少女前線 ~銃へと憑依した傭兵~(更新停止)   作:蒼月 アイン

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第5話 後編 その3投稿ですよ~(小声


ちかれた・・・まさか1万文字近く書くとは思ってなかった・・・(9316文字)
やっと第5話の8~9割ぐらいを書き終えました。
次ぐらいで第5話は終了です・・・
まさかここまで長くなるとは最初は全く思ってませんでした・・・


第5話 後編 その3 籠城戦開始

 鉄血の砲撃が続く中、前衛担当の俺たち3人はなんとか配置に着くことが出来た。

 降り注ぐ砲撃は散発的なもので殆どが見当外れのところへと着弾している。

 

 攻撃目的ではなく、こちらのあぶり出しと精神的な揺さぶりが目的か・・・?

 

 だとしたら、俺たちは敵の術中に嵌ったことになる。

 だが、それで籠城を続けていたら虱潰しに砲撃を建物に撃ち込まれて全員、瓦礫の下敷きになっていたというのも容易に想像できた。

 やがて、砲撃が止み飛行場一帯に戦闘が始まる前の緊張感が漂い始めた。

 

『・・・奴らが見えてきたわ』

 

 通信機からAR-15の緊張した声が聞こえてきた。

 携帯通信機は全員分あって、全員が装備していた。

 因みに今回は指示を聞き逃さない様に通信機は腰ではなく左肩に取り付けている。

 

「数は分かるか?」

『数は・・・冗談でしょ・・・?』

 

 敵の数を聞こうとするが返ってきたのは狼狽したAR-15の声だった。

 通信を聞いていたM4とSOPⅡが不安げな表情でこちらを見た。

 俺はそれを見つつも再度、AR-15に問いかけた。

 

「AR-15・・・敵の数は?凡そで良い教えてくれ」

『・・・5・・・10・・・15・・・20・・・25・・・いえ、それ以上・・・少なくとも60以上の鉄血兵が接近してくる!!』

 

 その報告を聞いて流石に俺も顔を歪めた。

 俺たちはたった5人しかいない、それに対して敵は倍以上を動員してこちらに向かってくる。

 

「油断も慢心もなしか・・・」

『仕事熱心で結構な事さ、私たちからすれば迷惑な事だけどな・・・!』

 

 冗談を言うM16だがその声音は緊張感があった。

 果たして俺が設置したトラップでどれほどの敵を潰せるか・・・

 俺たちの命運にはそこに掛かってるかもしれないな。

 そう思いつつ、俺は敵の姿が見えるのに備えた。

 その状況から5分・・・10分と経ったところで、飛行場に突如と爆発音が轟いた。

 最初はまた敵の砲撃かと皆は騒いだが飛行場に着弾する様子は一向にない。

 皆が砲撃じゃないと気づき、落ち着いた頃に更に連鎖的な爆発音が轟いた。

 

『・・・433、これがお前が言っていた歓迎準備(トラップ)か?』

 

 M16の言葉にニヤリと笑った。

 

「あぁ、格納庫で見つけた地雷を使った即席の地雷原だ、前の住人は不要と判断して置いて行ってくれて助かったよ」

『やれやれ・・・お前が敵じゃなくて良かったよ』

「褒め言葉と思って受け取っておくさ。だがな、あれはただの地雷じゃないぞ?」

『と言うと?』

「良く見ていろ」

 

 そう言って俺はサイドバックから二つのスイッチを取り出し何度かリズムを作って起動させる。

 すると爆発音が止まり、静かになっていた敵の方向からまた連鎖的に爆発音が轟いた。

 

『・・・まさか』

 

 今の一連の爆発音で何を仕掛けたのか察したのだろう、M16が呆れた声で呟いた。

 

