少女前線 ~銃へと憑依した傭兵~(更新停止) 作:蒼月 アイン
前編後編か前編、中編、後編のどっちかになるかと思っていましたが後者になりました。
前編は3000文字超えた程度でしたが中編は5000文字余裕で越えましたw
後編ももしかしたら5000文字超えするかもですw(内容的に超えるんだろうな~)
「あそこか・・・」
銃撃音を頼りに追跡した結果、なんとか追いつくことが出来た。
確認出来るのは一つの廃墟とそれを半包囲する様に展開し制圧射撃を掛ける多種多様の鉄血兵たちの姿だった。
時折、廃墟の中から反撃してるのが見えるのでまだ生きていることが分かる。
だが見えるマズルフラッシュは一つだけでそれ以外に攻撃してる姿が確認出来ない。
負傷してるのかあるいは・・・
(そんな事考えてる場合じゃないな)
まずは必死に反撃してる味方を助けるのが先決だ。
だが、助けると言っても敵を殲滅する等という事は出来ない。
こちらも決して弾薬・装備が豊富という訳ではないし時間が経てば敵の増援が集まってくる。
ミイラ取りがミイラになる等という状況は真っ平ごめんだ。
だとすれば取れる手は限られてくる。
敵陣後方を奇襲し相手が動揺してる隙に味方を助け出し離脱する。
使うのはフラググレーネード二つ。
敵陣後方に一つ投げ、更に前衛を張るダイナゲートの中心に二つ目を投げる。
そしてその隙に廃墟に接近して連れ出して離脱する。
作戦が決まったのでそれを実行するために移動を開始する。
奴らに気づかれない様に慎重に接近していき最適な位置に着く。
サイドバックからフラグを取り出し、一つ目の安全ピンを抜く。
これを投げたら後は時間との勝負だ、一つ目を投げたらすぐさま二つ目を投げるポイントまで移動して投擲、あとは迂回する形で全力で廃墟を目指して味方と合流する。
一つ目のフラグを投擲する。
成果を確認する前に急いで次の投擲ポイントまで移動して二個目のフラグを投擲する。
一つ目はドンピシャで敵の後方に落下して爆発、数体のリッパーとヴェスピドを巻き込んで相手を混乱させることが出来た。
二つ目のフラグは残念ながら狙ったところぴったりに落ちなかったが数体のダイナゲートを巻き込んだ。
お陰で敵は混乱して廃墟へと銃撃が止まった。
その隙を突いて廃墟への接近を図る。
敵、包囲陣左翼に展開していた3体のプラウラーとスカウトがこちら気づいた。
足を止めてる暇はない。
素早くHK433を構えてトリガーを引く。
スカウトの中心部のセンサーユニットを破壊、スカウトはそのまま錐揉みしながら地面に落下して機能停止した。
同じく一体目のプラウラーも中央のカメラユニットを破壊して更に右足を破壊して擱座させる。
二体目のプラウラーは左足と機銃を破壊して放置しそのまま廃墟へと進んだ。
今の戦闘でこちらに気づいたのだろう、他の鉄血兵も俺に対して攻撃を始めた。
それに構うことなく、廃墟へと接近し割れた窓から中へと飛び込んだ。
「だ・・・誰!?」
室内に飛び込み、声を掛けられた方を見るとそこには建物正面の窓辺に隠れてこちらに銃を向ける一人の少女の姿があった。
「落ち着け、味方だ」
「味方・・・?」
両手を挙げて交戦の意思がないことを伝えると少女はこちらに向けていたライフルを下ろした。
「助けに来た、動けるか?」
「は、はい」
少女に確認を取りつつ室内を確認するが他に味方の姿はない・・・彼女だけか・・・?
