フツーに面白くて好き。
「…朽木ルキア?」
虎徹ちゃんの持ってきた資料に目を通しながら、呟く。
虎徹ちゃんは四番隊『副官補佐』。つまりは俺の補佐をするのが仕事だ。
「はい。どうやら幼馴染みたいですね。その人が現世で行方不明になったらしくて」
なるほどなるほど。仲が良かったのか。それでか。
「…っ。朽木って事は…?」
「朽木隊長が養子にとったみたいですよ」
…あの決まりと誇りの
「…それで、なんで私がこんな事を調べさせられているんですか?仕事はあらかた片付いたからいいんですけど」
…そこを疑問に思うか。まぁ当然っちゃあ当然だが。
「こないだ、副隊長の顔合わせがあってな。そこでヤケに
そう言ったら、虎徹ちゃんがため息をついた。
「またいつもの病気ですか」
だって気になるだろ。それに。
「俺の
また嘆息する俺の補佐官。
「…副隊長の先輩っているんですか?」
「総隊長とウチの隊長ぐらいかな」
護挺十三隊に入った第一期生だからな。
俺は最初の
…同期はみんな死んだけど、先輩が2人だけ残っている。その2人は二人とも
「…千年間ずっとお節介焼いて来たんですか?」
「俺は俺のやりたい事をやりたい様ににやってきただけだ」
そんな事を1人ボソボソ言いながら、資料をめくる手は止めない。
情報を読むのは嫌いではない。かなりのスピードで読める自信がある。伊達に千年やってない。
見事なまでのスピードと正確性で読了した。いつも通りのスピードと正確性で。
虎徹ちゃんの1/3程の時間で読了したらしい。虎徹ちゃんはわずかだか、驚いている様に見えた。
「帰っていいぞ?と言うか仕事終わったら俺に資料だけ渡して帰ってくれても良いと話したハズだが…?」
「それを読んだら絶対に現世に行きたがるハズだから、止める様に言われまして」
「…誰からだ?」
「隊長からです」
…伊達に千年の付き合いではないな。
久しぶりに1人で現世に行きたかったんだが。
顔を伏せながら、俺の補佐は続ける。
「…無理にでも行きたがったら、胸を揉ませてやれとの事でした。わたしの胸1つ揉んで、
…おっぱいは2つあるから1つではないな。
あと顔は見えないが、
「…耳まで赤くなってるぞ?そんな恥ずかしいならムリする事ない」
耳が真っ赤に染まっていた。恥ずかしいのをムリして言ってくれたんだなぁ…。
冒頭部分を隊長は覚えていたに違いない。
…部下に言うなよ…。
「と、副隊長は仰るだろうから、ムリしてでも言うべきだと隊長が仰っておられました」
「俺の事、よくわかってんなあ…。伊達に千年、俺の上司やってない」
部下からの信頼を損なう様なマネは、基本しないからなぁ…。
「…全裸以外、ですか?」
「全裸も含めて、だ。やはり基本的な精神は大事にしていかんとな。あと、俺はキャラ薄いから、そこを補わないとな。全裸で」
「…ムリして補う必要あるんですか…」
そんな、信頼する部下と心温まる会話をしていると。
「副隊ちょ…きゃああああ!」
「どうした!何が起こった!」
急に執務室に入って来たウチの部下が悲鳴をあげた。
「全裸だからですよ」
「………え?」
「急に意味わかんないみたいな雰囲気出すのは辞めてください」
「………え?」
「…あ。そっか。この人そんな人でしたね」
なんかウチの三席は納得したらしい。
俺の
悲鳴をあげられて意味わからん俺。
その場を冷静に取りまとめる三席。
実にいつもの光景だなぁ…。
「…助けようか?」
「あなたが助けに入ったら、より酷くなりそうだからじっとしててください!」
よっしゃ!今の内に現世へ…!