「そのまさかさ、対人最強地雷(クレイモア地雷)計50個・・・死角が出来ない様に満遍なく設置するのは苦労した」

『お前の事だ、ただ設置しただけじゃないんだろう?』

「勿論だ、起爆方式はワイヤー式にリモコン式にセンサー感知型を織り交ぜて選り取り見取りさ。偽装も十分に施したし地雷同士が誘爆しない様に配置も気を使った」

『・・・最早、鉄血兵たちが哀れだな』

『私も鉄血兵に同情する日が来るとは思いませんでした』

『私も~』

『私も同感ね・・・』

「何を言ってるんだ、お前たち。一時的な借家とは言え人の家に大勢で押しかけてきたんだ、熱烈な歓迎ぐらいはしてやらないとな?」

『『『『・・・・・・』』』』

 

 AR小隊の面々はこの時誓ったという、何があっても彼女(HK433)を敵に回してはいけない、と

 

 

「さて、お前ら楽しい楽しい花火の鑑賞タイムは終了だ」

 

 連鎖的に響き続ける爆発音をボケッと聞いてたAR小隊はハッと我に返って武器を構えた。

 

「地雷原で足止めしたと言っても奴らの物量だ、時期に突破して飛行場に流れ込んでくるだろう」

 

 通信機に向かってそう話すが誰も返事はしない、だが聞いてるというのは理解出来た。

 

「そうなれば後は私たち自身の手で奴らの攻撃を遅らせる必要がある。AR-15、顔を出した奴を片っ端から撃ち抜いてくれ」

『フッ・・・誰に向かって言ってるのよ、任せなさい』

「頼もしいな、任せる。M16、私たち前衛組の命運はある意味お前が握ってるんだ、指示のタイミングを間違えるなよ」

『誰に言ってるんだ、M4たちの命が掛かってるんだ、絶対に間違えやしないさ』

「そう信じようか・・・死んだら化けて出てやるからな?・・・SOPⅡ」

『な~に~?』

「前衛の中ではお前が一番の火力持ちだ、盛大にやってくれ」

『了解~♪ 40mmグレネードはあと三つぐらいしかないけど頑張るよ!!』

「最後にM4」

『はい・・・』

「落ち着いてな?能力も実力もあるんだ、落ち着いて常に冷静に対処しろよ?ある程度の事はこっちでフォローするからな」

『433さん・・・はい!分かりました!』

 

 気合を入れ直したM4がはっきりとした声で返事をする。

 それとほぼ同時に今まで聞いたことのない規模の爆発音が轟いた。

 

『信じられない・・・奴ら、地雷原を砲撃で全部薙ぎ払って来た!?』

『チッ・・・強引な奴だな』

「強引ではあるが手っ取り早い手段だな・・・M4、SOPⅡ、フラグを準備しろ、奴らの鼻っ柱を叩き折るぞ」

 

 2人が返事するのを聞きつつ俺もサイドバックからフラグを取り出して安全ピンを何時でも投げれる様にする。

 やがて・・・出入口の向こうから無数の影が姿を現し始めた。

 

「3秒後に同時に投げるぞ、3・・・2・・・1・・・投げろ!!」

 

 思いっきりフラグを投擲する、M4とSOPⅡも続いてフラグを投げた。

 投擲された3つのフラグは飛行場への侵入を果たそうとして鉄血兵の前衛部隊の目の前にコロコロと転がっていき、それに気づいた鉄血兵たちは蜘蛛の子を散らす様に逃げていき起爆。

 それぞれ数体の逃げ遅れた鉄血兵を巻き込んだ。

 これで多少は相手の出鼻を挫くことが出来ただろう、そう思うと同時に管制室からAR-15の狙撃が始まった。

 宣言通り、的確に鉄血兵の頭を撃ち抜いて行くAR-15に内心、称賛しつつ俺は通信機に向かって叫んだ。

 

「全員、生き残るぞ!!」

『『『『了解!!』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

「リロード!!」

「カバー!!」

「AR-15!!2時方向、リッパー2体!!」

『了解・・・!』

 

 こちらに突貫しようとしていたリッパー2体がすぐさま狙撃され躯を滑走路に横たえた。

 それを横目にしつつ正面から弾幕を形成する鉄血兵――確かストライカーと呼ばれる鉄血兵――3体の頭を撃ち抜いた。

 

