この音は、ただ君の為に。   作:月の城

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初めまして、月の城です。

『この音とまれ!』の二次創作がなかったので自分の熱意が続く限り、少しずつでも書いていきたいと思います。
拙い文章でも見て頂ければ幸いです。


1話

 繰り返される月日が流れて早15年。

 今日から二度目(・・・)の高校生活が始まる。

 何が悲しくて一度は謳歌した高校生をまたやらなくてはいけないのか。

 

 あ、遅ればせながら自分転生者です。

 前世で見ていた二次小説であるあるの転生者になった模様。

 ただ、俺が何で死んだかは分からないし神様とやらに会った記憶もない。

 

 

 気付いたら、どこぞの病院にあるベッドの上。

 

 

 何でも交通事故に巻き込まれたとか?

 目が覚めてから病室に来たご老人にそう説明を受けても、他人事のように素っ気ない返事を返すことしかできない。

 一瞬、ご老人の(まなじり)が下がったがすぐに戻り俺にこう提案してきた。

 

 

『これからお前は私と暮らすことになる』

 

 

 ん? おじいちゃんが俺の親ですか?

 内心首を傾げるが、これはあれかな。交通事故で俺の両親が死んじゃったとか?

 まぁ、ちょっと現状を整理したい気持ちもあったから話を早く終わらせるためにもここは頷いた。

 

 

 そこからはもうあっという間。

 

 

 ベッドから降りると視線の高さが低く、何故と思ったら体が子供になっていて仰天。

 一緒に暮らすという爺さんの家に来たら、そこそこに大きい和風建築で。目と口が開きっぱなし。

 

 

 そんなこんなで暮らして早10年。

 爺さんは2年前に静かに息を引き取ってしまい、今は一人で暮らしている。

 前世は特にやりたいことがなく流されるまま過ごしていたが、今世はちょっとした趣味が出来て、普段はそればっかり聴いている。

 

 それは騒がしい教室に入っても止めることはなく、先生が来るまでずっとイヤホンを耳に挿していた。

 

 入学式が終わって教室に戻ると、オリエンテーションとやらが始まったがツマラナイ。

 周りは聞くに堪えない雑音だらけ。担任と思われる先生も何か気に入らない。

 

 オリエンテーションとやらが終わってすぐに席を立つ。

 今日はさっさと帰るとしよう。

 ここにいるだけ時間の無駄だ。

 

 家に帰っていつもの日課を済ますと、すでに夜の11時過ぎ。

 足元に散らばっている紙を踏まないように自室に戻ると、ベッドに倒れ込んで一日が終わった。

 

 

 

 目が覚めて時間を確認すれば午前7時を過ぎたところ。

 自炊は出来ないので、少し早めに出てコンビニで朝食を買い、昨日と同じようにこれから3年間通うことになるであろう時瀬高等学校の教室1-Eに向かう、

 

 授業も前世で受けたものと早々変わらず、受ける価値がないと判断して昨日は持ってこなかったワイヤレス式のイヤホンを片耳につける。

 幸いにも廊下側の席なので、注意すれば簡単には見つからないだろう。

 

 そして放課後になり、コード式のイヤホンをつけて昨日と同じように帰ろうと昇降口に向かうと、正面から目付きの鋭いイケメン男子が来た。

 どこかで見たことがあると思いつつ、少し視線を向けると向こうも気付いたのか声をかけてきた。

 

「じろじろと見てんじゃねーよ、何か用か」

 

 イヤホンで音楽を聴いていて何を言っているのか分からなかったので片耳だけ外す。

 

「ごめん、聞こえなかったからもう一度言ってもらっていい?」

「ああ? 何見てんだっつったんだよ、てめぇ」

「どこかで見たことあるなぁと思って見てただけ、気に障ったのなら謝るよ」

 

 舌打ちだけして通り過ぎていく彼を横目に、イヤホンを戻してどこで見たかを思い出そうとしたが結局思い出すことは出来なかった。

 

 翌日、放課後に掃除があったので適当に済ませて帰ろうとしたら、担任と知らない教師が昨日すれ違ったイケメン男子を無理矢理連れて行く姿を遠くに見つけた。

 まぁ、昨日の言動から何かやらかしたのかなと思う程度で、そのまま外に出る。

 

 すると少し先で3人の先輩と黒髪の男子生徒が殴り合いをしていた。

 殴り合いというか、黒髪の男子生徒が一方的に殴っていただけだけど。

 

 俺には関係ないと思い、横を通り過ぎようとしたら一人がこっちに飛ばされてきた。

 

「やべっ!」

 

 ……わざとじゃないのだろう。黒髪の男子生徒が少し慌てたような表情が見えたから、こっちは特に気にしませんよ。

 ただ、飛ばされてきた先輩の方は遠慮する必要がないかな。

 

 腹に膝蹴りをぶち込んで吹っ飛ばすと、うずくまって吐いていたよ。汚ねーな。

 

 あとは知らんとばかりにさっさと帰る。

 教師に見られていたらいろいろとやばそうだけど、そのときは圧倒していた黒髪の男子生徒も巻き添えにしてやろう。

 

 

 面倒ごとは嫌いなのだ、うん。

 

 

 

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