「他に仲間は・・・?」
「・・・数日前にはぐれてそれっきりです」
「そうか・・・兎に角今は・・・」
脱出しよう、と続けようとして外から銃撃が撃ち込まれてきた。
思わず舌打ちを打ちながら彼女とは反対側の窓際へと隠れた。
「少々、強行軍になる・・・残弾は・・・!?」
「・・・今装填してる分で最後です」
申し訳なさそうの顔をしつつ彼女がライフルに装填されているマガジンを叩いた。
「使ってる弾は?」
「5.56x45mm弾です」
「ならこいつを使え、同じ5.56x45mm弾を使ってる」
マグポーチからマガジンを3本抜き出して床を滑らす様に彼女へと渡した。
彼女はお礼を言いつつ受け取ったマガジンを自分のポーチへと仕舞った。
その間、俺は窓から反撃して時間を稼ぐ。
「準備は?」
「なんとか」
準備を済ませた彼女に頷き、サイドバックからフラッシュバンを二つ取り出し、一つを彼女に投げ渡した。
「3秒後にこいつを投げて隙を作る、その間に裏の窓から脱出する、そっちから先に脱出しろ」
「わ・・・分かりました」
態勢を整え、フラッシュバンの安全ピンを持って何時でも投げれる様に構える。
彼女にアイコンタクトを取ると彼女も頷きフラッシュバンを構えた。
「3・・・2・・・1・・・今だ!」
俺の合図と共に敵に向けてフラッシュバンを投擲する。
バン、バン、と炸裂音と共に外からの銃撃が止んだ。
それを確認して彼女に向けて叫ぶ。
「今だ、行け!!」
「は、はい!!」
彼女が裏の窓へと向かって走っていき、外へと飛び出すの確認するのと同時に自分も後に続いて外に飛び出した。
「・・・撒いたみたいだな」
「ハァ・・・ハァ・・・そう、みたいですね」
敵が追ってこないのを確認しつつそう言えば隣で膝に手を着き、上がった息を整える少女が答えた。
「大丈夫か?」
「すいません、大丈夫です」
そう言って彼女は屈めていた上半身を起こした。
前髪の一部に緑色のメッシュが入り、頭にヘッドフォンを着けた黒いセミロングの少女だ。
ホロサイトにパーティカルグリップ、サイレンサーを着けた白系の塗装が施されたM4A1を携えている。
彼女も俺と同様、戦術人形なのだろう。
それよりも気になったのは・・・
「酷い顔だな、何日寝てない?」
彼女の顔色だった。
目元には深い隈が出来ていて肌もかなり煤けている。
良く見ると髪も荒れている様に見える。
「・・・3日ほどです」
「3日?ずっとか?」
「はい、ずっと鉄血兵に追われてて」
「そうか・・・仲間とはぐれたって言ってたな?」
「はい・・・」
「合流地点とかは決めているのか?」
「一応・・・」
「場所は?」
「場所は・・・」
そう言って続けようとして、彼女は突如こちら倒れ込んできた。
慌ててて抱き留めて顔を見ると静かに寝息を立てていた。
三日間の不眠不休で鉄血から激しい追撃を受けていたのだ、危機を脱して緊張の糸が途切れてしまったのだろうと判断出来た。
攻めることが出来ない状況ではあるがさて、どうしたものか、合流地点を聞く前に倒れられてしまったので移動しようにもできない。
取りあえずは安全な場所を確保して彼女を寝させるのが先決か・・・
そう判断して俺は彼女を抱き上げ、雨風を凌げる場所を探し始めた。
パチッ・パチッ・・・パチッ・・・
微睡む意識の中、焚火の音が耳に届いてきて自分の意識を徐々に覚醒させた。