『433、そろそろ限界だ。第2ラインまで下がった方が良い!!』

「了解・・・!M4!SOPⅡ!後退だ!」

「了解・・・!」

「分かった!」

「SOPⅡ、先に行け!その次はM4だ!」

 

 SOPⅡは頷き、敵の射線に気をつけつつ後方へと下がって行った。

 それを俺とM4、更にM16とAR-15が敵へと攻撃を仕掛けて援護する。

 

「次、M4行け!」

「分かりました、向こうで待ってます」

「あぁ、すぐに行く」

 

 SOPⅡと同じ要領で全員が援護射撃を持って支援する。

 M4が無事に後方の第2防衛ラインに辿り着いて射撃体勢を整えた。

 

『433さん、辿り着きました!』

「分かった、今行く、援護頼むぞ!」

 

 更に数体のヴェスピドの頭を撃ち抜いた後に弾切れとなったマガジンを交換する。

 タイミングを計り、奴らの弾幕が弱まった瞬間を突いて一気に移動を開始する。

 装甲車の残骸の影にスライディングの要領で滑り込み、タイミングを計ってM4達がいる第2防衛ラインまで下がって車の影に隠れた。

 

「大胆な下がり方しますね・・・」

「あれが一番手っ取り早かったからな」

 

 同じ車の影に隠れていたM4が顔を覗かせて鉄血兵に数発、銃弾をお見舞いしたあと影に隠れてそう言った。

 その顔は言外にあんな危ない真似するなと抗議していたが俺は匍匐体制になって車の下の隙間から鉄血兵を狙う素振りをして気づかない振りをした。

 

「M16、そっちから見て敵の様子はどうだ?」

『とんでもない数だな、この区域全ての敵が集まってる様だ。正に雲海の如しだ』

「聞くんじゃなかったな・・・」

『私も見るんじゃなかったと思ってる』

「何時頃、救援が来ると思う?」

『掛けるか?』

「面白そうだ、負けた方は勝った方に一杯奢るでどうだ?」

『乗った!』

「そうだな・・・私は管制塔に籠城する前に救援が来るに掛ける」

『それじゃあ私は管制塔に籠城し始めた後に救援が来るに掛ける』

「掛け成立だな、帰った後の一杯を楽しみにするとしよう」

『言ってろ』

 

 隣でM4がこんな時に何してるんだと言わんばかりの目をしていたが俺は極めて見ない振りをして射撃を続ける。

 

「そろそろここもキツくなってきたな・・・」

「えぇ・・・そろそろ潮時ですかね」

「かもしれないな・・・」

 

 敵の弾幕が更に激しくなって来ていた。

 影から覗けば明らかに正面に展開している鉄血兵のの数が増してきていた。

 そろそろここまでヤバイかもな、そう判断して撤退を指示しようとした所でM4が遮った。

 

「次、最初に後退するのは433さんからですよ?今度は私が殿を務めます」

「おいおい、私が殿の方が安全だ「433さん?」・・・なんだ?」

「朝、約束しましたよね?次何か有ったら私に頼る様にって」

 

 ライフルを構えて射撃をしていたM4が顔だけこちらを向けて行った。

 顔がこれ以上、私を心配させるなと訴えてる、やれやれ・・・NOとは言えないか。

 AR-15、お前の妹はもしかしたらお前の思ってる以上に逞しいかもしれんぞ?

 内心、管制室で狙撃を続けてるであろうAR-15にそう告げ、俺はため息と共に観念した。

 

「分かった、先に行く。正し、私が配置に着くまで決して無茶するなよ?」

「分かってます」

「無茶して死んだらあの世まで追っかけて説教してやるからな」

「はい」

「全く・・・SOPⅡ!、私が後退したら次はお前だ。準備しとけ!」

「了解~♪」

 

 少し離れたところにある装甲車の影に隠れていたSOPⅡが手を掲げながら答えた。

 匍匐体制から立ち上がり、最終防衛ラインに下がる準備を整えた。

 

「後方で待ってる、死んでも下がってこい」

「はい・・・」

 

