地球防衛軍:カルデア   作:エヴァンズ

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ストーム
「俺はお前らの為にこれだけやったんだからこの程度の宝具の存在は認めろ。あと魔力もバックアップしろ」

抑止力
「おかのした」

というのがストーム1です。


グランド・オーダー…それは未来を取り戻す戦い

「ええと…ストームさん改めて藤丸立香の召喚に応じて頂きありがとうございます…!」

 

 

「どうしたんだ、ロマンその口調…?」

 

 

「いやまさか貴方が《星の開拓者》だったとは…」

 

 

「ロマニ私も星の開拓者なんだけど?」

 

 

「え?何、星の開拓者ってそんな凄いの?」

 

 

やっと正気に戻った2人と会話をするストームはロマンの突然の口調の変わり様に気味悪がってダ・ヴィンチが思わずツッコミを入れる。

 

 

 

「ていうか君の宝具ってまさか《アラヤ》と《ガイア》の公認なの?」

 

 

「アラヤ?ガイア?何だそれ??」

 

 

「…え?ご存知無いんですか?」

 

 

「あとロマン、その口調やめろ。俺は王様でも神様でもない。ただの兵士だ」

 

 

「「ただの…兵…士……?」」

 

 

 

何だその表情は?お前ら揃いも揃って人を怪物呼ばわりしやがって…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……アラヤとガイア……まさか俺をここに送ったのもそいつらなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《新人ってのは君かい?》

 

 

 

……夢を見た…

 

 

 

《応答しろ!どうなってるんだ!?》

 

 

《喰われた…ジョージが喰われた!!》

 

 

《気にしなくていいよ…軍人ってのはこういう悪ふざけが大好きなんだ》

 

 

 

 

 

…彼はただの民間人だった…

 

 

 

 

《非常事態発生!非常事態発生!これは訓練ではない!繰り返す、これは訓練ではない!!》

 

 

 

《この扉の向こうが…!?うわぁぁぁあ!!》

 

 

 

 

 

 

《撃て!撃て!!》

 

《死ね怪物!!》

 

 

恐怖にすくみ動けない自分を助けてくれた軍人達がいた。

 

 

 

《民間人を守るのが軍人の務め、守ってやる…と言いたいが…敵の正体が分からない以上約束は出来ない

 

いざというときは…この武器で自分の身を守れ》

 

 

彼らは戦い方を教えてくれた……

 

 

《民間人、遅れるなよ。生き延びたければ俺から離れるな!!》

 

《非常事態だ!民間人も働いてくれよな?》

 

《戦えないやつは、やつらの餌にしちまうぞ!》

 

《そう言うな!出来るだけ俺たちが守る!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は彼らに導かれて穴蔵から外に出た…だがそこで待っていたのは…

 

 

《おいっ! 空を見てみろ!》

 

《こんなこと、信じられるか……?》

 

《円盤みたいなのが飛んでるぞ……》

 

《空飛ぶ円盤!? そんな馬鹿な!?》

 

 

《クソ!地下の方がマシだった!穴から出るんじゃなかった!!》

 

 

 

 

 

 

《敵が多すぎる!民間人を逃がせ!!》

 

《ならコイツも…他の民間人はどうした!?》

 

《既に避難した筈ですが……どうなったかは分かりません》

 

 

《護衛についていた伍長とは連絡が取れません…!》

 

 

 

《クソ!…この状況ではお前1人を逃がすのは無理だ!悪いがここで一緒に戦って貰うぞ!!》

 

 

 

俺達はここで奮戦した…一時は敵を殲滅したが絶えることなく次々と襲い掛かってくる巨大生物達…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《敵の数が多すぎる!この基地はもうダメだ!!》

 

 

《基地を放棄する!直ちに撤退せよ!!》

 

 

《畜生!せめてコンバットフレームも…!》

 

 

《起動している時間はない!タンクに乗れ!置いて行かれるぞ!?》

 

 

《逃げるぞ!民間人、ついて来い!安全な場所まで連れて行ってやる!!》

 

 

 

