ここまで投稿頻度がバラバラ過ぎると、私自身嫌になります。
1年経ってやっと原作5巻……。
アニメも半分すらいっていない。
少しでも『この音』の良さを分かって頂けるよう頑張って執筆していきますのでよろしくお願いいたします。
新しい感想ありがとうございます!
いまだに読んでくださる方がいると、モチベーションに繋がります。
評価バーもいつの間にか赤……赤!?
頑張ります!!
部室に寄り付かなくなって早1ケ月。
えっ、急に時間が飛びすぎ?
しょうがないじゃん、俺にも用事というモノがあるし毎日部室に顔なんて出せないよ。
つい先日も、断れない頼み事で週末は休みなしだったから正直今日の学校もさぼろうとしたんだけど……ばっちゃんから学校に行くようにとの指令が
でも、今は新しい曲の構想でいっぱいいっぱいだから授業を受ける気にもなれないし……睡眠学習でいこう。この素晴らしい状態のときに余計な雑音を入れたくない。
「――――――く――」
…………。
「かん――――く――」
…………何?
「神崎君!」
体を起こすと、目の前に眼鏡君がいた。
なんで?
「……倉田先輩、教室間違えてますよ。ここは1年の教室です」
片耳のイヤホンを外して伸びをすると、窓の外がオレンジ色になっていた。
あぁ~、思った以上に寝すぎたみたいだな。
「間違えてないよ、君を探してたんだ。部活にも全く来なくなるし、みんな心配していたんだよ?」
「それはないでしょ、何が目的ですか?」
あのメンバーが俺を心配するとか絶対ありえない。
用事を優先するため部活に行かないで直帰していたけど、果たしてこの1ヶ月でどこまで弾けるようになったのやら……。
「……君が僕たちをどう思っているかまでは聞かないけど、急に来なくなったら皆心配ぐらいはする。それに君に伝えないとおかないといけないことがあるから」
眼鏡君がポケットから一枚の紙を取り出すと、それを渡してきた。
何々~?
「山奥にある民宿で三日間の夏休み合宿をするんだ。その紙に待ち合わせ時間とか必要な物を全部載せてあるから君にも来てほしい」
合宿って……俺行く必要なくね?
むしろ険悪な雰囲気になること間違いなしだろうに……。
「俺は大会に出ないって言っているんですが、これ行く必要性あります?」
「あるよ」
紙をひらひらして眼鏡君に問いかけると、真剣な顔してすぐに返答してきた。
「前にも言ったけど、神崎君は筝曲部の仲間だ。例え大会に出ないからって、僕たちがどんな練習をしているか君には確認する義務がある」
「変なことを言いますね、部長だからって部員に強制する権限はないと思いますが?」
「僕たちが『久遠』を弾けるようになったら、君の『久遠』を弾いてくれる約束だったはずだよ」
―――――あ~~~、そういえばそんなことも言ったような……。
でも―――――。
「弾けるようになったんですか?」
「それは……まだ…………」
「はぁ~。弾けるようになってから来てください、それと―――?」
合宿には行きません。
そう言うつもりだった言葉が紙に載っている地図を見て霧散していく。
山奥にある民宿、自然豊かな場所が貸し切りで2泊3日。
これは別にいい。
問題は、山を下りた近くに『―――――――』があるという点だ。
大会前に一度行くつもりでいた。
いつにするかは決めていなかったけど、合宿とやらの帰り道に『―――――――』に寄ることもできる。
こうなると、合宿とやらについて行った方が平行線で終わりそうにない話も終わるし、現状の眼鏡君たちの揃え具合も分かるか……。
「―――すみません、気が変わりました。どこに朝何時集合ですか?」
「えっ? ホントに?」
「1ヶ月でどこまで弾けるようになったのか、確かに聴いてみるのも一興と思いましたので」
生真面目な眼鏡君に適当な嘘をついて後々面倒になるのも避けたい。
本心ではないが、今言ったことも別段嘘ではないし一種の休日だと思えば木々に囲まれた民宿というのも悪くはない。
それで集合場所は? 学校の校門前と。
時間が朝――8時!?