 ライフルを構えて射撃を続けるM4の肩に手を乗せてそう告げ、俺は後方へと下がった。

 

 

 

 

「位置に着いた!次、SOPⅡ来い!」

 

 M4達の援護の元、後方へと下がる事に成功した俺は車の影に隠れてすぐさま射撃体勢を整えてSOPⅡに後退を指示する。

 SOPⅡも危な気なく、後退するのに成功し最後はのM4の番となった。

 

『位置に着いたよ!』

 

 通信機からSOPⅡの声を聞き俺は通信機でM4に伝えた。

 

「次、M4の番だ!来い!」

『はい・・・!』

 

 視界の先で最後まで残っていたM4が後退をし始める。

 それを妨害せんと鉄血兵が動き始めるがそうはせない。

 リッパー2体が影から飛び出してきて両手に持ったSMGを構えようとした所をすぐさま頭を撃ち抜く。

 

(次っ・・・)

 

 4体のダイナゲートが背中に装備された機銃をM4に指向しようとしたが撃たれる前に全てのダイナゲートのカメラアイを撃ち抜いて破壊する。

 

「チッ・・・リロード!」

「か・・・カバー!」」

 

 こちらを思わず呆然と見ていたSOPⅡが慌てて援護に入った。

 弾を使い切ったマガジンを銃を軽く振ることによってリリース、そのままマグポーチから抜き出した新しいマグを差し込み素早くチャージングハンドルを引いて初弾を装填する。

 

「スタンバイ!」

「スイッチ!」

 

 遮蔽物に隠れるSOPⅡと入れ替わる形で援護射撃を再開する。

 M4もすぐ傍まで後退してきていた、あと一回の移動で最終防衛ラインの遮蔽物ての後退が終わる。

 

 あと少しだ・・・!

 

『ッ!?1時の方向、敵スナイパー!』

「なに!?」

 

 確かに一時の方向。

 敵部隊の後方にスナイパーライフルらしき物を構えた鉄血兵の姿が見えた。

 その銃口は確かに後退しようとしているM4を捉えていた。

 

『AR-15は!?』

『ごめん、リロード中!間に合わない!』

「ッ!?タイミングの悪い・・・!」

 

 距離は結構遠い、ホロサイトで狙うにはキツイ・・・だがやるしかない!

 一度、大きく深呼吸を行い息を吸って吐き出しもう一度大きくすって止める。

 一瞬、周囲の音が消え、スローモーションに見える感覚を覚えるが・・・構わず、トリガーを引いた。

 銃口から発射された一発の銃弾は何者にも妨害を受けることなく真っ直ぐ突き進み・・・狙撃型の鉄血兵(イェーガー)の頭を撃ち抜いた。

 ホロサイトの向こうで鉄血兵がパタリと崩れ落ち、M4が無事に最終防衛ラインへの後退を済ませたのはほぼ同時だった。

 それと同時に止めていた息を盛大に吐き出した。

 

 こんな真似、二度としない・・・

 

 遮蔽物の裏に隠れて荒れた息を整えながらそう思った。

 

 

 

 

 兎に角。

 無事に後退を成功し体勢を整えるのに成功したのだが・・・鉄血兵はこちらに攻撃を加えてくるものの一向に近づいてくる素振りを見せなかった。

 正確に言うなら俺たち、前衛組は管制塔のほぼ目と鼻の先とも言える最終防衛ラインに展開しているのだが鉄血兵は第一防衛ラインの辺りから一向に動かないのだ。

 敵への攻撃に気を取られていた俺は気づく事が出来なく、その違和感に気づいたのは管制室から狙撃を続けていたAR-15だった。

 彼女に言われて俺も遅まきながらそれに気づき、敵の意図に気づくが一歩、遅く・・・敵の後方から複数の落下音が響き始めた。

 

「全員、伏せろぉぉぉぉ!!」

 

 通信機に叫ぶと同時に俺は遮蔽物の裏に伏せた。

 それとほぼ同時に、数発の砲弾が飛行場へと着弾した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケホッ・・・ケホッケホッ・・・全員、無事か」