自分と軍曹達は僅かな生き残りの兵士達とタンクに飛び乗って何とか街まで命からがら逃げ延びたが…

 

 

 

 

 

 

 

 

《怪物を攻撃しろ! 被害の拡大を防げ!》

 

 

《おいおい、ここもか!?戦争が始まったってのか!?》

 

 

《やつら、街を攻撃してる!》

 

 

《ここには民間人しかいないんだぞ!?攻撃するなんて許されない!!》

 

 

《軍曹?無事だったか!?ちょうどいい!ベース228の件は別方面に撤退した生き残りから聞いた!その直後で申し訳ないが協力してくれ!事態は一刻を争う…被害者を1人でも減らしたい…!!》

 

 

《了解。直ちに戦闘に参加する!》

 

《ちくしょう!休む間もない!!》

 

《安全な場所ってのはどこにあるんだ!》

 

《我々が戦うしかない!市民を守れ!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《情報が欲しい。我々は何と戦っている!?》

 

《敵性勢力だ》

 

《その敵性勢力とは何か!?》

 

《現時点では…ん!?軍曹、まずいぞ!》

 

 

 

 

 

 

《あれはなんだ!?》

 

 

《街みたいにでかいぞ!?》

 

 

 

空が見えなくなる程の巨大な宇宙船…そして無数の円盤

 

…非現実的な光景だが認めざる得なかった…

 

 

 

 

 

 

《これはテロじゃない!侵略だぁぁぁぁあ!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし、キミはずいぶん良い子でちゅねー。何か食べる?木の実?それとも魚?んー、ネコなのかリスなのかイマイチ不明だね。でもいっか、可愛いから!」

 

 

 

「フォーウ・・・ンキュ、キュウぅ・・・」

 

 

 

―――目を開けると、そこには見知らぬ女性とフォウ君の姿が……あれ?今の夢は一体……?

 

 

 

「ん?おっと、本命の目が覚めたね?よしよし、それでこそ主人公というヤツだ。おはよう、こんにちは、立香君。意識はしっかりしているかい?」

 

 

 

女性は私が目を覚ましたのを確認してこちらを覗き込んで様子を伺う。

 

 

 

「ここは…それに貴女は…?」

 

 

 

「んー…まだ思考能力が戻ってないのか。こうして直接話をするのは初めてだね。なに?目を覚ましたら絶世の美女がいて驚いた?わかるわかる。でも慣れて?…あれこれさっきも同じやり取りしたな。相手は君じゃないけど?」

 

 

 

 

 

「私はダ・ヴィンチちゃん。カルデアの協力者だ。というか召喚英霊第三号、みたいな?」

 

 

ダ・ヴィンチ…?…召喚英霊…あれ!?

 

 

 

「とにかく話は後。キミを待っている人がいるんだから、管制室に行きなさい」

 

 

 

ここで頭がクリアになったのか興奮した状態で目の前の女性に問いただす。

 

 

「…あ!?マシュは!?リリィやストームは!?皆は無事ですか!?オルガマリー所長は!?」

 

 

矢継ぎ早に質問する私を目の前の女性が優しく肩に手を添えて落ち着いてと話す。

 

 

「取り敢えず直ぐに管制室に行きなさい!主人公なら口より先に行動だよ?」

 

 

「フォウ、フォウ!」

 

 

 

フォウ君も早く!早く!と催促するように声を上げる。

 

 

「ほら、この子だってそう言ってる。いいかげん立ち上がる時だよ立香君。ここからはキミが中心になる物語だ。キミの判断が我々を救うだろう。人類を救いながら歴史に残らなかった数多無数の勇者たちと同じように。英雄ではなく、ただの人間として星の行く末を定める戦いが、キミに与えられた役割だ」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ダ・ヴィンチの言葉に押され、部屋を出て管制室に向かうとそこには恐らくこのカルデアに生き残っている全職員達…といっても20人弱しかいないがこちらを見ると皆安堵の表情を浮かべて笑顔で出迎えてくれた。

 

 

そして管制室の中央にはロマンと…

 