え゛、そんなに早いの? 起きれるかなぁ……。
――――――――――
教室を離れた倉田は安堵から深い溜息をついていた。
なぜなら、合宿に行く条件として先生から提示されたのが
「あ、言い忘れてたけど倉田」
「はい?」
鼻唄をしながら歩いていた滝浪がふと振り返り、僕に向かって難題を落とす。
「合宿に行くのは賛成なんだが、
「?? はい勿論です」
「…………まぁ、いっか。じゃあこっちも手続き進めておくから、詳細決まり次第俺にも連絡しろよ~」
そう言うと、滝浪は今度こそ職員室を出て行った。
あの時、筝曲部が全員行くのは当たり前のことだと思いながら合宿の準備と練習をしていたんだ。
そして、滝浪先生に詳細を伝える為もう一度職員室に向かって気付いた。僕が部長として、部員のことを全く見ていないことに。
「先生、合宿の日取りと場所が決まりましたので連絡に来ました」
「お~、そうか」
滝浪先生が机の上にあった紙を適当に裏返して、そこに僕からの連絡事項をメモしていく。
「ん~、これぐらい決まっているなら大丈夫そうか」
「それなら―――」
「しっかし、お前よくあの問題児を説得できたな~?」
「問題児……ですか?」
久遠君はわりと乗り気だったような気がするけど。
「お前らと大会に出ないって、部室に行っても練習をしていないだろう? そんな浮いている神崎を説得するのは一筋縄ではいかなかっただろうに」
神崎……君? そうだ、そうだよ!
合宿の話が出てくる前から部室に来なくなった彼のことをすっかり忘れてた。
「――あぁ、やっぱりな。あいつが簡単に合宿に行くっていうのもおかしな話だと思った」
滝浪先生が僕の表情から読み取ったのか、紙を机の引き出しに仕舞う。
「全員参加の許可を得ていないんだったらこの合宿の話はナシだ。今回は運がなかったと思って諦めるんだな」
席を立って職員室から出ていこうとする滝浪先生を止める。
「待ってください、必ず神崎君に許可をもらってきます!」
「いや、もらってきますってお前ね」
滝浪先生がため息をつきながら説明する。
「夏休みまでもう2週間を切ってるんだぞ? 学校に合宿申請を提出するのも、直前で出して通ると思うか?」
「今週中、金曜日までには必ず。お願いします!」
頭を下げる僕に、滝浪先生が再びため息を吐く。
「……分かった、取り敢えず保留にしておく。ただ倉田、部長のお前が部室に来ないとはいえ、正式な部員の神崎を忘れていた。
滝浪先生の今までにない言い回しに違和感を覚えるが、取り敢えず合宿の中止という最悪の状況は免れた。
あとは、神崎君に合宿の参加を認めてもらうように何とか説得しないと。
職員室を急いで出た後、その足で1年生の教室に向かったが神崎君は諸事情によって休み。
その後も毎日1年生の教室に通っていたけど、今日まで神崎君が登校してくることはなく焦りだけが募り気が気でない日々が続いたが―――。
「良かった、神崎君も参加してもらえて」
筝曲部のみんなに神崎君のことを伝えたとき、来栖さんは少し嫌な顔をしてたけどそれでも神崎君は絶対に連れて行くって他の皆に説得していた。
『ムカつくし生意気だけど、後輩のあいつだけ除け者なんて絶対に許さない』
以前姫坂との合同練習の帰りに滝浪先生に言われた。
部長である僕は、まず周りを引っ張っていかなきゃいけない。全国を目指そうってみんなに言い始めたのは他ならないこの僕自身だ。
「滝浪先生の言う通り、部長失格じゃないか」
思うところはある、それでもみんなが集まるせっかくのチャンス。
何としてでも今回の合宿で僕たちの弾く『久遠』を神崎君に認めてもらう。
話はそれからだ。