 

 爆風が収まり舞い上がった土煙に思わず咳き込みながら通信機で安全を確認する。

 

『・・・こちらM4、大丈夫です』

『うぇ~・・・埃だらけだよ~・・・SOPⅡ、大丈夫だよ~』

『こちらM16だ、生きてるよ。AR-15、そっちはどうだ?』

『はぁ・・・あいつらとんでもない事するわね・・・こちらAR-15、行動に支障なし』

 

 どうやら全員、無事らしい。

 その事に安堵しつつ俺は起き上がってコートに降り掛かった砂を落とす。

 まさか、戦闘中の敵味方の間に砲撃を撃ち込んでくるとは思いもよらなかった。

 

「全員、備えろ。奴ら、一気に来るぞ」

 

 今まで遮蔽物兼障害物として敵の侵攻を押し留めていたのだがその遮蔽物も今の砲撃で丸ごと消し飛んでしまった。

 こうなれば後は鉄血の独壇場だ、数に物を言わせた物量作戦を展開してくるに違いない。

 愛銃に異常がないか確認をしつつ、俺は通信機に話しかけた。

 

「なぁ、M16。さっきの掛けの話なんだが」

『どうした?降りるか?その場合はお前の負けだぞ?』

「バカ言うな、降りる気はないさ」

『ならなんだ?』

 

 愛銃に異常がないのを確認し、無事だった最終防衛ラインの遮蔽物代わりの車で構える。

 

「いやなに、救援が来る前に俺たちが全滅したら勝負はどうなるかって思ってな?」

『あぁ~・・・そういや考えてなかったな』

 

 チッ・・・サイトがイカれてやがる・・・

 さっきの着弾で罅が入り、サイトとしての機能を停止したホロサイトを取り外してサイドバックへと放り込み、バックアップサイトとして装着してるフリップ式アイアンサイトを直立させた。

 ホロサイトより少々見づらいのは確かだがサイトなしで戦うよりはマシだろう。

 

『そうだな~・・・良し、その場合はお互い負けってことにしよう』

「ってことはドローか?」

『いや、あの世でお互い奢ろうってことさ』

「そうか・・・それなら安心した・・・!」

 

 M16へと返事しながら未だに舞う砂塵の中で不用意に姿を現した鉄血兵を撃ち抜いた。

 それを合図にするが如く、M4とSOPⅡ、M16にAR-15が攻撃を開始した。

 

 

 

 

 敵の砲撃の結果、俺たちの射撃が止まってしまい更には土煙のお陰で視界不明瞭での戦闘をする羽目になった。

 完全に至近距離での混戦状態に陥り、俺たち3人はなんとかお互いが見える距離で近接戦を繰り広げていた。

 M16とAR-15もなんとかこちらを支援してくれようとするものの土煙のお陰で有効な支援射撃が出来ないでいた。

 

「やれやれ、酷い戦闘・・・だ、な!」

 

 飛び掛かってきた接近戦型の鉄血兵(ブルート)を蹴りで地面に叩き落として地面に倒れたところを頭部に数発、銃弾を撃ち込んで黙らした。

 続いて後方から忍び寄ってきたリッパーの顔面に愛銃のストックを叩きつけて怯んだ隙に振り返って引き抜いたMk.23を撃ち込んだ。

 

「M4、SOPⅡ、そっちは大丈夫か?」

「敵、多過ぎだよ~」

 

 少し離れたところではM4とSOPⅡが互いに背中合わせにしながらなんとか、鉄血兵たちに対抗していた。

 ふむ・・・養父にCQCやCQBをみっちり仕込まれた俺は兎も角、やはりその手の訓練を受けてない戦術人形でしかない彼女たちはキツいか・・・

 内心、そう考えながら左側からナイフを構えて突っ込んできたブルートをしゃがんで避け、足払いをして倒れたところに首へとナイフを突き刺した。

 刀身部に付着した人工血液を経った今、撃破したブルートの衣服で拭き取ってホルスターに戻す。

 M4達に合流しながら彼女たちの足元に近寄ろうとするダイナゲートを撃ち抜き、通信機に手を掛けた。

 