 

 

 

「おはようございます先輩。ご無事で何よりです」

 

 

「マスター!お目覚めですか?」

 

 

 

「よう、よく眠れたか?」

 

 

マシュとリリィそれにストームが私を出迎えた。

 

 

 

 

「マシュにまた助けられちゃったね?」

 

 

「いいえ、お礼を言うのはわたしの方です。先輩がいてくれたので意識を保っていられました。先輩が手を握ってくれたおかげです。二度ある事は三度あるという格言を信じたい気持ちです。」

 

立香がお礼を言うと、マシュはニッコリと笑いながらこちらこそと声を掛けた。

 

 

 

「リリィ、ストーム。改めてこんな未熟なマスターに力を貸してくれてありがとう」

 

 

 

「そんな!未熟と言うのは私も一緒ですよ、私もまだまだ半人前ですから…」

 

 

「ああ…正直これからが大変なんだぞ?」

 

 

「これから…?」

 

 

「冬木で聖杯を確保したのに何で俺とリリィがまだここに残ってると思う?」

 

 

 

リリィは笑って立香に全く気にしてませんと声を掛けるがストームの顔は少し険しそうだった…。

 

 

…いや、それは周りも同じ表情を浮かべている。

 

 

先ずはロマンが口を開いた。

 

 

 

「さて…再会を喜ぶのは結構だけど、今はこっちにも注目してくれないかな。まずは生還おめでとう藤丸立香君。そしてミッション達成、お疲れさま。

なし崩し的にすべてを押し付けてしまったけど、君は勇敢にも事態に挑み、乗り越えてくれた。

その事に心からの尊敬と感謝を送るよ。君のおかげでマシュとカルデアは救われた。所長は…ストームから説明がある」

 

 

そうだ…オルガマリー所長は?ストームが何とかすると言っていたが…!?

 

 

するとストームがヘッドギアからスピーカーを最大音量にしてストームは左腕に装着されている通信機に話し掛ける

 

 

 

「本部、聞こえるか?」

 

 

《こちら本部、感度良好》

 

 

「オルガマリー所長は?」

 

 

《ああ、今ストーム2と繋ぐ》

 

 

 

ん?今の声は誰だろう?でも無事なん…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《いやぁぁあ!?誰か助けてぇぇえ!?》

 

 

《うわ、やめろ!?ライトニング・ボウを撃ちながらこっち来んなぁぁあ!!》

 

 

《これどうやって止めるのぉお!?》

 

 

《リロードだ!リロードボタン!!》

 

 

《リロードってどうやるのぉ!?》

 

 

《落ち着け!武器を一旦切り替えても止まるぞ!!》

 

 

《どうやって!?この球体何!?》

 

 

《それはスターバーストって言う…!》

 

 

《軍曹!増援です!赤色が来ます!!》

 

 

《いやぁぁあ!?蟻が来るぅぅ!?酸で溶かされるぅぅう!咥えられちゃうううう!!》

 

 

《大丈夫だ!あのタイプは酸を吐かないから距離を取って…!?》

 

 

《おいぃぃ!?説明するより先に投げんじゃねぇぇ!!》

 

 

《おわぁあ!?よせ!こんな至近距離で…!!》

 

 

《くそぉお!ストーム4の奴飛び方だけ教えてあとは実戦で覚させると高みの見ぶ…!!》

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()》》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……な?元気だろ?」

 

 

ストームが何事も無いように笑顔を浮かべて右手で親指を立てながら言い切った。

 

 

「イヤイヤイヤ!?何が起きてるの!?それの何処が無事なの!?」

 

 

立香が思わずストームの両肩を掴んで問いただす…その際ロマンが気を付けて…!と小声で言ったのをストームは聞いていたがそれがどういう意味か聞く前に目の前のマスターの誤解を解こうと

 

 

 

「いや、《奴ら》と戦って命があるだけまだ大丈夫さ」

 

 

「奴らって…ストーム、所長を一体何処へ…」

 

 

「…あとで他の職員を含めて全員に詳しく説明する。それより今はもっと大切な話がある」

 