「それと今現世へ行ったら、゛私の剣の錆になると思え゛と隊長が」
「ジッとしてます!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「相変わらずね」
「相変わらずですね」
「…はい」
雛森副隊長と松本副隊長に囲まれ、小さくなる私。
ここは酒場だ。女の副隊長と仲が良い私の話を笑って聞いてくれる。良い先輩達だ。
「…なんであんな変態副隊長に好意を持つの?」
「まぁまぁ、乱菊さん。気持ちはわからなくないでしょう?」
欲しい言葉を欲しい時にくれる男。誠実で、肝が据わってて、強くて、金持ちで、仕事もできて、ある1点を除けば評判のいい男。
…その1点で全てが台無しになってるけど。
「…私もそうですけど、救われない所を救ってくれたんですよ。その後始末まで全部してくれて、今の仕事まで斡旋してくれて」
私の好きになった男の
むりやり闇から引きずり出す。
その人が闇の住人だとしても、闇から引きずり出された後の補助までちゃんとする男は少ない。
…釣った魚には餌はあげないけど。
…たぶん釣ったっていう自覚すらないと思う。
「…私は全てを救われたんですよ。副隊長に」
あの時は触られてもいい覚悟で言った。
嫌いな男には絶対に胸を命令されても触らせないと思う。
隊長は絶対それを知ってて言ってる。
…隊長も絶対性格悪い。
…悪いのはこれだけアピールしてるのに気付かないあの男だけど。
なんでいつも全裸なの…!
「まぁ、恋は盲目っていうからね」
「乱菊さん…」
お酒が足りない!
もっと、もっとお酒ちょうだい!
「良い呑みっぷりね!イヤな事は全部呑んで吐き出しちゃいなさい!」
「全裸に恋する事のどこが変だぁ!!!」
「…それは変だと思いますけど…」
うるさいうるさいうるさい!
「雛森副隊長!」
「はい」
「呑んでください!」
「はい!?」
「今度は雛森副隊長の番です」
「…なんか虎徹ちゃん目が据わってない…?」
「ウチの隊長の事話すの?さぁ呑んで呑んで!」
「え!?乱菊さんも乗るの!?」
私ばっかりズルい!雛森副隊長も乱菊さんもたっぷり話してもらうから!
「雛森副隊長が終わったら、次は乱菊さんの番ですからね!」
「…イヤー。私は好きな人いないし…」
嘘つき。私知ってるから!
「市丸隊長の事、たっぷり聞かせて貰いますからね!」
「なんで知ってるの!?」
女子会の夜は長かった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ちょうどその頃。件の男は。
「ガハハハハ!!!楽しいなぁおい!!!」
「俺は楽しくねえよ!!」
更木隊長に追っかけられていた。真剣をギラリと輝かせながら追っかけて来る。ボロボロの白い羽織りと歯こぼれした刃。ガタガタの刃が恐怖を助長する。
「縛道の六十一『六杖光牢』」
「うっ!?ギギギギキ…!」
少しずつ足が動きだし。
ヒビが六つの杖に入る。そして。
バキバキと砕けた俺の光の牢屋。
「…ウッソだろおい」
めんどうだし。逃げよ。
「縛道の六十三『鎖条鎖縛』」
それも鎖にヒビが入っているが、まだぎり縛れている。
今の内に。
無言で斬魄刀を解放する。
空間を切り裂く様に剣を振ると。
その場から消え、隊舎の前に移動していた。
「なんとか巻いたか。…さっさと寝よ」
俺はあくびしてから、ゆうゆうと隊舎に入って行くのだった。
「服を着てください!!!」
入ってから一悶着あった。
…色々疲れた。
明日も書類やらなきゃ…。
そんな事を考えながら俺は眠りに落ちていくのだった。
全裸の何が悪いんだ!!!
強者の意匠であり、シンボルである!!!
裸は恥ずかしいという一般常識は陳腐なモノだ。
恥ずかしいと思う部分は子づくりの部分とちょうど一致する。
性欲は恥ずかしいモノか?
否。性欲を恥ずかしいと思う心が恥ずかしいのだ。
李朝の様に虎になってしまう事こそが恥ずかしいのである。
服を着ない事は恥ずかしい事ではない。
なぜなら着る事で逆に恥ずかしさを覚える服もあるからだ。
弱い部分を覆い隠し、強い部分をより強調する。これこそ、弱者の考えである。
強者は隠さずとも強い。弱い部分ですら強い。
それを弱者の一般常識という秤にかける事自体が間違っているのだ。
大衆的意見を強者に押し付ける事でむりやりバランスをとっている事に他ならない!!!
意見をむりやり押し付けるのは正義か?
否。コレは考えを押し付けるという悪だ!
なればこそ服を着る事こそ悪なのかもしれない。
…筆者は弱者なので服を着ますけど。
どこまでやって欲しい?
-
ソウル・ソサエティ篇まで
-
破面まで(テキトーに途中で切る)
-
破面(最後まで)まで
-
完現術(フルブリング)まで
-
最後まで(滅却師篇)まで