし」

 

それにね。と言葉を続けられる。

 

「技には2種類ある。使用限界を超えると全く撃てなくなるものと。……命を削って、撃ち続けられるものだ。キミの技は明らかに後者だよ。悪い事は言わないから、ここで辞めときなさい。それ以上は自殺行為だよ。……イヤ。もう自殺にどんどん近付いている。俺は、若者の自殺に付き合いたくはないかな?」

 

いつの間にか、背後に。手のひらが押し当てられて。

トンッと。

ただ手首から上を倒されただけなのに、俺は吹き飛ぶ。

 

目の前の男は、隙だらけの俺の姿を見て。

……余裕そうな笑みを浮かべる。

 

「……ホ〜ラネ。圧倒的過ぎる力の差があるでしょ?俺とキミにはそんだけの差がある。見逃してあげるから逃げなさい。勝つ、負けるとかの差じゃァない。そもそも、戦いにすらならないだけの差が、厳然たる事実としてある。君が1だとしたら、俺は100万くらいの戦力差が、ねぇ。……さっきも言ったけど、俺は若者の自殺に付き合うつもりは微塵もないよ?」

 

あぁ俺がやってる事は無謀なのだろう。

……でも!

「俺は朽木を…救うために!」

 

「…あぁ。あの罪人か。現世に行ってからだから、ほんの数カ月の付き合いだね。薄い(うっす)い友情だ。…命を懸けるのに足るのかな?それとも、それを覆す何か強烈な出来事でもあったのかな?恋愛感情とか?」

 

確かに俺と朽木との友情は薄いのかもしれない。

けど。それでも。

 

「……一護が助けたいと言ってるんだ。それだけで俺には十分過ぎる理由だ!」

 

俺はその意志を自分の目に込めて睨みつける。

 

「そんだけ覚悟は決まっているのかぁ…。若者は凄いよ。簡単に覚悟が決められるんだからね。……それに恋愛でもないんだな。俺にはムリだな。友情で動く事なんか。俺は俺の自己(エゴ)のためにしか動けねぇよ。そして言う事を聞かない……。若者の特権だよね。全く頑固だよ。そんな相手にはこれ以上の問答は無粋の極みだね。……そんじゃあ一つ良いことを教えてあげよう」

 

 

 朽木ルキアって娘は双殛っていう処刑台で処刑される。今は殱罪宮っていう白い塔にいるハズだ。

 

 

「……なんでそんな事を、俺に教えてくれるんだ?」

「冥土の土産だよ。そんじゃあそろそろ。」

 

 

相手が刀を抜いた。ゾクリと全身の産毛が総毛立つ。

だが俺は行く。俺の全てを掛けて。

 

 

俺の全てを、魂を、この『壱撃』に籠めて。

 

 

気がついたら胸に銀が生えていた。

「ゴメンよ。キミの自己(エゴ)を認められなくて。……俺の事は赦さないでくれ」

そのまま血が吹き出る。

俺の意識はそこで途切れた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いやはや。予想外だったね。

まさか旅禍の少年がここまで戦えるとは。

後ろを向くと。

 

まるで融解したかのような壁が視界に飛び込む。

「コイツは、不意打ちで喰らったらケガしたかもなぁ…」

籠めた一撃は怖い。

覚悟を、人生を、全てをその一撃に籠める。それができる漢は例外なく強者だ。

 

まざまざと実感していると。俺の側に1つ影が降りる。

「…警裏隊か。一体何用かな?」

地獄蝶で十分な伝令をわざわざ人を送り込んで来るとはね。

「それだけ重要事項なんだろうね?」

「ハイ!…藍染隊長がお亡くなりになられました」

は?

……。冗談キツいぜ。

「死亡確認は誰が?」

「卯ノ花隊長と伺っております」

ウチの隊長なら、問題ねぇな。俺がやる意味もねぇ。

「そうか。残念だ」

「ハ。後の五番隊の隊長については追って連絡があるそうです」

また荒れそうだぞ…。

特に雛森副隊長。あの女、藍染隊長に憧れてたからな。

憧れの君が死んだら、と思うと簡単に予測がつく。

……十中八九面倒な事になる。

あゝ、暴れるだろうな。

「…はぁ。平和が早く訪れないかね…」

その言葉はゆっくり空気に溶けていった。

 

 

 

 

 




過去イチで遊びました。特に縦書きの部分。
いや〜原作通り進めればいいのって楽ですよね。
あと、主人公の本名が出ました。
テキトーに決めた割りには、斬魄刀の能力も噛み合ってると思います。
主人公にこう言わせたいですね。
『チャドの霊圧が…消えた?』
双極の極の字が出てこなかったので、2文字に分けて記載してみました。出てくる人、ください。

この男にもっと頑張って欲しいか。

  • ……頑張って欲しい。
  • 頑張らなくていいよ
  • 投稿時間は一定がいい
  • どうなっても完結してほしいぬ。
  • 打ち切り希望。
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