 

ストームはそれだけ言ってロマンを指差す。

 

 

指を指されたロマンはゴホン!と1つ咳払いをして真面目な表情を浮かべた。それに立香もストームから手を離して思わず背筋を伸ばす。

 

 

 

「マシュ達から報告を聞いたよ。聖杯と呼ばれた水晶体とレフの言動。カルデアスの状況から見ると、レフの言動は真実だ。外部との連絡は取れない。カルデアから外に出たスタッフも戻って来ない……恐らく人類は滅びている。」

 

 

この報告に脳裏に外の世界にいた友人達や…両親の顔が浮かんだ…皆…死んじゃったの…?

だがそれは周りのスタッフ達も一緒で皆表情に影を落としていた。

 

 

 

「このカルデアだけが通常の時間軸に無い状態だ。崩壊直前の歴史に踏みとどまっている・・・というのかな。宇宙空間に浮かんだコロニーと思えばいい。外の世界は死の世界だ。この状況を打破するまではね」

 

 

 

状況を打破…?人類はもう滅びたんじゃ…?

 

 

「打破…出来るんですか?」

 

 

私の僅かな希望も含めた疑問にロマンは力強く頷いた。

 

 

「もちろん。まずはこれを見てほしい。復興させたシバで地球の状態をスキャンしてみた。未来じゃなくて過去の地球のね。冬木の特異点は君たちのおかげで消滅した。なのに未来が変わらないという事は、他にも原因があるとボクらは仮定したんだ。その結果が―――」

 

 

と《地球環境モデル・カルデアス》で現れた過去の地球は通常の地球とは全く異なる、混沌とした姿をしていた。

 

 

「この狂った世界地図、新たに発見された、冬木とは比べものにならない時空の乱れだ。よく過去を変えれば未来が変わる、というけど、ちょっとやそっとの過去改竄じゃ未来は変革できない。

歴史には修復力というものがあってね。たしかに人間のひとりやふたりを救う事はできても、その時代が迎える結末―――決定的な結果だけは変わらないようになっている。

 

でもこれらの特異点は違う。これは人類のターニングポイント。

 

《この戦争が終わらなかったら》

 

《この航海が成功しなかったら》

 

《この発明が間違っていたら》

 

《この国が独立できなかったら》

 

そういった、現在の人類を決定づけた究極の選択点だ。それが崩されるという事は、人類史の土台が崩れる事に等しい。この七つの特異点はまさにそれだ。この特異点が出来た時点で未来は決定してしまった。レフの言う通り、人類に2017年はやってこない―――けど、ボクらだけは違う。カルデアはまだその未来に到達していないからね。

分かるかい?ボクらだけがこの間違いを修復できる。今こうして崩れている特異点を元に戻す機会がある」

 

 

心臓の鼓動が早くなってきた…

 

 

 

「結論を言おう。この七つの特異点にレイシフトし、歴史を正しいカタチに戻す。それが人類を救う唯一の手段だ」

 

 

周りが皆私を見ている…

 

 

 

「けれどボクらにはあまりにも力がない。マスター適性者は君を除いて凍結。所持するサーヴァントはマシュとリリィそしてストームの3騎だけだ。

 

……この状況で君に話すのは強制に近いと理解している。それでもボクはこう言うしかない」

 

 

 

ロマンが真剣な眼差しで私を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター適性者48番、藤丸立香。

 

君が人類を救いたいのなら。2016年から先の未来を取り戻したいのなら。

 

君はこれからたった一人で、この七つの人類史と戦わなくてはいけない。

 

その覚悟はあるか?君にカルデアの、人類の未来を背負う力はあるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…私は…私…は……!