視界に入ったのはボロボロになったコンクリートが剥きだしの天井だった。
そのまま頭だけ左に向けると焚火の火が静かに薪を燃やしていた。
「目が覚めたか?」
声を掛けられ、焚火の向こう側に人影があるのに気づいた。
ぼやける視界が明瞭になっていき、焚火の向こうにいるのは自分を助けた銀髪の戦術人形であるのが分かった。
起き上がろうとすると自分にコートの様な物が掛けられているのに気づいた。
どこか見覚えがあると思っていたがそういえばこれは焚火の向こうに座る彼女が羽織っていた物だ。
お礼を言い、彼女にコートを返そうとしたが彼女は首を横に振った。
「着ておけ、その恰好じゃ流石に夜は冷えるだろう?」
そう言われて初めて今が夜であることに気づいた。
どうやら自分は気絶してしまい、ここまで彼女が運んくれたらしい。
その事について謝罪とお礼を言うと彼女は苦笑をしつつ、気にするなと言った。
今度、彼女に何かしらのお礼をしなければと思いつつ彼女の好意に甘えてコートを羽織って焚火の前に座った。
ぼんやりと、焚火の前に座る彼女を見つめる。
水色系に近い銀髪に灰色の瞳の整った顔立ちをしている。
首元を緩めたジャケットの上からでも確かに分かるほど良いプロポーションを持ったスタイルを黒と白の二色のインナーとズボンで包んでいる。
その胸の大きさに思わず羨ましいと思ってしまい、思わず自分の胸を触ってしまったがコートを羽織ってるお陰で彼女は気づいた様子はない。
それに内心、ホッとしつつ更に観察すると彼女の右隣には彼女の愛銃と思われるアサルトライフルが置いており、左隣には複数のサイドバッグが置かれている。
「そう言えば、お互い自己紹介をして居なかったな?私はHK433だ、そっちは?」
HK433?聞いたことのない戦術人形だと思いつつ自分も自己紹介をする。
「M4A1です、M4って呼んで下さい」
「分かった、よろしく、M4」
「は、はい、よろしくお願いします、433さん」
「呼び捨てでも構わないぞ?」
「は?はぁ・・・」
首を傾げると彼女は可笑しそうに笑みを零した。
だが、すぐさま真面目な顔に戻って聞いてきた。
「さてM4、お前は仲間とはぐれたって言ってたな?」
「はい」
「どうゆう経緯で仲間とはぐれたか教えてくれるか?」
「分かりました・・・」
そう言って私はこれまでの経緯を彼女に説明し始めた。
説明中、彼女は時折相槌を打ちつつも何かを考える様な仕草をしていた。
「なるほど、良く分かった、ありがとう」
「い、いえ・・・私も一つ聞いて良いですか?」
「なんだ?」
「あの・・・HK433さんはどこの基地の所属なんですか?」
「ほう?」
どこか、こちらを試す様な目を向ける433さんにたじろぎつつ、私は続ける。
「433さんは少なくとも私が知る限りどこの戦術人形にも当てはまらない程高い能力を持っています」
状況判断能力、即応力、作戦立案能力、行動力・・・そして戦闘能力。
どれを取ってもそこらのグリフィン社の戦術人形を大幅に超える能力を有している。
少なくとも、自分より総合能力は上だというのが私の判断だった。
それほどの戦術人形なら普通、グリフィン社が広告してるだろうし名前も知られている筈だ。
だが、HK433という戦術人形はグリフィン社に存在しない・・・一体、なぜなのか?