「M16、まだ救援部隊の姿は見えないか!?」

『まだだ!影すら見えない!!』

「こちらはそろそろ限界だ、早く来ないと管制塔での籠城戦になる!!」

『それでも私は一向に構わないぞ!?そうすれば掛けは私の勝ちだからな!!』

「それは勘弁願いたいな!」

 

 ブルートのナイフを紙一重で避け、お返しに膝を蹴り飛ばして体勢を崩させる。

 体勢を崩したブルートは俺の目の前で膝を着く形となりその頭にライフル弾を見舞った。

 

 なんとか抵抗出来てはいるがこのままじゃじり貧だな・・・仕方ない

 

 そう判断した俺はM4とSOPⅡに指示を出す。

 

「M4、SOPⅡ、このままじゃじり貧だ。仕方ないが管制塔内に撤退するぞ!」

「は、はい!」

「了解!」

 

 二人は返事をすると鉄血兵を撃退しながら管制塔の入口へと後退していく。

 俺もそれに続いて鉄血兵を捌きながら管制塔の入口に向かってジリジリと後退しようとして今回何度も聞いたあの音を耳にした。

 

ヒュルルルルルルル・・・・

 

「また砲撃か!?」

 

 思わず警戒して周囲を見回す。

 だが聞こえる音からして降って来てるのは一発だけだ。

 どこに向けて撃った?一発だけというのは可笑しい、今更牽制の砲撃とは思えない。

 では、一帯・・・どこに・・・

 いやな予感がした、一発の砲撃だけで済む攻撃対象・・・M4たち?あり得ない、老朽化してるとは言え管制塔は頑丈だ、たった一発の砲撃程度で破壊出来るとは思えない。

 なら狙いは俺か?それも違うだろう、態々砲撃を撃ち込むより周りの鉄血兵で一斉に攻撃した方が手っ取り早い。

 なら敵の狙いは・・・?

 狙い安い私でもなく、管制塔へと退避したM4たちでもないが鉄血兵じゃ攻撃が届かず、砲撃が唯一届き、砲撃じゃなきゃ攻撃が届かないターゲット。

 そこまで考えて・・・俺は敵の狙いを察知した。

 俺は通信機に向かって叫んだ。

 

「AR-15!!」

 

 逃げろ!、そう続ける前に敵の砲撃が管制室へと着弾した。

 周囲に管制室の一部だった瓦礫が飛び散った。

 土煙が晴れ、姿を現したのは砲撃の直撃で半壊した管制室だった。

 俺はただ茫然とそれを見上げるしか出来なかった。

 そんな状況の俺に突如と声が掛けられた。

 

「よぅ、グリフィンの戦術人形」

 

 聞き覚えのない声だった、M4でもSOPⅡでもM16や、AR-15の声でもない知らない声。

 だが、その声を聞くと背筋にゾクリと冷たい物が走った。

 そして直感に頼るがまま、俺は左方向へと身を投げた。

 その瞬間、俺がさっきまでいた場所になにかが通り過ぎて地面に突き刺さった。

 咄嗟の回避だったがなんとか受け身を取り、俺を狙った敵を確認した。

 黒い長髪に角を思わせる髪留めらしき物に赤い瞳の整った顔立ち、服装はノースリーブのインナーにホットパンツに腰にはサイドポーチらしき物を着けたベルトを装着していて太ももまで届くブーツの様な物を履いている。

 それだけでも十分目立つのだがそれ以上に彼女を目立させてるのはその右腕と左に持ってる物だろう。

 左手に持ってるのは大型拳銃ほどの物だが問題は右腕だ。

 上腕から下を機械化された一回りも二回りも巨大な腕を持ち、その右手には彼女の身の丈ほどはあろうブレードを保持している。

 そのブレードは地面に突き刺さり、アスファルトの地面が見事にひび割れている。

 あのまま避けていなければ今頃俺はあのブレードで真っ二つになってただろう。

 

「へぇ・・・あれを避けんのか。ちったぁやるじゃねぇか」

 