 

 

呼吸が早くなり言葉が詰まる…上手く声が出せない…でもやるしかないんだ!…私しかいないんだよね…?…ならやるしかないじゃないか?…やると言わなきゃ…!…ねえ…どうしたの私…!?どうして言葉が出ないの……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ロマン。お前のその言葉には間違いがあるぞ」

 

 

この空気の中で突然ストームが声を上げた。彼の言葉にロマンは戸惑いの表情を浮かべるがお構い無しで

 

 

「彼女は1人じゃないだろ?」

 

 

ストームがそう言うとリリィが立香の左側に立って立香の左手を優しく握る

 

 

「マスター、私はあなたの剣となります。貴女の旅路を邪魔する者は私が斬り伏せます」

 

 

「リリィ…」

 

 

そして右側にはマシュが立ち右手を優しく握る。

 

 

「先輩…私は貴女の盾です。先輩を傷付けようとする人達から必ず先輩を守り通してみせます!!」

 

 

「マシュ…」

 

 

その光景を見ながらストームはフッと笑って

 

 

 

 

 

「…な?1人じゃないだろ??」

 

 

 

――――――それはロマンに向けて言った言葉か?はたまた立香に向かって言ったのか?

 

 

 

 

…しかしその言葉で立香の決意は…固まった。

 

 

 

「……勿論です。私はやります」

 

 

 

 

真っ直ぐな目をして告げられる彼女の言葉…その発せられた声には震えが含まれていた…

 

 

 

 

 

「……ありがとう。その言葉で僕達の運命は決定した。」

 

 

 

 

 

ロマンは立香と握手を交わした。当然彼女の声の震えにも気付いていた為に決断してくれた事への喜びよりも、どこか罪悪感に包まれている目をしていた。

彼だけではない。今この場はいる…生き残っている職員全員がロマンと同じ心情だった。

 

 

 

 

 

 

「―――これよりカルデアは現状不在である現所長オルガマリー・アニムスフィアが予定した通り、人理継続の尊命を全うする。

 

目的は人類史の保護、および奪還。探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物・聖杯。

 

我々が戦うべき相手は歴史そのものだ。君の前に立ちはだかるのは多くの英霊、伝説になる。それは挑戦であると同時に、過去に弓を引く冒涜だ。我々は人類を守るために人類史に立ち向かうのだから。けれど生き残るにはそれしかない。いや、未来を取り戻すにはこれしかない…たとえどのような結末がまっていようとも、だ」

 

 

周りの者達は皆ロマンの言葉に息を呑んだ…いよいよ始まる…人類の明日を…未来を取り戻す…長く困難で険しい旅が…

 

 

 

「以上の決意をもって、作戦名はファーストオーダーから改める。

 

これはカルデア最後にして原初の使命。

 

人理守護指定・G(グランド)O(オーダー)

 

魔術世界における最高位の使命を以て、我々は未来を取り戻す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後

 

 

立香達には休息を命じられて各自が自室にて休息を取るようにロマンから言い渡された。

 

 

立香はベッドに横たわっていたが眠れなかった。

 

 

リリィとストームに関してはカルデアの空き部屋があてがわれる事となった…その部屋は本来はカルデアスタッフやマスター候補の者だが…そのスタッフの大半はもうこの世におらずマスター候補は立香以外は瀕死で冷凍保存された。

 

 

 

「…未来を…取り戻す…か」

 

 

…立香はいまいち実感が沸いて来なかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン…

 

 

 

 

「…誰だろう?こんな遅くに…はーい?」

 

 

 

立香は起き上がり扉の前に立つ。

 

 

 

「…ストームだ。夜這いに来た」

 

 

「……令呪を持って命ずる…自が」

 

 

「うそうそ!やめろ!?何か嫌な予感がしたぞ!?」

 

 

 

 

そういうのはランサーだけで良いんだよ!!

 

 

 

 

…ん?何かおかしな事言ったか?