殆ど自分の好奇心に近い疑問を投げかけると彼女はふむ、と悩んだ素振りを見せた後、答えた。
「さぁ?私にも良く分からん」
「は?」
思いも寄らなかった答えだった。
一瞬、はぐらかされたのかと思ったが彼女の表情を見るにそうではないらしい。
「どこの基地所属かと問われれば無所属と言ったとこだろう、なんせ目覚めたらI.O.P社の廃工場だったんだからな」
「廃工場・・・ですか?」
「そうだ、ここから凡そ30マイル北にある廃工場だ、だから無所属・・・言ってしまえば野良と言ったところか」
戦火に晒され廃棄された工場に目が覚めた戦術人形。
噂程度にはそういう存在もあり、戦場で回収される戦術人形たちにもそういう境遇の者が多いと聞いていたがまさか彼女ほどの実力者がそうであるとは思わなかった。
「さて、私はお前の質問に答えた、次は私の番だ」
「はい」
「お前が気絶する前に言いかけていた仲間との合流地点・・・それを教えてくれ」
「はい・・・凡そこの街から東に6マイル言ったところにある廃棄された飛行場です」
「東に6マイルか」
「はい、鉄血兵に襲撃される前に散り散りになった時の合流地点として決めていました」
「救援の手立てはあるのか?」
「廃棄されたと言っても非常時の際に利用するのを想定されて通信機が遺されている筈ですからそれを使えば・・・」
「救援を要請出来る・・・か」
「はい」
「分かった、信じよう」
「ありがとうございます」
「と、言っても移動は夜明けを迎えてからだ。夜中に動き始めて鉄血兵と遭遇しましたじゃ話にならん」
「そうですね・・・」
そう言ったところでぐぅ~、と可愛らしい音が聞こえた。
発生源は私のお腹、思わずお腹を押さえたが一度鳴ってしまったものは取り消せない。
チラッと433さんを見れば彼女は驚いた様な顔をした後、なんの音かを察して笑い始めた。
私は恥ずかしさの余り、顔を真っ赤に染めながら彼女を睨むことしか出来なかった。
「済まない、そう言えば三日間食事をしてなかったんだったな」
一頻り笑い、落ち着いた彼女は謝罪の言葉を述べながら隣のサイドバックを漁り始めた。
「現状、こんな物しか持ってないが許してくれ」
そう言って彼女が私に渡したのは数本の携帯食料とミネラルウォーターのペットボトルだった。
なんとかお礼を言いつつそれらを受け取った私は三日ぶりの食事に思わず夢中になってかぶり付いた。
夢中になって携帯食料を食べる彼女を眺めつつ自分も食事を終えて、今は愛銃と煙草を片手に歩哨に立っていた。
M4は焚火の近くで俺のコートに包まって静かに寝息を立てている。
俺が見張っているから寝て良いと伝えたのだがその時もひと悶着あった。
彼女曰く、何もかも俺に頼ってばかりじゃ申し訳ないので見張は自分がするので俺が寝てくれとのことらしい。
真面目で責任感が強い彼女らしい言葉だったが俺はそれをやんわりと断るのが彼女も頑なに折れ様としない。
傭兵時代、夜の見張等を腐るほどやっていて余裕のある俺なら兎も角、三日間鉄血兵と鬼ごっこしていた彼女は体力的にも精神的にも消耗しているので出来るだけ休んで欲しかったのだが彼女はそれを頑なに嫌だと言う。
仕方ないので代案として交代で見張をしようと提案すると彼女は渋々と言った感じで了承した。
寝る間際まで2時間交代だと何度も言っていた彼女はコートに包まって横になると数分とせずに静かに寝息を立て始めた。
その様子に思わず苦笑を浮かべつつ、俺は煙草を吸った。
「・・・なにも無けりゃ良いんだがな」
そう呟きながら吐き出した紫煙は夜空に霧散して消えた。
前編で出てきた戦術人形が誰だか判明ですよ、えぇ
ドルフロの主人公(笑)と言われているM4A1です。
そうです、主人公とファーストマッチするのはAR小隊です(最初の予定じゃ別だったんだけどな~w)
あ、一応言っておくとここの小説がM4含めAR小隊は原作の様な目は遭いません、てか遭わせません(鋼鉄の決意)
因みに主人公(笑)とか言ってますが主は普通にM4好きです。
AR小隊、404、反逆小隊、ネゲブ、ワーちゃんに指輪渡したぐらいです(隙自語り)
早くAK-15とRPK-16実装されんかな(ボソッ
それは兎も角。
次は残りのAR小隊メンバーであるM16姉さん、SOPⅡ、AR-15と合流です!!
まぁ・・・それ以外にもライバル(予定)のあの人ともエンカウントするんですけどね?(誰だろうね?w)
後編は遅くても明日明後日ぐらいまでには投稿します(多分)