 獰猛な笑みを浮かべながら彼女は地面に突き刺さったブレードを軽々しく持ち上げ、肩に背負う形で構えた。

 数多の戦場で修羅場を掻い潜って来た感が最大レベルの警鐘を鳴らしている。

 こいつはただ者じゃないと・・・その辺の鉄血兵の雑魚ではないと・・・

 俺の中での警戒レベルを最大限に上げ、油断なくライフルを構える。

 相手の様子を窺う俺の通信機に通信が入って来た、相手はM16だ。

 

『433、無事か!?』

「・・・なんとかな、それよりこいつは・・・?」

『・・・鉄血のハイエンドモデルだ』

「ハイエンドモデル・・・?という事はここら辺に鉄血兵のボスと言ったところか?」

『あぁ・・・そいつの名前はエクスキューショナー・・・鉄血のハイエンドモデルの一つだ』

「Executioner・・・処刑人とはまぁ、洒落の効いた名前だ」

『冗談言ってる場合じゃないぞ!?』

 

 焦った様な声を出すM16。

 彼女がこれほどまで焦るとなると相当ヤバい部類に入るらしい。

 まぁ、俺も本能的に察していて内心、どうしたものかと思ってるところだ。

 

「M4達は?」

『無事だ、今1階で即席のバリケードを作って鉄血兵と応戦してる』

「・・・・・・AR-15は?」

『分からない・・・』

「M16、お前はAR-15の安否を確認しに行ってくれ」

『だが・・・』

 

 M16が言い淀む、確かに彼女は妹のAR-15の安否が気になるだろう。

 だが、それと同じ以上にエクスキューショナーやその他の鉄血兵に囲まれた俺を気に掛けている。

 

「ハッ・・・面白れぇ奴だな、お前、おいお前ら!こいつは俺の獲物だ、手出すなよ!!」

 

 エクスキューショナーが周囲の鉄血兵にそう言うと俺を半包囲していた鉄血兵たちは構えていた武器を下ろし後ろに下がった。

 

「奴は俺とのタイマンをご希望らしい・・・M16頼む」

『はぁ~・・・分かった、任せたぞ』

「済まん」

『貸し1だな』

「今度返す」

『当たり前だ!』

 

 そう言って彼女からの通信が途絶えた。

 これで大丈夫だろう、あとはこいつと戦って勝つか・・・少なくとも引き分けぐらいに持ち込むかだ。

 

「よぅ、お話は終わったか?」

「あぁ、悪かったな」

「別に構いやしないさ・・・」

 

 なんともないと言わんばかり笑うエクスキューショナー。

 いきなり奇襲して来たので暗殺の方が得意かと思いきやそうでもないようだ。

 彼女は左肩をグルグルと廻した後、先ほど以上の獰猛な笑みと殺意をにじみ出してきた。

 

「それじゃあ・・・始めるか!」

「あぁ・・・」

 

 




はい、433が用意した策、なんのことないクレイモアを使った地雷原ですw
因みに作動方式のセンサー型は本作品のオリジナル要素ですw
地雷原のイメージはHELLSINGの奴ですw
正直、自分で書いててドン引きするレベルでえげつねぇと思いましたw
あと433のライバルさん登場です、皆さんご存じの処刑人ことExecutionerさんですw因みに主が鉄血のハイエンドモデルで代理人の次に好きですw
というか順調に433がM4とAR-15とのフラグを建てて行ってる・・・これはいっそ路線変更してHK433×M4A1&ST AR-15を書くべきか・・・迷うな・・・!!


次回予告
突如、鉄血のハイエンドモデル、Executionerの襲撃を受け危機に陥る433!
AR-15の安否をM16に託し、自分はExecutionerとのサシの対決へと挑みなんとか互角の戦いを繰り広げるが情勢は圧倒的不利!
敗北を予感する433だが自分を囲む鉄血兵が突如と爆撃される!!

次回、来援!
次回も433と共に地獄に付き合って貰おう(ポト〇ズ府)
(因みに主はポトムズ知りません)
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