 

 

 

 

 

「まあ、ちょっと話がしたくてさ。別にもう休むなりマシュが良いとかなら退散するが」

 

 

「…ううん私も貴方と話がしたかったから。今開けるね」

 

 

「?…そうか、じゃあお邪魔するぞ」

 

 

 

扉を開けると…ストームはヘッドギアやアーマーを脱いで迷彩服だけを着ていた。そして両手にマグカップを持っていた。

 

 

 

「まあ、座れ、ココアいる?」

 

 

「え?あ、うん。」

 

 

ストームに言われるがままにマイ・ルームの椅子に座って差し出されたマグカップを受け取りソッと口をつける…暖かく甘いココアが体に染みる…

 

 

 

 

 

「ふー…コーヒーは飲めるか分からなかったから万人受けしそうなココアにしといたが…」

 

 

「…うん、ありがとう…」

 

 

 

 

 

 

…ストームの解析データをロマンから見せて貰った…

 

 

 

 

《彼の能力はグランドクラスのサーヴァントに匹敵する…こんな能力の高さは…彼は一体どれだけの偉業を成し遂げたのか…ああデータを見るだけでまた目眩がしてきた……》

 

 

 

 

…私にはサーヴァントの事はよく分からない、ましてや彼は未来から来たサーヴァントだ。生前の偉業も全てが謎だ。しかしその能力は桁違いだった…彼の宝具も含めて…特に彼のスキル…《星の守護者》

 

 

 

ドクター曰くこれは《抑止力》その物だと…例え神霊であろうとこの様な能力は持ってないと…

 

 

…まるで《抑止力》が英霊その物になった様だと…

 

 

 

「…ストームってアーチャーのクラスとしては上位クラスなの?」

 

 

私がポツリとそんな疑問を投げ掛けるとストームはんな訳あるかと否定して

 

 

「俺より凄いアーチャーなんて神話に沢山いるだろ?例えばギリシャ神話のオリオンとかペルシャの大英雄アーラシュとか…」

 

 

「…オリオンは何となく分かるけどアーラシュって?」

 

 

「え?そりゃお前、救世の勇者アーラシュ…知らないのか?」

 

 

「えっと…ごめんね、神話にはあまり詳しくなくて…」

 

 

私が謝るとストームは気にするなと笑って

 

 

 

「まあ、俺も軍人になるまでは知らなかったさ…でも西アジアでは今でも弓兵と言ったら?と聞いたらアーラシュって回答が殆どだ」

 

 

「そんなに凄い英雄なんだ……」

 

 

「そりゃ人や、怪物を射抜き英雄になった奴は大勢いるけど、《戦争を射抜いた》英雄なんて彼だけさ…

 

 

 

俺は人より怪物をちょっと大勢殺しただけに過ぎない」

 

 

 

 

 

 

ストームはそう言ってマグカップをテーブルに置いた。

 

 

「それで…気分はどうだ?」

 

 

「…と言うと?」

 

 

ストームは私をジッと見詰めてきた。

 

 

「人類最後のマスターになった気分は?」

 

 

「……未だに実感が湧かない…分からないんだ」

 

 

「だろうな、明確に答えられたら逆に怖いぞ…俺のデータは見たのか?」

 

 

「…ええ、バッチリと…ドクターもマシュも…皆が唖然としてたよ」

 

 

 

ストームはこちらに近付いてくる…

 

 

 

「…現状戦力は戦えないお前を抜いたらマシュ、リリィに俺と宝具の兵士達…後でサーヴァントを召喚をするにしてもこれで《歴史》と戦わなきゃならないとはねぇ…」

 

 

「…貴方一人でも出来そうな気がするけど?」

 

 

「おいおい、無茶言うなよ?」

 

 

「《星の守護者》である貴方が不可能と言えるの?」

 

 

 

その言葉にストームがピクリと反応した。そのまま私の目の前までやって来て腰を下ろして私と目線を合わせた…研ぎ澄まされた兵士の眼で私を見詰めてきた。

 

 

 

「…俺にそんな大層な称号は要らん俺はただの兵士だった。仲間も家族も帰る家も失いそれでも戦うと決めて、武器を取って死ぬまで戦った兵士だ」

 

 

「…でもその始まりはただの一般人だった」

 

 

「そうだ…そこら辺はお前は俺に似てるな?」

 

 

 

ストームはそこからニヤッと笑って私の頭に手を置いた。

 

 

「それで…どうしたいんだ?」

 

 

「勿論カルデアの…人類の未来の為に」

 

 

「違う、お前の望みだ」

 

 

「何が…」

 

 

 

 

 

「両親に会いたいか?」

 

 

 

 

………そんな我が儘許されるわけが…

 

 

 

「人類を救うってのは言わば学校のテストに過ぎん。テストが終わったら何をしたい?」

 

 

「…また随分大きなテストの課題だね…」

 

 

「お前のやろうとしてる人理修復の旅はカルデアの理念に過ぎん。理念ではやがて旅にも限界が来る」

 

 

 

そして私の両頬に手を添えて

 

 

 

 

「…《欲望》が道を切り開くんだ。人の持つ欲望がな」

 

 

「…何か悪役みたいだね…?」

 

 

「欲望の何が悪い?例えば好きな食べ物を食べたい、ゲームがしたい、休みたい、アーマーをもっと集めたい、AF-100を早く使いたい、礼賛Zを早く使いたい」

 

 

「…後半はよく分かんないけど…そっか…そうだよね」

 

 

「んで?お前の欲望は?」

 

 

 

 

 

……私は………

 

 

 

「遠慮することないぞ?マシュや他の連中には黙っといてやる」

 

 

 

 

 

…私は……

 

 

 

「そもそも俺はお前のサーヴァントだ。鬱憤や不安も八つ当たりも全部好きなだけ吐き出せばいいだろ?」

 

 

 

 

…私は…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…家に帰りたいよぉ…!!」

 

 

 

…もう我慢が出来なかった…両目から流れる涙を止められなかった……ストームはそんな私を優しく抱きしめて頭を撫でてくれた…

 

 

そして感情が爆発した。

 

 

「何よグランド・オーダーって…!…人類史を取り戻す…!?…何で私なの!?何でよ!?たまたま生き残ったから…!?何で…!…そんなものより私は…!父さんと母さんに会いたい…!!

 

自分が傷付くのも怖いし他人が傷付くのも見たくない…!マシュも…リリィも……

 

 

…そして…貴方を人と戦わせたくない…!!」

 

 

 

「…お前ひょっとしてサーヴァントの記憶…」

 

 

 

 

「…貴方は《異星人》から地球を守り抜いた英雄…人類と戦った事がない貴方にとって本来は人を撃つなどあってはならないでしょう?」

 

 

…私を包んでくれている《星の守護者》は人類を守るために戦った…そんな大英雄を人類を救うためとは言え…人に向かって引き金を引けなんて…そんなことは…

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし私から腕を解き目を合わせたストームは…深い目をしていた。

 

 

 

「だがそれがお前の《欲望》だろ?」

 

 

「…………」

 

 

「マスター…いや藤丸立香、俺はサーヴァントだ。もう終わった存在であり本来は歴史に埋もれるだけの男だ…いやこの世界では存在すらも怪しいがな?」

 

 

「そんな事は…!」

 

 

「だから遠慮することはない…それに人類を救う行為は俺に取っては…そのためなら覚悟はある…ほらシャキッとしろ!

 

…指揮官の不安は部下にも直ぐに伝染するぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

…ああ…そうか…私は君達の司令官になるのか…私の欲望は…家に帰ること…その為にやるべき事は人理修復…そしてその為には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おーい?マスター?」

 

 

 

 

…おっと?少しボーッとしていた

 

 

 

 

 

「…分かったよ…ストーム、マスターとしての命令を聞いてくれ」

 

 

 

 

「お、記念すべき第1号令は…あれ?何か口調」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(人類)を守れ」

 

 

 

…ストームの顔付きが変わったが…私は構わず話を続ける。

 

 

 

人類(地球)を守るために大地に倒れるその瞬間まで勇猛果敢に戦った伝説の兵士達よ…私は貴方達が命を懸けて守り抜いた未来を踏みにじられる事が許せない」

 

 

 

…私はストームの頭を胸に抱き寄せる…

 

 

 

「だが私は弱い。人類を救うどころか自分の身を守れるかすらも怪しい。私は戦うことが出来ない」

 

 

 

そしてストームの顔を上げさせ目線を合わせる…

 

 

 

「だから《君達》が戦ってくれ。その為に私を使え、私に宿る魔力はその為に存在する。貴方達の絶望的な状況に屈しなかったその誇り高き精神と強さを示す為に…

 

 

 

だが忘れるな?君達の死は(人類)の死だ

 

 

 

私は人類最後のマスターとして死ぬことは許されない

 

 

 

だから…くれぐれも(人類)を死なせないようにな?」

 

 

 

 

 

 

…その時の私はどんな顔をしてたんだろう?でも笑っていたのは確かだと思う…。

 

 

 

 

「…大きく出たなマスター?」

 

 

「出来ないの?」

 

 

軽く挑発するとストームは私から離れて立ち上がった。

 

 

「…バカ言うな…了解した、司令官殿」

 

 

「頼りにしてるよ私のアーチャー…」

 

 

私がそう言うと照れたように頬を掻いて自分のマグカップを持った。

 

 

「…さーて夜も深いからそろそろ寝ろ、明日から忙しくなるぞ?」

 

 

「一緒に寝る?」

 

 

「10年早い、しかもお前もう17だろ?」

 

 

「そうだけど?」

 

 

「…寝ろ」

 

 

「…ふふ、分かったよ。あと私の事は立香と呼んで?」

 

 

「マスター呼ばわりは嫌か?」

 

 

「呼べ」

 

 

「……分かったよ、立香…お休み」

 

 

 

そう言ってストームは部屋から出ていった…今夜も貴方の(戦争)を見られるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あー怖かった…心に溜まってる不安や愚痴を聞くだけだと思って行ってみたらまさかこんな事になるとは…!」

 

 

 

 

ストームは静かに胸を撫で下ろして廊下に座り込んだ。

 

 

 

 

 




一応カルデアの生き残りに関してはアニメとか色々な資料で調べて24人までは確認できました。


アーラシュのステラってネタにされてるけどあれの由来はグランドサーヴァントの宝具に値すると思うんだけどなぁ…

「自らの死と引き換えに放ったその一撃はペルシャとトゥランの国境を創り戦争を終わらせ両国の人々に平和をもたらした…か…」











《ご苦労だったなストーム2》


《クソ…グリムがお前らを嫌ってる理由が分かったぜ…!》


《ぐ…軍曹…大丈夫ですか?》


《ああ…これは…全く…そもそも飛行経験すらない彼女を突然実戦投入なんて…》


《ストーム1はいきなり実戦でも完璧に戦えたと聞くが?》


《レンジャーならともかくウィングダイバーは…!》


《だが筋は悪くないだろ?…ん?オルガマリーは?》


《緊急回避した時に頭から電柱に激突して気絶した。

今キャリバンの中で休んでるよ》


《…そうか、では次はレイピアを…》


《おいやめろ!?アイツにレイピア持たせたらどうなるか…!!》











《ストーム1》


《おう、オメガ、うちのマスターの声は聞いてたろ?》


《…お前のマスター…凄まじいな色んな意味で》


《いやいや…あれは俺も驚いたよ…》


《…彼女のとんでもない素質を呼び覚ましたんじゃないか?》


《さあな?あれが本来の彼女かもしれないし…いや正直やってしまったとは思ってはいる》



《…下手すりゃ科学者よりも怖いな…彼女の存在は…》



《…まあ、そう言うな。だが最高司令官としては素晴らしい…さて命令は聞いていたな?》


《レンジャー、スカウト、ウィングダイバー、フェンサー、そして我がオメガ…他の部隊も皆聞いていたよ》


《…マスターを信じるか?》


《いいや?》

《おい!?》


《…我々はマスターを信じるお前を信じるだけさ


あ、そういえばポーターズがそろそろ痺れを切らして…》



《アーアーツウシンボウガイダー(∩゚д゚)》








《どっちにしても逃げられないぞ?


そういえば俺に考えがあるんだ…そのカルデアであてがわれたお前の部屋だけどな?扉をこっちの宝具と繋げて……》


《…ほーう?それで?…》



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